2011年01月

2011年01月30日

東大ischoolとは、


20世紀的なシステム、考え方、そして生き方は、いよいよ行き詰まりを迎えています。

資源と環境の危機。複雑化・高度化する社会問題。個々人の価値観は多様化し、学問の専門化・分業化はきわまって、総合的・統一的な答え、社会全体に効く答えは見つかりません。

私たち i.schoolが目指すのは、これまで世界に存在せず、誰も生み出しえなかった、新しい答えを創り出す人材の育成です。

分野・領域の枠を越えて、横断的・統合的な視野を持つ。論理的な思考の先に、クリエイティビティを羽ばたかせ、いままでにない発想を産み出す。

人間中心に考え、人間の幸福を見据えて行動する。イノベーション ?-画期的な価値の創出につながる新しい変化 ?-を創り出す人間こそ、 21世紀の行政・産業・学術をリードする人間になる。 i


とあります。


今日は「新興国からはじまるグローバルイノベーション」というシンポジウムです

今日1/29は晴れているけれど、本当に寒い日なのですが、会場の本郷キャンパス福武ホールは大入り満員の盛況です


案内文によると、


イノベーションといえば、先進国の特許のように見なされていた時代は終わりを告げつつあります。

とりわけ、人間中心イノベーションは、必ずしも先端技術を要求しないため、先進国も新興国も対等の競争環境にあると言えましょう。

このような状況を、経営学では「リバースイノベーション」と称し、先進国からその他の国へのイノベーションの奔流に逆流現象が起こっていることを指摘しています。

一方、人間中心の観点に立つi.schoolでは、イノベーションは世界のどこからでもはじめられるようになった、その環境変化こそが、今後のグローバル・コンペティションに大きなインパクトを与えるものと考えます。


とあります。


すなわち、イノベーションが狭い意味の「技術革新」と捉えられ、先進国で始まり、製品という形を通じて、先進国から発展途上国へと伝わっていくもの、と考えられていました

ところが、最近「リバースイノベーション」という、発展途上国から先進国への流れが起こりつつあります

リバース・イノベーションとは?

に書いたのですが、


アジア諸国では、日本、欧米と同じ品質の製品は必ずしも必要とされません。

むしろ、多少、品質は落ちても、価格の安いものが好まれます。

もちろん、このアジアの安い製品を日本、欧米に持ち込んでも、売れませんでした。

ところが、このアジアの低コスト製品の品質が急激に上がってきました。

機能は、欧米のものに比べると、はるかに少ないのですが、多すぎる機能はそもそも使っていませんでした。

そこで、当初は欧米向け製品からスペックを落としたはずの低コストのアジア製品が、逆に欧米市場に入ってくるようになりました。

つまり、これまでは欧米の技術をアジアに導入していたのですが、逆にアジアの技術が欧米に導入されるようになりました。

これが、リバース・イノベーションです


Godrej & Boyce社のSunderraman副社長から開発プロセスと未来への展望、新興国発の人間中心イノベーションをめぐるチャンスと課題についてお話がありました


Fail first, fail cheap, fail frequent before the success of innovation

迅速に失敗してしまうこと。100個の失敗があってこそのイノベーションです。迅速に、お金のかからないところでどんどん失敗すべきです

物価が安い事で、インドはイノベーションの実験場所になるはず。

日本は完璧を求めすぎる。やりながら完璧にすべし。


時間をかけて、完璧なプランを作ってから事業を始めるのではなく、さっさと事業を始めて、失敗から学びながら、よいものに仕上げていく、そんな感じでしょうか?

パネルディスカッションでは、

「日本の企業は、もっとboundary object(分野境界領域)に投資をすべき」

という意見が出ました

四半期毎に収支状況の開示が求められる状況では、どうしても自社が得意な領域の開発に投資が集まりがちです

これから伸びていくものは、こうした自社が得意な領域よりも、むしろ周辺領域、しかも、各分野の境界にある技術から生まれるのかもしれません

こういった領域への投資が求められるかもしれません


ところで、東大で行われるイベントでは、大学の先生、学生さんなど、大学関係者が参加者の主流だったでしょうか?

