2019年08月
2019年08月31日
テクノロジーが人の認知機能を拡張する
東京大学大学院情報学環 ヒューマンオーグメンテーション学(ソニー寄付講座)セミナー「認知能力の拡張」
という案内が来ました。
ヒューマンオーグメンテーションは、人間とテクノロジーを一体化させて人間の能力拡張を行うことを意味します。
具体的には、知覚の拡張、身体能力の拡張、認知能力の拡張、存在の拡張など幅広い能力拡張を目指し、それぞれに関わるAR・VR、ロボティクス、人工知能やヒューマンインターフェースといった分野を研究していきます。
ヒューマンオーグメンテーションの考え方ではこうした学問分野を能力拡張のための技術として捉え直し、IoA(Internet of Abilities・能力のインターネット)を中心に据えた社会構築を目指していきます。
このシンポジウムには、これまでも
「自分の身体」という暗黙の周囲、世界を評価する基準が変化すると、どうなる?
「理屈じゃなくて、身体で覚えろ」では、「局所最適」止まり、緊張すると失敗するのはフィードバックが機能しないから?
人間とAI(人工知能)の協調で創造性が進化する
に参加しています。
視力がよくない人も、眼鏡という技術により、日常生活に対応できる視力を得ることができます。
さらに、望遠鏡、顕微鏡という技術を利用することにより、通常では見えないものを見ることが可能になります。
このように考えると、テクノロジーにより、人の認知機能は拡張する、と言えます。
一方で、PCの漢字変換機能により、漢字が書けなくなった、PC、電卓により、計算能力が落ちた、など、
テクノロジーを利用しない時の人の能力については低下しているものも見られます。
さて、通常の生活では、望遠鏡、顕微鏡による視力は必要ないので、必要な場合のみ、利用することになります。
「認知」という観点では、肉眼、眼鏡で見たものだけでなく、望遠鏡、顕微鏡を利用して見たものも、「認知」した、と言えます。
VRは仮想現実から実質現実へ、開発だけでなく、実装段階へ
に
>
脳は現実に起きたことと、VR(仮想現実)により、再現されたことを区別しない。それゆえ、仮想現実ではなく、現実の一部を形成している。
コンピューターは人間のツール、道具ではなく、既に、拡張された人間の機能の一部となっています。
そして、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)で体験したこと、と、実際の生活で体験したことの「境界」はあいまいになり、すでに、その区別はつかなくなりつつ、あります。
人間の脳は、目、耳、鼻、皮膚などの知覚センサーが捉えた情報を、これまで自分が蓄えた情報と整合を取ろうとします。つまり、辻褄を合わせようとします。
この、脳の辻褄を合わせようとする働きにより、コンピューター技術は、相当の省略が可能になり、現時点のコンピューター技術でも十分に対応が可能になります。
これまでは、VRは視覚、聴覚が中心でしたが、触覚、嗅覚、味覚なども、超音波などを利用して再現できるようになりつつあります。
>
と書きました。
今後の、人の認知能力とテクノロジーとの進展が楽しみです。
という案内が来ました。
ヒューマンオーグメンテーションは、人間とテクノロジーを一体化させて人間の能力拡張を行うことを意味します。
具体的には、知覚の拡張、身体能力の拡張、認知能力の拡張、存在の拡張など幅広い能力拡張を目指し、それぞれに関わるAR・VR、ロボティクス、人工知能やヒューマンインターフェースといった分野を研究していきます。
ヒューマンオーグメンテーションの考え方ではこうした学問分野を能力拡張のための技術として捉え直し、IoA(Internet of Abilities・能力のインターネット)を中心に据えた社会構築を目指していきます。
このシンポジウムには、これまでも
「自分の身体」という暗黙の周囲、世界を評価する基準が変化すると、どうなる?
「理屈じゃなくて、身体で覚えろ」では、「局所最適」止まり、緊張すると失敗するのはフィードバックが機能しないから?
