2011年10月

2011年10月31日

10/29(土)東大ホームカミングデー

に行ってきました

今年で10回目になりますが、年々規模が大きく、集まる人も増えてきました

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特別フォーラム「世界で学ぶ、働く、生きる」

世界で活躍している東大卒業生の代表の方々が集まり、「世界で学ぶ、働く、生きる!」をテーマに開催いたします。

【キーノートスピーカー】
濱田宏一 Yale大学教授

【パネリスト】
赤地葉子 世界エイズ・結核・マラリア対策基金 テクニカルオフィサー
土井香苗 ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表
野口聡一 JAXA宇宙飛行士
水越豊 ボストンコンサルティンググループ日本代表


熱中講義
懐かしの教室に席をとって高名な教授の名講義に聞き惚れる…という心豊かな時間を追体験しませんか

本田 由紀先生
「教育・家庭・仕事〜戦後日本型モデルからの変容」

小宮山 宏先生
「知識の構造化〜資源自給社会を考える」」


などの本部系企画以外にも、各学部、団体主催のイベントがあり、参加した個々のイベントの報告にも意義があるのですが、ここではホームカミングデー全般について考えてみます

111031安田講堂



産学官プロデューサーとして、現在は週に2回は出身の東大に行く「TAK」さんですが、卒業してからしばらくは足が遠のきました

卒業してから東大を訪問する窓口は、出身研究室、所属サークル、同窓会などに限られます

卒業してすぐの頃は、知り合いも多くて、訪問機会も多いのですが、時が経過するにつれて、知っている人も減り、参加しても疎外感が感じられ、
参加しないようになります

卒業生は、大学の教育、研究成果を社会に反映する上で、重要な資産、パイプ役です。徹底的に活用しましょう

そのためには、卒業生に大学に来てもらう、また大学とのつながりを感じてもらわなければなりません

また、卒業生側も、異なる卒業世代との交流には、とても意義があります

111031ホームカミング


この1日のホームカミングデーで、これらすべてができるわけではありません

でも、何かのきっかけにしてほしい、そんな思いが伝わってきます

年に1回の非日常的なイベントから、日常につながる何かが出てこないか?

そんなことを期待している「TAK」さんです






2011年10月28日

日本コーチ協会 東京チャプター勉強会「私、社長じゃないんですけどどうしたらいいんですか?」〜組織活性化と対話を考える〜香取一昭氏 

に参加します

香取さんは長らくNTTに勤務されていましたが、ワールドカフェ活動も積極的にされています

組織と個人の問題については、目標が一致する部分と、利害関係が対立する部分が、不可避的にあり、それらについて、

実際のところ、「あなたにとって理想的な働き方」とは?

トークライブ「あなたにとって理想的な働き方とは?」に参加しました

社会の本質を探るとやはり「ヤバい経済学」

にも書いてきました


今日出た話は、以下の感じです


・組織に貢献しつつ、個人として楽しむにはどうするか?

・営業、経理、総務、労務など、様々な個所を人事ローテンションすると楽しいが専門性は身につかない

・幹部へのキャリアトラックに乗っている場合はよいが、外れてしまったら、どうするか?

・組織は振り子のようなもので、上が少し動くと、下は大きく揺れる。但し、振り子と同様、上がどれほど揺れても、比較的安定している動きもある

・組織の一員として喜びと誇りを持てるように。そのためには顧客、社会から信頼されること

・組織について何らかの変革を起こしたい、と考えている人々の多くは必ずしも経営層ではない

・断続的なイベントを連続的なプロセスへ昇華させる

・フランス革命、カフェの市民による4,5人の話し合いが、それぞれの人により、別のテーブルに広がって、やがて世論を巻き起こした


キーワード:穏健な過激派

・穏健な過激派とは、断層の上で活動している。仕事をうまくこなし、組織に貢献しているという点ではインサイダーである。しかし、組織の主流の文化とは相容れない考えを持っているという点でアウトサイダーである

・組織のどの階層にもいる「日常的なリーダー」であるが、必ずしもポジション・リーダーではない

・自らの独自性を保ちつつ、魂を売り渡すことなく、組織に適合する道を探す

・ボートをゆすりながら、ボートに乗り続ける

・順応しつつも外れる(conform and deviate)ただし、完全に外れてしまっては元も子もないので、外れない

・システムの中で働くのであって、システムに対抗するのではない(work
withinsystems, ano against them)

