2017年01月17日

超小型衛星の利用拡大、民生用部品の利用

民生用部品を利用することにより、コストを大幅に抑え、超小型衛星の利用拡大を図ろうとしたミニロケットですが、残念ながら、打ち上げは失敗に終わったようです。

通常、衛星の打ち上げ失敗では、100億円以上が宇宙に消えてしまうのですが、今回は5億円程度で済んだようです。

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ミニロケット打ち上げ失敗 民生用部品との関係が焦点


JAXA=宇宙航空研究開発機構が新たに開発した世界最小クラスのミニロケットは、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられましたが、機体からのデータが途中で得られなくなったため飛行を中断し、打ち上げは失敗しました。

コストを抑えるため、実験的に使われている民生用の部品が関係しているかどうかが焦点

超小型衛星の開発チームの代表で、東京大学の中須賀真一教授「失敗はいけないが、継続することが重要だ」原因を究明したうえで、民生品の利用の拡大を進めるべき


これについて、以前、上記の東京大学の中須賀真一先生からお話を伺ったことがあります。

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東大ワールドカフェ「超小型衛星が拓く未来」に参加しました


人工衛星は宇宙開発だけでなく、気象観測衛星「ひまわり」、通信衛星など、日々の生活に不可欠なものになっています。

ただ、人工衛星プロジェクトは上記のように数百億円もかかるため、国家、国際プロジェクトで対応することになります。

すると、衛星でやりたいことがあって、公募されることはあっても、採択されることは、極めてまれ、になります。

衛星、ロケットは特注品ですから、部品も特注品が使われます。特注品用のロットで少量の生産ですから、部品は極めて割高になります。

ところが、特注品の代わりに、同様の性能を持つ民生用部品を使うと、コストをぐっと抑えることができます。

このように、シンプル化することで50分の1程度のコストになると、ぐっとハードルが下がります。

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上記のように、コンピューターも1980年代前半までは、科学技術、銀行、証券、放送など、高度なビジネスにのみ、利用されていましたが、

その後、低コストのパーソナル・コンピューターが使われ始め、インターネットの時代になり、コンピューターの利用が草の根レベルまで普及し、利用法も当初予想もされなかったほど多様化することになりました。

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時点での衛星利用は既に利用されている気象、通信、上空からの撮影、などが主体ですが、

衛星プロジェクトがクラウドファンディングなどで、個人レベルで行われるようになれば、

現時点では予想もできない利用法が開発され、スマートフォーンなどと結びついて、

個人が衛星を利用する時代がもうそこまで来ているかもしれない


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すべてにおいては完璧を目指さない「ほどよし」


超小型人工衛星「ほどよし」は、ヘリコプター1機分の低コストで保有することが可能であることが、2014年10月に東大で開催された科学技術交流フォーラムで紹介されました。

これまで数百億円かかる高性能人工衛星を、目的に合った機能にシンプル化することで50分の1程度のコストと高い信頼性を確保することができたのです。

更に、これらの超小型衛星をネットワーク化することで高次の機能も発揮できるのが特徴です。

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これは、メインフレーム・コンピューターから、低コストのパーソナル・コンピューターに変換し、ネットワーク化していくのと同様です。

このように一つの衛星をシンプル化して「ほどほどがよい」機能にしながら、多様な組み合わせも可能になってきたことで、柔軟な活用が可能となります。

携帯データと衛星観測による地理情報や気象情報、衛星通信と地上波通信を組み合わせるなど、その利活用のアイディア次第で、防災やスマートシティの実現に必要な様々な価値を創造して行ける可能性を秘めています。

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超小型人工衛星であっても、すべてを最高品質の部品で創り上げようとすると、コストは高いものになってしまいます。

それゆえ、「ほどよし」が目指そうとする、ハードルを下げることによる、多くの参入による、多様な組み合わせ、は期待できなくなってしまいます。

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追求したいポイントについては、最高品質を担保しつつ、周辺部分は、通常の品質確保により、低コストを実現します。

誤解がないように言っておきますが、決して「安かろう、悪かろう」ではありません。

必要な品質は確保しつつ、最高品質は追求したいポイントだけに絞ることによる、低コストの実現です。


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国のお金ですから、大切に使うのはもちろんですが、技術開発、中でも宇宙開発に、ある程度の失敗は避けられません。

今回の失敗を教訓に、超小型衛星、ミニロケットの利用拡大が進むことを期待します。





stake2id at 20:27│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

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