人間とAI(人工知能)の協調で創造性が進化する
に参加しています。
視力がよくない人も、眼鏡という技術により、日常生活に対応できる視力を得ることができます。
さらに、望遠鏡、顕微鏡という技術を利用することにより、通常では見えないものを見ることが可能になります。
このように考えると、テクノロジーにより、人の認知機能は拡張する、と言えます。
一方で、PCの漢字変換機能により、漢字が書けなくなった、PC、電卓により、計算能力が落ちた、など、
テクノロジーを利用しない時の人の能力については低下しているものも見られます。
さて、通常の生活では、望遠鏡、顕微鏡による視力は必要ないので、必要な場合のみ、利用することになります。
「認知」という観点では、肉眼、眼鏡で見たものだけでなく、望遠鏡、顕微鏡を利用して見たものも、「認知」した、と言えます。
VRは仮想現実から実質現実へ、開発だけでなく、実装段階へ
に
>
脳は現実に起きたことと、VR(仮想現実)により、再現されたことを区別しない。それゆえ、仮想現実ではなく、現実の一部を形成している。
コンピューターは人間のツール、道具ではなく、既に、拡張された人間の機能の一部となっています。
そして、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)で体験したこと、と、実際の生活で体験したことの「境界」はあいまいになり、すでに、その区別はつかなくなりつつ、あります。
人間の脳は、目、耳、鼻、皮膚などの知覚センサーが捉えた情報を、これまで自分が蓄えた情報と整合を取ろうとします。つまり、辻褄を合わせようとします。
この、脳の辻褄を合わせようとする働きにより、コンピューター技術は、相当の省略が可能になり、現時点のコンピューター技術でも十分に対応が可能になります。
これまでは、VRは視覚、聴覚が中心でしたが、触覚、嗅覚、味覚なども、超音波などを利用して再現できるようになりつつあります。
>
と書きました。
今後の、人の認知能力とテクノロジーとの進展が楽しみです。
2019年08月20日
社会人大学院生、戻る前に何か見つけて
大学院入試がたけなわで、少し前から、いろいろ相談を受けているのですが、バタバタしており、ブログに書けずにいます。
もっとも代表的な事例を示すと、
「MBA、MOTで学んだことって、社会で、端的に言うと、自分の会社で活きますか?」
本音が見えてます。
「MBA、MOTを取ると、会社でキャリアアップできますか?」
個別の会社の事例は、わからないので、
社会人大学院、仕事と勉強・研究の両立は?
MOT(技術経営)大学院は大学への再入場チケット
より、抜粋しながら、書きます。
社会人大学院、仕事と勉強・研究の両立は?
>
社会人大学院、MBA、MOTへ行こうとしている方を見ると、傑出したトップクラス(Sランク)から優秀な上位クラス(Aランク)に下がってきたくらいの方が、キャリア・ブーストのために、というケースが多いようです。
多くの大学院が、平日は18時以降、1コマ90分程度の授業を2つ、21時過ぎまで、土曜は朝から夕刻まで、日曜は休み、と思います。また、最近では、ネットでも学べるオンライン授業も取り入れているかと思います。
さて、18時過ぎに始まる授業に出るには、17〜18時に会社は終わらせ、土曜も授業があるため、休日出勤はしない、ことになります。
長時間ダラダラ働くよりも、短時間で効率的に、メリハリをつけて働くことが大切なのは、当たり前ですが、
週3回程度は定時退社、休日出勤のしない、では、トップクラスの業績評価をあげる、のは難しい、と考えられます。
残念ながら、上記のように、トップクラスの業績評価、は難しい、ことになります。
>
「えっ、MBA、MOTで学んでもキャリアアップにならないのですか?」
直接的には、つながらないかもしれませんが、間接的、回り道などをつないでいくと、当初想定もしていない、キャリアアップにつながる可能性もあります。
MOT(技術経営)大学院は大学への再入場チケット
>
技術経営(MOT)は専門性と統合性が不可欠
に
>
MOT(技術経営)に来るのは、研究がしたいからではなく、
・技術をベースとした企業戦略、マーケティング、ファイナンス、知的財産などがコンパクトに学ぶ、
・どうやって、イノベーションを起こすか、技術をビジネスに結びつけるか、を身に着ける
そうすることによって、キャリアアップを図るために来ます。
技術をベースとした企業戦略、マーケティング、ファイナンス、知的財産のコア・プログラム、
のような高度なプログラムを提供し、修了生をキャリアアップさせることが主目的
>
ビジネススクール、どんなクラスメートと一緒に学ぶのか?が大切
>
ビジネススクール修了生の方からお話を伺うと、
「MBAコースではマーケティング、ファイナンスなど、ビジネス、経営の基本をコンパクトに学ぶことができます。
学んだことに加えて、大切なのが、グループワークなどを通じて、
自分以外の他の人々の考え方を知ることができます。
この多様な人々との学ぶプロセスが大切です。
ただ、最も役に立っているのは、一緒に学んだ人々との人的ネットワークです。
これは何物にも代えがたいものです。」
というお話が返ってきます。
>
>
社会人でMBA、MOT大学院に入学される方は、その前に、社会人コースなどに参加していて、それでは物足りなくて、本格的に学ぼうと大学院に入学される、と考えます。
すなわち、大学院への「外」から参加から、「中」に入る、ことになります。「中」に入ると、MBA、MOTだけでなく、人文、社会、理工の幅広いカリキュラム、ゼミ、研究会が開かれ、参加できることになります。
さらには多くの大学で他大学との単位交換制度があり、入学した大学以外の大学へも学びに行けます。
専門分野の大学院では、専門領域の研究が主体ですから、幅広い領域への参加よりも、専門を深く追及することが主です。
MBA、MOT大学院では、専門性の追求より、全体の俯瞰が求められますので、幅広い領域への参加も有効です。
いくつかの興味があるゼミ、研究会に参加してみるのも良かったりします。
また、理工系分野は進歩が急速ですが、これを「外」からではなく、「中」から、直接研究するのではないですが、第一線最先端の研究者の研究発表会などに参加すると、メディアを通してではない、生の情報に触れることができます。
そんなわけで、在学中だけでなく、修了後もゼミ、研究会に参加を続ける方も少なくありません。
こう考えると、MOT(技術経営)大学院は大学への再入場チケットなのではないか?
