2012年02月

2012年02月27日

東大福武ホールで行われた

Educe Cafe: drinks×school -楽しみながら学ぶためのデザイン

に参加します


Educe Cafe「遊びごころって、なに?」

Educe Cafe「『創発的コロニー』の源泉をたどる旅」

Educe Cafe:プレイフルコミュニケーションをデザインする

に書いたようにEduce Cafeには何度か参加しましたが、

Educe Cafe とは、


Educe(エデュース)には、「Education」の語源にあたる言葉で、隠された人の才能を引き出すという意味があるそうです。

Educe Cafeは、従来の枠組である「教育」というメガネをちょっとだけ外し、少しトリの眼になって「教育」の周りを見てみようよ、という想いで企画しています。

今のところ「つながり」「コミュニケーション」「インフォーマルラーニング」「ミュージアム」などというテーマが多くなっています。

ですが、今後はこれにも囚われずに、常に感性に働きかけるような素敵な活動をされている方をゲストとしてお招きし、その話題提供に刺激されて場全体で何かを考えていけるような創発空間にできたら、と想っています。

なお、Educe Cafeでは、お飲み物や軽食もお出しいたします。学生の方から大学・企業にお勤めの方まで、その場にいる人みんなが顔見知りになってお帰りいただけるような、アットホームな会づくりを心がけています。


ということです

今日は、アイデアをつなげる「green drinks」やアイデアをカタチにする「green school」などの場づくりを通じて、自分たちの手で素敵な未来をつくる人たちを応援するコミュニティーのグリーンズのお話を伺いながらのカフェです

「飲み物や軽食もお出しいたします」ということで、ビールをサンドウィッチをつまみながら、お話を伺います。本当にリラックスした、ゆるやかな感じです


・知られていない問題、活動が身近にたくさんあるが、それらを伝える手段としてネット、ソーシャルメディアが向いている

・ネット上のコミュニティーだけでなく、リアルで集まる場があるとよい。リアルな場の運営をスタッフだけでやろうとすると無理があり、クオリティーが下がる。ボランティアの参加が欠かせない

・ライターのインターン、ウェブ上への記事の掲載が本人にとってもプラスになる人を選ぶことが大切

・ボランティアにはそれぞれのコミットメントに大きな温度差。押し付けるではなく、各自がやりたい、と思っていることをやってもらう。無理やりやってもらうと離れていく

・仕事以外のクオリティーの高いプロジェクトマネジメントは楽しくて役に立つ 

・メディアもイベントも結局は人と人との関係、信頼関係が大きい

・共感を呼ぶには、1.サプライズがある、2.思いやり、愛がある、3.社会問題を解決する、政治のように大きな問題よりも身近な問題を扱う

・個人とコミュニティーの仕組み、どんなにかけがえのない人であっても、抜けたら機能不全、ではなく、誰かが埋めて回る仕組みが大切 



リラックスした、ゆるやかな雰囲気で、いろいろな気づきを得たイベントでした




2012年02月24日

東大ワールドカフェ「外国人のみた日本の姿と東大」

に参加しました

東大ワールドカフェも今回で12回目、東大卒業生でスリランカ出身の立命館大学副総長モンテ・カセム氏をゲストに迎え、新装されたばかりの伊藤国際センターで開催です

毎回のことながら、東大ワールドカフェについて、簡単に説明します

111031安田講堂


東大ワールドカフェは、


カフェ的会話でつながる東大卒業生のサロン型交流プログラム

東大から様々な分野・現場に巣立っていった卒業生たちが、再び東大に集い、次の時代を拓くテーマを前向き、建設的に対話することを通して、既存の枠組みを共に乗り越えていく友人を、分野や世代を超えてつくる。

東大の卒業生には、様々な現場の第一線で頑張り、活躍している人が数多くいます。その経験と知恵を分かち合い、ぶつけあい、刺激しあうことは、個々の東大卒業生にとって日常の枠を超える視座を得る機会となると同時に、今まで分断されてきた組織、制度、分野、世代の間の壁を壊し、この国に新しい風が流れるきっかけとなりうるものです。

