2013年02月
2013年02月26日
慶應義塾大学SFC研究所プラットフォームデザイン・ラボシンポジウム「新政権に期待する・経済成長に資するICTイノベーション政策」
という案内が来ました。
パネリストの方が6名いらしたため、各分野からの意見は伺えたのですが、逆にあまり深い意見にはなりませんでした。
そこで、出たお話をもとに、キーワードについて考えてみます。
・日本の経済成長を阻む課題:人口減少、貿易収支の赤字転落、経済成長力の低迷
・2000年当時のICT政策の中心はブロードバンド・インフラの整備。わかりやすくて、効果も出た。取り敢えずの整備は完了したが、次の策が出てきていない
・ディジタル化、ネットワーク化社会では、情報が経済の活力となり、通貨の役割を果たす。ものづくりとサービスのコラボが欠かせない
・ICTは新しい産業を作り出す反面、既存の雇用を削減することにもなる。人材の流動化が不可欠
・ビッグデータはマーケティングの概念を根本的に変える可能性がある。顧客のセグメンテーションから顧客ピンポイントのデータ分析へ
・ビッグデータ、ゴミだと思っていたデータが、実は宝に山だった。単なる統計から、戦略立案のベースに
・作り込みのエンジニアリングから、モジュール化された、汎用性のあるエンジニアリングへ移行するため、コモディティー化は必至でエンジニアの人材流動は不可欠になる
・技術進歩(処理能力の高速化、ディジタル化)、新ビジネス(低価格化、利用の裾野拡大)、制度変化(ルール、慣行の制約と空白)この3者がかみ合うと成長力が加速するが、しばしば時間軸がずれてネックとなってしまう
・ICTの導入、業務、仕事、ビジネスの仕組みの見直しを同時に進めないと、効果が出ない
・実質GDPの伸び率=労働投入量の伸び率+資本投入量の伸び率+資本・労働の質的拡大。人口減少で労働が伸びず、デフレで資本が伸びない中では、これらの質的拡大が不可欠
・人口減少社会では、女性、高齢者の活用が望まれる。クラウド環境を用いた、フリーアドレス型ワークスタイルの普及がキーポイント。通勤など、移動による非生産時間の削減にもつながる
・多くの中小企業はミスマッチによる人材確保難。クラウドソーシングの活用により、人材確保の可能性
・ネット通販、eコマース、徒歩、自動車による商圏から、日本国内全体、さらには国境を超えて世界に商圏が一気に広がった
これらの話から今後の生活、仕事の変化を考えると、
●ビッグデータによる企画戦略立案、マーケティング戦略の変化
●クラウドファンディングによる資本調達、クラウドソーシングによる人材、モノの調達
●ディジタル化、ネットワーク化によるモノのモジュール化、国際分業化
ではないか、と考えます。
それぞれについて、検討していくと、
●ビッグデータによる企画戦略立案、マーケティングの変化
その数学は現場を超え、現場を動かす
>
「その数学が戦略を決める」(著 イアン・エアーズ) という本があります
超巨大データの多変量解析、データマイニングにより、直感ではわからなかった意外な事実が浮上してくる事例を示しています
例えば、年によって、ワインの味わい、質は大きく異なります。これは、ソムリエ、テイスターたちの領域とされてきました
ワインの味わい、質に影響をもたらすのは、気温、降水量など、ぶどう栽培、収穫時の気象条件でしょう
毎年の気温、降水量などの気象条件のデータと、その年のワインの味わい、質を分析すると、ある相関関係がでてきます
すると、気象データを分析することにより、まだソムリエがテイスティングすらしていないワインの質の予測が可能になります
現場の感覚だけでなく、データを記録、管理し、分析することにより、正確な予測が可能になります
「現場に足を運べ」「現場を見ろ」と言われます。これは、とても大切なことです。でも、それだけでは不十分です
データを計測可能にし、記録し、分析することにより、現場にいる人が気づいていなかったことが発見できたり、予測できたりします
これまで、このようなデータマイニング、分析を「現場を知らない数理屋の遊び」とさげすむ風潮がありました
もっと積極的に取り入れると、「その数学は現場を超え、現場を動かす」ことになるのではないか?