>
MBA、MOTで学んだだけで、元の会社に戻っても、キャリアブーストには、つながらないかもしれません。
ただ、上記のように、在学中に、元の会社では得られない、研究会、勉強会、ネットワーク活動などを見つけて参加すると、
新たな展望が拓けることもあります。
大学への再入場チケットをゲットして、どう活かすか?あなた次第です。
もっとも代表的な事例を示すと、
「MBA、MOTで学んだことって、社会で、端的に言うと、自分の会社で活きますか?」
本音が見えてます。
「MBA、MOTを取ると、会社でキャリアアップできますか?」
個別の会社の事例は、わからないので、
社会人大学院、仕事と勉強・研究の両立は?
MOT(技術経営)大学院は大学への再入場チケット
より、抜粋しながら、書きます。
社会人大学院、仕事と勉強・研究の両立は?
>
社会人大学院、MBA、MOTへ行こうとしている方を見ると、傑出したトップクラス(Sランク)から優秀な上位クラス(Aランク)に下がってきたくらいの方が、キャリア・ブーストのために、というケースが多いようです。
多くの大学院が、平日は18時以降、1コマ90分程度の授業を2つ、21時過ぎまで、土曜は朝から夕刻まで、日曜は休み、と思います。また、最近では、ネットでも学べるオンライン授業も取り入れているかと思います。
さて、18時過ぎに始まる授業に出るには、17〜18時に会社は終わらせ、土曜も授業があるため、休日出勤はしない、ことになります。
長時間ダラダラ働くよりも、短時間で効率的に、メリハリをつけて働くことが大切なのは、当たり前ですが、
週3回程度は定時退社、休日出勤のしない、では、トップクラスの業績評価をあげる、のは難しい、と考えられます。
残念ながら、上記のように、トップクラスの業績評価、は難しい、ことになります。
>
「えっ、MBA、MOTで学んでもキャリアアップにならないのですか?」
直接的には、つながらないかもしれませんが、間接的、回り道などをつないでいくと、当初想定もしていない、キャリアアップにつながる可能性もあります。
MOT(技術経営)大学院は大学への再入場チケット
>
技術経営(MOT)は専門性と統合性が不可欠
に
>
MOT(技術経営)に来るのは、研究がしたいからではなく、
・技術をベースとした企業戦略、マーケティング、ファイナンス、知的財産などがコンパクトに学ぶ、
・どうやって、イノベーションを起こすか、技術をビジネスに結びつけるか、を身に着ける
そうすることによって、キャリアアップを図るために来ます。
技術をベースとした企業戦略、マーケティング、ファイナンス、知的財産のコア・プログラム、
のような高度なプログラムを提供し、修了生をキャリアアップさせることが主目的
>
ビジネススクール、どんなクラスメートと一緒に学ぶのか?が大切
>
ビジネススクール修了生の方からお話を伺うと、
「MBAコースではマーケティング、ファイナンスなど、ビジネス、経営の基本をコンパクトに学ぶことができます。
学んだことに加えて、大切なのが、グループワークなどを通じて、
自分以外の他の人々の考え方を知ることができます。
この多様な人々との学ぶプロセスが大切です。
ただ、最も役に立っているのは、一緒に学んだ人々との人的ネットワークです。
これは何物にも代えがたいものです。」
というお話が返ってきます。
>
>
社会人でMBA、MOT大学院に入学される方は、その前に、社会人コースなどに参加していて、それでは物足りなくて、本格的に学ぼうと大学院に入学される、と考えます。
すなわち、大学院への「外」から参加から、「中」に入る、ことになります。「中」に入ると、MBA、MOTだけでなく、人文、社会、理工の幅広いカリキュラム、ゼミ、研究会が開かれ、参加できることになります。
さらには多くの大学で他大学との単位交換制度があり、入学した大学以外の大学へも学びに行けます。
専門分野の大学院では、専門領域の研究が主体ですから、幅広い領域への参加よりも、専門を深く追及することが主です。
MBA、MOT大学院では、専門性の追求より、全体の俯瞰が求められますので、幅広い領域への参加も有効です。
いくつかの興味があるゼミ、研究会に参加してみるのも良かったりします。
また、理工系分野は進歩が急速ですが、これを「外」からではなく、「中」から、直接研究するのではないですが、第一線最先端の研究者の研究発表会などに参加すると、メディアを通してではない、生の情報に触れることができます。
そんなわけで、在学中だけでなく、修了後もゼミ、研究会に参加を続ける方も少なくありません。
こう考えると、MOT(技術経営)大学院は大学への再入場チケットなのではないか?