卒業生の皆さん、日々の仕事や生活の中では出会えない人とつながり、新しい視点や発想に気付ける場を、共に創りだしていきませんか? ぜひご参画ください。



「TAK」さん流に解釈すると、

東大は法、経、文、教育、工、理、農、医など、いろいろな学部があり、年間3000名の卒業生を送り出しています

在学中は、日常の学業、サークル活動などを通じて、学生同士の交流があります

ところが、卒業すると、途端に交流が減ります

同じ学科、同じ学年、研究室、サークルなどでは、同窓会などにより、ある程度の交流が図られます

ところが、年次、学部を超えた卒業生同士の交流は、格段に減ります

「TAK」さんも東大の先生、学生さんたちとは、日常的に交流していますが、卒業生となると、交流は同じサークルなどに限られます

そこで、大学側が卒業生室を作って、担当の理事まで置いて、このような卒業生交流スキームを設けている訳です

世代を超えた卒業生の集まりを行うには、仕掛けが重要です。

いわゆる懇親会だけ用意しておいても、知っている人を見つけて、近況報告を行ったり、初対面の人を紹介されても、なかなか会話が深まらず、名刺交換だけにとどまり、「交流」には発展しないことがほとんどです

東大ワールドカフェでは、交流のための「仕掛け」として、ワールドカフェを利用しました

事前に議論したいテーマを選び、そのテーマについて5,6名で20分程度議論する、これを3セット繰り返します

移動可能な状態で、誰とでも、自由に話せる「懇親会型」は初対面が多い場合は、上記のようにうまくいきません

むしろ、このように、

・ゲストの講演を伺う

・講演をネタに5,6名のグループで20分程度議論を3セット

という「制約」があった方が交流が深まります


さて、今回のワールドカフェでは、「TAK」さんはファシリテーターをすることになりました。

ファシリテーターについては、

シンポジウム「ワークショップとファシリテーター育成」 に参加しました

に書きましたが、「最初は雰囲気が固く、発言も出ないので、「場」、参加者を活性化する役割」を行います

では、まず東大卒業生でスリランカ出身の立命館大学副総長モンテ・カセム氏のお話です。

・Convergence一体化してくるグローバル化、Bottom of Pyramid経済力は小さいが人口が多い社会層をどう取り込むか?科学技術、経済の利用が不可欠 

・Beyond borders(国境を超えて)Inclusion(排除しない社会)多様性と創造力を応援するグローバル社会の構築、単一民族のようで実は多様な日本国内でそれなりにできたが、世界舞台でできるか?

・Challenge 無限な可能性と地球規模の課題解決、地域の知恵を地球規模の行動に、計測と可視化が重要

・世界の原動力となるアジア、日本の大学など高等教育機関は、アジアの優秀で、情熱ある人材を積極的、かつ、開放的に受け入れるべき。日本にある知恵を海外に出していく

・若い人材は会社の未来、国の未来。大学はこういう貴重な人材の教育を担務している。国際的、学際的な交流が望まれる

・芸術文化、科学技術、長寿経営、危機管理、これらは日本が優れている 

・日本では大企業の中の技術が、クローズのまま、生かされていない。大学が「仲介」となってオープンのベーションを起こす。ただ、大学は動くのに時間がかかるのが難点

・想像したことを行動に移すと応援する人が出てくる

・「不条理な質問を、まともな質問に変換していく」が夢を実現していく第1歩。統合化、課題解決方法、ラボラーニング。「場」の重要性、などが挙げられる

・夢を実現するには「迷いを希望に変える」


では、これらの話をネタに、世代を超えた卒業生同士が5,6名のグループになって、話をします。

・東大の同窓会、交流会は以前は学科単位だったが、学部→全学、と枠を超えてきた

・駒場の教養課程は、人文・社会・自然科学、語学など、一見役に立ちそうもない科目が大量に課されるのだけれど、実はそれをしっかり勉強するのとしないのとで、その後大きな差が付き、卒業後こそ聴講したい

・国際会議終了後のパーティーで英語を「バリア」としてしまうか?「インターフェース」とできるか?が大きな違いを生む。リスニング力とスピーキング力が不可欠

・留学生の発言「滑り止めだった東大に来てしまった」日本では東大が頂点という考えがグローバル化を妨げる。世界の優秀な人材はハーバード、スタンフォード、MITへ行く

・東大卒業生は全般的に優秀な成績が取れる。しかし、「優秀な成績」くらいでは、お呼びがかからない。その分野のナンバー1になるほど傑出したスキル、才能があった方がよい

・超有名私立の中高一貫校では周囲と同じことをやっていれば、東大に合格することができる。東大合格まではそれでよいかもしれないが、入学後は、他人と違うことができないとアピールポイントがある、傑出した人材にはなれない

・東大に入学してから、しばらく、やりたいこと、好きなこと、って、見つからないし、わからなかった。合コンでも、受験勉強やってました、なんて話題。受験モードからそう簡単には切り替えられない


こういったイベントで懸念されるのが、常連のメンバーができて、その常連が内輪化して、初めて参加する人が、参加しづらくなってしまうこと、でしょうか?