今日のシンポジウムでは、

フューチャー・イノベーション・カフェ「夢」に行ってきました

で書いた何社かの企業が集まって行われているワールド・カフェの関係者の方々とお会いしました


大学から企業へと学びの輪が広がっていっている、そう感じたイベントでもありました





2011年01月27日

最近コーチングの勉強会に参加していません。夕刻の時間帯には大学に行くので、バッティングするからなのですが。

大学が入試、卒論の〆切などで、講義がまばらになる時期、コーチングの勉強会に行きたいな、と思っていたところ、

日本コーチ協会東京チャプター(JCAT)コーチングに活かすポジティブ心理学

講師は「ハーバードの人生を変える授業を翻訳された成瀬まゆみさん

というイベントがあるので、早速参加することにしました


「TAK」さんはポジティブ・シンキングなるものが嫌いです

例えば、テニスの試合で調子が悪くて、ボロクソに負けている時に、

「何事も前向きにとらえて、しっかりやるべきことを行えば、自然と結果はついてくる」

なんて訳にはいきません。


ポジティブ・シンキングなるものは、元々は正しく運用されていたかもしれないが、

今では、現状を正しく捉えていない、ノーテンキ、かつ、無責任な楽観主義

と言ったら言い過ぎでしょうか?でも、そんな感じがしていました


まず、ポジティブ心理学とはポジティブ・シンキングとは違う、という話から入りました

ポジティブ心理学とは、「なぜオプティミストは成功するのか」を書いたマーティン・セリグマンが提唱したもので、「人がよりよく生きるためには」を研究する心理学で、欝などの状態に陥るのを予防するものだそうです

例えば、庭の草むしりをするにしても、ぶつぶつ文句を言いながらも、楽しく歌を歌いながら、もできます

すなわち、ポジティブは選ぶことができます。さらには、学習することもできるそうです


実際の調査でも、幸せな人の方が長生きする、いい人間関係を結ぶことができる、収入も多い、という結果が出ています

幸せだから、もっと幸せを引き寄せる、幸せなことが起こる、ともいうことが出来そうです


ちょっと、ここで疑問が出てきました

理想と現実にギャップを感じて、あるいは夢を追いかけて、人間は進歩していくのではないか?

今が幸せ、なんて安住していたら、進歩しないのではないか?

早速、講師の成瀬さんに質問しました

すると

「理想と現実のギャップを埋めていこうとするプロセスが幸せなのではないですか?」

という答えが返ってきました

う〜ん、ちょっと腑に落ちないところもあります。

オリンピック選手などのトップアスリートに伺うと、誰もが異口同音に「こんな苦しい練習、もうやめたい」と思った時期があり、それを乗り越えて、結果をつかんでいます

まあ、講師を「TAK」さんが質問で一人占めするのもよくないので、この辺にしておきましょう


では、ネガティブな感情が悪いのか、というとそうでもありません

恐怖、不安などのネガティブな感情は、危険を察知し、回避する、生物がサバイバルをする上で、不可欠なものです

ただし、ネガティブな感情には、

ネガティブ・バイアス:ほとんど完璧なものにちょっとだけ欠陥があった場合、その欠陥にどうしても目が行ってしまう

反芻:同じ事が原因となって、繰り返し、繰り返し、ネガティブな感情がもたらされる。ぐるぐる同じところを回っていて、全く進歩がない。

ような特徴があります

こういう時は、ネガティブな感情を無理に否定することなく、それを受け止め、味わうことが大切です


ポジティブな感情を増やし、ネガティブな感情を減らすように、コントロールするには、以下のようなことが大切です

1.生活をスローダウンする、少し生きるペースをダウンする

2.運動する、落ち込んだら、身体を動かす(理屈ではない)

3.感謝する

4.起きているポジティブなことをしっかり味わう

5.他人に親切にする

6.好きなことに夢中になる

7.将来をイメージする

8.自分の強みを活かす

9.他者とのつながりを作る

10.自然と触れ合う

11.瞑想する



今日の勉強会で一番気にいったのは、

「幸せだから、もっと幸せを引き寄せる、幸せなことが起こる」

というところでしょうか

完全に理解できたわけではありませんが、すぐに活用できそうなので、早速使ってみることにしましょう






ハーバードからの贈り物 (Harvard...
デイジー・ウェイドマン
心のなかの幸福のバケツ
ドナルド・O・クリフトン
オプティミストはなぜ成功するか (講談社...
マ−ティン・セリグマン







2011年01月24日

東大本郷で開催されたシステム創成学専攻学術講演会

に参加しました。

システム創成学専攻は、東大の工学部であまり人気がなかった原子力、金属、船舶、資源開発が統合し、再配置する形で、出来た専攻です

人気がなかった専攻が集まったのですが、今では最大の人気学科になっています

専攻の案内を紹介すると、


明治時代、大学が発足して以来、工学部は機械、電気、土木などの学科に分かれていました。

機械技術者、電気技術者、土木技術者などの養成が工学部の任務だったからです。

工学部は本来職業能力を身に付けるための高等教育機関としての目的が明確だったのです。

この教育システムは、長く富国強兵、産業振興の国家目標と合致し、効率よくその使命を果たしてきました。

明治維新から短い年月で、工業製品としての航空機、船舶などは、急速に世界の一流レベルにまで達したのです。

「零戦」も「大和」も工業製品としては超一流で、単体としては米国製品と互角、またはそれ以上の例もあったのです。

戦後もその流れは引き継がれ、工学部卒業生は、産業振興に大変効果的な働きをしてきました。兵器が民需工業製品に変わったのですが、(経済の道具としての)工業製品の設計と製造に優秀な能力が集中されたのでした。