>
MBA、MOTで学んだだけで、元の会社に戻っても、キャリアブーストには、つながらないかもしれません。
ただ、上記のように、在学中に、元の会社では得られない、研究会、勉強会、ネットワーク活動などを見つけて参加すると、
新たな展望が拓けることもあります。
大学への再入場チケットをゲットして、どう活かすか?あなた次第です。
2019年08月09日
「2番じゃいけないんですか」スーパーコンピュータ「京」から「富岳」へ
夏の気象災害を解き明かす!スーパーコンピュータ「京」から「富岳」へ
という案内が来ました。
スーパーコンピュータ「京」を一躍有名にしたのが、当時の民主党蓮舫行政刷新担当相の「2番じゃいけないんですか」でしょうか
技術、学問、社会は絡み合いつつ、一体となって進むから、面白い!
に
>
スーパーコンピューター「京」は民主党政権下で、事業仕訳の対象になり、話題となりました。
「1番でなきゃ、いけないんですか?」
の質問が印象的です。
科学技術、その中核となる、スーパーコンピューターは世界中がしのぎを削りつつ、急速な進歩を遂げています。
現時点で1番でも、すぐに追いつき、抜かれていきます。
最低限、現時点では最新鋭のスーパーコンピューターを活用しなければ、とても科学技術立国など、おぼつきません。
>
当時は世界一だったスーパーコンピュータ「京」ですが、科学技術の進歩は凄まじく、また、その進歩に合わせて、社会、人々のニーズも進み、後継機が必要となりました。
後継機の「富岳」は富士山の意味ですが、「京」の100倍の性能を発揮する予定です。
災害は毎年必ずやって来る、防災技術とは、生きる、を支える科学技術
に
>
「天災は忘れた頃にやって来る」とは、寺田寅彦の言葉ですが、この頃は、都市が少なく、小規模で、被害自体も少なかったのでしょう。
都市化に伴い、建築物、インフラが整備されると、「天災」と言うよりも、地震、津波、台風、豪雨など自然現象と人、人が作った建築物、インフラとの対応になります。
忘れた頃、どころか、地震、津波、台風、豪雨など災害毎年必ず起こります。
これは、都市開発が進んだ結果、以前は、人が住まなかったため、台風、豪雨があっても、人が住んでいなかったため、人、人が作った建築物、インフラの被害がなかったものが、顕在化した結果と考えられます。
あるいは、地震、台風で、人、建築物には、被害がなくても、その後の停電による2次被害、あるいは、交通機関の乱れによる、帰宅難民などの被害が甚大です。
災害対応に限らず、最先端の他分野技術、特に衛星、通信、ネット技術をいち早く取り入れる重要性を感じます。
>
気象衛星どころか、富士山レーダーもなく、ろくなコンピューターもない時代、枕崎台風、狩野川台風、洞爺丸台風、伊勢湾台風などでは、1000人を超える死者、行方不明者が出ました。
特に1959年の伊勢湾台風では、5000人を超える死者、行方不明者が出て、早期に台風の動きをキャッチし、予測、予報する必要から、日本で一番高い地点、富士山に富士山レーダーが設置されました。
この時の気象庁の富士山レーダー設置の責任者が、『若き数学者のアメリカ』の著者、藤原正彦氏のお父さんの新田次郎氏です。
富士山レーダーは、その後、その役目を気象衛星に引き継ぎますが、衛星から観測してもなお、台風の進路、影響範囲の予測は難しいものです。
実測とシミュレーションの協調
>
毎年、台風の進路には大きな注意を払いますが、太平洋高気圧の張り出し、位置、強さ、さらに海水温の高さ、偏西風の流れ、強さなどに影響され、進路予測は大変難しいものです。
最近、感心するのは、大変難しい状況ながらも、台風ぐ近づくにつれて、正確な予測が行われるようになりました。
これは、コンピューター、解析モデルの急速な進歩に加えて、人工衛星、地上観測点からの観測データがリアルタイムで得られて、解析がリニューアルされていくためです。
今では、上記のようにリアルデータを取り入れながらの、コンピューター・シミュレーションの信頼性が向上し、これまでの知見と異なる予測であっても、発表されるようになりました。
人工知能に大学、産業、ビジネスはどう対応する?