「TAK」さん自身が常連っぽいのに、何ですが、このイベントでは毎回何割かの方が初参加で、着実に輪が広がっていく、感じでしょうか?

今後の展開が楽しみです




2012年02月20日

東大福武ホールで開催されたシンポジウム「ワークショップとファシリテーター育成」

に参加します。

少人数でアイデアを出し合い、ひとりでは気づき得ないアイデアを得る手法として、ワークショップがよく使われるようになってきました

5、6名程度のグループを作るのですが、普段と違う発想を促したいため、異なる分野同士、初対面同士、異なる世代同士、でグループを組みます

この場合、最初は雰囲気が固く、発言も出ないので、「場」、参加者を活性化する役割の、「ファシリテーター」が置かれ、その役割が重要です

ワークショップ当日まで参加者はわからないし、また実際にワークショップが始まらないと、各参加者の振る舞いはわかりません。

他参加者の意見を否定したり、ひとりで長時間話し続けたり、自分の意見、価値観を押し付けたり、することも少なくありません

この「生き物である場」を調整して、発言機会を全参加者に与え、ワークショップを適切に運営し、プロセス、結果とも満足感を参加者に与えるのが、ファシリテーターの仕事でしょうか

ただ、このファシリテーター、やる気、意欲満々の方が多いので、場を活性化するのではなく、場を仕切ったり、自分の意見を押し付ける人も多くみられます

そこで、ファシリテーターの人材育成の必要が出てきました

人材育成の場としては、学校が考えられますが、主としてテキストで教える学校はファシリテーターの人材育成などは得意ではありませんが、いくつか取り組みが行われています


・学校の先生方が直接携わらなくとも、理解があれば、学校施設でのワークショップのインフォーマル教育が可能になる

・長年、教育に携わっている教員に新しい教育は難しかったりする。教員養成系学生を対象にファシリテーター教育を実施

・教員養成系の学生をファシリテーター教育の対象に想定していたが、実際の参加者は他専攻(理学部、文学部など)学生、あるいは社会人が「楽しそう!」と参加する例が多かった

・教員がワークショップのファシリテーターを経験した場合、教材、学習環境のレパートリーが広がるケースが多く見られる

・教員がファシリテートを身につけることにより、教え過ぎずに、生徒に自分で考えさせることができるようになる



では、ワークショップ全般を見てみましょう

・ワークショップのコンテンツ、デザインだけでなく、運営するファシリテーターの人材育成が欠かせない

・ワークショップは単発の1回限りの参加では、「思い出」で終ってしまう。継続的な参加が欠かせない

・ファシリテーターは、参加者のプロセスに介入するのではなく、「待つ」ことが求められる

・成人のワークショップでは、あえてファシリテーターを置かず、ベテラン参加者が自然の流れでファシリテーター役を務める場合も多い

・よいワークショップとは、参加者が満足感を得るもの、次に何かやってみたい、と感じるもの

・よいファシリテーターとは、様々なワークショップの展開を想定できて、起きたことに適切に対応できる人、参加者を隠れてプッシュする

・成人のワークショップでは、参加者はある意味で子供に戻る

・ワークショップでは、参加者毎に参加目的が違うので、プログラムを事前にあまり詳細に決めておくのではなく、進行しながら、参加者の反応をみて、フレキシブルに対応していく

・ワークショップを継続するには、参加者にとっても、スタッフにとっても、楽しく、魅力的で、参加する意味を見出せること、が大切



ワークショップ、ファシリテーターはようやく研究の対象になったところで、これからという感じですが、少しこれらをもとに考察してみます

・暗黙知とされているものを、できる限り言語化し、可視化することが大切 

・社会活動のほとんどが他者とのコミュニケーションである以上、ファシリテート能力は生きていく上で大切

・ワークショップ、カフェですら、他人の意見を否定、自分の意見を押し付ける、ひとりで長時間場を占拠、ファシリテーターが場を活性化するというよりも「仕切る」のが現実。これらを批判するよりも、これらも前提に、場から何を引き出すか?考えてみる

・ファシリテーター育成が「場数を踏む」だけでなく、理論的検討がなされるようになってきたことは意義深い

・「場」のデザイン、とは、机、椅子の配置、参加者数の適正化だけでなく、ひとりの発言時間、回数などの制約、ルールを設けること。全く自由にしてしまうと、「場」ができない、崩れる、おそれがある