このような時代には、概念の明確な工業製品、たとえば、自動車の設計と生産が技術目標として明確で、工学部の教育は、それに合わせて細分化された中で、材料力学や流体力学などの科学的かつ要素的なものをカリキュラムとして揃えればよかったのです。

しかし、21世紀に入って、すべての工学の対象に対して、多次元の問題解決力が要請されるようになってきました。

比較的単純な工業製品である自動車にしても、最初はほとんど機械工学で解決され、少しだけ電気工学が必要という製品だったのです。

しかし、今では少なくとも制御工学、情報工学、環境工学の問題解決力も必要です。

これからは、これまで以上に多次元の問題解決力が必要な複雑な世界が広がっていきます。社会には多次元の問題解決力を総合化しないと、「答え」が得られない「問い」が増えているのです。工学の目標が大きく変化しつつあるのです。

一方では、工業製品だけでなく、複雑な広い分野でのシステムを対象にすることが求められています。すでに、環境や社会システムも工学の対象なのです。

システム創成学科は、以上のような基本理念に沿った専門教育を行い、未来を担う人材を育成するために誕生しました


このシステム創成学専攻学術講演会は4回目です。過去3回は大盛況だったのですが、今回は学科の先生とポスター発表の学生だけ、という感じで、人もまばら、です

こんな状態ですから、ポスターを説明する学生さんも気合いが入りません

平日の午後の開催、十分なPRをしていない、修論・卒論の〆切の時期、など、いろいろな原因がありますが、ちょっと反省事項です

そんな状態でしたが、基調講演、パネルディスカッションには興味深いものがありました。抜粋して示します


●進化した技術社会の落とし穴。20世紀の技術力を見直そう

IT技術、バイオ技術など、科学技術は20世紀に比べて、格段に進歩しました

では、20世紀の技術は劣っていたのでしょうか?

当時の超大型計算器が今のスマートフォーンよりもはるかに劣っていた時代に、アポロ宇宙船により人類は月に行っています

今、宇宙船は火星、小惑星へ行けますが、果たして人類は月へ行って、帰ってくることが出来るでしょうか?

日本でも、コンピューターがほとんどない時代に、黒部ダム、霞が関ビル、新幹線ができています

これって、どう説明したらよいのか?わかりません。でも、20世紀の技術力、設計力、製造力は見直すべきかもしれません


●進化は集団で行われる

個人の学習には限界があります。ただし、人が集まると小さな改善、情報の積み重ねにより、個人レベルでは不可能な学習が行われます

個人の学習は集団に広がり、進化は集団で行われます


●不確実な社会、自分たちも不確実

ブッシュ政権のRon Suskindの発言を引用して、

「認識できる現実を注意深く観察することから解答が生まれる」

と考えられていました。

すなわち、自分の周りの環境は、不確定で、変化するけれども、自分たちは不変不動である、という考え方でしょうか?

しかし、環境の中にいる私たち自身がその変化の影響を受けます

自分たちも不確実というモデル、あるいは一歩進めて、私たちが行動することによって、現実を作り上げていく、というものでしょうか


●売り切りビジネスからシェア型ビジネスへ

住宅、建築物などの建設業、家電、自動車等の製造業は、製品がある程度の寿命で壊れ、買い替え需要があることを前提に成り立っていました

消費者は、なるべく大切に使って、製品寿命を延ばすことが賢い使い方でした

1990年代頃から、冷蔵庫、エアコンなどは省エネ化が急速に進みました

すると、古い製品を大切に使っていると、エネルギーを大量に使ってしまい、まだ使える製品を、省エネ化が進んだ新製品に買い替える方が賢くなりました

パソコン、携帯電話などでも、製品としてはまだまだ使えるけれども、新機能の製品を使うために、買い替えることがほとんどです

また、住宅、自動車なども必要な期間は限られており、その期間だけ使いたい、というニーズが高まっています

それゆえ、資源はリサイクルしやすくしたり、あるいは必要な時だけシェアし、必ずしも買い取らないシェア型ビジネスへ移行します










2011年01月22日

挑戦する課題はいくらでもある 女性初の文部科学大臣 遠山敦子さん

で書いた

東大ドリームネット講演会「女性初の文部科学大臣 遠山敦子氏講演会」

に参加するために、東大駒場のキャンパスに行った際に、

「公開船曳ゼミ ゲスト 元ライブドア 堀江貴文さん」

という立て看板を見つけました(インターネットは探したのですが、未公開でした)

これは行くっきゃない、と参加することにしました

会場のコミュニケーションプラザ・北館は物凄い人だかりが、と言いたいところですが、公開ゼミの教室は満員なものの、その他のイベントもそれなりの集客で行われています

ホリエモンの威力もかつてほどではないのでしょうか?