に
>
以前は、シミュレーションは初期条件、境界条件を入力して、結果を得て、得られた結果を実験結果と照合しました。
実験結果をシミュレーションに入力していくことは、「シミュレーションを実験に合うように操作している」と、いぶかられたものです。
しかし、最近では、リアルタイムで得られるデータを逐次、入力していくことにより、実際を反映した結果を得る「データの同化」が一般的になり、初期条件、境界条件、方程式そのものが、よくわかっていない時でも、正確な予測ができることが知られています。
>
東大地球表層変動研究センター・サイエンスカフェ「地球温暖化と台風」に参加しました
に
>
シミュレーションでは実測値との比較を必ず行います。
シミュレーションの初期の段階では、実測値からパラメーターを算出して、実測値に合わせるような「操作」を行うことも、しばしばあります。
現在のモデルでは、このような実測値に合わせる「操作」を特段行わなくても、観測とよく合致する状況が導かれるそうです。
すなわち、シミュレーションにより予測が行える状況です。
ただ、シミュレーションができるのだけれど、理論的な背景、導出が未整備な状況、とのことです。
>
>
スーパーコンピュータ「京」から「富岳」へ、今後の一層の科学技術の進歩が楽しみです。
という案内が来ました。
スーパーコンピュータ「京」を一躍有名にしたのが、当時の民主党蓮舫行政刷新担当相の「2番じゃいけないんですか」でしょうか
技術、学問、社会は絡み合いつつ、一体となって進むから、面白い!
に
>
スーパーコンピューター「京」は民主党政権下で、事業仕訳の対象になり、話題となりました。
「1番でなきゃ、いけないんですか?」
の質問が印象的です。
科学技術、その中核となる、スーパーコンピューターは世界中がしのぎを削りつつ、急速な進歩を遂げています。
現時点で1番でも、すぐに追いつき、抜かれていきます。
最低限、現時点では最新鋭のスーパーコンピューターを活用しなければ、とても科学技術立国など、おぼつきません。
>
当時は世界一だったスーパーコンピュータ「京」ですが、科学技術の進歩は凄まじく、また、その進歩に合わせて、社会、人々のニーズも進み、後継機が必要となりました。
後継機の「富岳」は富士山の意味ですが、「京」の100倍の性能を発揮する予定です。
災害は毎年必ずやって来る、防災技術とは、生きる、を支える科学技術
に
>
「天災は忘れた頃にやって来る」とは、寺田寅彦の言葉ですが、この頃は、都市が少なく、小規模で、被害自体も少なかったのでしょう。
都市化に伴い、建築物、インフラが整備されると、「天災」と言うよりも、地震、津波、台風、豪雨など自然現象と人、人が作った建築物、インフラとの対応になります。
忘れた頃、どころか、地震、津波、台風、豪雨など災害毎年必ず起こります。
これは、都市開発が進んだ結果、以前は、人が住まなかったため、台風、豪雨があっても、人が住んでいなかったため、人、人が作った建築物、インフラの被害がなかったものが、顕在化した結果と考えられます。
あるいは、地震、台風で、人、建築物には、被害がなくても、その後の停電による2次被害、あるいは、交通機関の乱れによる、帰宅難民などの被害が甚大です。
災害対応に限らず、最先端の他分野技術、特に衛星、通信、ネット技術をいち早く取り入れる重要性を感じます。
>
気象衛星どころか、富士山レーダーもなく、ろくなコンピューターもない時代、枕崎台風、狩野川台風、洞爺丸台風、伊勢湾台風などでは、1000人を超える死者、行方不明者が出ました。
特に1959年の伊勢湾台風では、5000人を超える死者、行方不明者が出て、早期に台風の動きをキャッチし、予測、予報する必要から、日本で一番高い地点、富士山に富士山レーダーが設置されました。
この時の気象庁の富士山レーダー設置の責任者が、『若き数学者のアメリカ』の著者、藤原正彦氏のお父さんの新田次郎氏です。
富士山レーダーは、その後、その役目を気象衛星に引き継ぎますが、衛星から観測してもなお、台風の進路、影響範囲の予測は難しいものです。
実測とシミュレーションの協調
>
毎年、台風の進路には大きな注意を払いますが、太平洋高気圧の張り出し、位置、強さ、さらに海水温の高さ、偏西風の流れ、強さなどに影響され、進路予測は大変難しいものです。
最近、感心するのは、大変難しい状況ながらも、台風ぐ近づくにつれて、正確な予測が行われるようになりました。
これは、コンピューター、解析モデルの急速な進歩に加えて、人工衛星、地上観測点からの観測データがリアルタイムで得られて、解析がリニューアルされていくためです。
今では、上記のようにリアルデータを取り入れながらの、コンピューター・シミュレーションの信頼性が向上し、これまでの知見と異なる予測であっても、発表されるようになりました。
人工知能に大学、産業、ビジネスはどう対応する?
