2012年10月

2012年10月30日

ジョシゴト(女子×仕事)カフェ

という案内が来ました

「女子と就活(20代からの「就・妊・婚」講座)」著者の白河桃子さん、常見陽平さんのトークを聞いて、参加者同士4名程度で話し合います

121030カフェ


このカフェイベントは、通常、参加者はは7割がた、男性なのですが、今日は8割がた、女性、しかも女子大生の参加者が目立ちます。

だから、参加したんでしょうって、違います!残念だけれど、所要で、早退したくらいです

さて、日本社会の閉塞感が指摘されて久しいですが、女子力がブレークスルーの一つ、と考えられます

東大、東工大など、かつては、ほぼ「男子大学」だった大学にも、女子学生が目立つようになり、さらに女子を増やすことにより、新たな境地を目指しています

これら「男子大学」でグループワークを行う際に、女子が参加すると、雰囲気、プロセス、結果が全く違ったものになります

ちょっと思いついただけでも、女子の力は計り知れないのですが、その社会における労働環境は、というと、結婚、出産、子育て、などのライフステージに、社会的な支援のインフラが未整備な状況で、個人で対応せざるを得ず、仕事、キャリアの中断を余儀なくされているのが、現状でしょうか?

このような前提を踏まえて、ゲストお二人のお話です



・できる女性がキャリアをあきらめざるを得ないのが残念過ぎる。結婚、出産

・今の多くの女子の夢:大手企業に一般職事務で入社し、結婚、出産して退職、専業主婦

・これからの女性の夢は「仕事」にも。そのプロセスと並行して、恋愛、結婚、出産、子育て

・就活する「私」と恋愛する「私」と結婚する「私」は、それぞれが別ではない、つながっているのである

・30代バリバリキャリアウーマン、ちょっとペースダウンして、素敵な人と結婚したい・・・そんな人は現れない

・かつては「女性(結婚、出産など)」を捨てないと、仕事、キャリアが追及できなかった

・現在、活躍している女性は結局、「女性(結婚、出産など)」を捨てたスーパーウーマン。家庭と仕事の両立は本当に難しい

・「女子と就活(20代からの「就・妊・婚」講座)」(著者白河桃子さん、常見陽平さん)怖くて読めない。今まで、考えるべきなのに、全く考えてこなかった

・政府、会社の制度、自分の人生のスピードに比べると、はるかに遅いので、自分で対応せざるを得ない

・制度はある程度、トライ・アンド・エラーで、とりあえず作って、状況に合わせて修正していかざるを得ない

・制度以上に風土、自由度が大切

・直談判は「聞く耳」を持つ人に、聞く耳を持たない人にしてもムダ

・結婚は早い時期にしておくに、こしたことはない。年を取ってからでは、物凄いハードルになってしまう。結婚していないことには、出産もしようがない

・非正規雇用、決して「かわいそう」ではない。自ら望んで、そうしている人も多い。

・正社員、決して勝ち組ではない。過酷で、ひどい労働環境も多い

・ペースダウンしなければならないことが、人生のステージでは必ずある。ペースダウンして、そこから戻ればよい

・仕事は効率的にできるのに、時間を持て余して、ネット社会に不慣れな「おじさん」たちの仕事、働き方が遅くて、一緒に働く人たちのペースを乱している


このテーマはとても1回では語り尽くすことはできません

折を見て、何回か扱うことにします




2012年10月23日

東京大学社会科学研究所GCOE 公開シンポジウム「ケアの倫理をグローバル社会へ」―上野千鶴子・宇野重規と、岡野八代著『フェミニズムの政治学』を読み解く―

という案内が来ました

「ケアの倫理をグローバル社会へ」というテーマは正直よくわからないのですが、

<待って>、<遅れて>、<つまず>いて:希望・時間・挫折

社会科学と人類学の希望についての対話から

上野千鶴子ゼミ書評セッション『絶望の国の幸福な若者たち』に参加しました

男も「男」を下りた方が楽?


