2017年11月30日

理工系における計測の歴史

多分野の研究が生み出す、応用と相乗作用




「TAK」さんが学生だった1980年代、科学技術の計算には、大型計算機が利用され、工学部の学生はプログラム言語としてFORTRANが必修でした。今から考えれば、「過去の遺物」なのですが。

パソコンは工学部には普及を始めていましたが、インターネットはまだなく、また、パソコンもメーカーが違うと、例えば、NECのパソコンのデータは富士通のパソコンでは使えない、つまり互換性がない、という、今では信じられない時代でした。

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実験データを手入力して、グラフ化するなどの作業をパソコンで行っていました。

機械、建築系の学生は「製図」が必修でしたが、CADがようやく始まった段階で、なんと鉛筆、あるいは烏口と呼ばれる道具を使って墨で描く、作業でした。

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つまり、構造、耐震、流体などの個別の計算を大型計算機で行い、この結果を手作業で「製図」に落とし込む、

という、極めて非効率な作業を、当たり前のように、行っていました。

一連の作業はやがて、パソコンにより、自動化、システム化する設計に急速に変貌します。

当時、「構造、耐震、流体」などが本質的な工学の学問、とされるのに対し、このシステム化は、「付随業務」あるいは「雑用処理」のような扱いをされていました。


と書きました。

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ここで、理工系における計測の歴史を振り返ってみます。

「測量」は、新田の開発、城を築く、河川の整備、にも必要な技術で、古くから活用されていました。

ただ、気温、湿度などの、状態量を、科学的メカニズムによる計測器により、計測する、自然科学的な手法は、明治以降、西洋からの計測器の導入に伴い、行われるようになりました。

「状態量を、科学的メカニズムによる計測器により、計測する、自然科学的な手法」は、当時としては斬新なものでしたが、

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最高気温の歴史を探る




各地の数少ない測候所の百葉箱で人間が目視で測定して、筆記で記録していました。

自動測定装置も記録するハードディスクもない時代です。湿球と乾球の温度計しかない時代です。

測定間隔は、定かではありませんが、昼間でも1時間あるいは2時間に1回程度観測を行うのが限界でしょう。夜間はもっと間隔が長くなるでしょう。


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と書いたように、人間が計測器を目視で測定して、その測定値を紙に筆記で記録します。

大学、研究機関の実験室などであれば、それほど、苦も無くできますが、

新田次郎氏の「芙蓉の人」


のような、富士山頂での気象観測、あるいは、火山活動の観測、などは、過酷な気象条件、危険な状況でした。

この状況は明治時代から、上記のように1980年代まで続きます。

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1980年代になると、ペンレコーダーと呼ばれる、自動記録器が登場します。

これは、文字通り、測定結果を人間が読まなくても、ペンで紙にグラフとして、記録しておくものでした。

つまり、人間が、その場にいなくても、しかも、断続的ではなく、常時連続的に、測定および結果の記録が可能となる、画期的なものでした。

ただ、雨、風に耐えられるような装備、電源の確保、紙の補充、紙詰まり対策などが必要でした。

また、人間が紙の記録から、データを読み取り、コンピューターに入力しました。

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1980年代も後半になると、データロガーが登場し、データをデジタルで記録し、電源がなくても、電池で作動するようになりました。

防水性も装置もあり、屋外でも設置できるようになりました。

ただ、記録できるデータ量は、それほど大きいものではなく、何日か置きに、人が記録媒体を交換に行きました。

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遠隔にある測定センサーから、データを無線でサーバーに飛ばして、大量のデータを常時観測し、記録する、サーバーのデータをPCから見に行く、ことができるようになったのは、高速ネットの普及以降ですから、実は、ほんの、ここ十数年のことです。


工学研究は、人との出会いによる他分野、新技術、コンピューターの進歩の取り入れ





素晴らしい工学の研究者とお会いして、伺うことが、

(1)人との出会いによる他分野、新技術の進歩の取り入れ

(2)コンピューターの進歩の取り入れ(研究本体の解析の進化、に加えて、自動計測、データの可視化など研究周辺分野の充実)

でしょうか。


と書きました。

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コンピューターの技術は、今後ますます進歩します。

これに伴い、理工系の計測技術も進歩していき、研究が加速、促進されることが楽しみです。





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