まだまだ課題が山積ですが、いろいろ得るものがありそうです





2012年02月17日

東大まちづくり大学院「復興まちづくり」連続セミナー「大震災と希望学」(玄田有史教授 )

に参加します。

玄田先生は、以前「希望学セミナー」を開催されていて、「TAK」さんは、ほぼ定期的に参加しました

<待って>、<遅れて>、<つまず>いて:希望・時間・挫折

希望の国のエクソダス(集団脱走)

社会科学と人類学の希望についての対話から

希望は終わらない

希望はBy action

などに、参加記録を書いてます

玄田先生のお話を伺うのは久しぶりですが、「希望」についてのお話を伺っていると、本当に希望が見えてくる感じがします。夢と希望、希望と幸福などに、新鮮な切り口が楽しみです


・「希望がある」と答えるのは、若くて、高等教育を受け、健康で、自分らしい仕事、安定した仕事をしている人。つまり、希望は若さ、教育、健康、仕事、と強く関連する

・希望をもって行動している人は、過去に大きな挫折をして、それを克服した人 

・「挫折」とは、過去の失敗ではなく、過去の失敗をどう受け止めるか?に意味がある 

・挫折を乗り越えた経験がある人は、「自分はこうすれば大丈夫!」というコツを持っている

・3人わかってくれる人がいれば、大丈夫

・「夢」と「希望」は似ている感じがするが、随分違う。「夢」は無意識のうちに見ている、あるいは、経営者が好んで使い、アイデアを出して、「夢をカタチに」など。「希望」は意識して、苦しい状況で持つもの

・危機を脱した人は、想定に囚われない、常に最善を尽くす、誰かの指示を仰ぐのではなく、自ら率先する、教育を受けている

・歴史をないがしろにしては「希望」は語れない。辛い過去をどう乗り越えたかが、「希望」には欠かせない

・被災地でテレビに出たい人は一人もいない。被災地で「テレビで見ました」は禁句


ここから、スタンフォード大学グラノヴェッター教授の"The strength of weak ties"の話になります。

「weak tie」は「弱い絆」と訳されることが多いのですが、「ゆるやかなつながり」という方がしっくり来そうなので、以降、そのように書きます

・転職がうまくいくのは、たまにしか会わない、信頼でつながっている人の紹介によるもの。有用な情報も「ゆるやかなつながり」からもたらされる

・日本は伝統的に「強固なつながり」の社会だが、仕事は組織ベースから、プロジェクトベースに移行し、「ゆるやかなつながり」の重要性が増す

・「強固なつながり」安心感、「ゆるやかなつながり」情報、気付き、ヒント をもたらす

・「ゆるやかなつながり」を持っている人ほど、復興が早い

・「ゆるやかなつながり」は「コネ」ではない。「遊び」として役に立つのか?立たないのか?わからないもの

・子供は大人が作った遊び場では遊ばない。子供が自分で作るから、「遊び場」になる

・「ゆるやかなつながり」を持っている人は希望を持ちやすい

・損得勘定が強い人は、希望がある、とは答えない

・希望を持つ人には、遊び心がある。「遊び」とは、特に明確な目的は持たず、そのプロセスを楽しむ 

・希望とは、何かに対する気持ちを行動により、実現する道筋を考えること

・Hope is wish for something to come true by action.

・希望には「棚からボタモチ」はない。動いて、もがいて、得るもの

・希望の多くは失望に変わる。そのプロセスを経て残ったものが、本当の希望 

・希望は何ですか?と聞かれても、簡単には出てこない。物語、ストーリーとして、じわじわ出てくる


「希望」は意識して、苦しい状況で持つもの、とすると、「希望がない」と言っている状態は、それほど本当に苦しい状況ではないのかもしれません

苦しい状況の中、「ゆるやかなつながり」を活かしつつ、動いて、もがいて、得るもの、が「希望」なのかもしれません




2012年02月16日

イギリスでは、アートやクリエイティブ産業の幅広い分野で、社会全体の発展に寄与するような活動を展開する組織や個人への注目が高まっています。政策レベルでも変革の時代に即した文化セクターのリーダーを育成しようという声が高まり、2005 年頃から政府や民間主導の下、「カルチャー・リーダーシップ」という名を冠した人材育成プログラムが数多く提供されるようになってきています。