・組織の中で、特異性と適合性との微妙な線上を歩き、自らの違いを活用して組織にポジティブな変化をもたらす

・穏健な過激派による変革 1.インフォーマルな構造を変える、2.行動で示す、3.ネガティブをポジティブに変える、4.仲間を集める、5.小さな成功を創る、6.小さな成功を増幅させる 



・組織は常に起こっているインプットや活動に適合することにより、常に変化を起こしている。多くの変化は小さなものであり、それを変化と認識するのは難しい。しかし、それらが集積された時、後になってそれが変革であった、と気づく

・組織に起こる小さな変化は分散的で、原因を特定するのは難しい。変化のプロセスは、合理的な原因と結果の連鎖と言うよりは、ランダムな出来事や混乱としか見えない

・変化を起こす人は、大胆なビジョンを持ち、戦略的に巧みな人と言うよりも、忍耐強く、しつこく、豊かな能力を持った人である

・劇的な変革は、多くの場合、トップダウンにより、大規模かつ非連続的に起こる。穏健な過激派は有機的で穏やかな(Organic and adaptive)変革を目指す



「組織と個人」は正解がない、というよりも、社会環境により大きく変化し、正解どころか、最適解すら状況により変化する

そんな印象をもった勉強会でした


ワールド・カフェ~カフェ的会話が未来を創... アニータ ブラウン / デイビッド アイザックス / ワールド・カフェ・コミュニティ
最強組織の法則―新時代のチームワークとは... ピーター・M. センゲ
学習する組織――システム思考で未来を創造... ピーター M センゲ



2011年10月27日

東大学部・大学院共通の講義「アントレプレナーシップ」

に参加します


今日の講師は、

東京大学 産学連携本部 事業化推進部長 各務 茂夫教授

以前ボストンコンサルティングに勤務され、その後、起業された経験がある方です


以下にお話を掲載します

・なぜ経営戦略コンサルティングは外資系ばかりなのか?日本企業の経営は外資系コンサルティングのやり方で問題解決できるのか?

・コンサルティング会社、高額にして無形の商品で、かつ、前払い。これは信頼、ブランドによるのか?それとも、クライアントが判断できない?商慣習? 

・シュンペーター「経済発展の理論(1912)」イノベーションとは、創造的活動による新製品開発、新生産方法の導入、新市場の開拓、新たな資源の獲得、組織の改革 

・シュンペーター「経済発展の理論(1912)」イノベーションとは、創造的活動による新製品開発、新生産方法の導入、新市場の開拓、新たな資源の獲得、組織の改革 

・アントレプレナー:業を起こす(おこす)者よりも、むしろ業を企てる(くわだてる)者の方がふさわしい

・イノベーション:日本では技術革新と訳されることが多いが、新結合、何か新しい組合せにより価値が生まれること

・IBMは製造業からサービス産業へ、ノキアは森林業から携帯電話へ転換。日本も製造業はGDPの20%に過ぎず、サービス産業へ移行が進んでいる 

・アントレプレナーの要件:Passion(志)情熱と訳されるが、受難を乗り越える折れない心、と、Intelligence(知性)社会に対する洞察力と技術と社会の変化を融合させる事業機会の発見力

・金融ビッグバンにより、生保、損保に外資が参入し、また、インターネットで申し込み可能に。護送船団方式が崩れ、また、生保レディーのコストが40%を占め、コストダウンの可能性が示唆されるようになった

・スティーブ・ジョブス:人生は有限であり、短い。本当にやりたいことをやれ。明日死ぬのならば、やることの優先順位を明確にする

・スタンフォード大学、収入の1/3は寄付金。それにより、授業料の減免が可能になり、優秀な学生が集まる、という、ポジティブなスパイラル


アントレプレナーは日本では起業家と訳されますが、業を企てる(くわだてる)者、Passion(志)とIntelligence(知性)を併せ持つ者、と考えると、しっくりきそうです




2011年10月24日

「チェンジメーカー開発会議」

に行ってきました

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一時期『社会起業家』『チェンジメーカー』という言葉が若い世代の間で流行していましたが、最近やや勢いを失っている感があります

