2015年06月11日

数学は理性の音楽、数楽しましょう

数楽しましょうー「数学 理性の音楽」@東京大学

という案内が来ました。

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「音楽は感性の数学であり、数学は理性の音楽である」

小学校に入学する頃、多くの人は算数に興味を持っています。この頃の算数は、日常生活にも大いに役に立ちます。

ところが、学年が進むにしたがって、数学がわからなくなり、ついて行けずに、嫌いになる人が増えていきます。

大学を理系で受験する人は、とにかく数学を勉強します。この頃、数学が得意、好きな人と苦手、嫌いな人に、完全に分かれます。

ところが、大学入学までは数学が得意、好きな人だった人が、大学入学後に、εとδの数学に出会うと、突然いやになります。

微積分、行列(高校の数学からなくなってしまうそうですが)などが、あんなに好きだったのに、数学が大嫌いになります。

ところが、3年の専門課程に進み、フーリエ級数、ラプラス変換、複素積分などを習う頃には、その実用性も理解して、また好き、得意になっていたりします。

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これまでも数学については、いろいろ考えてきました。

越境ではなく、在来して活躍している数学


IT、バイオなど、科学技術(実は「科学」と「技術」は大いに異なるのですが)が急速に進展する現在、物理学、化学は単に学問としてだけではなく、その成果が社会の発展に大きく貢献している

一方、数学は科学技術の進展とは、薄く、細いつながりはあるものの、独自の「閉ざされた」学問体系の中で、完全に社会から隔絶され、趣味が高じたおタク研究者がタコつぼ研究室に閉じこもり、

紙とペンとコンピューターを駆使し、おおよそ、社会には意味のない趣味研究に明け暮れている、というイメージがある

実際には、数学は、決して閉ざされた学問体系ではなく、大いに他分野に越境し、社会の諸問題の解決に貢献している


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その数学は現場を超え、現場を動かす

に書きましたが、

例えば、年によって、ワインの味わい、質は大きく異なります。これは、ソムリエ、テイスターたちの領域とされてきました

ワインの味わい、質に影響をもたらすのは、気温、降水量など、ぶどう栽培、収穫時の気象条件でしょう

毎年の気温、降水量などの気象条件のデータと、その年のワインの味わい、質を分析すると、ある相関関係がでてきます

すると、気象データを分析することにより、まだソムリエがテイスティングすらしていないワインの質の予測が可能になります

現場の感覚だけでなく、データを記録、管理し、分析することにより、正確な予測が可能になります

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「現場に足を運べ」「現場を見ろ」と言われます。これは、とても大切なことです。でも、それだけでは不十分です

データを計測可能にし、記録し、分析することにより、現場にいる人が気づいていなかったことが発見できたり、予測できたりします


これまでは専門家が経験と勘でやっていたことを、データを取り、モデル化、数値化をし、再現します。

すると、専門家の経験と勘を、専門家以外の一般にもできるようにするだけでなく、専門家自身が気づかなかった本質的な重要因子が見えてくることがあります。


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天才和算数学者「関 孝和」はライプニッツと肩を並べていた?


ライプニッツと肩を並べたはずの和算数学者「関 孝和」

に書きましたが、

今から300年前の17世紀後半から18世紀初め、ヨーロッパではニュートン、ライプニッツなど、数学、物理学が盛んに行われました。

日本はちょうど元禄時代。徳川幕府の5代将軍綱吉、6代将軍家宣の頃です。

その頃の日本は鎖国をしており、外国からの文化は長崎を通じて、細々としか、伝わりませんでした。実はそうでもない、という説もあるのですが。

もちろん、コンピューターなど無い時代です。

でも、徴税のための検地測量、米の取れ高の評価、洪水対策の堤防建設、などのために、数学は必要でした。

むしろ、コンピューターが無い時代だったからこそ、数学が高度に取り扱える人材が重宝されたのでしょう。

今年が、和算数学者「関 孝和」の没後300年です。

彼の業績を調べると、円周率の正確な算定、多変数連立方程式の解法、行列式、微分・積分、ベルヌーイ数、など、同じ時代のニュートン、ライプニッツと堂々と肩を並べる業績を残しています。

ただ、ニュートン、ライプニッツは、当時ヨーロッパが大航海時代後で、航海に不可欠な天体の軌道観測により、ケプラー、ガリレオ、コペルニクスなどの研究成果の影響を大きく受けています。