など、このブログでもよく紹介している宇野重規先生、上野千鶴子先生のお話を聞きたく、参加することにします



・女を肯定的に捉えるにせよ、否定的に捉えるにせよ、「女」と「しるし」がつくものであること、そのものを批判しないことには、女性性の神話を再生産することにしかならない

・「個人の自立」と言うが、個人は他人に依存することにより、生活が成り立っている

・Home:個人が他者に出会い、依存する場所

・他人同士がお互いの価値観をまともにぶつけ合うと、衝突、対立が不可避。それゆえ、衝突、対立を避けるために、個人の内部に撤退し、妥協することになる

・人間の「意志」を強調するが、感情、葛藤などの矛盾があることは認識しつつ、それを暗に隠蔽している

・根底に他者への不信と不安があり、なるべく、他者と向き合い、衝突することを避けた結果として、合意が形成される

・人間と人間は、「結果として」、事後的に、つながっていく

・「よきサマリア人」傷ついたユダヤ人を助ける。目の前にいる、傷ついた人を助けられるのは自分だけ、それにより存在感を確認

・私的領域は公的につくられたものである(ジョアン・スコット)

・個人主義:平等である、と考えている人たちの間の独我的な契約

・「主権的主体」とは「依存者としての自己」「関係の中にあるアイデンティティー」を忘却することによって成り立ったフィクション

・「ケアのある状態」圧倒的に非対称な権力関係のもとで、ケアを与える人間は、自分の手にある生殺与奪の権力の行使を抑制

・効用の個人間比較はできない。金持ちにとっての100万円と貧乏人にとっての100万円は全く異なる。それを利用して、資源の再配分

・アジア経済危機、リーマンショック、経済学が根本的な問い直しを迫られ、それを行った研究がノーベル経済学賞を受賞

・家庭内は暴力が危険な場所。圧倒的な力の差が存在し、隠蔽しやすい場所

・他者との非暴力的な関係が政治の始まり

・トクヴィル、男女は平等だが、それぞれ別の持ち場がある。男性が「罪の意識」から逃れることを可能にした

・ラッシュアワーの秩序:混雑している自動改札で、直前の人がつまづくと、「いや」だが、暴力を振るう人は極めて少ない


ケア、フェミニズム、リベラリズムがキーワードのシンポジウムですが、個人、自立、依存、コミュニティー、政治思想、外交に目が留まります

「個の自立」の時代と言いながら、コミュニティーという他者依存の場がクローズアップされる矛盾

イノベーションには多様性が不可欠、と言いながら、「他人同士がお互いの価値観をまともにぶつけ合うと、衝突、対立が不可避。それゆえ、衝突、対立を避けるために、個人の内部に撤退し、妥協することになる」

「他者との非暴力的な関係が政治の始まり」国と国、人と人でも、良好な関係が築ける場合もあれば、そうでないこともあります。しかも当事者間だけでなく、周辺との関係も大きく影響します

昨日

お金を使わない新しい経済学〜暮らしに役立つ「マッチングの仕組み〜

に書いた、ゲームの理論を使ったマーケットデザイン

外交とは可能性の芸術である。状況が激しくうねる中で、一瞬のチャンスを捉えて可能性を追求する

に書いた「必ずしも望まない当事者同士が戦争せざるを得ない状況に追い込まれる。」

等と関連付けて考えると面白そうです




2012年10月22日

10/20(土)東大ホームカミングデー

に行ってきました

今年で11回目になりますが、年々規模が大きく、集まる人も増えてきました

121022ホームカミング


特別フォーラム

「グローバル化する世界で学ぶ、働く、生きる」

ロバート・キャンベル教授、村山 斉教授


熱中講義

大学を卒業しても、学びたい。

いま大学の講義を聞けば、あの頃よりも得るものが多いかも。

そんな卒業生の「学び直し」のニーズに応えるべくはじまった、この「熱中講義」。

今回、お呼びするのは、新進気鋭の若手経済学者、安田洋祐先生


卒業生対談

起業され、日本だけでなく、グローバルに活動されている朝比奈 一 郎氏(経産省官僚⇒起業)、高島 宏平氏(マッキンゼー→起業)をお招きしグローバルな視点から日本のこと、起業、東大についてのリアルなお話を伺います

