2009年11月

2009年11月30日

GEW主催:日本の起業家精神の展望の黒川清 政策研究大学院大学教授による基調講演「アントレプレナー=チェンジ・エージェント 〜進取の気性が社会を変える、世界を変える」でのお話が、日本の起業家精神の展望(1)に紹介されていました。

以下の部分が印象に残りました。


日本人は,ここまでおいしいモノを作ってきた,

次にやることは,もっとおいしいモノをと努力する。

拡げることを忘れている。

とんこつラーメンの「味せん」という九州のラーメン屋は,そこに来た中国人女性に任せたところ,中国に店舗が200店舗になった。

海外進出をして300店舗になった。そのうち200が中国,上海80店,北京40店ある。

ホンダも,中国で二輪車は,「ヒーロー」と組んだ。だから,面が広がった。

面を広げることは,日本は不得意で,それが弱さだ。



日本の科学者、技術者は、より優れた技術をと、深く掘り下げ、前に前に進もうとします。

ところが、その技術をどう広く普及させるか?という横に広げることには無頓着かもしれません。

参考になる、言葉でした






2009年11月29日

B面ブログで書いた東京丸の内三菱ビルで行われた東京大学知的資産経営総括寄付講座公開セミナー「グローバルイノベーションエコシステムにおける中国・インドの台頭」の参加者の様子が興味深いものでした。

会場には100人以上の参加者がいましたが、その多くが50歳以上の男性でした。

居酒屋で会社のグチをサカナにお酒を飲んでいるのが似合いそうなおじさんたちが、公開セミナーにしらふで参加しています。

このセミナーの内容は、「すぐに仕事に使える」というもの、ではありません。

いわゆる自己啓発といわれるものです

このおじさんたちは、役員目前で出世のために、一生懸命勉強しているのでしょうか?

う〜ん、ちょっと違うみたいです

むしろ、出世街道を外れたおじさんが会社の仕事をさっさと切り上げて、参加している様子です

企業では、40歳を過ぎると、研修はしてくれません

このくらいの年齢になると、「将来を担う人材」ではなく、もうすぐ会社をやめる人にお金をかけるなんてもったいない、ということになります。

でも、会社にしがみついているだけでは、ジリ貧です

そんな訳で、50歳以上の男性の自己啓発意識はかなり高いものです

一方、大学側にも事情があります。

少子化の影響で、大学生年齢の人口が減少しています。

もちろん、東大、東工大が定員割れすることはないでしょうが、母数が減少しているのですから、同じ定員で募集をすれば、レベルは低下します

そこで、東大、東工大とも、留学生、社会人を積極的に受け入れようとしています

留学生に関して言えば、両大学とも中国、韓国、台湾など、アジア諸国からの留学生の多さにびっくりするほどです

社会人の受け入れについては、東大、東工大で姿勢の違いがあります。

東工大は大学院そのものに社会人を受け入れようとしています。学生、社会人の相互作用も狙っています。

東大は少し違います。

この公開講座が、東京丸の内三菱ビルで行われていることからわかるように、大学外で行っています。

これは、丸の内という場所で社会人の便宜を図る、という意味と同時に、大学には入れない、という姿勢とも取れます

東大の技術経営戦略学いわゆるMOTに行くと、社会人の少なさに驚きます。

先生は言っています

「社会人も数多く受験するのですが、数学と物理の試験があるので、ほとんど落ちてしまうんです」


社会人の自己啓発意識の高さ、大学の社会人受け入れの事情、これからの大学院教育が楽しみです





2009年11月26日

東工大の鴨志田晃教授のおもしろい書き物を見つけました。

「どのようにしたらイノベーションは起きるのか?」

この問いは、企業経営者ならずとも、なかなか答えの見えない難問です。

「イノベーションは起こそうと思っても起きません。起きるのは結果です。

われわれが出来るのは、イノベーションを促す環境を整えることまで。あとは、イノベーションが起きるのを待つしかありません。

それは料理人がいい 食材を集めてレシピをつくるのに似ています。」

このように話すのは、アメリカのデザインファームIDEO 社のディレクター、デイブ・ブレイクリー氏です。

IDEO 社といえば、 Palm のPDA やアップルコンピュータのマウスをデザインした会社として有名です。

彼の話を聞いていて、ある言葉を思い出しました。それは、「創発」(emergence)という言葉です。

創発とは、企業組織などで、個々のメンバーは自由かつ自発的に行動しているにもかかわらず、誰が意図しなくとも、自然に、秩序だった組織活動や組織形態が生まれる現象を表わす言葉です。