に
>
以前は、シミュレーションは初期条件、境界条件を入力して、結果を得て、得られた結果を実験結果と照合しました。
実験結果をシミュレーションに入力していくことは、「シミュレーションを実験に合うように操作している」と、いぶかられたものです。
しかし、最近では、リアルタイムで得られるデータを逐次、入力していくことにより、実際を反映した結果を得る「データの同化」が一般的になり、初期条件、境界条件、方程式そのものが、よくわかっていない時でも、正確な予測ができることが知られています。
>
東大地球表層変動研究センター・サイエンスカフェ「地球温暖化と台風」に参加しました
に
>
シミュレーションでは実測値との比較を必ず行います。
シミュレーションの初期の段階では、実測値からパラメーターを算出して、実測値に合わせるような「操作」を行うことも、しばしばあります。
現在のモデルでは、このような実測値に合わせる「操作」を特段行わなくても、観測とよく合致する状況が導かれるそうです。
すなわち、シミュレーションにより予測が行える状況です。
ただ、シミュレーションができるのだけれど、理論的な背景、導出が未整備な状況、とのことです。
>
>
スーパーコンピュータ「京」から「富岳」へ、今後の一層の科学技術の進歩が楽しみです。
2019年08月06日
FIT卒業、再生可能エネルギー本格導入へ
大規模太陽光発電、買い取り除外に 再エネ支援策見直し
再生可能エネルギーでつくった電気の固定価格買い取り制度(FIT)について、新設の大規模な事業用太陽光発電と風力発電を対象から外す見直し案の概要が公表されました。
また、「卒FIT」と呼ばれる、FITでの10年固定価格買取の期間を終える案件も出てきています。
これは、太陽光と風力などの、再生可能エネルギー導入の終了ということでしょうか?
いえいえ、そうではなく、
初期導入費用を固定買取価格でまかなう時期を終え、今後は自立経済的に採算をとりつつ、まかなう、ということを意味します。
再生可能エネルギー導入の効果は計り知れない
に
>
当初は、太陽光、風力発電などはパイロット的な導入でしたが、本格導入が行われると、コストが下がってきました。
特に、太陽光発電は、当初は住宅の屋根の上など、小規模なものでしたが、メガソーラーと呼ばれる大規模な施設ができると、コストは下落を続け、10年前の1/3になりました。
このように、割高だったはずの太陽光発電の価格が大幅に下落してきました。
すると、温暖化対策と言うよりも、経済的に安いから、石油、ガスなどの資源を調達する必要がないから、太陽光発電が導入されるようになりました。
>
さらには、
RE100
という、自社の運営にかかるエネルギーを100%再生可能エネルギーを目指す動きも出てきて、Microsoft、Facebook、SONY、富士通など、世界の名だたる会社が参加を表明しています。
さて、太陽光、風力などの再生可能エネルギーは、天候に左右され、需要が少ない春秋などの中間期には、系統電源への受け入れが難しく、出力抑制が行われています。
一方で、余剰時に電力を蓄電し、不足時に放電する蓄電池が普及し、特にリチウムイオン電池の容量、出力が向上し、価格は低下しています。
太陽光発電と蓄電池の組み合わせで、これまで、電力会社が独占していた電力が、誰でも発電できるようになった、とも言えます。
これは劇的なパラダイムシフトです。
出力抑制するくらいならば、上記のように、余剰電力を蓄電し、夕刻以降、蓄電池から放電された電力を系統電源が受け入れてもよいのでは、という議論も進んでいます。
というように、今後の再生可能エネルギーの本格導入が楽しみです。
再生可能エネルギーでつくった電気の固定価格買い取り制度(FIT)について、新設の大規模な事業用太陽光発電と風力発電を対象から外す見直し案の概要が公表されました。
また、「卒FIT」と呼ばれる、FITでの10年固定価格買取の期間を終える案件も出てきています。
これは、太陽光と風力などの、再生可能エネルギー導入の終了ということでしょうか?