案内文を見ると、


『社会起業家』『チェンジメーカー』という言葉が世の中でも 認知されてきました

一方で、社会を変える、社会課題を解決するという価値や原体験に重きを置くばかりに、具体的な事業モデルが描けずに具体的な一歩を踏み出すことのできない潜在的な起業家も多いのではないでしょうか。

NPO、株式、社団法人などいかなる場合で起業したとしてもつきまとうのは"お金を回していかに継続し、事業を磨き上げることができるか"、"いかにしてお客様に満足していただいて再度ご一緒することができるか"というビジネスの世界では当たり前とされている部分です。

今回のチェンジメーカー開発会議では、ビジョンをいかにして『ビジネス』で解決するか。つまり事業をいかにして作っていくか。 という点にフォーカスを当て、様々な学びの機会を作って
いきます。


とあります

ここにあるように、「原体験に重きを置くばかりに、具体的な事業モデルが描けず」ということが多くて、途上国へ行って、現地の貧困、教育を受けられない現状を何とかしたい。という熱い思いはあるのですが、ではどうすればよいか?という具体策になると、難しいのが現状ではないか?と思います

また、社会起業家と言われる人のお話し、体験談を聞く講演会も行われていますが、「感心しました」「ためになりました」という一時期の感傷、に終わってしまっている感もぬぐえません


HASUNAの白木さん、静岡県立大助教、慶応大非常勤講師の国保さんのやり取りは、単に体験談を披露するだけのものではなく、課題、ハードルを挙げて、背景を掘り下げるものだったので、参考になりそうです



・「目標」に縛られると、「目的」を見失うことがある

・ニーズを満たすことが出来るか?そのための仕組作りをする

・まず、プロトタイプを具現化してみる

・「利用されている」と感じたら、その人の協力は得られない。Win-winの関係の構築がキーポイント

・確信、パワーがあれば人を巻き込むことが出来る

・お金が集まるところに、人材、情報、ビジネス機会が集まる

・一つの軸を貫くのは比較的容易だが、二つのバランスを取るのは難しい 

・起業した人が一番熱くなければ、周囲の人たちは冷める 

・周りに人々を巻き込まないと、ビジネスは出来ない

・起業直後の1年、ゼロから1を作る時期が一番苦しい

・「いいね!」と言ってくれる人と、出資してくれる人は全く別

・ビジョンだけで突っ走っても、ビジネスにはならない

・起業準備会議などはテーマ、時間を決めて、会議室でノンアルコールで。飲みに行くのは会議が終ってから。飲みながら会議をやると、ダラダラして、議論も発散する

・人が多くなると、個人にタスクを割り当てる方式からプロジェクトへ移行する。そうでないと、やることがない人、が生まれてしまう。プロジェクトの中でリーダーが生まれ、体系的に仕事が流れる

・貧困国では、やれる仕事が限られており、とにかく仕事があればやる、という状況。やりたい仕事、とか、意欲的に取り組む、モティベーションのような日本の論理は通じない

・Webサイトで商品を売るような起業はレッドオーシャン。自分の優位が確保できないと難しい

・せっかく起業するならば、命をかけてもいいようなことで起業する

・起業してみると、会う人、見える景色が違ってくる

・起業してからと、金融機関でサラリーマンをやっていた時では、後者の方が辛かった

・自分が死ぬ時に「あれをやっておけばよかった」とは思いたくない



社会起業だけでなく、起業全般、あるいは、働くこと全般にも通じるものがありました


質疑応答では「来年から、会社を辞めて、社会起業する予定なのですが」という方が目立ちました

今日のお話がどう活きていくのか?楽しみです








2011年10月21日

東大安田講堂で開催された

「モーツァルトと環境学」

に参加しました

会場の安田講堂には早くから聴衆が続々と集まります

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いつもこういうイベントで感じるのですが、高齢者の参加者が目立ちます。恐るべき、高齢パワー


案内文によると、


環境が音楽を創り、音楽が環境を創る。

天才モーツァルトが生きた時代の環境を、彼はどのように感じ、音楽を通じてどのように表現しているのか。

本講演では、モーツァルト研究の世界的権威で知られるロバート・レヴィン氏を招聘し、 ピアノ演奏を交えながら、モーツァルトの作品や技法に秘められた環境観を紐解いていく。

今、音楽と環境学の融合が始まろうとしている。


講師のロバート・レヴィン氏はハーバード大学音楽学部教授です。

ハーバード大学に音楽学部なんてあるんですね!