大きなハンディキャップを物ともせず、互角に渡り合った、と言って、過言ではない、と思います。

もし、この時代に「関 孝和」が同時代のニュートン、ライプニッツの研究を知りえたら

もし、関家が孝和の息子の代で、取り潰しにならなかったら

もし、明治時代に関の研究成果を、新しく入ってきた西洋の自然科学と融合できたら

興味は尽きません。

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数学には、日常生活における計算を扱う、極めて実務的な面と、その手法、考えを抽象化することにより、汎用性をもたせ、物理学など多くの学問を進展させる、抽象的な面があります。

実際には、相互に行き来することにより、数学と工学、経済学などが共に発展してきた、ということでしょうか

前者は日常生活に必要とされますが、後者については、実務上のニーズ、および時間、金、才能を十分に持つ人材がいないと、進歩しません

上に書いたように、ヨーロッパでは大航海時代、航海に不可欠な天体の軌道観測により、数学が大きく進展しています

日本はどうだったでしょうか?では、日本の数学の歴史を見てみましょう


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『体感する数学』とは?


・数学はエレガントだが、物理学は粗野、ただし、奥が深い。

・数学的に可能な世界の一つが現在の世界 

・アメリカでは「数学」力が社会を動かしている。

・アメリカではGoogke,Apple,Microsoftなど、民間主導でイノベーティブな研究開発が行われているが、日本では公的資金による権威付けがないと軽視される。

・アメリカでは大学が研究成果をビジネス化するメカニズムがしっかり機能している。

・生命科学、物理学などでは、サイエンス、ネイチャーなど、一流誌に取り上げられることが登竜門だが、数学は証明、解法ができてしまえば、直接ウェブで発表すればよく、権威付けは不要。

・数学は物事の神秘性を剥ぎ取って、真実を突き付ける。例えば、皆既日食を太陽、月の軌道から求めることにより、不吉さを取り除いた。

・物事を数理的に分析すると、幻想が取り払われ、やるべきことが明確になる。 

・100マス計算、ある分野、生徒には極めて有効だが、すべてに万能ではない。

・日本では数学の天才少年の取り扱いが安っぽい。東大合格くらいしか評価することができない。

・数学は自由への道を与える。闘争と逃走。


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さて、今日はどんなお話がうかがえるのでしょうか。早速出たお話をまとめてみます。


「音楽は感性の数学であり、数学は理性の音楽である」

道具、言葉、対象としての数学。

物理学は自然現象が対象、数学は道具

研究者として成功するためには、気合、体力、運。努力はみんなする。

先生を選ぶ時、専門よりも、「いい先生」を選ぶ

数学は役に立つか?明日役には立たないかもしれないが、いつかは役に立つ、何に役に立つかは誰もわからない

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「何の役に立つのですか?」の質問への、反対質問「あなたは何の役に立つのですか?」

理工学の引用文献、5年前だと古いが、数学は数十年前の引用もあり得る

19世紀まで数学と物理に明確に区別はなかった。当時の数学は紙と鉛筆でする学問。20世紀初め、非線形問題などについて、ポアンカレですら、人力による定量的追求を放棄し、数学は定性的、理論的な研究が指向される。

20世紀後半、コンピューターの発達により、定量的追求だけでなく、これまで見えなかった時空間が可視化され、人々が容易にイメージできるようになり、応用する道具としての数学だけでなく、研究対象としての数学も急速に進むことになった。

ただし、カオス現象は、現在、コンピューターを駆使しても、十分には解明されていない

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数学は無次元化されるので、タイムスケールが入ってこない

代数、幾何、当初はコンピューターが入りにくい構造だったが、最近では完全に入り込んでいる

数学者は自由人、政治家は少ない。他人と同じことをやりたくない、オリジナリティーの追究

高校までの数学は絶対的なもの、と思われ、自由が感じられないが、方程式は人間が表現し、作り出したもの。人類が始まる前からあったものでは決してない。

数学は一度わからなくなると、あきらめられてしまう


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大学入学後に出会う、εとδの数学は、20世紀初め、人力による定量的追求を放棄し、数学は定性的、理論的な研究が指向した結果なのかもしれません。

この時代に、純粋数学だけ現実世界から遊離している感がありましたが、コンピューターの発達に伴い、理工系分野だけでなく、

経済、金融など、生活全般に数学が大活躍しています。

今後の人と数学の関係が楽しみです。




stake2id at 19:22│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

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