2018年10月05日

進化していくオープン・イノベーションと産学官連携

産総研オープンイノベーション・シンポジウム

という案内が来ました。

このテーマについては、これまでも考えてきていますので、エッセンスを抜粋します。

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オープン・イノベーション時代における産学連携


これまでの産学連携は

・企業が広範囲な研究を行う中央研究所を廃止し、自社製品に特化した研究開発を行うようになった

・社会の変化が急激で一社単独では研究開発のカバーが難しくなった

などの事情を背景に、大学の研究シーズと企業の商品ニーズをマッチングさせる、のが基本でした。

大学の研究シーズは、利用されぬまま、埋もれているものが多く、一方、企業側のニーズは比較的明確で、

産学連携とは研究成果を実用化するための「手段」でした

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ところが、ここ数年で産学連携の様相が変わってきました

「製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せてもらうまで,自分は何が欲しいのかわからないものだ」

というスティーブ・ジョブスの言葉が示す通り、消費者自身が自らのニーズがよくわからない時代であり、企業もニーズが何なのか、よくわからなくなっています

イノベーションを起こしたくても、思考回路が凝り固まった自社企業内では、従来の発想領域を超えようがありません

オープン・イノベーションの時代においては、産学連携は単なる「研究成果を実用化するための手段」ではなく、

ニーズ探索、発想のオープン化も含めて、もっと幅広いものになってきました


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企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するにはイノベーション・エコシステムが大切





企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するには、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムにより、技術、知財、人材、資金が動くことが大切です

大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムは、ポジティブな関係だけではなく、

・大企業をレイオフされた人々が、新しい産業を創る

・大企業をスピンアウトしたベンチャー企業を、数年後にその大企業がM&Aで吸収

のように、かなりドロドロしたものも含みます。これらを含めたエコシステムの中で企業家精神(アントレプレナーシップ)は活かされる、ようです


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社会と大学との協創によるオープンイノベーション

「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」は既に、社会で顕在化しているニーズについて、研究する、学ぶ、こと

一方、「研究成果を社会に活かす」は、その研究成果について、社会で顕在化しているニーズは、特にはなく、

研究者と社会の人々がコラボしつつ、その研究成果の活用について、探り、新たな可能性を見出していく、ことになります。

多くの人が顕在化していない、潜在的なニーズの開拓、は苦手なのですが、

ここからイノベーションが生まれ、新たな価値、分野が展開していく可能性があります。

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従来型の産学連携では、1企業と1教員という1対1の関係が主でした。

ところが、オープンイノベーション型の最近の産学連携では、それぞれ分野が異なる企業と、

大学側も機械、電機、化学あるいは工学と社会科学など、分野横断型のコラボで行われるようになりました。

すると、大学の教員、学生にとって、他分野の大学スタッフ、企業との交流が、研究室を離れて、研究テーマを広げる、新たなテーマを発掘する機会となっており、

企業側にとっても、人材を日常業務だけでなく、俯瞰的な視点から見直す、人材育成、あるいは事業再構築、新規事業発掘の場となっています。

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すなわち、「企業の商品化ニーズを大学の技術シーズで実現する」モノ、技術のフェーズから、

連携のプロセスによる、双方の人材の育成のフェーズ、あるいは事業再構築、新規事業発掘のフェーズに移行してしている

この分野については、短期的な成果を求めるのではなく、中長期的な視点を行ってほしい


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産学官連携では、大学と企業だけでなく、産総研、理化学研究所などの研究機関が入るとスムーズに進むことが多いようです。

研究機関としては、ドイツのフランホーファーなどが有名ですが、大学と企業には、まだまだ考え方、発想にギャップがあることが多いのですが、

産総研、理化学研究所などの研究機関が、双方を行き来して、双方が満足できるプロセス、結果に導くのかもしれません。

あるいは、「中抜き」されないように、結びつける機関として頑張っています。

産総研、理化学研究所などに、いいところは、研究分野が幅広く、組織は縦割りになりやすいのですが、横断的な機能も有するところでしょうか。

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イノベーションを起こす人材は、いくつかの幅広いテーマを持ち、組織を越境的に横断することが望まれます。

ひとつの専門テーマに専念し、研究所に閉じこもり、「私はこのテーマが研究できれば幸せです」という人には務まりません。

さらには、組織を越境的に横断する多様な人々が、集まる場、機会が欠かせません。

ニワトリと卵の関係ですが、多様な人々が、集まる場、機会があるからこそ、組織を越境的に横断する人々が現れます。

さらに望まれるのは、集まった人々が、時には、ヒリヒリするような原体験もあるとよさそうです。

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人生観をゆさぶるのは、非日常的な旅行よりも、日常的なヒリヒリする原体験


「ゆるやかなつながり」と「インタラクションが食い込むつながり」のバランス

「弱い絆」「ゆるやかなつながり」が提唱されていたのですが、最近、風向きが変わってきた気がします。

リアルな「場」に、表面上を「つるっと」流れるだけの関係ではなく、インタラクションがあり、お互いに「食い込む」、時には「ひりひり」するかもしれない、「つながり」を求めているのではないか、そんな気がします。

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「合宿をやる」盛り上がっていると互いの共感、これがあると継続できる。原体験が大切

オーナーシップを感じる人を増やすには、合宿のような、強烈な共有体験が必要だったりします


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イノベーションとは、結果として、想定していなかったところで起きるのが、面白かったりします。

・パスツール、ワインの参加を研究していて、細菌を発見。

・カルノー、蒸気機関の効率向上を図りつつ、熱力学の基礎を確立。

・AT&T・ベル研究所、大陸間電話のノイズ削減技術が電波天文学につながった。

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ただ、イノベーションが生まれても、それで、ずっと安泰、という訳ではありません。

ロックフェラー、カーネギーの時代には、石油、鉄鋼技術により、一生安泰でした。

今の時代には、この技術、資格があれば一生安泰、なんてものは、もはやありません。

ただ、この技術を開発すると、3か月は先行出来る、ものはあります。

その3か月のアドバンテージをどう活かすか、がカギとなります。

ヒントがたくさんありました。




stake2id at 22:55│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

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