2009年05月

2009年05月31日

僕は 呼びかけはしない 遠く すぎ去るものに

僕は 呼びかけはしない かたわらを 行くものさえ

見るがいい 黒い水が 抱き込むように 流れてく

少女よ 泣くのはお止め 風も木も 川も土も

みんな みんな たわむれの 口笛を吹く


「TAK」さんが大好きな小椋佳の「さらば青春」です。

でも、ひとつだけ気に入らないことがあります。タイトルです。

なんで、「さらば青春」なのでしょうか?


さて、大学の先生をやっていたり、大学院に通っていて、とってもいいことは、若い人たちとお話しする機会に恵まれていることでしょうか?

今の若い人たちは、「夢を持っていない」「やりたいことが見つかっていない」のような言い方がされています。

確かにそういう人たちがいるのも事実です。

でも、将来の夢を語っている彼ら、彼女らの目の輝きはすばらしいものです。

「「TAK」さん、私、今度の交換留学生のプログラムに応募します。

今、外国をこの目で見て、その環境で、いろいろな国の留学生と勉強したいんです」

「「TAK」さん、今年の夏休みはベンチャー企業のインターンシップで働いてみます。

是非、やってみたいんです」

「TAK」さんの周りには、企業から大学の先生に転進する人が何人か、います。

彼らは、企業で働いていた時に比べ、ずっと忙しくなります。企業で働いていた時も十分忙しいのですが、もっと忙しくなっています。

でも、ずっと性格が明るく、活発になっています。


若い人たちとお話しする時、「TAK」さんは、先生の立場は外します。

もっぱら、聞き役に徹します。間違っても、お説教したり、自分の経験をひけらかしたりしません。


こうやっていると、「さらば青春」ではありません。

「こんにちは!青春!」です!





2009年05月30日

先進国(Developed Country)に対して発展途上国(Developing Country)があります。

英語を文字通り翻訳すれば、先進国が「既に発展が終った」国なのに対し、発展途上国は「現在、発展している」国ということになるでしょうか?

今は、発展途上国(Developing Country)と呼ばれますが、以前は後進国(Backwards Country) 、低開発国 (Low-developed Country)という名称でした。

後進国(Backwards Country) 、低開発国 (Low-developed Country)が、先進国側からの差別的な目線の感があるのに対して、発展途上国(Developing Country)は発展途上国側からの視点に立った、「自分たちは現在、発展している」ということが感じられます。

現実には、発展途上国の中には、「現在、発展している」国もある一方、貧困に苦しむ国があるのも現実です。



複数の産学官プロジェクトをかかえている産学官プロデューサーの「TAK」さんは、各プロジェクトで同時多発的にいろいろな課題が起こります。

それぞれの課題から、毎日学ぶことだらけです。本当に、発展途上人(Developing Person)です。

これは、ひとつのオフィス、職場にいたのでは、経験できないことです。

ひとつのオフィス、職場、会社だけにいると、そこだけが「自分たちの世界」になってしまいます。

まるで、「鎖国」状態です。

それに比べて、いくつかの「職場」を同時並行的に経験できて、人生が何倍にもなります。

人が発展し続けるためには、いろいろな世界に入っていく、ことが大切なのかもしれません。







2009年05月26日

産学官プロジェクトでは、複数の大学、企業、官庁が集まって、あるプロジェクトをいくつかに分けて行います。

ひとつの組織内で行われる仕事と大きく異なるのは、指揮命令系統が明確ではない、ということです。

リーダーという立場の人はいても、人事権、業務決定権がある訳ではなく、「取りまとめ役」「幹事」というところでしょうか?