さて、講演の内容です


・モーツァルトは楽譜を忠実に再現されるのではなく、状況に応じて装飾されて、創り上げられることを望んでいた

・モーツァルト:音楽はその瞬間に生きているもので、各楽器の演奏は正確に再現性をもって行われるものではない

・音楽が毎回同じだとしたら退屈。毎回少しずつ違うから面白い。装飾は音楽と言う表現を深める

・今日の演奏家の多くは音楽を再生することは高度に熟達しているのだが、音楽を創り出すことについてはほとんど訓練を受けていない

・18世紀にはすべての作曲家が演奏家であり、また、演奏家は作曲もした。さらに、演奏される音楽ののほとんどすべては新作であった

・モーツァルトの演奏は彼の即興演奏、ピアニスト、作曲家(彼の才能はこの順番で優れていると、されていた)の才能を示すためのものであった

・モーツァルトのピアノ・コンチェルトには意図的に作曲しない部分が含まれ、生演奏の最中の発想によって、演奏のたびごとに別の新しい表現で演奏されることを求められた

・20世紀の音楽家たちは作曲家の書いたものを聖書のごとくしたがうように訓練された。今日の演奏の多くが画一化されているのはこの結果・装飾や即興された部分は作品の表現を高めねばならず、単なる一連の常套表現や平凡な慣習表現であってはならない

・即興を行うクラッシックの演奏家ほとんどいない。安定と正確さを脅かす危険を避けることを早くから学んでいるから。危険を避けようとすることは音楽の劇的な感動のメッセージを失ってしまう要因

・音楽は演奏されるたびに新しくそれを作り出すことが出来るように、その様式を内部から時間をかけて学ぶべき

・即興演奏という人間的な賭けを行うことによって音楽を復活させれば、退屈なしきたりが捨てられ、生命の輝きが取り戻される。我々が役者になり、演奏に自発性と危険を注ぎ込むならば、聴衆は演奏に注意を払うようになる


「TAK」さんは音楽はよくわかりませんが、演奏と作曲に必要とされる能力は、ラップする部分も多いと思いますが、もちろん違う能力も必要とされるでしょう

さらには、即興で演奏するには、両方の力+αが必要でしょう

ただ、当時、即興で作曲し、演奏したものを、忠実に楽譜通りに演奏するだけでは、つまらない気がします

例えば、聴衆の雰囲気、その時のオーケストラの息の合い方、などによって、少しずつ違うものにするのでは、と思います

「モーツァルトは天才だから」で終わらさないで、この天才が残してくれた偉大な遺産を、さらに発展させられれば、と思いました




2011年10月20日

東大学部・大学院共通の講義「アントレプレナーシップ」

に参加します

この講義は、オムニバス形式で現役のベンチャー経営者や政策担当者などに講義するものです。


今日は、東芝メディカルシステムズ株式会社 南部 恭二郎氏の「 研究と製品の狭間,その他いろいろ*」というテーマの講義です

南部さんはいろいろな大学で講義をされていて、講義中に学生の「受け」を狙っているところがあるのですが、東大の学生は「受け」が他大学とは違うようで、あまり「受け」がよくないので、がっかりしているようでしたが

とにかく講義録です

・未来を予測する最善の方法はそれを発明すること(アラン・ケン)解決すべき課題(Vision)の創出

・解決すべき課題さえ、解決されれば、解決策、プロセス、技術はどれでもよい(コスト、使いやすさ、等は課題に含まれる)

・「言いだしっぺ(パイオニア)」になることは、概念を社会に広め、価値を創出し、資金を確保するリスクを受け入れなければならない。フォロワーは、そのリスクなしに、価格、品質、技術で差別化を図ればよいが、マネと言われ、品格を下げるリスクがある

・愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ(ビスマルク)と言うが、歴史から学べるのは過去の事だけ。「想定外」を想定せよ(畑村洋太郎)のように、予知する能力も持つことが大切