こうしたイギリスの事例を受けて、次世代のリーダー育成を視野に、日本におけるカルチャー・リーダーシップのあり方や、持続可能な活動方法、社会の発展を牽引する創造力の役割について話し合う、カルチャー・リーダーシップ・ミーティング

が、東京・仙台・京都の3都市で同時開催され、東京会場のSHIBAURA HOUSEに行ってきました

120216芝浦ハウス


パネリストには、ロンドン大学で数学の修士号を取得後、論理の証明にもとづいて行う数学よりも、自由なアプローチが可能なアートに魅力を感じ、アーティストに転じたスプツ二子!(@5putniko )さん、「見えないものをつくる職業」という意味を持つデザイン事務所のNOSIGNER(@_NOSIGNER )さんら、多彩なパネリストが楽しみです

まず、イギリスのカルチャー・リーダーについて、どういった存在なのか?紹介がありました

・カルチャー・リーダーになるには権威(オーソリティー)はいらないし、トップダウンでなるものではない。クリエイティビティー、魅力がポイント

・ビジネスのリーダーには大きな責任が伴うが、カルチャー・リーダーは、一般にそのような責任を負うことはない

・カルチャー・リーダーは情熱的である一方、実利的であり、忍耐力も必要。文化は人々をつなぐもの

・社会は複雑で、急激に変化している。カルチャー・リーダーは多方面にネットワーク、アンテナが必要

・カルチャー・リーダーは現状維持に甘んじたり、古き昔を懐かしがるのではなく、新しい未来を創っていく

・カルチャー・リーダーは、人と人のつながりをコミュニケーションにより築いていく 

・カルチャー・リーダーは美術館など、文化施設のマネジメントをすることではない 

・カルチャー・リーダーは、トップダウンではなく、アイデアを発信し、他者とシェアする。ポジションの問題ではない

・カルチャーリーダーは、自分の分野だけでなく、全体を俯瞰する絵を描き、人と人をつなげ、文化を普及させていく

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カルチャーリーダーは単に美術館・博物館の館長、前衛的なアーティストではなく、人々を惹きつけ、ムーブメントを起こすことができる人、という意味合いでしょうか?

イギリスでは18世紀に産業革命が起こりましたが、産業だけではなく、文化にも大きな影響があったようです

・18世紀よりイギリスには多様な人々(詩人、アーティスト、科学者、政治家など)が集まり、対話する「場」がある。詩人と科学者が意見交換する、など、異分野の交流が頻繁に見られる

・文化が未来を創っていく。クリエイティビティーが経済発展のキーポイント。文化と技術がコラボして変化する社会に対応していく。もっと文化に投資すべき

・製造業、資源の利用は限界があるが、クリエイティビティー、知識はどれだけ使っても枯渇することはなく無限。これからはクリエイティビティー、知識を活用する社会に移行する

・文化は社会、人々を覗き見る「窓」である 

・文化を普及させていくにはネットワークが不可欠。イギリスでは、オペラを初めは半信半疑だった人たちが、ネットワークを通じて普及させていった

・イギリスではアーティスト、哲学者、デザイナーなどが政治に深く関与している。日本ではアイデアを出す人、活動する人と政治家、官僚が結びついていない。これをつなぐのがカルチャー・リーダーではないか?

・イギリスではテレビなど、マスメディアがアートを人々に紹介し、わかりやすく翻訳する機能を果たしている

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日本ではアーティストは、一般市民から離れた位置で、一般市民が簡単には理解できないような作品を創る存在、である感がありますが、イギリスに限らず、欧米ではアートは市民に身近な存在で、生活そのものに深く入り込んでいます。ここが課題であるような感じもします