もうひとつの特徴は、お呼びがかかるのは、特に大学の場合、大学自体よりも先生個人です。

それゆえ、○○大学にプロジェクトの参加をお願いすると言うよりも、○○大学のA先生に、というご指名になります。

A先生の都合がつかないようならば、何も○○大学でなくてもよくて、××大学のB先生にお願いする、ということも少なくありません。

「タテのしっかりした体制」というよりも「ヨコのゆるやかなネットワーク」というのが特徴です

こんな「ヨコのゆるやかなネットワーク」なのですが、「困ったちゃん」と呼ばれる人が侵入することがあります。

「困ったちゃん」の特徴は、威張る、命令口調である、他人のワークを批判する、他人の提案を否定する・・

「そんなことやったって、うまくいくはずがないだろう」

「いつまでにやるのか、決まってないのか?」

こんな調子です。

そのくせ、自分は何もやらないで済ませようとします。

「「TAK」さん、私たちなんで、あの人から命令されなきゃいけないの?上司でもないのに!」

プロジェクトの雰囲気は、悪くなります。本当に「困ったちゃん」です。


でも、「困ったちゃん」にも、意外な効用があることがわかりました。

「「困ったちゃん」の担当は期待できないから、みんなで割り振ってやらない?」

「そうだね。それじゃ、予定より早めに進めよう!」

他のメンバーのチームワークが急激によくなり、結局、全体の進捗がよくなりました。


これは、古くから心理学で指摘されていることで、「外敵が現れると集団内の結束が強くなる」というものです。

「困ったちゃん」という「外敵」のおかげで、みんながまとまりました。


「困ったちゃん」は次回からは産学官プロジェクトには呼ばれません。

でも、他のメンバーのチームワーク向上、全体の進捗アップ、という、「思わぬ置き土産」を残してくれました。




2009年05月24日

起業家と言われる人たちとお話しする機会がありました。

今回集まった人たちに共通していることは、

・特に学生時代から、起業を志していた訳ではない

・超一流のメーカー、商社などに一度は入社した

・入社した企業の仕事、派遣でシリコンバレーで仕事をした

・帰国後、超一流企業を退社して起業

・起業後、3〜4年は赤字続きだったが、今では東証一部上場

・起業はひとりではなく、いろいろなパートナーと協力

・パートナーは仲のよかった友達ではなく、ビジネス上の付き合いから

ということでしょうか。

intel2










どれを取り上げてもテーマになるのですが、ここではシリコンバレーでの経験を取り上げます

この起業家は「TAK」さんの学生時代からの友人で、ざっくばらんにいろいろ話してくれました。

「半導体、通信の専門でもない自分がシリコンバレーに派遣を言い渡された時は、驚きました。

30歳になったか、ならないか、でベンチャーキャピタルを設立して、副社長をすることになりました。

シリコンバレーでは、会社の名前など通用しません。

会社の名前ではなく、個人の魅力、「こいつとビジネスがやれるか?」でビジネスが進みます。

30歳そこそこの自分が、現地の経営者と直にやり取りをしました。

2年間で数十億円の売り上げ規模になりましたが、本社にとっては、たいした規模ではなく、それほどの評価も受けませんでした。

やがて帰国の命がきました。こちらでは副社長の自分が本社に帰社すると部下が二人しかいない課長代理です。

ちょうど上の子が生まれたばかりの時期でした。

退社をほのめかすと、周囲は猛反対しました。

でも、よかった、と思っています。

シリコンバレーに行っていなかったら、この決断はしていなかったでしょう」


「TAK」さんはシリコンバレーには一度だけ行ったことがあります。

google












日本から2〜3日の視察に行った人は、Google、Intelの前で記念撮影をして、帰国後「シリコンバレーって、何もない、だだっぴろいところだったよ」なんてことになります。