・誰が言ったか?だけで、判断するのは楽だが、誰が言ったか?ではなく、その内容で判断すべき。誰が言ったか?だけで判断し、他人の話を聞かない、他人の話に妥協する人は経営者には向かない

・二人とも同じ価値観ならば、交渉の余地はない。価値観が違えば、双方の満足をそれぞれ最大化する解(win-win)が存在し得る。自分が同意しない価値観を理解すること

・エリートは育てるものではない、勝手に育つもの(森敦)自分で勉強する能力、課題を発見し、意見を構成する能力、意見を他人に説明する能力 

・明日〆切症候群(段取りが悪く、忙しく走り回って不完全な仕事をし、その不完全さの対応でさらに忙しくなる)、嗜虐症(自分を苦しい環境で頑張るヒーローを勘違い)は頑張っているように見えてしまうのでたちが悪い

・技術批評:単純な人工物でよいから、それを題材に、技術を深読みし、言語化する

・「は」「が」を敢えて使わずに、文章を書いてみる。直球で語る筋肉質の文章になり、物事を明晰に考える力がつく

・戦略的思考停止:物事にレッテルを貼った途端に、考え方、捉え方の枠組みが限定されてしまう


アントレプレナーシップの教育は難しい?

で前の週の模様を



学生の反応はあまりよくなく、半数以上がPC、スマートフォーンで内職しているか、あるいはノートを広げて、微積分など数式の内職をしているか、寝ているか、です

面白い講義なのになぜ?


と書きましたが、明らかに変化がありました

・参加する学生が2/3に減った

この講義で、単位を取りたい、勉強したい学生以外は去って行った、当然の帰結です

・内職している学生の率が減った

上記のとおり、「この講義で、単位を取りたい、勉強したい学生」が残ったのだから、これも当然の帰結でしょう


積極的に質問する学生も多くて、これからが楽しみです

参加している学生さん、「TAK」さんを見かけたら、気軽にお話しかけてください!





2011年10月17日

東工大卒業生からお話を伺う

東工大大岡山蔵前ゼミ「ソニーの商品開発 裏話」

でソニー株式会社業務執行役員副会長 中川 裕 氏のお話を伺いました

大賀さん、盛田さんのリーダーシップより、設立されたソニーは強力な技術力により、優位性を築き、日本だけでなく、世界の市場に進出していきます

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日本では、ニュースにはなっているけれど、ちょっと遠い世界のかんじの