ホリエモンは東大教養学部のテキスト「知の技法」の共同著者の船曳先生のゼミ出身で、今は取り壊されて、もうない駒場寮に住んでいたそうです

駒場寮は脱出不可能なほど、楽しく居心地がよかったが、仲の良かった同室の先輩たちがいなくなったので、船曳ゼミに参加したそうです

さて、この公開ゼミは、船曳先生、ゼミ幹事の学生さんの質問にホリエモンが答える形式で行われます

興味深い話はたくさんありましたが、主なポイントを以下に示します



●飽きっぽい性格の人にITの仕事は適している

ホリエモンは麻雀、競馬などに、はまると大学に行かなくなるほど、はまりましたが、飽きっぽくて、興味の対象が次から次へと移っていったそうです

そんな人にお勧めなのが、ITの仕事だそうです

「ITは金融にも研究開発にも、医療にも、すなわち、どんな分野にも使われます。それゆえ、いろいろな分野の仕事ができます

例えば、国立国会図書館のホームページを作った次の日に、安室奈美恵のホームページを作る、なんて感じです

飽きっぽくて、ひとつのことが長続きしない人に向いています。コンサルタントの仕事も同じかもしれません」



●仕事への向かい合い方で、成功が決まる。負けず嫌い、がいいかも?

ほとんどのビジネスはどうすれば成果が出るか?少なくても理屈の上ではわかります。それが出来るかどうかは別として。

成功の方程式が一番見えにくいのが、芸能界でしょうか?何が当たってブレークするのか?実はよくわかりません

ただ、成功している芸能人は、間違いなく、負けず嫌い、だそうです

ホリエモンは初めてミュージカルにチャレンジしたそうですが、共演者でやはりミュージカルに初挑戦する、安田美沙子さんを例に挙げていました

安田美沙子さんは、グラビア・アイドルから女優へと転身しましたが、とてもきれいな方です

ただ、グラビア・アイドル、女優の基準では、美しさ、かわいさで特別に抜きんでている訳ではありません。

言い方はよくないですが、売れないアイドルでも、このくらいかわいい人は、ごろごろいます

ミュージカルをやるのですが、歌もうまくありません

ただ、仕事への向かい合い方が「半端ではない」そうです

何でも一生懸命やらなければ、どこが当たるか?わからない芸能界で、とにかく、半端なく、向かい合っているそうです



●専用ジェット機が必要な時

ホリエモンはビジネスに専用ジェット機を使って、「せめてファーストクラスでよいだろうに、お金があるのを見せびらかしているのか?」
と揶揄された時期がありました

これについて、以下のような説明がありました

伸びている会社の社長の最も大切な仕事は資金調達です。保険会社、年金運用機構等、の投資機関を回ります

時価総額が増えてくると、日本国内だけではとても足らなくなり、世界中を資金調達に飛び回ります。もちろん、通常業務をこなしながらです

ただし、伸びている会社の社長であっても、1日は24時間しかありません。それゆえ、時間の密度を上げて対応することになります

すると、民間航空会社のフライトスケジュールに合わせるのでは対応が難しく、専用ジェット機があった方がずっと効率的になります

また、ファーストクラスでもロストバッゲージはあります。貴重品、ビジネスに不可欠なものは手荷物に入れるとしても、不便さからは逃れられないし、

ロストバッゲージのリスクを心配する、ことになってしまいます

そんな訳で、傍から見ている人間にはわからない、実際に行っている人間しかわからないこと、がある、ということです



他にも、いろいろ興味深い話がありましたが、気になることもありました

ホリエモンは乗ってくると、熱く語りだしますが、そうでないテーマでは、本当につまらなそうな話し方になります

途中で席を立つ学生さんも散見しました

聴衆が駒場生主体であったため、まだまだ人生経験が浅くて、話が深くならなかったのかもしれません

社会人が、ある程度いれば、もっと奥の深い公開ゼミになったかもしれない

そんな気がした、ホリエモンがゲストの公開ゼミでした










2011年01月19日

東大ドリームネット講演会「女性初の文部科学大臣 遠山敦子氏講演会」

に参加します

会場の東大駒場525教室は広い教室ですが、あっという間に埋まっていきます。

女性の参加比率は1/3くらいでしょうか?女子学生が少ない東大としては、驚異的な率です

会場は古い建物で、暖房の効きが悪くて寒いのですが、若い女性の熱気がそれを吹き飛ばします(「TAK」さん、それが楽しみだったんでしょうって?行った結果として、そういうことだったんです!)