だって、単に視察に来ただけの人に、現地の経営幹部は会ってくれませんから。


若い頃の強烈な経験、これがその後のキャリアのドライバーになるようです。





2009年05月21日

お友達のkasaさんのB サイエンスコミュニケーション


わかり易い研究をどう届けるか

・研究を知ってもらう。

・研究に興味をもってもらう。

・研究を活用してもらう。

さらには

・研究に協力してもらう

・研究を買ってもらう。

ことが必要なわけで、

単に判り易い資料があるだけでは進展はない。

改めて”伝わる”仕組みつくりの難しさを感じている。

”わかり易くする”+αをもっと身につけていきたいなと思う次第。


この話について書き出すと、ものすごく長くなるので、別の機会にするとして、東大の社会学研究所の玄田有史先生から、伺ったお話を思い出しました。

「ぼくの授業は、学生から「とてもわかりやすい」と言われます。」

本当にその通りで、とってもわかりやすい、です。

「先生、この調子なら、予備校の講師だってできますよ!」

「いや、予備校の講師なら、それでいいんです。

でも、大学院って、高度な能力を持っている人たちに対して、とっつきにくい、難しい最新の課題を紹介して、それぞれの人たちに自分なりに考えてもらう、という場所でもあるんです」

「もし、それをさらっとわかりやすく紹介して、「わかったつもり」になってしまうのであれば、大学院生の考える機会を奪っているんことにならないでしょうか?」


実は、「TAK」さんも最近は、この「とっつきにくそうな、難しい最新の課題を紹介して、それぞれの人たちに自分なりに考えてもらう」ことの大切さを考えています。

ひとりで本を読んでも、ちんぷんかんぷん

でも、先生に紹介、ガイドしてもらってなら、何とかチャレンジできるかも?

そうやって、難しいことを、さばく、考える力がついていく??かもしれません




2009年05月20日

新型インフルエンザの感染者数は、日本が世界で4番目になりました

日本での感染は関西ですが、首都圏での産学官活動にも影響してきました

産、官は差し障りがあることもあるので、ここでは具体名は控えますが、関西方面へ、関西からの出張自粛、が進んでいます。

「TAK」さんが関連する大学としては、

東大
<不要不急の外出の自粛、研究会・課外活動等を含む集会の開催についての検討>

当分の間、不要不急の外出を自粛してください。

集団、人ごみの中ではウィルス感染の危険が増えますので、研究会・課外活動等を含む各種の集会はその開催時期と必要性をご検討ください。

<今後の対応>

東京大学の施設の所在する地域で新型インフルエンザの感染が拡大した場合には、必要な措置(休校を含む)をとります。

必要な情報は、本学HPに随時掲載しますので、毎日確認してください。


東工大

1.想定する状況
学内での感染者が確認された場合、あるいは政府機関、地方自治体などからの対応要請があった場合。

2.想定する対応

(1)東京工業大学における学部・大学院等の授業をすべて休講とする。学外で実施する授業についても同様とする。

(2)学部学生・大学院生等が参加する上記授業以外の輪講など学生が集まる活動を禁止する。

(3)課外活動は、対外試合を含めすべて禁止する。

(4)学部学生・大学院生等が参加する学外で行われる学会等に関しては、学会主催者の判断と指示に従って行動する。参加する場合は、感染予防とまん延防止に留意して行動する。

(5)大学機能に必要な業務及び各研究室における研究活動は、通常通りの運営を行う。ただし、感染を予防する観点から、多人数の集会は原則として行わないこと、感染予防対策を徹底する。

(6)学内において行われる講演会等の集団活動は、原則として中止・延期する。なお、主催者が本学でない場合は、これを中止・延期するよう要請する。


という具合です。

「不要不急の研究会」なんてないけれども、新型インフルエンザの感染の中で、多人数の人が集まるリスクを犯してまで、行う必要があるか?と言われれば、考えざるを得ません。