しかし、私たちは、イノベー ションを起こそうと考える余り、組織を設計し、人々を管理・制御しようとする過ちを犯しがちです。

イノベーションという極めて複雑系の現象に「管理・制御」という機械系の発想を持ち込んで、組織やそこにいる人々の活力を失わせてしまうのです。

自由かつ自発的な発想の発露としてのイノベーションを、組織的かつ意図的に起こそうとする矛盾。

これを克服することにこそ、イノベーションを起こす経営のヒントが見えてくるのではないでしょうか。





2009年11月25日

B面ブログに書いた東工大・朝日カルチャーセンター・ジョイントコースの「労働」概念の歴史と現実で、新・幸福論 カツマーとカヤマーという話が紹介されました。

現実は変わらないかもしれないけれど、自分は変えることができる。だから自己啓発、と勝間和代さん的生き方を目指すカツマーと『しがみつかない生き方』の香山リカさん的生き方を目指すカヤマーのお話です


頑張っているのに、なんだか幸せじゃない気がしていた。

スゴイ人にならなければと思い込んでいた。

考え方を変えてみたら、と教えられた。

自分なりの心地よさで努力することも大事だと知った。


勝間本はバイブルだった。

バイブルに導かれるように、仕事の後、寸暇を惜しんで大学の社会人講座やコピーライター教室に通った。

月3万円は自己啓発本に投資。留学をしたわけでも、特別な資格があるわけでもないから、武器を身につけなければ必要とされないと思った。

会社は安定していたが、年功序列型から抜け切れていない働き方では時間の浪費と考えた。

入社3年目でベンチャー系の化粧品会社に転職した。自分の提案が採用されれば給与に反映され、若いうちから役職を与えられた。もっともっと上に行きたいと仕事に没頭した。

20代後半になると今度は、結婚していないことに焦ってきた。派遣OLになった同級生たちが次々と結婚していた。

自分はこれだけ努力しているのに、損ではないか。好条件な彼を選りすぐらなければと、お見合いパーティーをはしごした。

バイブルの一冊、『インディでいこう!』。勝間和代さんは女性がインディペンデントに生きるためには、(1)年収600万円以上を稼ぎ、(2)いいパートナーがいて、(3)年をとるほどすてきになっていく──という条件を挙げていた。

この条件を満たすには、何かが足りないと常に感じていた。

一冊の本が紹介された。香山リカさんの著書『しがみつかない生き方』だった。

読むと、薄々気づいていたことを、言葉にしてくれている感じがした。

「『飽くなき成功願望』ゆえに満たされない」「人生には最高も最悪もない

「自分が95%の時に5%足りないことばかりを見て焦ってきたけど、95%もあることに気づけば幸せを感じられるのかなって」

「スゴイ自分」になることをがむしゃらに目指してきたけれど、「スゴくない自分」も受け入れることこそ大事なのではないか。

「しがみつかない」ためには、ある時期「しがみつくように」努力することも大事なのではないか。

「香山さん的生き方と勝間さん的生き方がうまく融合すると、きっと一番幸せなのかも」

『しがみつかない生き方』は、発売直後から火がつき、37万部を超えた。

ここ数年売れているビジネス書や自己啓発本は、最小限の努力で最大の成果を上げる「人生の効率化」のスキルやノウハウを伝えていた。24時間がむしゃらに頑張るのではない、自由と余裕のための「努力」をうたっていた。