・少人数のグループがコラボし、知識、アイデアをシェアし、失敗を許容するのが21世紀のライフスタイル

・日本も暗黙の理解から、きちっと言葉で説明して理解をしてもらう社会に移行していく

・価値構造の変化と共にカルチャー・リーダーシップも変化する。アーティストはアート作品を創るだけではなく、新しい価値を提示できる人

・カルチャーリーダーは、自分の分野だけでなく、全体を俯瞰する絵を描き、人と人をつなげ、文化を普及させていく 

・若い時は、社会は、なかなか変わらない。一方、年を取ると、社会はどんどん変わっていくのに、自分は変われない

・リーダーはみんなから支持される人であって欲しいが、選ばれるリーダーは必ずしもそうではない

・アーティストがアート以外の分野、例えば政治などで意見を述べる「場」がほとんどない

・今西錦司、「生物学」を考える時に、「生物学」の範囲内で考えていてはダメ。もっと広い範囲で考える

・ディジタル社会では、一人のアイデアが短時間で世界に広がる可能性が出てきた

・アーティスト、デザイナー、クリエーターはアート、デザインの評価軸を一度離れて、社会の中での自分たちの活動、作品の価値を考えてみる

・アーティスト、デザイナー、クリエーターは、自分がどうやって社会の中で価値を生み出すか?考えてみる

・現行の行政、予算スキームを単に批判するのではなく、そのスキームの中で、価値を生み出すように、アートを翻訳して、価値を生み出す手もある

・敵対するよりも、隙間を見つけて、ハックする

・千代田3331は廃校になった中学校をリフォームしたものだが、クリエイティブなアーティストが集まる場所であるだけでなく、サラリーマン、幼稚園児など、アーティスト以外も集まる「場」になっている

120216千代田3331


・Take a job は誰かしら、から仕事を奪うが、Make a job は雇用を創る

・バングラデシュのマイクロファイナンスは、大手銀行が都市部に集中し、富裕層を対象にしているのに対し、農村部で貧困層を対象としたもの。既存システムで対応していない層を対象に新しいシステムを構築する手もある

・クリエーターが求めるモノ、と、オーディエンスが求めるモノの間には大きな何重もの壁があったが、ソーシャルメディアによりショートカットが可能になり、一致しやすくなり、双方がハッピーになった

・一般に日本のアーティストにはプレゼンテーション能力がかけている。クライアントのニーズに訴える力が全く欠けている。イギリスでは学校教育でプレゼンテーション・トレーニングを行う

・リーダーの役割は人々を誘発して、動き出させること


いますぐに解決できない課題も多いけれど、できることはたくさんありそう、そういう感じがしたイベントでした




2012年02月14日

日比谷図書館で開催された「本多静六の金銭哲学 〜巨万の富の作り方とその使い方」
に参加します。

本多静六とは明治時代の林学博士で、東大教授。それでありながら、一代で億万長者に。莫大な富を社会に還元し続けた本多氏の人生哲学を、曾孫である遠山益氏が語る興味深いイベントです

では、その哲学を垣間見ることにします


・経済の自立なくして、自己の確立はない

・金を馬鹿にする者は金に馬鹿にされる。財産を無視する者は、財産権を認める社会に無視される

・どんな小さな理想でも、一歩前進でもよい。それが、ひとたび実現すれば、それはその人の人生の現実となる

・「普通の生活」+「少しの欲」が幸せのコツ


金銭的報酬と仕事の「やりがい」の話がよく出ますが、わかりやすい言葉です


・明治時代ドイツのブレンタノ教授:就職したら貯蓄を始めなさい。ある額になったら、それを株や不動産に投資しなさい。日本のような発展途上国では、将来発展する鉄道株がよかろう。ドイツの教授たちは皆このように蓄財している

・アメリカではカーネギー、ロックフェラーなどの大企業成功者が社会事業、育英事業に貢献しているのに感銘を受け、日本でも創設に乗り出すが、嘲笑、軽蔑を受ける。育英事業をやるには、他人の懐を当てにはせず、独力でやろうと決意

・心を快活に:快活な人に会えば気持ちよく感じるが、暗い、苦い顔をした陰気な人と接すれば不愉快になる

・天職と信じる:これと定めた職業は天職と確信し、一生懸命励む

・功は人に譲り、責は自分で負う:人に功を譲るのは勤労の効果を蓄えることであり、元金の他に利息が付いて返ってくる

・長所と交われば悪友無し:いかに悪い人でもよいところがある。そのよいところとだけ、友達になればよい

・左手で本業を抑え、右手でチャンスをつかむ:専門外のことを知る機会がある時は、その機を逃がさず、できる限り多くを見聞し、調査し、要点を抑えておく 

・収入の1/4を貯蓄する:経済の基本は倹約貯蓄にある

・人事を尽くして、タイミングを待つ:逆境の時、思うようにならない時は、しばらく時を待ち、その間に知識を養い、実力を蓄える 

・言動を慎み、反感を買わない。思い上がりと言動を慎み、無用な反感を防ぐ 

・働きながら、学び続ける努力を怠らない

・希望と自信を失わない。希望と自信を失うところに、失敗と不幸が訪れる

・施した恩はすぐ忘れてよいが、受けた恩はいつまでも忘れるな

・目先の利益、名誉を取ろうと焦らないこと。自分の業績は後世の人々が評価する、くらいの考えで、ちょうどよい


もちろん、明治から戦前にかけての本多の時代と現代では経済、社会状況が違うので、同じ方法は通じません。でも、現代にも参考になるお話でした





2012年02月06日

東大で行われたシンポジウム「自己組織化」

に参加します

自己組織化とは、多くの要素間の相互関係のみに基づいて、システム全体のパターンが創発するプロセスです。相互関係のルールは全体パターンを参照すること無しに、局所的な情報のみで実行されます