121022東大1



昨年のホームカミングデイで、

世代を超えて集まろうじゃないか!東大卒業生 東大ホームカミングデー

に書いたことを再掲します


産学官プロデューサーとして、現在は週に2回は出身の東大に行く「TAK」さんですが、卒業してからしばらくは足が遠のきました

卒業してから東大を訪問する窓口は、出身研究室、所属サークル、同窓会などに限られます

卒業してすぐの頃は、知り合いも多くて、訪問機会も多いのですが、時が経過するにつれて、知っている人も減り、参加しても疎外感が感じられ、参加しないようになります

卒業生は、大学の教育、研究成果を社会に反映する上で、重要な資産、パイプ役です。徹底的に活用しましょう

そのためには、卒業生に大学に来てもらう、また大学とのつながりを感じてもらわなければなりません

また、卒業生側も、異なる卒業世代との交流には、とても意義があります

この1日のホームカミングデーで、これらすべてができるわけではありません

でも、何かのきっかけにしてほしい、そんな思いが伝わってきます

年に1回の非日常的なイベントから、日常につながる何かが出てこないか?


121022東大2


一昨年の

東大ホームカミング・デイに行ってきました「東大がベンチャーでなければならない!」

では、


「TAK」さんは週に3回は東大に行きますので、わざわざホームカミングデイに卒業生として東大に行く、なんてありませんでした

でも、たまには「卒業生」として、東大に行くのもいいかもしれません

121022東大4


土曜日の午後の東大本郷キャンパスは、ホームカミング・デイと言っても、特にいつもと変わりはありません

キャンパスが混んでいるわけでもありません。普段通りの土曜日の午後の、少しゆったりした感じです

ただ、50代後半を過ぎたOBの方々が、夫婦で来られて、記念撮影をしている風景が見られます

質の高いイベントが数多く開催されていました

土曜日の午後だけで、これらをハシゴできるのは、幸せでした

「来年もホームカミング・デイに来ようっと!」

そう思ったイベントでありました


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さて、今年のホームカミングデイの印象ですが昨年、一昨年に比べ、少し「寂しくなった」印象でしょうか

安田講堂の特別フォーラムは、それなりに満員で、参加者自体は減っていないようなのですが、

・各学部、学科が本腰を入れ出し、同じ時間帯のイベントが乱立

・同じく自主イベントと学部、学科イベントが乱立

のため、個々のイベントの参加者が減ってしまった感があります

また、皮肉なもので、学部、学科イベントは学部、学科の「同窓会」になってしまい、学部を超えてつながる機会を減らしてしまいます

やはり年に1回のお祭りのような、非日常的なイベントだけではつながるのは難しい

日常につながる何かが必要かしら?

そんな感じがしたイベントでした




2012年10月19日

「ポストグローバル社会と日本の未来を考える」@講談社:内田樹氏 ×小田島隆氏×平松邦夫氏×イケダハヤト氏× 高木 新平氏

という案内がきました

内田樹氏(神戸女学院大学名誉教授)、小田嶋隆氏(コラムニスト)、イケダハヤト氏(ブロガー)、平松邦夫氏(前大阪市長)それに高木 新平氏というパネリストで、どういう展開になるか?予測もつかず、楽しみです