だが、その「頑張り」や「努力」でさえ息苦しい。成果が出なければ挫折感も大きい。そう感じ始めた人が香山本に手を伸ばしたのだろうか。

「あまりにも夢中になって頑張っているうちに、頑張れば必ず成果が出るという暗示にかかって、成果が出なければ自分を責めてしまう人が増えた。

だから成果が出ないこともひっくるめて受け入れよう、というメッセージに共感したんじゃないでしょうか」


「カツマー」から「カヤマー」へ。一気に雪崩を打つほど、いまの「幸せ」の実感は単純ではない。

真逆に見える「勝間的なもの」と「香山的なもの」が、今の時代に、両方必要とされている。

それだけ「ふつうの幸せ」を手に入れるのは難しいということだろう。





2009年11月23日

東京大学で開催された「知の構造化センター・シンポジウム(Webと知の構造化)」に参加します。

会場の東京大学本郷キャンパス 福武ホールは超満員、その8割以上が社会人でしょうか?

案内通知が興味深いものです。

Web(World Wide Web)は,人々の情報共有の方法に革新を起こしました。

非常に低いコストで瞬時に世界中に情報を公開することが可能になったことから、多様な情報がWeb上に公開されてきました。

情報の粒度も細分化が進み、独り言レベルの情報すらもWebを通じて共有する時代が到来しました。

情報の公開・共有の方法が簡易化された一方で、人が処理しなければならない情報量も爆発的に増加し、多量の情報の中から重要(必要)な情報を探し出すのが困難な状況が続いています。

知の構造化シンポジウムでは、「Webと知の構造化」をテーマとし、Web上に構築されつつある(されている)巨大な知識集合とどう向き合っていくのか?Webが知識を蓄えるインフラとしてどんな価値があるのか?どんなことができるのか?をメイントピックとします。

さらに、この中で構造化された知識がこの中でどのような役割を果たすのかを検討・議論します。

データセクション株式会社橋本大也会長の招待講演「Web集合知時代の『情報力』」の概要も興味深いものです

Blog、Wiki、Twitter、Tumblr、Digg、そしてGoogle。

インターネットのコミュニティとコミュニケーション分野における連続的イノベーションによって、ネットワーク上の集合知が、個人の専門知を凌ぐ時代が到来しようとしています。

デジタルとネットワークによって情報処理能力を飛躍的に高めた個人が、加速度的に人類最大の「群衆の叡智」の空間を共創していく情報爆発の時代。

個人や企業はどのような『情報力』を身につけて、どのように価値創造の潮流に参加していくべきなのか?

2010年代の情報環境に適合して進化していくハイパー情報人材の姿を考察する。


今の時代、情報は爆発し、あふれかえっています。十分にどころか、ろくに消化できていないのが現状でしょう。

一方で、本当に必要で、欲しい情報は、なかなか手に入らない、という、矛盾した状態でもあります

大量の情報を、どのように価値としていくか?

価値創造の構造化技術が、「知の構造化」ということでしょうか?

2つヒントがありました。

・読み取ること、読み替えること、自分の文脈に構築し直すこと

価値創造とは、無から何かを生み出すことではありません。

本に書かれていること、論文・新聞・ウェブに掲載されていることを、読み取り、読み替え、自分の文脈に構築し直すことが、価値の創造です

・コミュニティーという場

地域社会、会社というリアルな場だけでなく、ウェブ上にもコミュニティーができるようになりました

このコミュニティーの特徴は参加、脱退がリアルなものに比べて、極めて自由、ということでしょうか?

このコミュニティーで検討、議論される「知」は極めて有用なものです


ずっと聞いていたかったのですが、ここで時間切れ、次の場所に移らねば、残念




2009年11月20日

ある旅行会社の役員の方から、大変興味深いお話を伺いました

以前の旅行会社は、顧客に対する情報、交渉力の非対称性、それに対する対価がビジネスモデルでした。

例えば、日本に住んでいて、ロンドンからローマの航空券を予約する、パリのホテルを予約する、というのはほとんど不可能でした。

それゆえ、顧客は、ダメと言われればそれに従うしかない、圧倒的に弱い立場でした。

また、店頭販売では、高額な海外旅行商品を前に迷っている顧客の「背中を押す」のに長けているカリスマ販売員もいました。

今は、ネット上で、一般の人が、ロンドンからローマの航空券の予約、パリのホテルの予約、を自宅のパソコンでできます。

情報、交渉力の非対称性は全くなくなりました。

また、背中を押す機能も、日本人の旅行先が、ハワイ、ニューヨーク、パリなどに限定されていた時は、確かに、旅行会社の方が顧客よりも情報が優れていました。

しかし、旅行先が、アフリカ、南米などに多様化し、顧客自身がネットで情報を検索できるようになると、必ずしも旅行会社の方が顧客よりも、情報が優れている、とはいえない状態になりつつあります。

