2016年11月25日

生物多様性学の最前線

国際生物学賞記念シンポジウム「生物多様性学の最前線」

という案内が来ました。

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生命科学は大型・高速コンピューターにより、ゲノム解析が可能になってから、その進歩が著しく、最近でも

生命科学、バイオテクノロジーを駆使する農学の今後の展望

生命とは何かの普遍性に挑む、理論物理と構成的実験からのアプローチ

地球と生命の謎 〜生命の起源はどこまでわかったのか?

などに書いてきました。

今日は、このシンポジウムの中で、興味深かった

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「生き物たちの細やかな適応と種多様性維持の切っても切れない関係」

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「菌類・微生物の「超」多様性をひも解き、地球の未来を考える」

を中心にまとめていきたいと思います。

ただ、「TAK」さんの専門外に加えて、配布資料がなかったので、上記の講師の先生方のサイトを参照しつつ、書いていきます。

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「生き物たちの細やかな適応と種多様性維持の切っても切れない関係」

人工物のデザインを生命の進化から学ぶ




進化論はダーウィンが『種の起源』(1859年)で、「生き物は変化していく」と書きました。

その変化は「生存競争」と「自然淘汰」の中で徐々に起こります。

さて、「生存競争」「自然淘汰」は「適者生存」と、しばしば混同されます。

「適者生存」とはイギリスの哲学者ハーバート・スペンサーが著書『社会進化論』のなかで使った言葉です。

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ダーウィン進化論に生じる誤解


スペンサーの適者生存は先ほどの資本主義の話と同じで、梯子のてっぺんを目指していくための勝ち残り競争が前提となっています。

対してダーウィンが唱えた「自然淘汰」は、環境に適応しているか否かが生存と繁殖にかかわるということです。


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当初は、標本などの似た部位を分類することにより、進化の系図をつくっていましたが、最近ではDNA分析により、進化の系図を進めます。

すると、以前考えられていた進化とは、異なる進化であることがわかったりしています。


ダーウィンの進化論は150年前に提唱されたものですが、上記のように、社会科学にも適用されるうちに、意味が変容、曲解されたり、あるいは、その後の研究で、当初はよくわからなかったことが明らかになってきたりしました。

当初の説では、自然の環境変化に対して、生物種は適応努力をするけれど、それは限定的で、結局は、自然の変化に対応できる生物種だけが淘汰されていく、という考え方でした。

生物種は環境変化に対する適応を、世代をまたいで数千年、数万年の時間をかけて行う、というものでしょうか。

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ところが、最近の研究では、同じ遺伝子のセットでも、環境が異なると、異なる生体発達をし、進化は数世代にわたり、数千、数万年かかるものだけでなく、一つの世代、個体で数週間、数年で行われるものもある、ことがわかってきました。

環境が変化すると、細やかな対応ができるのが生物の特徴です。

生物が環境にどのように働きかけるのか?相手がどのように対応するのか?

生物多様性の状態とは、生物と自然のフィードバックの状態を反映しています。

単純な生態系では、病害虫の発生により、大打撃がありますが、多様な生態系では、被害はある程度で食い止められるそうです。


「菌類・微生物の「超」多様性をひも解き、地球の未来を考える」

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医学上の大発見が、

抗生物質の発見

でしょうか。

ペニシリン、ストレプトマイシン、カナマイシンなどの抗生物質は、人類にとって強大な脅威だった感染症──コレラ、赤痢、破傷風、結核、食中毒など──に優れた効果を示しました。

この菌、微生物は、生態系にとっても重要な役割を果たしていることが、近年明らかになってきました。

陸上植物は真菌類と共生しています。菌、微生物が住む土壌の生態系は、未知の地下生態系と言われます。

それゆえ、土壌を劣化させた文明は、食料を生産できなくなり、崩壊します。

植物と真菌の関係は、真菌が植物に窒素、リンなどの肥料を提供し、植物が光合成により、糖を提供する、という関係です。

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さて、生態系の中で、多様な植物と真菌が複雑なネットワークを形成しているのですが、真菌の中に、「仲良しグループ」があり、さらには、「仲良しグループ」の中に、「まとめ役」がいるようなのです。

北海道、本州、沖縄の生態系では、そこにいる真菌類も異なるのですが、「まとめ役」の真菌類は、どこにでもいたりします。

また、「先住者効果」といって、先に入った菌が、後から入って来ようとする菌を阻む、こともあるそうです。


今後も生命科学の進展が楽しみです。





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