「ソニーの工場もタイの洪水の影響を受けている。日本では洪水があっても割合早く水が引くが、タイではなかなか水が引かない」

というお話から入ります

日本が生産拠点を世界各国に広げる以上、世界で起こる問題を抱えることにもなります



個々の開発裏話よりも、普遍的な話を書くと、

・1985年に家庭用CCDカムレコーダー、1995年よりディジタルカメラの市場が拡大した。しかし、最近はスマートフォーンにこれらの市場は奪われつつある

・80年代後半から90年代前半にかけて、パスポートサイズのビデオカメラが旅行ブームと相まって売れた。手軽、軽薄短小を各メーカーが競っていた。

・1992年シャープの液晶ビューカムが市場参入し、急速にシェアを伸ばす。対抗商品を検討すると、どうしてもそのマネになってしまう

・導入を渋っていた社内は売れると、あっという間に受け入れる

・技術的な優位は、他社が追いつく前にさらに伸ばすことにより確保し続けるべき

・商品が売れれば、その収益をさらなる技術開発、宣伝広告に使うことが出来る 

・最初のディジタルカメラの画質は当時のアナログカメラに比べ、かなり劣ったにもかかわらず、売れた。ディジタルカメラ市場に火がついた 

・活きた商品を作るためには、寝ている間も考え続ける

・活きた商品を作るためには、相当な知識・見識を持っているのは当然

・目で見て、手で触れて、感じて、使いこなす中で本質をつかむ

・自分自身が心からほしい商品をつきつめる(洞察)客の立場に立ってみる。筋のよい商品は売れるし、そうでないものはどうやっても売れない

・筋のよいアイデアを決めたら、他を見たり、後を振り返ったりしない。実現には手段を選ばない

・技術がわからない人間に商品企画はできない。プロとしての深みがある技術、知識、見識が必要。「素人の努力」ではどうにもならない


商品のサイクルが短くなり、技術の進歩が著しい今日、ソニーが今後、どのように技術的な優位を確保し、市場に進出していくのか?そのヒントが伺えました





2011年10月16日

東京大学本郷キャンパスにて開催されたSTeLA Leadership Forum 2011 in Stanford 報告会

に参加しました

案内文によると、


STeLAは学生主体の組織であり、世界トップレベルの大学から科学技術分野の学生を集め、リーダーシップ教育や国際的な問題を多角的に議論する機会を提供しています。

STeLA Leadership Forumの大きな役割は、アメリカ、日本、中国、フランスやその他の国に渡る、高い意識を持った科学技術分野の大学学部生・大学院生間のネットワークの構築です。

STeLAは科学技術分野におけるグローバルリーダーの育成、および将来のリーダーによる国際的ネットワーク構築を目指して毎年フォーラムを開催しています。

今回の報告会では、今年8月にスタンフォード大学で行われたフォーラムの内容を紹介致します。また、世界各国からの参加者が議論や共同作業を通してどんな困難や課題に直面したか、それらをどのように克服したか、そしてそこから何を学んだかについて参加者によるスピーチも予定しています。


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天候がすぐれない土曜日にもかかわらず、会場の東大1号館大教室は満員です

それでは、スタンフォード大学で行われたフォーラムでのお話を以下に書きます


・リーダーは必ずしも完璧ではなく、欠陥を持っている。誰もがリーダーを担い、お互いに補い合う、分散型リーダーを目指す

・リーダーシップのプログラムとして、将来を描く(Visoin)、人と関わる(Relate)、創造する(Invent)、現状を把握する(sense)

・実際の出来事から、あるデータを選択し、それを自分の中で解釈し、一般化する。

例えば、ある東大生女子がある日食事を断ったら、その背景を正しく構築せずに「東大女子=付き合いが悪い」と一般化してしまうことがある

・より深い信頼関係は、思い切って、一歩踏み込んで相手にぶつけることによって、得られる

・T字人材(深い専門性に加えて幅広い教養)よりも十字人材(専門のアウトプット志向により、教養だけでなく実践)実践して出した結果により、さらに多くの人とつながることができる

・日本人が誇れるもの:細かな配慮、チーム協働志向、理性・合理性 これらはグループの意思決定に重要な要素で、世界の課題解決にとっても重要な資質

・日本人が世界の問題解決をリードする上で障壁は1つだけ。それは、英語。日本の学生は英語を学ぶ機会を最大化し、国内の語学教育が不足しているならば、積極的に海外に出て行くべき

・STeLA参加の動機:研究生活において、特定の狭い分野に視野が集中しがち、自分の研究成果の社会貢献の実感が不足 世界で形が出せる実践をしたかった

・現在、日本の大学生はリーダーシップを発揮する場、ネットワークを構築する場が足りないのではないか、という問題意識

・数は力:一人で言っても聞き入れてもらえなくても、みんなの声を合わせれば聞いてもらえる

・理系のリーダーシップ、研究分野に進むにしても、事業分野に進むにしても不可欠

・学ぶ必要性は学び終わるまでわからない

・それぞれの専門性を持った人が協力をして横のつながりを持っていかないと、国際問題は解決できない



日本の学生は内向き、などと言いますが、こういった活動をしている学生さんもいます

報告会の後の懇親会では、軽いアルコールと食べ物をつまみに、参加者、スタッフとお話をします

元気な学生さんとお話をしていると、こちらも元気をもらいます。

本当に楽しく有意義なひと時でした


STeLAスタッフ募集説明会を下記の予定で行います。

会場:東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館E棟 3階 W831/W832教室
日時:2011年10月17日(月) 18:30〜19:30

会場:東京大学 本郷キャンパス 工学部2号 1館 213教室
日時:2011年10月20日(木) 19:00〜20:00

関心がある方は是非ご参加ください



2011年10月14日

東大公共政策大学院で行われた

公共政策セミナー「国家行政と公務員制度改革」江利川毅氏(人事院総裁)

に参加しました


国家公務員は、収入では外資系コンサルタント、外資系金融機関に大きく劣るし、マスコミでたたかれてばかり、天下りは禁止される方向で、かつ、50代前半には事実上多くの人が退職せざるを得ない、にもかかわらず、東大では、まだ根強い人気があるようです