会場の講談社本社は満員で、若い人から中高年まで、男女それぞれ、幅広い参加者です

121019講談社


では、早速話を追ってみます

・多様な価値をそれぞれが追い求めていた時は問題なかったが、グローバル化により、価値観が均一化し、競争が生じて激化してきた

・ポストグローバル化、「価値観の均一化」の先にあるルール、価値観を構築する必要

・暴動、農村部から都市部などへの、流動人口が多い所で激しい

・現代の不満、思想的なものよりも不安定な立場によるもの、行動が先に立つ 

・従来のデモ、計画的で、リーダーが指示するヒエラルキー構造、今のデモはSNS等により、フラットな立場のもの同士が集まる

・インターネットにより、不用品オークション、オンライン・フリー教育など、金がなくても生活できるようになってきている

・インターネットにより、個人、生活にレバレッジがかかり、ひとりのウェブ上での活動により、多くの人を動かせるようになった 

・マスメディア、クレームをおそれ、ひとりひとりに向き合うのではなく、無難なことをやる

・ソーシャルメディアでつながりやすくなったものの、FBで「いいね」するだけでは物足りなく、リアルなふれ合いが求められている

・ポストグローバル社会は、脱市場、脱貨幣経済、お金がなくても、アイデアがあれば、テクノロジーのおかげで、多くの人に情報発信できる

・貨幣経済では、活動を活性化するための道具が貨幣だったが、貨幣の必要性がなくなってきている

・ソーシャルメディアで、自分が持つ資源を公開することにより、違う対価を得ることができる

・貨幣経済では、やりたくない仕事をして、貨幣を得て、活動をしていたが、貨幣を媒介しない活動が可能になってきた

・昔の田舎、狭い地域社会内で自給自足、これからはインターネットのおかげで、閉じているけれど、パブリックなコミュニティー内で自給自足

・ネットワークを構築できる人間と、構築できない人間の間で、階層ができる

・何かしら「貢献する」「与える」をしないと、「居場所」はできない

・ノマド、市場の中で、チャンスをゲットし、ポジショニングを獲得していく人と、市場ではないところで生きていく人に分かれる

・貨幣を媒介させない方が交易が速く効率的に進む経済活動がもう出現している


グローバル社会自体が、どんどん進行して、質の変化していく中、「ポストグローバル社会」がどうなるのか?予測するのは難しいでしょう

今日のイベントのように、事例、事象を集め、積み重ねていく段階でしょうか。まだ分析できる段階ではないかもしれません

ところで、パネリストツイートのまとめ

が面白かったので紹介します




2012年10月16日

高校生のための金曜特別講座「グローバリゼーションの歴史をバルカンから観察する」

という案内が来ました

高校生のための金曜特別講座とは、


東京大学教養学部における高校生を対象とした公開講座は、2002年4月に始まりました。

開催のきっかけは、高校の週5日制の実施に伴って、休日に高校生を対象とした公開講座を開講してほしいとの要望を近隣の高校から受けたことによるものです。

最初は「高校生のための土曜特別講座」として、高校生および一般の方を対象に土曜日の午前中に開講していました。 2003年10月からは「社会連携プログラム『21世紀を生きるための知』」として金曜日の夜に開講されるようになり、2004年4月から現在の「高校生のための金曜特別講座」として実施しています。2008年度からは、東京大学生産技術研究所との共催となりました。

現在、参加者は高校生が中心ではありますが、下は中学から上は80代まで幅広い年齢層の方が参加しています。参加者の構成比は、おおよそ高校生7:一般の方3となっています。


「参加者の構成比は、おおよそ高校生7:一般の方3となっています。」とありますが、会場を見渡すと、大学生・大学院生および社会人が8割、という感じでしょうか。内容も大学生・大学院生および社会人が学び直しのきっかけとして聞くのにふさわしい内容です

121016金曜



「グローバリゼーションの歴史をバルカンから観察する」というテーマですが、講演の内容をベースにバルカンではなく、日本の事例について考えてみます

・グローバル世界形成以前、地球上に文明圏としての「世界」(同じ価値観、言語、文化、宗教を共有する社会。中国、インド、中東イスラム、東欧、西欧など)が共存。それぞれは決して「閉鎖的」ではなかった

・文字は文化を伝達する手段。同じ文字が使われている範囲が、文化の広さを示す

・グローバル世界形成以前、文明圏毎の「世界」は隣接同士などで、ゆるやかなつながりはあるものの、「独立」であり、それぞれの世界の内部事情が他の世界に与える影響は小さかった

・海外貿易は古くからあったが、近世以降、西欧社会が、大航海時代、その後の産業革命により、圧倒的に優位な力をつけ、植民地を獲得し、そこから富をえるようになった

・19世紀以降、西欧世界は、アジア、アフリカ世界に、力を背景に要求、強制(日本の場合、黒船による開国、通商を要求)し、西欧と付き合いがなかった世界がかかわらざるを得なくなった

・西欧の文化、思想、言語の普及:優れているので、現地で取り入れられたもの、強制したもの、強制ではないが、標準化などのため、やむを得ず、取り入れられたものがある

・西欧社会はグローバル化の原動力にはなったが、西欧社会が他の世界を圧倒的な軍事力、技術力、経済力で統合、という単純な図式ではなく、もっと様々な地域間、西欧の国同士の事情が絡み合って進んだ


