2016年06月26日

再生可能エネルギー導入、地球温暖化防止だけでなく石油、ガスマネー削減による経済対策のため

再生可能エネルギーの最新の動向と課題への対応

という案内がきました。

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エネルギー・セキュリティー、地球温暖化防止の観点から、太陽光、風力などの再生可能エネルギー導入の必要が叫ばれてから、久しくたちます。

今回は、再生可能エネルギー導入が進むドイツ、スペインなどの欧州の事例が紹介されたのですが、興味深かったのが、

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・ロシアがウクライナとのトラブルにより、ガスパイプラインを停止し、結果として、下流側のヨーロッパで供給支障が頻発、これらの対策

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・ロシア、中東へ支払っている石油、ガスマネーを削減し、そのマネーをEU内で循環させ、経済を活性化

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・再生可能エネルギー導入技術開発によるイノベーション

など、地球温暖化防止を長期的な大目標として掲げながらも、もっとわかりやすくて身近な目標を掲げていたことです。

これは各家庭でも、光熱費は削減しにくい、支払わざるを得ない支出ですが、これを構造的に組み替えてしまうことで、大幅に削減できれば、その分の費用を教養、文化、交友などに回すことができます。

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ただ、再生可能エネルギーは単に増やせばよい、という訳ではなく、インフラ、施設側にも対策が必要、

電力は1日のうちでも、足りない時間帯、余っている時間帯があり、需給状況により、価格が変動することが将来的には予想され、余っている時間帯に蓄え、足りない時間帯に放出することにより、経済効果も期待できます。

これらについて、これまでも考えていますので、まとめてみます。

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再生可能エネルギー導入のための次世代グリッド技術と制度とは?

に書いたように


単純に太陽光発電、風力発電などの設備を増強すればよい、というものではなく、

(1)受け入れ側の送電設備

(2)買取価格制度、市場の整備

(3)スマートメーターなど、双方向モニタリング、コントロール設備の整備

などの課題があります。

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それぞれについて、検討してみましょう。

(1)受け入れ側の送電設備

電力は顧客の需要に応じて、適切に需給バランスを取り、発電所から顧客へ供給するものですが、送電設備に、天候条件に左右される太陽光発電、風力発電などが入ってくると、制御、管理が大変難しくなります。

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太陽光発電導入の長期戦略を考える


に書いたのですが、

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●電圧上昇に伴う出力減少(配電系の問題)

晴れた日には多くの太陽光発電が行われ、各家庭で使い切れない余剰電力が配電系に大量に流入します

すると、電圧が上昇します

電圧は101±6ボルトの範囲に収めなければなりません。これ以上の電圧が加わると家電機器に悪影響のおそれがあります

そのため、各太陽光発電システムに107ボルトを上回らないよう、発電出力制限が加わります

各需要家にすれば、本来買い取ってもらえるはずの余剰電力が、買い取ってもらえない、という不満がでるでしょう

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●電力需給バランスが取れるか?(送電系の問題)

電力は供給量と需要量をリアルタイムでバランスさせなければなりません。これがうまくいかないと周波数が変動します。

特に、原子力発電はベース電力と言われ、急な発停は困難です。

ゴールデンウィークなど、工場などが操業せず、電力需要が特異日で少ない日に、晴れて大量の太陽光発電が創出されると、ベース電力分まで食い込んでしまい、調整不能のおそれがあります。

●単独運転対策と瞬時停止対策

これは専門用語で、わかりにくい、と思います。

極めて簡単に言うと、停電にしなければならない時に、太陽光発電が出力してしまい、感電するおそれがある、ということです

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(3)スマートメーターなど、双方向モニタリング、コントロール設備の整備

電力会社から消費者に一方的に供給する場合は、供給量を計測するだけのメーターでよかったのですが、消費者から電力会社にも供給する、季節、時間帯により、価格が変動する、のであれば、様々なモニタリング、コントロール機能が必要になります。


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再生可能エネルギー導入のためにはマイナス価格も導入?

モノの価格は一定ではなく、コメ、野菜、果物などの農産物、魚などの海産物でも、たくさん取れる豊作、豊漁では、価格は安く、逆に、あまり取れない不作、不漁では価格は高くなる、のは、大昔から経験していることです。

原油、鉄鉱石などの資源についても、不足している時は高騰し、余剰の時は暴落します。もっとも、これに投機マネーも入るので話が複雑になるのですが。

これらは主として季節ごとのサイクルですが、電力は季節に加えて、1日の中のサイクルで、この価格の高騰、下落があります。

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以前から、電力需要が少なくなり、原子力発電が止められない深夜は、割安な深夜電力が適用され、主に給湯に活用されてきました。

ところが、大震災以降、原子力発電は、そのほとんどが稼働を停止し、一方、太陽光、風力などの再生可能エネルギーが導入されるようになりました。

原子力発電が、発電量が昼夜を問わず、ほぼ一定であるのに対し、太陽光、風力は、日が照っている時、風は吹いている時には、多く発電し、そうでない時は少なくなります。

すると、発電技術に加えて、余剰電力を蓄え、不足時に放電する、蓄電技術が重要になります。

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上の農産物、海産物、資源の例では、どんなに、余っても、価格は下落しまし、限りなく0に近づくことはありますが、マイナスになることはありません。

ただ、電力系統ネットワークでは、供給電力が需要電力を上回ることはできないので、供給が多過ぎて、需要が少ない時には、使ってくれた方がいいので、価格がマイナス、と言うことも起こり得ます。(再生可能エネルギー先進国ドイツなど)

冷蔵庫などは、1日中つけっぱなしにせざるを得ませんが、今後、普及する電気自動車の充電などは、電力価格の安い時間帯を選択して行うことになるでしょう。




stake2id at 22:01│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

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