人事院総裁の江利川毅氏から直接お話を伺う機会なので参加します

会場は満員で、参加した学生さんは内職することなく、せっせとメモを取っています


では、以下にセミナーの概略をまとめます


・國という字:領土と領民を戈で守る。今で言えば、統治機能で国民を守る

・憲法15条:公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない

・国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。行政権は内閣にあり、内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名する。内閣は法律に定める基準に従い、管理に関する事務を掌理する。国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない

・国家公務員の実際の使用者は内閣総理大臣、さらには総理大臣によって任命された各省大臣である。内閣総理大臣等は、国会のコントロールを受け、勤務条件は大臣等の決定だけでは完結しない。それゆえ、大臣は公務員の完全な使用者ではない

・国家公務員も労働基本権を有するが、全体の奉仕者であること等から、争議権等は制約されている。(人事院はその代償機能)公務の労使関係には、民間企業のような、利益の分配、倒産などの市場の抑制力という内在的制約が存しない 

・人事院の役割:国家公務員の労働基本権の制約の代償機能(人事院勧告)。国家公務員人事の公正の確保(行政の中立確保)、国家公務員試験、研修、不利益救済、公務員倫理など

・行政改革が必要とされる理由:バブル崩壊以降の景気の低迷、在英の悪化の中で、経済・雇用対策、外交、防衛など諸課題への対応が不十分。「官」の信頼の失墜、「政」と「官」の関係のあり方の見直し

・政策課題を遂行するには財源が必要だが、マイナス成長のため歳入は減少。財源の振替など強力な利害調整(決断と実行)が必要。規制緩和など、予算を必要としない政策だけでは不十分

・2001年に中央省庁の再編。官邸・内閣機能の強化(閣議の活性化、特命担当大臣)、総理の指導性強化(総理大臣補佐官)、内閣府(経済財政諮問会議、総合科学技術会議など)の創設

・日本の公務員は諸外国に比べて、必ずしも多くはない。労働人口に占める公務員比率はOECD26カ国平均が14%なのに対し、日本は5%。アメリカ14%、ノルウェー、スウェーデン28%

111014公務員比率


・2008年国家公務員制度改革基本法の課題:国家戦略スタッフと政務スタッフ、幹部職員の一元管理、採用試験制度の抜本的な見直し、幹部候補育成過程の整備、官民人材交流の推進、定年まで勤務できる環境の整備

・2011年国家公務員制度改革関連法案:国家公務員に労働基本権を認め、給与などは労使協定で決める。国家公務員の幹部人事は内閣官房で一元管理し、縦割り行政の弊害をなくす。人事院を廃止し、公務員庁、人事公正委員会、内閣人事局を設置する

・国家公務員制度は国家行政の基盤であり、国民生活への影響も大きい。公務員の使命感、責任感、職業倫理観への影響も考える必要



この辺までが公務員制度、制度改革の概要で、以降は先輩から後輩へのアドバイス、と言う感じになっています



・中立公正な業務の執行には実行力が大切。胆識と言ってもよい

・政策の立案のためには学ぶこと。学ぶのは、1.専門、2.幅広い知識、3.人間、について

・一人ではムリ、英知を集める。英知を集めるには、傲慢な態度ではダメ、謙虚であること

・為政者は国民からの信頼が大切。信なくんば立たず。「民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず」の本当の意味は、国民に個々の政策を完全に理解してもらうのは難しくても、この人がやるならば信頼できる、という信頼が大切、というもの

・学びて時に之を習う、また説ばしからずや。学は人たる所以をまなぶものなり。少にして学べば、壮にして為す事あり。壮にして学べば、老にして朽ちることなし

・何を学ぶか?1.専門、2.時代・社会、3.人間 吉田松陰の教え 立志(志を立てる)、拓交(交流を選ぶ)、読書(名著を読む)

・学んで思わざれば即ちくらし。思うて学ばざれば即ちあやうし

・新しい時代、社会に適応できるように制度も変革していく。守破離(先例に囚われない)

・国家公務員の仕事・職務に対する心構え。責任感(誠心誠意、最後までやり遂げる)、良心(正義と思いやり)、志、信(国民の信頼が不可欠、説明を聞いてもらえる前提)