本当に憂慮すべき事態になってしまいました。





2009年05月18日

関西地区では人が集まるイベントの中止が相次いでいますが、首都圏では中止にはなっていません

いつどうなるか?はわかりませんが。

さて、「TAK」さんは、講演をすることも、講演会の主催者になることも、参加者になることもあります。

どの立場でも、参加していただいた皆さんに「いい講演会だった。とってもためになった」と感じていただきたい、と思っています。

ところが、そうもいかないことも少なくありません。

講演する方は、これまでの自分の経験、経験から得た知識、智恵を参加した人々に披露することになります。

講演する方は、成功した方ですから、「自分はこうして成功した」という話が柱になるでしょう。

でも、成功の陰には、何倍もの失敗経験もあったはずです。

これを少しでも、披露していただければ、参加者に共感が得られます。

大企業を退職して、新たに事業を起こした方が、講師をされることは多い、と思います。

多くの方は、退職の状況を、さらっと、話します。

でも、本当はどろどろした葛藤があったはずです。参加者もそこが聞きたかったりします。

講師をやる以上は、話したくなくても、退職の事情を話すのは、講師料に含まれている、と思ってください。

ところで、講師の中には、悦に入って自慢話を披露したり、中には有名人との対談ビデオを流す人までいます。

以前、セミナーで講師が自慢話?で、書きましたが、まだよく見かけるので、再掲します。


何人かのセミナー講師は、「自慢話の披露」をするのです。

「東証一部に今年から上場しましたが」

「高卒の私が起業して、今では1000人の会社の代表取締役社長です」

「昨年から東大で講義をしていますが」

等など。


自慢話は本人以外には全く興味がなく、つまらないものです。

表現は悪いですが、ある参加者は不満げに、

「金と時間を無駄にして、あいつのオナニーを見せられたようなものだ!!」

とこぼしていました。


セミナー参加者は「何か参考になることを学びたい」とお金、時間を使って、セミナーに参加しています。

もし、あなたが講演する場合、「自慢話」は絶対にやめましょう!






2009年05月17日

新型インフルエンザの感染者が大阪、兵庫で渡航暦のない高校生、大学生から見つかりました

感染ルートは、まだ不明ですが、成田、関空、中部の国際空港での、大規模な水際作戦でも防げなかった、ということでしょうか?

一部で、空港での水際作戦を「騒ぎ過ぎ」のような声もありましたが、どんなに万全の体制をしいても完全ということはないのでしょう。あるいは、全く想定していなかったルートからかもしれません。

さて、国内に既に感染している以上、水際作戦は継続するものの、全く別の対応が必要になるでしょう。

つまり、現在、渡航禁止、自粛で対応している組織が多いのですが、国内に既に感染している以上、他の対策が必要です

国内の交通、流通は止められないので、首都圏に影響が及ぶのも時間の問題かもしれません。

さて、現在の大阪、兵庫での対応を見ていると、マイミクのメキシコのおばちゃんから教えてもらった、メキシコでの対応が、再現されているかのようです。

とても参考になるので、再掲します。



皆さんもご存知のように今メキシコシティは大変です。皆、活動停止で、じっと自宅にいる状態です。

ここ数日間の間に豚インフルエンザの45人の死者を出しているメキシコシティでは、メキシコシティでの活動の全面停止の可能性もあると、メキシコ市長。

この月曜日と火曜日の間に死者や感染者が減少しない場合、この決定をくだすだろうと。

それは、一日500万の利用者のある地下鉄の停止をも含めるものである。

1から10段階に段落分けして最悪の場合バスターミナル、空港の閉鎖もあり得る。

Ebrado市長によると、この一週間がビールスの蔓延を防げるかどうかの勝負であると。

メキシコ市では、昨日、買い物パニックが始まった。
人々は水や食料などのパニック的に買い物にはしり、スーパーの商品は空になった。

おばちゃん、姑が入院している病院の帰り、買い物しようとスーパーに行ったら、駐車場から、車が長い列。

「いったいなんなんだ、平日なのに。」

駐車場はいっぱいなわけで、車が一台でたら、一台は入れるって事だから、いったいどのくらい待つ事になるのか?と思い、やめた。と帰ってきた。

人々は無駄に、聞く「マスクがありますか?」

薬局の答えはいつも同じ「ありません」

マスクは、どこでも売り切れ、売れきれと言われます。
一ペソのマスクが、35ペソとか50ペソとか。
使い捨てなんだから、ドンドン必要なんだけど。
これも困ったことです。


鉄道、流通、警察、消防、電力、ガス、水道、医療、通信、放送など、生活に欠かせないインフラは、インフルエンザが蔓延しても、そう簡単には停止できません

でも、学校や人が集まるイベントは中止になるかもしれません

「TAK」さんが関係している大学からは、現時点では休校の連絡はありませんが、いつ休校になっても仕方ない、という状況でしょうか

さて、先ほど、使い捨てマスク、うがい薬のイソジンを買いに行きました。売り切れではなく、売っていました

店の人に聞くと、

「関西地区は在庫がなくなっていますが、こちらはまだ何とかあります」

という返事です。

でも、明日の夕刻にはどうなっているかしら?