前にも書きましたが、バルカンの事例よりも、日本を事例に取った方がわかりやすいでしょう

ペリー総督が率いる黒船艦隊で日本に開国と通商を迫ったのはアメリカですが、明治維新以降の日本文化に大きく影響したのは、むしろ、イギリス、フランス、ドイツなどです

終戦の日を迎えて グローバル社会とパートナーシップ

に書いたのですが、


1894年から1945年の太平洋戦争終戦までの、わずか50年に日本は日清戦争、日露戦争、第1、2次世界大戦という大きな戦争を経験しています

これは日本だけの問題ではなく、世界中が一触即発の状態であり、その状態を嫌ったアメリカ大統領ウィルソンの提案で、第1次大戦後、国際連盟が提唱されるものの、アメリカの議会で承認を得ることができず、アメリカが不参加、という状況でした

このような状況下では、1国では自国の安全保障は難しく、他国とのパートナーシップは鍵となります


外交とは可能性の芸術である。状況が激しくうねる中で、一瞬のチャンスを捉えて可能性を追求する

には、


昭和初期の日本は軍部主導で、日米開戦のまっしぐらのような印象がありますが、実は日米開戦前夜まで、日米双方で開戦回避の努力もされていました

ハル国務長官は、日本側の乙案に沿った形で、暫定協定案を作ったものの、アメリカを対日戦争に引き出したかった蒋介石、あるいはドイツに苦しめられていたイギリスもアメリカの世界大戦参戦を望んだ、ため、その意向を汲んだ結果、最後通牒となった、という見解もあります


グローバル社会の基本は植民地政策に?




イギリスは日本と日英同盟を締結することにより、日露戦争(1904〜1905年)の日本の勝利につながります。

ここで、アジアにおけるロシアの脅威がなくなると、中東におけるドイツの進出を、ロシアと協力して食い止めるべく、英露協商を1907年に締結します

1882年にドイツ・オーストリア・イタリアが3国同盟を締結にしていたのに、対抗する形で、1904年にロシアとフランスは露仏協商を結んでいたので、イギリス・フランス・ロシアがお互いにブリッジする形で3国協商が出来上がりました。

ただ、この3国同盟と3国協商が、1914年に第1次世界大戦を引き起こす、引き金にもなってしまうのですが。


グローバリゼーションと言えば、インターネットの発達により、情報、金融の流れにおいて、国境がなくなった、スマートフォーンの発達により、個人が端末を持つようになった、ことが最大の要因とされています

もちろん、これが主要なドライビングフォースなのですが、上記に書いたように、それ以外の様々な要因が複雑に絡み合う、ミクロな現実も結構重要なことは意識しておいた方がよさそうです




2012年10月15日

東工大世界文明センターで資生堂名誉会長福原義春氏による「変化の時代 人と社会の行方」

というイベントがあったので参加しました

福原義春氏は資生堂創業者の福原有信の孫で、資生堂という企業をグローバルに育て上げてきました

福原氏の話は

福原義春の名言 格言

に掲載されていますが、直接伺うのは初めてです

東工大世界文明センターは理工系の東工大が、リベラルアーツも扱う、画期的な機関です。

ところが、折悪しく、ホームページがハッカーの攻撃で使用できなくなっています

そのせいか、今日のイベントも周知が不十分で、参加者の入りがちょっとさびしい感じがします

とにかく、出たお話をまとめます

121015資生堂



・昔の3K:危険、きつい、きたない、今の3K:漢字書けない、計算できない、結婚できない?

・組織にとっては、リーダーを育てる方が、製品を効率よく、低コストで生産することよりも重要である(ドラッカー) 

・文化的刺激、社会的経験、非日常の時間などが、個々の人間の力となり、社会全体の活力に繋がる

・企業にゆとりがなくなり、一見何を仕事にしているのか?わからないが、知恵を持つ、「有識者」を置いていられなくなった

・企業の人員のゆとりがなく、最低限の人員で対応するため、企業文化の世代間伝承が途切れてできなくなった

・グローバル社会:日本人の賃金は、来日して働いている途上国の人々の賃金まで低下する

・遠い過去を見る人は、はるか先を見ることができる(チャーチル) 

・霧になった時は、船の舳先を見るよりも、自分が描いてきた航跡を見る方が、よほど進路を正確に定められる。(マクマハン米国海軍作戦参謀) 

・未来を決定する大きな出来事は既に起こっている(ドラッカー) 