いえいえ、そうではなく、
初期導入費用を固定買取価格でまかなう時期を終え、今後は自立経済的に採算をとりつつ、まかなう、ということを意味します。
再生可能エネルギー導入の効果は計り知れない
に
>
当初は、太陽光、風力発電などはパイロット的な導入でしたが、本格導入が行われると、コストが下がってきました。
特に、太陽光発電は、当初は住宅の屋根の上など、小規模なものでしたが、メガソーラーと呼ばれる大規模な施設ができると、コストは下落を続け、10年前の1/3になりました。
このように、割高だったはずの太陽光発電の価格が大幅に下落してきました。
すると、温暖化対策と言うよりも、経済的に安いから、石油、ガスなどの資源を調達する必要がないから、太陽光発電が導入されるようになりました。
>
さらには、
RE100
という、自社の運営にかかるエネルギーを100%再生可能エネルギーを目指す動きも出てきて、Microsoft、Facebook、SONY、富士通など、世界の名だたる会社が参加を表明しています。
さて、太陽光、風力などの再生可能エネルギーは、天候に左右され、需要が少ない春秋などの中間期には、系統電源への受け入れが難しく、出力抑制が行われています。
一方で、余剰時に電力を蓄電し、不足時に放電する蓄電池が普及し、特にリチウムイオン電池の容量、出力が向上し、価格は低下しています。
太陽光発電と蓄電池の組み合わせで、これまで、電力会社が独占していた電力が、誰でも発電できるようになった、とも言えます。
これは劇的なパラダイムシフトです。
出力抑制するくらいならば、上記のように、余剰電力を蓄電し、夕刻以降、蓄電池から放電された電力を系統電源が受け入れてもよいのでは、という議論も進んでいます。
というように、今後の再生可能エネルギーの本格導入が楽しみです。
2019年08月01日
途上国はイノベーションの宝庫
スマートシティー、人口が集中する都市を、快適生活空間にデザインする
に
>
都市部への人口集中は、世界的な傾向、現象です。
日本でも東京など都心部への人口集中が起きていますが、
中国、インド、東南アジア、中南米、アフリカ諸国では、
はるかに、それを上回る都市部への人口集中が起きています。
日本では、東京への一極集中の抑制し、地方創生が大切、と言われますが、
海外では、生活、サービスが便利で、仕事、ビジネス、お金が集まる都市に人口が集まるのは、自然な現象で、
それを抑えようとしても、無理がある、という考えが主流です。
都市に人口が集中すると、
・大気汚染
・交通渋滞
・エネルギー、水の不足
・洪水、地震など自然災害の増大、深刻化
などの問題が起きます。
また、都市が快適生活空間であるためには、居住空間だけでなく、
交通、物流、さらには余暇を過ごす空間も快適であることが求められます。
>
再生可能エネルギー導入の効果は計り知れない
に
>
世界中には、まだ10億人の人々が電気を使えない生活をしています。
送電線が通っていない村落にも、太陽光発電と蓄電池の設備を導入すれば、
夜は灯がともり、スマフォが充電できる生活をすることができます。
実は、アフリカの部族の人々も多くがスマフォを持っています。使用する時だけ、オンにして、電池がなくなると、若者がまとめて町まで充電に行っています。
まだ、焼畑をしている部族がいますが、焼畑を行う、とは木質バイオマスが豊富ということ
家畜を飼育している、とは、フンに有機バイオマスが豊富ということ
適切な技術指導があれば、環境を破壊することなく、電気を使う生活が導入できます
>
と書きました。
「TAK」さん自身は、直接的には、東南アジア、中南米、アフリカなどの開発プロジェクトには関わっていませんが、これらの国々の研究者、技術者とは、毎日のように、一緒に仕事をします。
以前は、日本の耐震技術を勉強し、普及させることが多かったのですが、最近では、インフラ整備、省エネ技術、再生可能エネルギーなどの分野が目立つようになりました。
多くの国々で、以下のような特徴があります。
・都市部にビルなど建築物が多く立ち、熱帯地方のため、1年中、冷房エネルギーが必要
・人が集まり、エネルギー、水などの需要が増えるが、インフラが不十分
・離れた集落でも、豊かな生活を経験した人々が、電化生活、飲料水を求めているが、インフラが未整備
エネルギー、水のインフラ整備には、多くの資金、時間が必要です。
一方で、熱帯地方では、太陽の日射、豪雨による水、など、天然資源は豊富になります。
そうであれば、インフラの整備よりも、
太陽光発電と蓄電池の設備を都市、集落に導入し、都市、集落の間に送電線を敷き、
雨水を貯蔵し、微生物などにより、フィルタリング、浄水する設備を設ければ、
先進国水準とはいかないものの、要求水準は満たせそうです。
障害とはイノベーションの源?