さて、遠山さんが東大の文科一類(その頃は、法学部・経済学部に進学する一類と文学部に進学する二類のみ)入学生800名のうち、唯一の女性でした

住みにくかったし、なかなか友達もできなかったというのは、開拓者ならではの苦労でしょうか

就職のために、大企業を訪問しても

「うちは女性の重役候補はいらない」

と門前払い。

公務員か、学校の先生になるしか、選択肢はなかったそうです

公務員の道を選ばれ、文部省初の女性上級職として入省されます

そして、小泉内閣で文部科学大臣を務められ、ゆとり教育からの脱却、国立大学の独立法人化などを大規模な教育改革に取り組まれます

・前例のない仕事だから、チャレンジできる

・自分で見つけて、自分でトライする

・努力するプロセスがおもしろい。楽してうまくいっても、つまらない。9失敗して、1成功するから面白い

・困難な仕事こそ、成長するチャンス。いろいろなトライ、失敗から学ぶことができる

・社会は常に動いている。挑戦する課題はいくらでもある。

などは、開拓者ならでは言葉でしょうか?


さて、遠山さんが若い駒場の学生さんに次のようなメッセージを伝えようとされていました


1.よく学ぶこと、大学生のうちに自分の力を作り上げる

大学生は自分で時間をコントロールでき、意欲があれば高度な学びもでき、旅行もでき、友達と過ごせる、人生で最も恵まれた時期です

不平不満はたくさんあるかもしれないけれど、東京大学で学べることは、大変恵まれたことです

大学で学んだことは、社会で活用できることの、ほんの一部にすぎないし、また、大学で学んだことが、そのまま社会で活用できることは、それほどないかもしれません

でも、大学で学んだことは、自分の基礎、自信となり、その後の人生に大きく影響します



2.高い志を持つ、自分のためだけに生きるのではない、社会、世界のために貢献する

ゆるがない信念、困難を乗り越える勇気を持つ


3.国際性を養う

日本の良さは海外に出てみて、初めてわかる。日本だけにいたのでは、わからない


今でこそ、東大の女子学生は、それほど珍しくなくなり、マスメディアでも活躍し、社会でも十分にその価値が認められています

遠山さんの言葉から「女がなんで東大に」という時代を開拓してきたパイオニア精神が感じられました




2011年01月16日

東京MOT会講演会「プラットフォーム戦略」

に参加します。

東京MOT会の大きなイベントは昨年の7月以来です。

参加者は100名を超える勢いです。会場の定員を超えているのですが、当日来られなくなる人もいるでしょうから、何とか希望する方には来ていただきます

こういう状態ですから、早めに会場に行って、会場の設定、受付の準備を行います

本日の講演会には、

・世界的に爆発的に売れたソニープレステーションを開発した岡本伸一さん

・日本最大のSNSである、mixiの副社長 原田明典さん

が講演され、パネルディスカッションには、おサイフケータイ普及成功の立役者で「プラットフォーム戦略」の著者の平野敦士カールさんも加わります

本当に豪華な講師陣がそろって下さってうれしい限りです

さて、プラットフォーム戦略とは、


製品やサービスの土台となる「プラットフォーム」の上に、それを補完する製品やサービスを構築して、より高い「価値」を顧客に提供しようとするもの。

例えば、ソフトウェア業界では、マイクロソフトがWindowsというOSでプラットフォームリーダーの立場を築いているが、Windowsが高い訴求力を備えているのも、その上で稼働する各種のアプリケーションを補完業者が提供するという「エコシステム」をうまく成立させているからと言える。

