2016年06月23日

人工知能、ビッグデータ時代の知的財産とは

IoT、BD、AI時代の知財戦略を考えるシンポジウム。データとノウハウの保護・共有と活用のために

という案内がきました。

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IoTのシステムを支える重要な課題として、人工知能の栄養とも言うべきデータの共有が円滑に進むかどうかという点があります。

しばしば個人データを含むことから、個人情報保護の観点でしばしば議論されてきました。

しかし今後は企業の現場や製品から発生するデータの重要性が格段に増していきます。

これらのデータは、企業間の契約によってそのデータを利用する権利が発生します。

一般的なデータそのものは知的財産権の保護対象には当たらないが、契約によって発生する事実上の知的財産ともいうべき権利は、IoTにおける技術戦略上極めて重要になってきています。

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知的財産制度の代表である、特許の歴史を調べると、

特許(実用新案)制度の歴史


中世ヨーロッパにおいて、先見の明のある国王や政治家が報償又は恩恵の手段として特権を付与することがありましたが、あくまでも制度として確立していた訳ではありませんでした。近代特許制度は、中世ベニスで誕生し、イギリスで発展したといわれています。

ベニス共和国、1443年には、発明に対して、特許が与えられたとされますが、1474年、世界最古の成文特許法として「発明者条例」が公布されました。

イギリス、1624年、「専売条例」が成文特許法として制定され、これにより今日に至る特許制度の基本的な考え方が明確化されたとされています。

技術を守る特許制度の役割

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技術開発によって生まれたアイデアや発明を、財産として守ってくれるのが「特許権」という知的財産権です。特許制度は、発明者に発明の独占を認める一方で、その代わりにその発明を公表して、それをヒントに新たな技術開発を促進する制度です。

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日本での特許の歴史は、

日本での特許制度は、専売特許条例が施行された1885年(明治18年)7月1日から始まりました。

ただし、それ以前の1871年(明治4年)に専売略規則が公布されましたが、施行されることなく翌年に廃止されています。

日本の特許制度で、保護の対象になるのは、「発明」です(特許法29条1項柱書)。

特許制度の概要 「発明」と「特許」

特許制度について

特許制度の概要

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特許法の条文を読むと、

(目的)
第一条  この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。

と、自然法則の利用と、強くかかわっています。

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ベニス、イギリスで特許が始まった頃は、カラクリ、仕掛けを作った人を保護するものでしたが、産業革命を経て、モノづくりの時代に、自然法則と強くかかわるようになりました。

工学の自然科学化から社会科学化、そして人間科学へ




建築物、船などは、昔からありましたが、その設計、建造に、科学的知見が取り入れられるようになったのは、日本では明治以降、世界でもニュートン、ベルヌーイ、ライプニッツらの自然科学的知見が出てくる近代になってからで、それまでは大工、職人の経験、勘によるものでした。

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産業革命以降、蒸気機関による鉄道、船、飛行機あるいは鉄、コンクリートによる建築物ができると、飛行機の空気による揚力、抵抗、船と波の相互作用、建築物の耐震、耐風など、これまでは考える必要のなかった、新しい自然と人工物の関係が生まれてきました。


と書いたとおりです。

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そこにも書いたとおり、


歴史を振り返ると、産業革命により、モノの生産性が大幅に向上し、交通、物流も大量、高速になりました。

すると、人、モノの流れ、動きが劇的に変化し、これまでの配置、ストックでは対応できなくなりました。

そこで、線形計画法、オペレーションズ・リサーチなど計画、オペレーション、システムを扱う必要が出てきました。

と工学は自然科学だけでなく、社会科学とも深くかかわることになります。

さらには、工学は人間の能力の拡張にも深くかかわります。

最近、話題の人工知能のように、人間の視覚、聴覚、運動などの身体的能力だけでなく、知的能力にも関わります。


と工学は、自然科学から社会科学、人間科学へとかかわりを広げていくのですが、特許法を読む限り、対応が追いついていない感があります。

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すなわち、特許など知的財産は、モノづくりにおける自然科学現象の活用、材料力学、流体力学、機械力学、熱力学、電磁気学などを主な対象に、薬学、生命科学などにも対応し、ソフトウェアなどにも何とか対応してきましたが、ビッグデータ、人工知能の時代を迎え、現行法制度では対応が難しい事態が想定されます。

例えば、ビッグデータは個人データの集積ですが、誰に属する権利なのでしょうか?

例えば、あなたがグーグルで検索した履歴データは、あなたのものでしょうか?グーグルのものでしょうか?それとも、それ以外でしょうか?

新たな時代の知財戦略はどうなっていくのでしょうか?

早速出たお話をまとめます。

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シリコンバレーとスタンフォード大学、成功事例は2000年以降。アップルはつぶれかけていた。

破壊的イノベーション、王者が競争相手ではなく、無関係な第三者に倒される。IBMがマイクロソフトに、モトローラがグーグルに。

モノの生産には、人、スキル、ノウハウだけでなく、設備が必要だが、情報の時代は、キーパーソンが移ると、それに合わせて、多くの人が移る

交通事故で年間120万人の人が死ぬ。自動運転になれば1/10になる。

日本は人が足りないので、人工知能の活用が向いている。ヨーロッパは移民で人が余っているのでやりにくい。

日本の労働生産性の低さは、大きな伸びしろ。

イノベーションの加速は、基礎研究と社会実装のスパイラルによる。社会実装によるトラブルにより、フィードバックをもらい、ルールを作っていく。

イノベーションの時代には迅速な決断が不可欠。稟議書による決済は向かない。

日本の一流の人材は官庁、大企業にしかいない。

19世紀、匠の技の産業化。20世紀、モノの大量生産と、モノと自然科学の法則の産業化。21世紀、デジタル、ソフトウェアの産業化。

デジタル産業で起きたことが、他の産業にも起きる。

コア領域からサプライチェーンへの影響力

フィジカル・データを発生する装置がエンジン

データの分析、加工により、価値を創出

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人工知能、ビッグデータ時代の知的財産はどうなっていくのか?

未知の領域で、答えを創っていくことになりそうです。







stake2id at 20:19│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

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