「備えあれば憂いなし」

が「TAK」さんのモットーです。





2009年05月14日

杉並区立和田中学校・前校長で大阪府知事特別顧問の藤原和博氏のお話です

コミュニケーション力の低下は、人材育成の分野でも共通した問題になっています。

これは、高度化・複雑化し、変化の激しい今の時代に必要となっている「情報編集力」を高める教育が、子どもの頃から十分に行われていないからであり、同じ問題を抱える社会人が増えるのも当然だと、藤原氏は考えています。

藤原氏は、コミュニケーション力を低下させている理由として、次の2つを挙げました。

(1)超便利社会

店内に入って何かを買って出てくるまで、一言も発しなくてもすむコンビニエンス・ストア。コンビニは一種の「自動販売機」だと藤原氏は言います。

かつては、お菓子一つ買うのにも駄菓子屋のおばさんとあれこれ交渉したりして、子どもたちが大人とコミュニケーションする必要がありました。

今の私たちをとりまく環境はますます高機能化、インテリジェント化してきています。人が望んでいるものを先回りして、「あなたはこれが欲しいんじゃないですか」と聞いてきます。能動的にコミュニケーションをする機会が失われているのです。

社会がどんどん便利になっていくことは止められない流れだという理解を踏まえて、どうやって子どもたちのコミュニケーション力を向上させるかが重要です。

(2)正解主義

現代の子どもたちには「正解主義」の呪縛があります。正解がわからなければ発言しません。このため、活発なコミュニケーションが成立しにくいのです。

藤原氏は、「修正主義」を提唱しています。修正主義とは、とにもかくにも頭に浮かんだことを口に出してみる。そして仲間と議論を繰り返して、考えを無限に修正していき、自分自身、および周囲が納得して受け入れられる「納得解」へと到達するというものです。

子どもたちが正解主義に囚われてしまう原因は学校にあります。学校とは、基本的に正解を教える場所です。小・中・高とずっと正解を詰め込むことばかりをやってきた結果、子どもたちはどんなことにも正解があるという勘違いをしてしまうのです。

就職活動において、自分にとってどの会社が「正解」かを考えて会社選びをしてしまう。その結果、入社早々、3カ月くらいで「この会社はちょっと違う、正解じゃなかった」とあっさり辞めてしまう。

会社で働くということは、変化する会社と、変化する自分との間でぎりぎりのベクトル(方向性)合わせをし続けることです。常に変化する状況の中では唯一絶対の正解はありません。その都度その都度、最適な解、つまり納得解をすり合わせるのが働くということです。

結婚もまた同様です。意見が合わないからといって簡単に別れてしまうのではなく、子どもを含め、変化していく相手(夫、または妻)と自分との間で意見を戦わせながら、やはりぎりぎりのベクトル合わせをし続けるのが結婚生活なのです。


低下してしまったコミュニケーション力を向上させるため、藤原氏は、以前から「情報編集力」の重要性を訴えてきました。従来の学校が教えてきた、正解をすばやく答えられるスキル、すなわち「情報処理力」だけでは不十分だと考えているのです。そして、情報処理力と情報編集力の違いを、藤原氏は、ジグソーパズル=情報処理力とレゴブロック=情報編集力の違いにたとえて説明してくれました。

ジグソーパズルでは、あらかじめ決まった図柄(答え)を完成させることが重要です。しかし、自分の好きな図柄を創作したり、図柄を途中で変更することはできません。

一方、レゴブロックは組み合わせによって自由に新しい形をいくらでも生み出せます。正解がないので一人ひとりが世界観を持たなければできません。

20世紀の成長社会は、「長生きできて、平和で便利で安全な国」というジグソーパズルの図柄(ビジョンや目標)を完成させるため、みんな一緒にがんばる時代でした。この時代に必要とされたのは情報処理力です。図柄が事前に与えられていたからです。