・20世紀までは科学技術による発明、発見の時代であったが、アナログ社会、21世紀からは情報をはじめとして生活がデジタル化。アナログ世代とディジタル世代が混在、共存

・何の不自由もない国なのに、満ち足りたことによる欠乏感

・「昼間の星は見えない」数字に表れない情報、文と文の間を読む

・データを集めるだけでなく、集めたデータから、新たな知を編む

・人は見たいものしか見ない(カエサル)

・文明が滅亡する時、ローマ帝国、ヴェネツィア、美徳の喪失、政治の質の低下、文化の大衆化による低俗化、官僚制度の肥大化、ばらまきによる財政破綻

・欧州の古典教養がアメリカの大衆文化につながり、産業としてハリウッド、ブロードウェイという形で実を結んだ

・真の教養とは、知識の個人的な蓄積ではなく、先人から受け継いだ、あるいは同世代から発した知識を、再構築し、他者に影響を与えつつ、次世代に伝達していく

・理想なき現実と、理想に支えられた現実の間に、どれだけの開きがあることか(藤沢令夫 京大)

・グローバル化は目的ではなく、不可避的に進んでいく現実

・1900年前後に、内村鑑三(代表的日本人)、新渡戸稲造(武士道)、岡倉天心(茶の本)は、英語で日本文化を世界に発信した。和漢の素養+西洋の素養+国際発信力


将来のリーダーを育てるアントレプレナーシップ教育とは

に、


日本の理工系の大学、大学院は専門科目に大きく偏っています。その結果、リーダーではなく、中堅エンジニア向け教育になってしまっています

リーダー向けの教育であれば、専門科目だけでなく、アントレプレナーシップ、MOT、リベラルアーツなどの教育が欠かせません。

ただ、リベラルアーツにかぎらず、人文科学、社会科学と理系専門科目のバランスは難しいものがあります。

最先端の科学技術研究が諸外国から遅れている、と指摘されると、後者へ傾斜するし、技術をビジネスにつながるには前者が欠かせません



と書きましたが、福原氏にも東工大という理工系大学で、「中堅エンジニアではなく、将来のリーダーを育てる」教育の重要さを指摘された感があります




2012年10月09日

東京大学公開講座「ネットワーク」

の第2週目です

この公開講座では「ネットワーク」をキーワードに法学、文学、工学、理学、薬学、医学、教育学など、多分野の先生方の講演が3週間で土曜日にあります

教養分野を広げたい方々にはお勧めです。


第1週目はリタイアしたと思われる高齢者の男女で満員だったのですが、2週目となると、少し空きが出てきます。

さて、今日は工学系大学院の大澤幸生先生の「知のつながりとイノベーション(遊び心という文化)」が楽しみです

120321大澤


今日ではお話は以下の通りです

・チャンスはまれな事象、記録を集計して、統計的に処理しようとしても難しい 

・チャンスはとっさの判断で、つかむしかない。後から振り返って、「あれがチャンスだった」とわかる。つかまなかったら、全く気付かない

・各事象を可視化してつないでみると、何がチャンスか、わかる

・シナリオは予測でも、創造でもなく、覚醒させる

・結晶化には「チリ」が必要。各事象のマップに、「チリ」に相当する、一見意味のない「事象」を入れてやると、事象ごとがつながる(結晶化)することがある

・イノベーションは潜在的に市場が要求する創造、チャンスはその経路を加速する 

・イノベーションはステークホルダーの相互作用によって、発生、伝搬する。また、各ステークホルダーには「都合」の壁がある 

・完全な「自由」な環境よりも、自由と都合(制約)が組み合わさった環境で、価値が生まれる(レジリアンス・マネジメント)


大澤幸生先生の勉強会、研究会には何回か、参加したことがあり、その模様は、

「都合」という制約条件と目的の関係は?

博士の飛翔:チャンス発見ラボ経由・新天地へ

に書いています。

今日の講演はこれらをベースにしたもので、

チャンス発見学の今

のスライドの多くが講演にも使われていました

大澤先生の研究室は工学系研究科ですが、工学系でこのような多岐にわたる研究を扱うラボが出てきたことは大変興味深く、今後の展開が楽しみです




2012年10月04日

10/2(火)エコ+クリ・コミュニティ・ゼミ ビジネスを支え合うプラットホームのつくり方  〜創発するエコシステム(生態系)の運営法を探る

という案内が来ましたので参加します

最近、プラットフォーム戦略という言葉をよく聞きます

このブログでも

プラットフォーム戦略論とは?