プラットフォーム戦略を上手に展開できれば、単一企業のリソースだけでは困難な事業展開を実現できる可能性を秘めている。


と言われています。


まず、ソニープレステーションを開発した岡本伸一さんのお話です

1970年代には「1ハード1ゲーム」であり、あるゲーム機を買うと、ひとつのゲームだけできました

それが、ハードとゲームソフトが分離し、あるゲーム機で複数のゲームができるようになり、さらには、ゲームソフトをハードの供給会社以外の会社も行うようになりました

この時期に、ゲーム機がプラットフォームになりました

その後、オンライン・ゲームさらにはSNS+ソーシャルゲームへと進んでいます

コンソール型のゲーム機で楽しむゲームから、PC、携帯電話、スマートフォーンで楽しむゲームへと変わっています

すると、競合がソニーと任天堂から、ずっと多くの企業を巻き込んで多極化します

以前は、世界で同時発売する場合、まずその日までに世界各地まで出荷していなければなりませんでしたが、その必要はなくなりました

ただ、世界でもゲームを楽しむ人たちは10代が中心です

この人たちの経済状態は世界各地で異なります

先進国の価格設定では、開発途上国では高過ぎて売れません

コンソール型のゲーム機では各国毎に価格設定ができますが、オンラインではそれが難しくなります

ゲームのプラットフォーム戦略の課題がありそうです


次に、mixiの副社長 原田明典さんのお話です

実は、「TAK」さんは以前はmixiを長時間使っていましたが、最近はtwitter、Facebookに移行し、mixiはあまり使わなくなりました

mixi自体もSNSからゲームアプリへと変わっているのではないか?という感じがしていました

原田さんによると、

「プラットフォーム同士は競争しない。既にあるものと同じものを作る必要はない。新しいものを作ればよい。

ただし、旬であること、勢いがあることを示そうと、わざとバトルを演じることはある」

そうです

SNSの経営者と言うと、マスメディアを否定するかと言うと、そうではなく、マスメディアの力をうまく利用するそうです

・メジャーなイベントがはやってから、草の根に広がる

・1PVのページを1億枚よりも、1億PVのページを1枚の方がはるかに価値がある


これまでは、メールアドレス、電話番号を相手に教えることによって、コミュニケーションが成立しました

これからは、それらを教えなくてもコミュニケーションが成立するようにしたい



ゲームとSNS、それぞれのプラットフォーム戦略を伺うことができました





2011年01月13日

MOT(技術経営)の大学院でうれしいことは、通常だと相当高い参加費を払わないとお話が伺えないような経営者のお話を、
授業で伺えることでしょうか

今回は、モバゲーで有名なDeNA社長 南場智子さんのお話を伺う機会に恵まれました

南場さんは津田塾大学を卒業後、マッキンゼーに入社され、一度退職されて、ハーバード・ビジネス・スクールに入学されています

普通、入るのが難しく、また入学してからも、血尿が出るほど苦しいハーバードのMBAですが、南場さんは「コンサルタントとして経営に向き合うと難しいものではなく、羽を伸ばした2年間」と言っておられるほどの余裕でした

その後、マッキンゼーに戻られてから、DeNAを創業されています

DeNAというとモバゲーがすぐに頭に浮かびますが、

インターネット・オークション → ショッピング・モール → モバイル・オークション → 広告ネットワーク → モバイルSNS → ソーシャルゲーム

と次々に新しいビジネスを出しています

しかも、それまでのビジネスを止めるのではなく、残して、活かしつつ、新しいビジネスを始めています。

ビジネスはある段階で、どうしても成熟に達する、成長を続けるためには、新しいビジネスの柱を追加することが欠かせない、そうです

南場さんは「永久ベンチャー」と言っていました

いろいろ、興味深いお話があったのですが、あり過ぎるので、以下に箇条書きで列挙します


●(ゲームを悪く言う人がいるが)ゲームは楽しい!エンターテイメントは善

仕事も勉強も楽しくなければ続かない!


●利益は世の中への貢献の通知表

利益は、かかったコスト以上に代価をもらった場合にのみ、発生する。


●ビジネスに王道はない

おもしろいゲームを用意して、お金をかけて集客しないと、儲からない


●社長の仕事は、ビジョンを示すこと、意思決定、体制作り

必要な権限を移譲すると、社長の仕事は、ビジョンを示すこと、意思決定、体制作り、に集約される

実は、社長の仕事よりも、ゲーム作りの方がおもしろい


●適材の社長とは?

変化の速い時代には、その時その時にベストな人が社長を務めるべき。創業者が社長に固執すべきではない。

実は、社長がいなくても、なんの問題もなく、続くような組織が望まれる


●論理的分析と感性

論理的分析に優れた人が選択に迷う場合、さらに論理的な分析を追加するよりも、イメージで視覚化して、決める


●選んだ選択肢を正しくする

正しい選択肢を選ぶことは大切だが、もっと大切なのは、選んだ選択肢を正しくすること


●経営者とコンサルタントの違い

濁流の先に肥沃な土地がある場合に例えます

コンサルタントは、どうすれば濁流を越えて、肥沃な土地に行くことができるか?教えてくれます

一方、経営者は実際に濁流に踏み込んでいきます

すると、事前には想定していなかったことが、いろいろ起こります。

それに対応していくのが経営者





2011年01月10日

「TAK」さんは、ずっと昔は研究者で、博士課程に在籍したり、研究所で働いたこともあります

ただ、ひとつのことを深く研究することは、自分には向かない、と気付きました

研究は、「TAK」さんよりも好きな人、得意な人にお願いして、

自分はそれらの研究成果を実用化に活かしたり、いろいろな研究のネタを融合して思いもかけないことにつなげる、

産学官プロデューサーをすることにしました

学位も修士を2つ持っていますが、博士の学位は、何度も勧められましたが、取得していません


なんて考えていたら、MITのMBAを修了されたLilacさんのブログ

を見つけました


研究者か?実務家か?と考えている方には参考になると思いますので、抜粋して紹介します


就活中の大学生とかに「何で研究者やめてコンサルに来たんですか?」とよく聞かれる。

私は物心ついたころから科学者になりたい、と思っていた。小学1年のころから、周囲の子とファミコンで遊ぶより顕微鏡を覗いたり、化学実験をしてる方が好きな変なガキだった。