しかし、20世紀にめざした図柄がある程度実現した今日、すなわち21世紀の成熟社会では、みんな一緒ではなく、それぞれ一人ひとりが自分なりの世界観を持ち、様々な要素を自由に組み合わせて、新たな図柄を生み出すことが求められています。そこで、情報編集力がますます重要になってきたというわけです。

情報編集力は、要素(正解)をたくさん覚えるのではなく、自分が持っている知識、経験、スキルといった内側の要素、さらに、他者が持つ知識、経験、スキルといった外側のスキルも借りて、柔軟につなぎ合わせることがポイントです。したがって、情報編集力は、わかりやすく「つなげる力」とも言い換えることができます。

情報編集力を構成する主な要素は、コミュニケーション力、論理的思考力、プレゼンテーション力の3つ。こうしたスキルを鍛えるために有効な方法のひとつが、藤原氏が開発した「自分プレゼン術」です。

自分プレゼン術は、わかりやすく言えば「自己紹介」です。自分の特徴を一言でわかりやすく説明する「キャッチフレーズ型」や、様々な質問を投げかけながら、相手と自分の共通点を探し出していく「Q&A型」などいくつかの方法があるそうです。





2009年05月13日

いくつかの路線が集まるターミナル駅で、電車がもうすぐ出る音楽が、けたたましく鳴っています。

あなたは、あわてて電車に飛び乗ります。

ところが、どうも乗っていると、行き先があなたの目的地と違うみたいです。

あなたは、途中駅の駅名、風景などの情報から、正しい目的地に行く電車かどうか確認し、もし違うのであれば、なるべく早く乗り換えます。

その方が、損失が少なくて済みます。

でも、行き先が明確には定まっていない場合は、どうしますか?

別の例で、話します。

大学院のゼミでは、20〜30ページくらいの英文の論文を読んで、その内容をパワーポイントにまとめて、発表する、というスタイルをとることがあります。

論文の内容が優れたもの、示唆深いものであれば、発表者も参加者も有意義なひと時を過ごすことができ、先生からも高い評価をもらえます。

逆に、前提が間違っている、仮説の設定がおかしい、検証方法が偏っている、など、もともとの論文の質が悪いと、どのようにパワーポイントの作成を頑張っても、いい発表にはならず、参加者からはボロクソに言われ、先生からの評価も低くなります。

それゆえ、まず最初の論文の選定が重要になります。

困るのが、最初はよい論文だと思っていたのですが、読み進むうちに、実はたいした内容ではないのでは?と気づくときでしょうか?

このまま行くべきか?他の論文に乗り換えるべきか?迷います。

本当は、乗り換えた方が良いのでしょうが、この論文を読むのに既に費やした時間、労力を考えると、そう簡単にはいきません。

また、必ずしも、乗り換えた方が良い訳でもありません。

もう、時間がないのであれば、何も発表する内容がない、よりは、評価が低いことは承知の上で、今読んでいる論文を発表した方がいいかもしれません。


さて、ターミナルの電車、ゼミの英文の論文くらいならば、決断を間違っても、それほど大きな損失はないでしょう。

就活、婚活、など、「活動」が重要な職業、パートナーはどうでしょうか?

もちろん、就活、婚活で、自分にあった、よいものを選択したはずが、実際に就職、結婚したところ、「こんなはずでは?」ということがあるかもしれません。

では、こういう場合、早く乗り換えた方がいいのでしょうか?実は、話はそれほど簡単ではありません。

既に書かれている英文の論文、乗ってしまった電車は、何があっても変わらずに、「固定的」です。

ところが、職業、パートナーは「固定的」ではありません。一時は「こんなはずでは?」と思っても、これからのあなたとのかかわりで、変わっていくかもしれません

これについては、別の機会に話します。

乗り換える?このまま行く?の決断は、いつも難しいようです。





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