に
>
音声認識、自動運転などの技術は、障害者の不便の解消をきっかけに進展してきました。
障害者と共に研究開発を進めることが、イノベーションを生み出すきっかけの一つかもしれません。
当たり前と思っているところが、実は障害になっていて、それを克服すると、大きく進歩することがあり、しかも、その当面のニーズだけでなく、水平展開すると、とんでもないイノベーションが生まれたりします。
「障害」という、一見、不幸に見える事象から、生まれるイノベーションについて、考えてみました。
>
と書きましたが、途上国の障害が、実はイノベーションの宝庫かもしれません。
に
>
都市部への人口集中は、世界的な傾向、現象です。
日本でも東京など都心部への人口集中が起きていますが、
中国、インド、東南アジア、中南米、アフリカ諸国では、
はるかに、それを上回る都市部への人口集中が起きています。
日本では、東京への一極集中の抑制し、地方創生が大切、と言われますが、
海外では、生活、サービスが便利で、仕事、ビジネス、お金が集まる都市に人口が集まるのは、自然な現象で、
それを抑えようとしても、無理がある、という考えが主流です。
都市に人口が集中すると、
・大気汚染
・交通渋滞
・エネルギー、水の不足
・洪水、地震など自然災害の増大、深刻化
などの問題が起きます。
また、都市が快適生活空間であるためには、居住空間だけでなく、
交通、物流、さらには余暇を過ごす空間も快適であることが求められます。
>
再生可能エネルギー導入の効果は計り知れない
に
>
世界中には、まだ10億人の人々が電気を使えない生活をしています。
送電線が通っていない村落にも、太陽光発電と蓄電池の設備を導入すれば、
夜は灯がともり、スマフォが充電できる生活をすることができます。
実は、アフリカの部族の人々も多くがスマフォを持っています。使用する時だけ、オンにして、電池がなくなると、若者がまとめて町まで充電に行っています。
まだ、焼畑をしている部族がいますが、焼畑を行う、とは木質バイオマスが豊富ということ
家畜を飼育している、とは、フンに有機バイオマスが豊富ということ
適切な技術指導があれば、環境を破壊することなく、電気を使う生活が導入できます
>
と書きました。
「TAK」さん自身は、直接的には、東南アジア、中南米、アフリカなどの開発プロジェクトには関わっていませんが、これらの国々の研究者、技術者とは、毎日のように、一緒に仕事をします。
以前は、日本の耐震技術を勉強し、普及させることが多かったのですが、最近では、インフラ整備、省エネ技術、再生可能エネルギーなどの分野が目立つようになりました。
多くの国々で、以下のような特徴があります。
・都市部にビルなど建築物が多く立ち、熱帯地方のため、1年中、冷房エネルギーが必要
・人が集まり、エネルギー、水などの需要が増えるが、インフラが不十分
・離れた集落でも、豊かな生活を経験した人々が、電化生活、飲料水を求めているが、インフラが未整備
エネルギー、水のインフラ整備には、多くの資金、時間が必要です。
一方で、熱帯地方では、太陽の日射、豪雨による水、など、天然資源は豊富になります。
そうであれば、インフラの整備よりも、
太陽光発電と蓄電池の設備を都市、集落に導入し、都市、集落の間に送電線を敷き、
雨水を貯蔵し、微生物などにより、フィルタリング、浄水する設備を設ければ、
先進国水準とはいかないものの、要求水準は満たせそうです。
障害とはイノベーションの源?
に
>
音声認識、自動運転などの技術は、障害者の不便の解消をきっかけに進展してきました。
障害者と共に研究開発を進めることが、イノベーションを生み出すきっかけの一つかもしれません。
当たり前と思っているところが、実は障害になっていて、それを克服すると、大きく進歩することがあり、しかも、その当面のニーズだけでなく、水平展開すると、とんでもないイノベーションが生まれたりします。
「障害」という、一見、不幸に見える事象から、生まれるイノベーションについて、考えてみました。
>
と書きましたが、途上国の障害が、実はイノベーションの宝庫かもしれません。