時には利根川進目指して生物化学者を志したり、アインシュタインに憧れて物理学者を目指したりと、なりたい科学者の種類は色々ぶれたが、科学者になりたいという気持ちは変わらなかった。

だから何の迷いもなく、大学では理学部に進学し、そのまま大学院に進学した。ところが、大学院に入るかくらいの頃から状況が変わってきた。


私がいた分野では伝統的に毎年全国の院生400人程度が数日間泊りがけで行う若手の会の運営委員のリーダーをやることになった。

このリーダーの大切な仕事のひとつが、全国の関連研究所や企業に、若手の会の意義をプレゼンし、協賛金を頂いてくる仕事だった。

私は昔から面接やプレゼンの類は得意で、ここばかりは本領発揮だった。

ある研究所の所長氏は、私のプレゼンに感動して、研究所全体で活動を支えると満額以上の回答を下さった。

色々あったが、この若手の会自体は大成功にて幕を閉じた。


本業である勉強や研究はほとんど進まず、自分の研究者としての能力を何度も疑った。

研究者になりたい自分にとって企画運営やプレゼンの能力よりも、研究を進める力が欲しかった。

見つけた研究テーマも、研究室の方向性と合わないから、という理由で何度か教授に却下された。

そして何とか博士課程に進学した。


学科には、それなりに成果も出しているのに、ポストにつけないままに35歳を過ぎ、先のポストが無いポスドクの先輩が何人もいた。

「大学院重点化」および「ポスドク1万人計画」の第一世代だ。研究が進まずにうつ病状態の友人や、自害する先輩・後輩すらいた。

これが日本の最高学府で、最も優秀だといわれる人たちが行く分野なのかと思った。

もちろんそんな状況でも、才能を世界に羽ばたかせたり、若いのに助手になったり、優秀な学生はたくさんいた。

私の周囲は皆優しく、研究室は楽しかったが、私は妥協した研究テーマ自体に既に興味を失っていた。


人生は一度しかなく、いつ死ぬかもわからない。

だったら、自分が組織運営や経営に興味があるなら、今それがやれる職業に就くべきじゃないか。

メーカーの企画や経営の分野を考えた。

博士中退者を取るかどうか、日本のメーカーに問い合わせたが全滅だった。

「博士卒業してからなら採用を考えますが、研究職ですね」と言われた。


そんなころ、今勤めているファームから説明会の案内があった。

ずばり「理系研究者の将来を考える」という内容だった。

日本の科学技術分野には優秀な人が多いが、企業の戦略や組織がうまくなく、人を生かしきれていないという問題意識は、大学にいた私も持っていたものだった。

そういう日本の組織を内部から変えようという人がいて、その動きを外部から手助けするのがコンサルティングだというのは、なるほどと思った。

よく「外から変えるのがコンサル」という人はいるが、内部が連携せずに外からだけで変えられるわけがなく、この「手助けする」という謙虚さに真実味があると思った。


中途のような形で採用試験を受け、面接を受け、即採用になり、2ヵ月後に博士課程中退で入社した。







2011年01月09日

ハーバード大学とスタンフォード大学といえば、アメリカ留学を目指す人たちの望む双璧でしょうか

アメリカ留学の夢の大学の両校であり、ビジネススクールでは両方に出願して、採用されたほうに行く、という場合も多いでしょう


以前は、MBAコースではハーバードの方が希望が多かったようですが、

・冬に雪が多くて、寒いボストンよりも温暖な西海岸

・起業を目指すならばスタンフォード

とスタンフォードを希望する人が増えてきました


世界中の優秀な人たちが集まり、卒業後のネットワークが役に立つ、という点では同じですが、

・国際機関、グローバル企業のエグゼクティブ向きのハーバード

・ビジネスのネタを見つけ、起業家向けのスタンフォード

のような、おおまかな違いはあるようです


こんなことを考えていたら、See-D Contest

で何回かお見かけした、ハーバードケネディ行政大学院とスタンフォードビジネススクールのMPA/MBA Joint degree programの両方に籍を置く、

「しゃん」さんのブログ

を見つけましたので、紹介します


公共政策大学院からビジネススクールに移って、そのカルチャーギャップに苦しんでいた私は、公共性と利益追求の狭間で将来の進路に悩んでいた。

課題で見ると、ケネディで議論されている内容のほうに、より共感できる。世界で起こる紛争や、国づくりの難しさや、世界に電気や水を届けるほうが、次のiPhoneアプリを作るよりも大事な気がする。