この自己組織化の話を最初に伺ったのは昨年2011年の東大五月祭特別講演「ロマンティック理数」でした

この模様は、

五月祭特別講演「ロマンティック理数」に参加しました

に書きましたが、


化学工学専攻の藤田誠先生の化学における自己組織化のお話が面白かったです

ジグソーパズルはお互い同士がぴったりはまる状態で完成します

少しでも、バランスが崩れると全体が崩壊します

お互い同士がついたり、離れたり、しながらを繰り返し、局所的にも全体的にも一番収まりがよい状態で安定する

これが細胞などの生命体であれば、「そうかな」という気もしますが、全く意思を持つはずがない化学物質で同様のことが起きていることには驚きを禁じ得ません

DNAでも、ひとつひとつの水素と酸素の結合は弱くて、すぐに切れてしまうけれど、複数まとまってうまく結合している、というのは、組織体と個人の関係にも適用できそうです


今回のシンポジウムはシロアリ、量子ドット半導体、人間社会から自己組織化の仕組み、プロセスを探るものですが、量子ドット半導体の講演は中座したので、それ以外の話を書きます

●シロアリ

・シロアリは個体そのものはひ弱な存在だが、大集団となり、巨大な巣を建設し、行列をなして遠距離に採餌する。この集団行動にはリーダーがいる訳ではなく、単純なルールからなる集団レベルでの自己組織化

・シロアリは巧みに巨大な巣を作るが、微小な脳しかない個々のシロアリは建築物の全体像を知っていることはない

・シロアリの建築物は、人間の建築物のように、予め設計図が描かれ、リーダーの指示により、トップダウン式に施行されるのではない。個々のワーカーは単純なルールに従っているだけで、群れレベルでの自己組織化による大規模な共同作品 

・シロアリの何万匹による採餌行動は、行き先が決まっている訳ではなく、それぞれの個体が他者の後をぴたり追随し、先陣は逐次交代する、枝分かれした場合は、少ない方が多い方に戻る、という単純なルールで全体としては整然と行われる 

・シロアリの個体は集団から離れることは直ちに「死」を意味する。各個体は集団の存続を第一義とした完全な利他行動を取る


●人間社会

・繁栄する社会には秩序が必要。安定社会には活力が必要

・社会が変化する時代は不確実性耐えなければならない

・システムの都合の大量生産から、それぞれの人に応じたモノの生産へ 

・社会は成熟したら、衰退するのではなく持続する。持続とは変化のない定常状態ではない。内側から破壊し、再構築する自己組織化が大切。環境変化に適応するだけでなく、自己組織化が持続社会には不可欠

・持続とは変化することである。自らに対して差異を生み出しつつ、自らを変えることにより、自己組織化(ベルグソン)ダーウィンの進化論が環境適応により、自己外の要因との差異を扱うのに対し、ベルグソンは自己に対する差異を問題とする 

・環境適応型の変化では、変化は強いられる、余儀なくされる、という受身の発想だが、自己差異化は自らによるもの

・成熟社会では生産性や効率が優先するのではなく、エンパワーメントが大切。エンパワーメントは、知識や技術を獲得することで、自己の能力を強化し、自力で問題解決する能力を身につけること

・能力を与え、精神を解放するパワーは、管理したり、制限したりするパワーより常に偉大である。与えられた課題を効率よく処理するだけでは付加価値の創造は保証されない

・自己組織化とは、環境との相互作用を営みつつ、自らの手で自らの構造を作り変えていくこと。そのメカニズムが働かない組織は外圧による変化しか行えず、進化論的に淘汰される

・変えるためには、その前に破壊がある。自らが自らを変える組織は、自らの手で自らを壊すことができなければならない

・自己組織化には「ゆらぎ」が必要。異質なものを取り込み、多様性を維持する。安定時には異質なものは排除されるが、激動時には異質が必要になる

・自己組織化を促し、創発が生まれやすい仕組みにするには、1.創造的な個の営みを優先させ、2.ゆらぎを秩序の源泉とし、3.混沌を排除せず、4.コントロール。センターを設けない 