「TAK」さんはは毎年1回必ず海外旅行をします。

10年前は旅行会社のパッケージツアー、5年前までは旅行会社で自分用にカスタマイズしたツアーを作成していました。

しかし、それ以降は、インターネットを利用しています。

航空会社はともかく、各ホテルに直接アクセスし申し込むことはありません。

何らかのホテルを集めたサイトで申し込みを行います。そのサイトとは、必ずしも旅行会社のサイトとは限りません。

ある程度の質、量のホテルを掲載しており、適切な価格であり、信頼できるサイトであれば、よい訳です。


「情報、交渉力の非対称性」がなくなり、「背中を押す機能」もなくなりつつある、旅行会社が今後どのようなビジネスモデルを展開していくのか?見守ることとします






2009年11月19日

A君は東大の技術経営戦略学、いわゆるMOT(技術戦略)を専攻する大学院生です。

この学科は、東大の中でも難関で知られています。

ところが、そのA君が浮かない顔です。

「「TAK」さん、僕にはMOT(技術戦略)は向いていないみたいです。

学部のときは、機械工学を専攻していました。

流体力学、材料力学、熱力学など、勉強してきた学問は、しっかりした数式で与えられる原理、法則に基づいた精緻なものでした。

どんなに複雑にみえる現象だって、原理、原則に従っていけば、解明できるし、逆に原理に基づく数式を与えてやれば、シミュレーションにより、いろいろな予測ができます。

ところが、企業経営のお話を聞いていると、裏づけとなっているはずの根拠は隙間だらけでいい加減、結局は、運とタイミングと経験、いい上司、経営者に恵まれた、なんて話です。

これでは、学問の余地なんか、ないじゃないですか?

僕は、もっと科学技術を実用に活かせると思って、MOT(技術戦略)を専攻したのに、失敗だったみたいです。」

これは、A君に限らず、理工系の学部からMOT(技術戦略)の大学院へ進んだ学生さんからよく聞く悩みです。

もっとも、起業家サークル、勉強会に入っているB君は全く違った意見です。

「どんなにいい技術であっても、それを使う顧客がいて、適切な対価で、ビジネスとして成り立たなければ活用できません。MOT(技術戦略)という学科があってよかったです」


「TAK」さんは、これに対する答えは持ち合わせていません。

ただ、MOT(技術戦略)、MBAへ進学するのであれば、やはり数年の社会人経験を経てからの方がいいと思うのですが




2009年11月18日

「丸の内カフェ」で開催された国際共通語としての英語を通じて、国際的な相互理解と世界の人々との友好を目的として活動を続ける、日本英語交流連盟(ESUJ)によるプログラムに参加します。もちろん、すべて英語で行われます。

今日のテーマは、今振り返る 「昭和ジャパン」論 〜在日四半世紀 あるオランダ人の視点〜

案内文には、以下のようにあります

戦後復興期に来日し、外国人銀行家として四半世紀日本の復興と発展に関わってきたブリンクマン氏ならではの昭和回顧録と、現代への提言。ブリンクマン氏は引退後に日本研究に関して執筆家また写真家として「昭和」日本を紹介され活躍されています。

バブル崩壊、昨今の金融危機、変わる日本人気質・・・何かと不透明な平成の代にあって、戦後モーレツな復興をとげて発展し続けた昭和の時代への郷愁から、今密かな「昭和」ブームもおきています。

日本人は、ある種のノスタルジー感覚で昭和を懐かしがりますが、オランダ人のブリンクマン氏はむしろ客観的に見ることができるでしょう

さて、昭和とはインターネットも携帯電話もメールもなく、テレビ、電話が一家に1台やっとついた時代でした。こんな不便な時代、考えられますか?

