2013年02月04日

新興国ビジネス:モジュール化による国際水平分業化と品質重視へ

東大イノベーション政策研究会「アジアEVイノベーションの最前線」新たな東南アジアでのMade in Japan

という案内が来ました


戦後を牽引してきた産業群が苦戦を強いられ新たな「ものづくり」の形が問われる中、かつてのパソコン業界で起こった垂直統合型から水平分業型への業界構造転換は、いまや自動車産業でも起ころうとしている。

ものづくり系ベンチャー企業が参入し、同社が行っている東南アジアにおける電気自動車(EV)事業での取り組みを通して、日本の産業の針路について提言を行う。


・ディジタル化、部品のモジュール化による国際分業

・技術の進歩、中産階級急増に伴い「低コスト低品質」から「品質・サービス重視」へ

・日本の大企業メーカーのOB、リストラされた人材がアジア新興国へ

がキーポイントになりそうですが、

まずは出た話をまとめます

・自動車のEV化。コア技術がエンジンから電池へ。部品の下請、二次請の垂直統合からモーター、バッテリー、コントローラーを調達する水平分業へ。エンジン関連技術者の大量解雇?

・変化が激しい先端技術は、動きの鈍い大企業よりもスピーディーなベンチャー企業に適している

・東南アジア諸国が豊かになり、中産階級化により、「安価で壊れたら買い替え」から「品質改善、修理部品、メンテナンスサービス」が評価されるようになった

・品質確保のためには量産がキーポイント、それがコストダウン、部品調達にも結びつく。 

・新興国市場では、スピードが大切で、前のめりでのビジネス。意思決定者、決裁権限者により話が進むことが肝心。「持ち帰り、検討します」ではビジネスを逃がす

・プラットフォーム戦略から、モジュラー戦略へ。部品のキャリーオーバーから高度な部品のモジュール化

・自動車、バイクはそれ自体は成熟技術。ネットワーク、生態系で付加価値を

・新興国の日本メーカーOB、給料が多少下がっても、ワクワクする仕事がしたい

・「ものづくり」はディジタル化、ネットワーク化により、独自開発、工場が必須ではなくなった


「モジュール化」

とは、


モジュール化とは、1つの複雑なシステムを、相互依存の強い部品同士で構成するのではなく、交換可能な独立した機能を持つ部品どうしで構成しようとすること


例えば、パソコンのCPUやメモリーなどの内部構造は複雑で専門家でないと製作できませんが、それぞれのCPU、メモリーは機能が交換可能で、内部構造をしらない素人でも使用可能です。

つまり、複雑な製品でも、個々の部品をモジュール化してしまえば、素人でもプラモデルを組み立てるように簡単に作り上げることができます

上の例であれば、自動車がエンジンが主要技術である時には、エンジンの技術、部品について、系列、下請けが何重にもあり、それが日本の製造業の特徴だったのですが、バッテリー自動車になると、モーター、バッテリー、コントローラーなどの部品がモジュール化され、世界中で調達可能になります。それゆえ、系列、下請けの垂直統合と呼ばれる日本型産業構造から、国際分業へ変化していくことになります

なお、モジュール化については、

東大公共政策大学院セミナー『新たな産官学連携を目指して』に参加しました




ディジタル化・モジュール化により、「摺り合わせ」は不要になり、部品を組み合わせるだけで生産可能に。ターンキー(機械を持ち込んでキーを入れるだけ)、国際分業(どこでもできる)な世界に


サービスビジネスの次世代モデルを考える




モジュール(ひとかたまりの部品群で、交換可能な構成要素)とインテグラル(交換はできず、それぞれの部品を組み合わせるもの)モジュール化すると、低コスト競争に


など、書いてありますので、ご参照ください

市場のグローバル化による家電製品の品質低下???




先進国市場では必要な機能でも、新興国市場では必ずしも必要でない機能は多い。

例えばTVなどの場合、先進国では厳しい耐久品質や画像の鮮明度が求められるが、新興国では画質の精度が落ちようがとりあえず映ればよい、という意識の人たちも多い。

それゆえ、新興国市場では、先進国ほどの機能、品質は確保する必要がない。



と書きました。

ところが、上記のようにディジタル化、モジュール化が進むと、複雑な技術は不要になり、品質は向上してきます

リバース・イノベーションとは?




最近、起こりつつあるのが、「リバース・イノベーション」と呼ばれるものです。

アジア諸国では、日本、欧米と同じ品質の製品は必ずしも必要とされません。

むしろ、多少、品質は落ちても、価格の安いものが好まれます。

もちろん、このアジアの安い製品を日本、欧米に持ち込んでも、売れませんでした。

ところが、このアジアの低コスト製品の品質が急激に上がってきました。

機能は、欧米のものに比べると、はるかに少ないのですが、多すぎる機能はそもそも使っていませんでした。

そこで、当初は欧米向け製品からスペックを落としたはずの低コストのアジア製品が、逆に欧米市場に入ってくるようになりました。

つまり、これまでは欧米の技術をアジアに導入していたのですが、逆にアジアの技術が欧米に導入されるようになりました。

これが、リバース・イノベーションでしょうか?


と書きました。

日本、欧米などの先進国だけでなく、アジア諸国も所得の向上に伴う中産階級の急増により、「低コスト低品質」には満足せずに、「品質・サービス重視」へシフトしてきました

日本の大企業メーカーは厳しい経営環境でリストラを余儀なくされていますが、リストラされた技術者は、喜んでアジアの新興市場に技術指導に参加し、それがさらに日本の大企業メーカーを苦しめる、という構図でしょうか




stake2id at 15:38│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

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