・後輩の存在意義は先輩を乗り越えることにある

・公務員の定員削減による人件費削減はもちろんだが、給与を削減すると、優秀な人材が集まらないおそれもある。公務員は仕事の使命感、やりがいがキーポイントだが、人材確保のためには給与も大切

・政治主導で政策資料作成まで政治がやっていたことがあったが、これはナンセンス。政治はもっと大局的な判断を 



何かしら結論めいたことは述べません。総裁のお話をよく読んでいただければ、と思います





2011年10月13日

東大学部・大学院共通の講義「アントレプレナーシップ」

に参加します

この講義は、オムニバス形式で現役のベンチャー経営者や政策担当者などに講義するものです。

講義の内容も面白かったのですが、この講義に対する学生さんの反応が興味深いものでした

講義の内容をまとめた後に、それについて書きます


・アントレプレナーシップにおける人材育成とは必ずしも、「ベンチャーを起業しろ」というのではない。リーダーを養成すること

・「ベンチャーで起業」は東大ブランドが一番役に立たない分野。東大の名前、ブランドではなく、ビジネス、事業で勝負しなければならない

・社会のピーク世代が昔は体力が充実した20、30代だったが、最近は知力が充実している50、60代に移行している

・小学校高学年の10歳から大学生の20歳にかけて、成績優秀者がそのまま推移している場合もあるが、かなりの割合でシャッフルして入れ替わっている。30代、40代、50代に進むにしたがって、シャッフルも進む。東大生だからといって一生安泰ではない

・理系、工学系の研究職につく場合、Ph.Dを取らないときわめて不利。日本では修士が世界レベルでも優秀なため、大企業は修士卒でOKとしているが、海外ではPh.Dでないと不利

・日本の学生は小さなリスクをおそれて、大きなリスクに陥る

・海外では大きな技術プロジェクトの采配を奮う等、企業の技術系幹部はPh.D、その下で技術、スキルを使うのが修士

・欧米では人材流動により、年功序列が崩れている。すると、仕事の収入が下がり、30、40代の即戦力を安い賃金で雇えるようになり、スキルのない若年層が失業している。若年層もスキルの習得が急務

・飛行能力:自分のパワーでコントロールし、前進する能力。グライダー能力:誰かにコントロールされて動く。もちろん、前者が有利

・学生時代に身につける能力、スキルは一時的なもの。そのスキル、能力を活かすメタスキル、能力が大切

・お金を出資する人の目的を読み取って、それに適合させないと採用されない 

・能力があっても、その能力を活用して貢献できないと役に立たない 

・最高の能力は、妥協することなく、適合すること

・「考える」+「(スピーディーに)動く」が役に立つこと

・付加価値をつけることが大切:自分を磨く、実力をつける、その実力を証明する資格などを得る

・社会に適合する、多様性を認める、個の尊重、アイデンティティーを確立する


と面白いものだったのですが、学生の反応はあまりよくなく、半数以上がPC、スマートフォーンで内職しているか、あるいはノートを広げて、微積分など数式の内職をしているか、寝ているか、です

面白い講義なのになぜ?

これについて、少し考えてみます


「TAK」さんにとって、経営、起業、リーダーシップ論などは大変興味深いものです。もちろん、社会人経験がありますので、共感する部分が多かったです

おそらく、この講義を社会人に開放したら超満員になる、と思います

一方、学生さんは、経営、起業、リーダーシップ論などはそっちのけで、自分たちが慣れ親しんだ微積分をいじっている方が楽しかったのかもしれません

大学側が、せっかく将来のリーダー候補のために、理系の専門性だけでなく、ビジネス、事業についても学んでほしいと、こういった授業を用意しても興味を示しません

未知の時にチャレンジしようとせずに、自分が既に確立した得意分野に閉じこもろうという、保守的な姿勢は、アントレプレナーシップとは対極です

ふたつのことを考えました

・学ぶ時期の適齢期とは、学生の時ではなく、社会に出てニーズを感じた時である

・経営、起業、リーダーシップ論などはそっちのけで、微積分をいじっているようでは、就職しても幹部への道は難しいのでは?

いろいろと考えさせられました









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