モノがあふれかえる今と違って、本当に貧しい時代でした

でも、貧しい中でも、「今日よりも明日はきっとよくなる」「努力すれば、必ず報われる」という夢と希望があった時代でした。

実際に所得は右肩上がりで上がっていきました。もちろん、今と比べて、ずっと低いレベルですが

目標の設定も明確で、楽でした。欧米というお手本があり、「とにかく頑張れば何とかなる」という簡単な図式でした。

チャレンジも簡単でした。失敗してもなくすものは何もありませんから、とにかく挑戦し、失敗したらまたやり直せばよかった訳です。


今、昭和の成功モデルを取り入れようとする動きもありますが、あまりうまくはいっていないようです。

ブリンクマン氏は次のように言っていました。

昭和は、お手本があって、教えられたことを学べばよかった。これを一生懸命やれば一番になれた。

ところが、不透明な平成では、このモデルは通じない。

自分で考えて、自分の見解を持ち、自分で責任を持たなければならない。


古びた昭和のモデルの代替を探し回るよりも、窓をあけて新しい風を取り入れるほうが賢明だ。

これが、ブリンクマン氏の日本人へのアドバイスでした。





2009年11月17日

「TAK」さんは、大学の専任の教員ではありません。

ですから、いつもいつも大学の勉強会、講演会に出ている訳ではありません。

企業の第1線の現場に出て、顧客の生の声を聞く、こともしています。

「企業の問題、課題は現場にある。だから、とにかく、現場に出て、実際に起きている現象を見て、聞き、それを業務プロセス改善につなげる」

ことが大事と言われています。

その通り、現場の第1線はとても大事です。

ただ、ここではあえて、少しひねくれた視点から見ます。

現場に出て、顧客の声を聞き、それに対応する。

問題点があれば、業務プロセスを改善する。

一見すると、よいことです。

ただし、「落とし穴」があります。

現場は活気があり、忙しいし、顧客との直のやり取りがあります。

これをやっていると、「結構いい仕事をしている」というある種の満足感、充実感を味わってしまうことです。

実は、ここで止まってしまっては、現場に出ただけで、現場からは学んでいないのです。

「みんな忙しそうにしているけれど、もしかしたら、この仕事って、「いらない仕事」じゃないかしら?」

「お客さんはこう言っているけれど、本当のニーズはなんだろう?」

現場に潜む見えない問題・課題を探し出してこそ、「現場から学ぶ」ではないか?と思っているのですが。




2009年11月14日

慶應義塾大学SFC研究所からオープン・リサーチ・フォーラムの案内がきました。

日時は11月23、24日、場所は六本木ヒルズで開催されます。

プログラムは内容が盛りだくさんなので、ウェブを見ていただくとして、案内文が素敵なので、紹介します。


ひらめきと実行力によって、未来を拓く。

私たちは、「極端なるもの(エクストリーム)」を志向し、 変化や多様性を際立たせることを試みてきた。

今回のフォーラムでは、ひらめきと実行力の上に立ち、 いま一度、これからの私たちについて考えてみたい。 積み重ねられてきた知識と創意を、ひとつの「庭」として設え、 あらためて回遊してみよう。遺伝子から宇宙まで、さまざまな スケールの〈モノ・コト〉が埋め込まれ、私たちを刺激する。 ちいさきものに、大きなものが映る。静けさに、動きが見える。

「庭」を歩くと、時間とともに堆積してきた知識の構造が、 「断面」となって露出しているかもしれない。 表面をこすれば、その触感が、見え隠れすることもあるはずだ。

ふり返ることは、後ろを向くことでも、昔を懐かしむことでもない。 百年に一度と言われる社会環境の変化に向き合いながら、 私たちは何を考えるのか。どこへ向かうのか。 堆積され、強固に感じられる土台があるからこそ、私たちは、 これからも「極端なるもの(エクストリーム)」へと向かうことができるのだ。

「創意の庭」は、それぞれの調査・研究の単独の展示ではなく、「生態」としてのつながりやまとまりを感じることのできる場所である。 いくつかのテーマごとに造られた「庭」を眺め、 さらに「庭」から「庭」へと足をはこぶことで、 私たちの創意が呼び起こされるだろう。




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