・組織のゆらぎは逸脱行為として、社会の存在を脅かすものとされ、統制すべき、とされていたが、社会の多様性の源泉でもある

・従来は安定な均衡が望まれたが、最近は混沌(カオス)の積極活用が考えられている。カオスは、現状が正しく認識できたとしても、その先どうなるかは予測不可能

・混沌(カオス)では、初期条件のわずかな差が結果に驚くほど大きな違いをもたらす

・自己組織化にはトップダウンの管理を強化しないこと。カオスの放置はまずいが、存在は認めること。ひとりひとりの自発的な活動の結晶として組織は変わり、活力が生まれる。一人ひとりの活動から全体へと向かうシナジーをもたらす風土の醸成が大切

・活力ある安定とは、社会が安定・停滞する状況の中で、各個人が様々な試みを行い、アイデアを生み出し、新たな秩序つくりを行う






2012年02月03日

最近の東大は世代を超えた卒業生のネットワーク作りに積極的です

例えば、

東大ワールドカフェに行ってきました

に書いた東大ワールドカフェ

は、


カフェ的会話でつながる東大卒業生のサロン型交流プログラム

東大から様々な分野・現場に巣立っていった卒業生たちが、再び東大に集い、次の時代を拓くテーマを前向き、建設的に対話することを通して、既存の枠組みを共に乗り越えていく友人を、分野や世代を超えてつくる。

東大の卒業生には、様々な現場の第一線で頑張り、活躍している人が数多くいます。その経験と知恵を分かち合い、ぶつけあい、刺激しあうことは、個々の東大卒業生にとって日常の枠を超える視座を得る機会となると同時に、今まで分断されてきた組織、制度、分野、世代の間の壁を壊し、この国に新しい風が流れるきっかけとなりうるものです。

卒業生の皆さん、日々の仕事や生活の中では出会えない人とつながり、新しい視点や発想に気付ける場を、共に創りだしていきませんか? ぜひご参画ください。



「TAK」さん流に解釈すると、

東大は法、経、文、教育、工、理、農、医など、いろいろな学部があり、年間3000名の卒業生を送り出しています

在学中は、日常の学業、サークル活動などを通じて、学生同士の交流があります

ところが、卒業すると、途端に交流が減ります

同じ学科、同じ学年、研究室、サークルなどでは、同窓会などにより、ある程度の交流が図られます

ところが、年次、学部を超えた卒業生同士の交流は、格段に減ります

「TAK」さんも東大の先生、学生さんたちとは、日常的に交流していますが、卒業生となると、交流は同じサークルなどに限られます

そこで、大学側が卒業生室を作って、担当の理事まで置いて、このような卒業生交流スキームを設けている訳です



同窓会などは、積極的な有志が数名集まらないと、「やろう!」ということになりません。

大学が、このような交流スキームを作ってくれることは、卒業生としては、大変ありがたいことで、積極的に利用したいものです



さて、いささか前置きが長くなりました。今日参加する「東大クエスト・サロン」

は、


卒業生が、あるテーマについて、それぞれの知見を持ち寄り、より深く討論していく新しいサロン型プログラムで、卒業生にとって立場・分野を超えて関心の高いメイン・テーマを設定し、それに関する卒業生からの発表と対話通して、お互いの知恵を交流します。発表と対話の結果をレポートをまとめるが、成果物よりも、交流を通しての個々の参加者の気付きに重点をおきます。


世代を超えた卒業生の集まりを行うには、仕掛けが重要です。

いわゆる懇親会だけ用意しておいても、知っている人を見つけて、近況報告を行ったり、初対面の人を紹介されても、なかなか会話が深まらず、名刺交換だけにとどまり、「交流」には発展しないことがほとんどです

この「東大クエスト・サロン」では、交流のための「仕掛け」として、ワールドカフェを利用しました

事前に議論したいテーマを選び、そのテーマについて5,6名で20分程度議論する、これを3セット繰り返します

移動可能な状態で、誰とでも、自由に話せる「懇親会型」は初対面が多い場合は、上記のようにうまくいきません

むしろ、このように、

・5,6名のグループで20分程度議論を3セット

・自分が議論したいテーマを事前に決めておく

という「制約」があった方が交流が深まります


いくつかの素敵な出会いがありました。これを東大という枠にとらわれず、つなげていけたらな、と思ったイベントでありました






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