「東大リアル勉強会モール」スタート!

などに書いています

121003プラットフォーム


それによると、今、主に使われている「プラットフォーム戦略」とはIT業界で、


製品やサービスの土台となる「プラットフォーム」の上に、それを補完する製品やサービスを構築して、より高い「価値」を顧客に提供しようとするもの。

例えば、ソフトウェア業界では、マイクロソフトがWindowsというOSでプラットフォームリーダーの立場を築いているが、Windowsが高い訴求力を備えているのも、その上で稼働する各種のアプリケーションを補完業者が提供するという「エコシステム」をうまく成立させているからと言える。

プラットフォーム戦略を上手に展開できれば、単一企業のリソースだけでは困難な事業展開を実現できる可能性を秘めている。


と言う意味でしょうか。

ただ、ITに限らず、多様な人、モノ、企業が集まる「場」と広く考えることもできます

今日のゲストも、オープンソースで有名なリナックスを、家電 などの組込み型の機器に応用することを目的にフォーラムを立ち上げ、運営されている方と、ファッションデザイン関連企業支援施設「台東デザイナーズビレッジ」を運営され、事業支援されている方のお二人です

では、早速出た話をまとめてみます

121004エコクリ


・プラットフォーム、もともと荷物を運びやすくするための場所

・プラットフォーム、Windows95がコンピューターを互換

・プラットフォーム、標準化することにより効率をよくする。標準化、デファクト・スタンダード化により、輪を広げていく

・リナックス、予めロードマップがあった訳ではなく、自然発生的に、見知らぬ同士により、プラットフォームが生まれ、進化した生態系 

・国際的なコミュニティー、その場で発言しなければ、何も起こらない、始まらない

・オープンな雰囲気のための3つのNO、約束しない、強制しない、秘密にしない

・従来の製品=コモディティー技術+ユニークな差別化技術、今はこれに、オープンイノベーションが加わる。これは単独では難しく、共同で行う。

・オープンイノベーションと、自社のユニークな差別化技術の境界線をどこで引くか?が重要な技術戦略

・オープンイノベーションのきっかけ、見知らぬ人が、話したチャンスに、突っ込めるか?がポイント

・アーティスト、クリエーターが起業する場合、いろいろな人の助けが必要。逆に言うと、人から助けをもらえない人はうまくいかない 

・インキュベーション期、志向性が共通する人同士の創発が起こる仕組み、デザインがほしい

・産業クラスター、いろいろな人、企業をバリューチェーンに組み直して、ビジネスにする

・人や情報を集めて、ストックしただけでは価値は生まれない。人と知恵を活かした仕組みに再構築することが大切。その場としてコミュニティーが欠かせない 

・価値を共有するためには、まず、自分が持つ価値を提供する。これがないと始まらない

・イベントは見知らぬ人が出会うきっかけ。「楽しかった」だけで終らせず、つながりが始まる仕組みにしたい

・アーティスト、クリエーターは、自分のことしか考えない人が多いため、なかなか他の人とつながらない。逆に言うと、他の人とつながれると強い

・人と人のつながりとは、価値観の共有をもとに、「オレはこれができる」「私はこれができる」がつながり、流れが起こる

・日本では気心が知れないと、つながりがうまれないが、リナックスでは知らない同士で、つながりから流れが生まれた

・議論をしている時に、何とか論破しようとレトリック、屁理屈を駆使するのではなく、相手から自分にないものをゲットし、自分の良いところを相手に与え、お互いに高めあう。日本の理工系が苦手なところ

・利用するだけで、貢献しない人にコミュニティーは冷たい

・運営側と参加側と言う構図から、参加者を運営に取り入れる構図になるとうまくいく


お話を伺っていて、ポイントになるのは、オープンイノベーションを起こす「場」つくりと、その運営ということでしょうか?