一方で、アプローチはというと、スタンフォードで会う人たちのほうが、わくわくさせられる。

あの学校に出入りする起業家やベンチャーキャピタリストたちのクールなこと。話し方もアイディアもまとっている空気も、実にかっこよすぎて、一生かなわないよ、と思わせられる。でも、そんな人たちの才能は、「このビジネス、当たるか当たらないか?」というところにすべて割かれている。
ううむ。

「一旦ビジネススクールに移ってみると、別のことにもわくわくしちゃって、どれだけ真剣に自分が国際開発の課題に向き合っていたのか、自信がなくなるんです。

本当に発展途上国のことを真剣に考えていたのだろうか、と。」とDCに住む人生の先輩に相談をしてみると、「いままで取り組んできたことすべてに共通する、原動力のようなものはなに?」と聞かれた。
うむ。。。

アジサイの自由研究に夢中になった中学生の頃、化学部の実験に没頭した高校生の頃、研究室に入り浸りだった大学生の頃、会社に入って、にわかに人・組織に興味が出てきた頃、国連で働いて社会のしくみをがぜん勉強したくなった頃、、、きっとすべてを動かしていたのは、好奇心だったのだろうな、と思い至った。
自然界を、人を、社会を知りたいという気持ち。問いがあったら、解きたくなる気持ち。

思えば、See-Dもそういう思いで始めたのだった。社会課題を好奇心で持って解いてみたい。「大事な問題だから解決せねばならぬ」ではなくて「なんだか楽しそうだから、ついつい解きたくなっちゃう」ような環境を作りたい。


ハーバードケネディ行政大学院とスタンフォードビジネススクールのMPA/MBA Joint degree programの両方の参加して、そのカルチャーギャップに悩む、とは、「ぜいたくな悩み」の気もしますが、これから大学院留学を考える方は是非参考にしてください





2011年01月07日

講演、セミナー、講義などは、たくさんの人の時間、スケジュール調整、参加費という多大なコストを伴います。

講演内容が参加者にとって期待外れなものであれば、主催者の今後の教訓だけでは済みません。多くの参加者が迷惑します。

講師が「話したい内容」と参加者が「聞きたい内容」がなるべく一致するように、主催者は案内通知を作ります

これを参照して、参加者は参加すべきか?決めます

それゆえ、この案内通知に講演内容が正しく書かれていないと、参加者は「期待外れ」になってしまうことがあります

今日挙げる例は、

ブリティッシュ・カウンシル

で催されたイベントです


英国の魅力に触れるイベント Education UK ラウンジ
―英国を拠点とする建築家による講演と交流会―

留学や英国生活に興味のある学生や若いプロフェッショナルの皆さんを対象にしたイベントシリーズ「Education UK ラウンジ」。

英国生活経験者をスピーカーとして招き、海外で学ぶこと、生活することなどをキーワードに、英国のクリエイティブかつ刺激的な環境ついてお話いただきます。

さらに、参加者の皆さんやブリティッシュ・カウンシルスタッフも交えて、留学、仕事など、様々なことについて自由に話し合う空間を提供します。

実務経験ほぼ無し。海外居住経験なし。もちろん英語も喋れない。そんな日本人が海外に飛び出していきなり仕事をするなんて可能なのか?

日本人が英国のクリエイティブな環境で働くには何が必要なのか?英国で生活するための技術はもちろんのこと、インターナショナルな職場環境でのクリエイティブポジションの取り方。そして、英国を拠点にしたからこそ生み出されたデザインをスライドショーと共にお伝えします。


という案内通知です


「ブリティッシュ・カウンシル」という英国の公的な国際文化交流機関で開催されることから、

・日本人が英国で働くには?

について、お話が伺えることを期待して参加しました


ところが、建築家であるこの講演者は自分が手がけた建築物、デザインのスライドばかり示します

建築関係のイベントで海外事例の講演であれば、これで問題ありません

ですが、「日本人が英国で働くには?」を聴衆が聴きにきているのに、自分が手がけた建築物、デザインのスライドばかりを自慢げに示すのには閉口しました

下品な言い方ですが、「あんたのオナニーを見に来たんじゃないぞ!」と言いたい気分でした

講演者もさることながら、主催者の「ブリティッシュ・カウンシル」は、講演内容について、何らかの打ち合わせはしたのでしょう

それなのに、この結果では、参加者は呆れ果てます


このイベントは参加無料です。また、せっかくイベントを企画した主催者の心情を考えると、上記コメントは厳しいものかもしれません

ただ、講演内容が期待外れで、多くの参加者の時間、このイベントに来るために払った調整を考えると、大きな損失と言わざるを得ません


このような経験はこれが初めてではありません

鉄は一度固まると、もう溶けない?

新しい取り組みと失敗のリスク

希望とデザイン

にも、同様な事例を書いています

参加者として、期待外れなイベントに参加してしまうことは、ある程度避けられないことですが、主催者として期待外れなイベントを開催してしまうことは避けたいものです





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