オープン・イノベーション時代における産学連携

に、


「製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せてもらうまで,自分は何が欲しいのかわからないものだ」

というスティーブ・ジョブスの言葉が示す通り、消費者自身が自らのニーズがよくわからない時代であり、企業もニーズが何なのか、よくわからなくなっています

イノベーションを起こしたくても、思考回路が凝り固まった自社企業内では、従来の発想領域を超えようがありません

オープン・イノベーションの時代においては、産学連携は単なる「研究成果を実用化するための手段」ではなく、

ニーズ探索、発想のオープン化も含めて、もっと幅広いものになってきました



と書きましたが、こういう場をどうつくって、どう運営するか?いろいろなヒントがありそうです




2012年10月02日

東京大学公開講座「ネットワーク」

に参加しました

この公開講座では「ネットワーク」をキーワードに法学、文学、工学、理学、薬学、医学、教育学など、多分野の先生方の講演が3週間で土曜日にあります

教養分野を広げたい方々にはお勧めです。

この公開講座はリタイアしたと思われる高齢者の男女に物凄い人気です。会場の東大安田講堂は30分前に着いたのに、満員です

さて、案内文が面白いので紹介します

121002ネットワーク



テレビやラジオなどの20世紀の通信ネットワークでは、情報の流れは一方向であり、発信者から受信者への一方向の伝達速度が加速したに過ぎない。

それに対し、インターネットの誕生は、すべての結び目が発信者となる真のフラットな網状構造を実現したとも言える。

ジャスミン革命をはじめとするアラブの春では、ソーシャルネットワークなどが大きく貢献したとされている。こうした情報ネットワークの急速な発達は、リーダーを頂点にいだくヒエラルキー的な社会の構造にも大きな質的な変革をもたらしつつある。

自然や社会では、フラットなネットワーク構造と中心を持つヒエラルキー的な構造が共存し、その間を揺れ動いているように思われる。

人は一人では生きていけない、とよく言われるが、では「他」とどのようにつながるべきであろうか。本公開講座では、世界に存在するネットワークのつながり方を考え、全体の形、強さ、柔軟性などとどのように関係しているのかといった想像を膨らませていきたい。


121002東大


・Twitterで知らない人と、Facebookで昔の知り合いとつながりやすくなった

・一度リアルで会って、Facebookで「友人」となり、ネットを通じて、濃い交流が始まることがある

・初めて「ネットワーク」という言葉を使ったのは「知は力なり」のフランシス・ベーコン

・1839年(蒸気機関の時代)のネットワークの意味:複雑な経路により、それぞれを結びつけ、相互に連絡しあうもの

・1914年のネットワークの意味:複合的な伝達装置による放送システム(ラジオ)遠くにいる人にも情報を伝えることができる

・戦後、ネットワークが相互に結びついた人々という意味が加わる

・地域社会、外で獲得したネットワークを地域内で活かすことにより、新たな価値が生まれる

・「弱いつながり」の強さ、再就職の時に有効なのは、親、親戚などの「強いつながり」よりも、友人の友人など「弱いつながり」

・従来の日本は血縁、地域、会社などでのクローズドな「強いきずな」これからは、オープンに広がっていく「弱いきずな」の時代になる

・デモクラシーとは、あるクローズドな、メンバーの中での意思決定手法、オープンなネットワークとは矛盾する

・今まで考えていたことと、違う視点から見ることで、希望が見つかる

・ネット時代のデモクラシーでは、信頼やソーシャル・キャピタル(社会関係資本)が大切になる

・「ガバーメント」縦の上下関係による垂直統治よりも「ガバーナンス」多様な主体の織り成すネットワークによる秩序形成が大切になる

・ネットワークのスケールフリー:一部のたくさんの友人を持つ人が、ハブとなり、ネットワークを形成し、大部分の人は少数の友人しか持っていない

・スモールワールド:知り合いをたどっていくと、6名程度でほとんどの人に行きつくことができる

・同類選択性、似た者を友人に選びがちである


3週ある講座の第1週目に出ただけですが、

・公開講座と言うことで、わかりやすくしようとして、中身の深さを損なってしまったかしら?

・リタイアした高齢者の方々の向学心は尊いですが、参加者のほとんどが、そういった方々というのは、やはりバランスが悪い

開かれた大学を目指す東大の取り組みはよいのですが、やり方が曲がり角に来ているかもしれません




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