>
勘、経験からデータに基づくライフスタイルの時代へ
>
・まだ分析されていない「眠っているデータ」を有効に利用することで大きなビジネス上の価値を創出することができる
・Evidence based Society、もっとデータを利用する。勘と経験による判断から、データによる判断へ
>
「実世界ログが巻き起こすイノベーション」に参加しました
>
「個人の移動、購買、消費などの活動が、本人が意識する、しないにかかわらず、自動的に記録される」になり、しかも、その記録の相当部分がオープンになります。
過去の行動の再現、未来の簡易予測、それに基づく、行動の変更、などは、既にある程度実現しています
>
大衆顧客を年齢、性別、地域、収入などにより、セグメント化して、各セグメント毎に、マーケティング戦略を立案する、という古典的な手法から、顧客の購買、行動記録データから顧客毎へのマーケティング戦略へと、変化していく。
●クラウドファンディングによる資本調達、クラウドソーシングによる人材、モノの調達
変わる資金調達「クラウド・ファンディングの可能性を考える」
>
何か事業、プロジェクトをするにはお金がかかります。
こういった資金は国の予算、資本家からの出資、銀行、ベンチャーキャピタルからの出資などが考えられますが、
それぞれに高いハードルがあります
インターネット時代を迎えて、従来の少数の資本家からではなく、ウェブを利用し、広く多数の人々から資金を調達する、クラウドファウディングという手法が欧米で人気を集めています
>
クラウドソーシング、ホワイトカラー革命の現実化
>
クラウドソーシング:企業、組織が自社またはアウトソースの人材により実施していた業務を、よりオープンかつ不特定多数のクラウドから人材を集め、実施する。多種多様な知識・技術の獲得、グローバルで適正コストの人材活用、人材の流動性の向上
・企業にとってのクラウドソーシングの価値、労働単価が低下し、人材派遣会社に比べ、はるかに短時間で、人材獲得が可能で、品質が向上し、納期が短縮化
>
●ディジタル化、ネットワーク化によるモノのモジュール化、国際分業化
新興国ビジネス:モジュール化による国際水平分業化と品質重視へ
>
自動車がエンジンが主要技術である時には、エンジンの技術、部品について、系列、下請けが何重にもあり、それが日本の製造業の特徴だったのですが、バッテリー自動車になると、モーター、バッテリー、コントローラーなどの部品がモジュール化され、世界中で調達可能になります。それゆえ、系列、下請けの垂直統合と呼ばれる日本型産業構造から、国際分業へ変化していく
>
という案内が来ました。
パネリストの方が6名いらしたため、各分野からの意見は伺えたのですが、逆にあまり深い意見にはなりませんでした。
そこで、出たお話をもとに、キーワードについて考えてみます。
・日本の経済成長を阻む課題:人口減少、貿易収支の赤字転落、経済成長力の低迷
・2000年当時のICT政策の中心はブロードバンド・インフラの整備。わかりやすくて、効果も出た。取り敢えずの整備は完了したが、次の策が出てきていない
・ディジタル化、ネットワーク化社会では、情報が経済の活力となり、通貨の役割を果たす。ものづくりとサービスのコラボが欠かせない
・ICTは新しい産業を作り出す反面、既存の雇用を削減することにもなる。人材の流動化が不可欠
・ビッグデータはマーケティングの概念を根本的に変える可能性がある。顧客のセグメンテーションから顧客ピンポイントのデータ分析へ
・ビッグデータ、ゴミだと思っていたデータが、実は宝に山だった。単なる統計から、戦略立案のベースに
・作り込みのエンジニアリングから、モジュール化された、汎用性のあるエンジニアリングへ移行するため、コモディティー化は必至でエンジニアの人材流動は不可欠になる
・技術進歩(処理能力の高速化、ディジタル化)、新ビジネス(低価格化、利用の裾野拡大)、制度変化(ルール、慣行の制約と空白)この3者がかみ合うと成長力が加速するが、しばしば時間軸がずれてネックとなってしまう
・ICTの導入、業務、仕事、ビジネスの仕組みの見直しを同時に進めないと、効果が出ない
・実質GDPの伸び率=労働投入量の伸び率+資本投入量の伸び率+資本・労働の質的拡大。人口減少で労働が伸びず、デフレで資本が伸びない中では、これらの質的拡大が不可欠
・人口減少社会では、女性、高齢者の活用が望まれる。クラウド環境を用いた、フリーアドレス型ワークスタイルの普及がキーポイント。通勤など、移動による非生産時間の削減にもつながる
・多くの中小企業はミスマッチによる人材確保難。クラウドソーシングの活用により、人材確保の可能性
・ネット通販、eコマース、徒歩、自動車による商圏から、日本国内全体、さらには国境を超えて世界に商圏が一気に広がった
これらの話から今後の生活、仕事の変化を考えると、
●ビッグデータによる企画戦略立案、マーケティング戦略の変化
●クラウドファンディングによる資本調達、クラウドソーシングによる人材、モノの調達
●ディジタル化、ネットワーク化によるモノのモジュール化、国際分業化
ではないか、と考えます。
それぞれについて、検討していくと、
●ビッグデータによる企画戦略立案、マーケティングの変化
その数学は現場を超え、現場を動かす
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「その数学が戦略を決める」(著 イアン・エアーズ) という本があります
超巨大データの多変量解析、データマイニングにより、直感ではわからなかった意外な事実が浮上してくる事例を示しています
例えば、年によって、ワインの味わい、質は大きく異なります。これは、ソムリエ、テイスターたちの領域とされてきました
ワインの味わい、質に影響をもたらすのは、気温、降水量など、ぶどう栽培、収穫時の気象条件でしょう
毎年の気温、降水量などの気象条件のデータと、その年のワインの味わい、質を分析すると、ある相関関係がでてきます
すると、気象データを分析することにより、まだソムリエがテイスティングすらしていないワインの質の予測が可能になります
現場の感覚だけでなく、データを記録、管理し、分析することにより、正確な予測が可能になります
「現場に足を運べ」「現場を見ろ」と言われます。これは、とても大切なことです。でも、それだけでは不十分です
データを計測可能にし、記録し、分析することにより、現場にいる人が気づいていなかったことが発見できたり、予測できたりします
これまで、このようなデータマイニング、分析を「現場を知らない数理屋の遊び」とさげすむ風潮がありました
もっと積極的に取り入れると、「その数学は現場を超え、現場を動かす」ことになるのではないか?
>
勘、経験からデータに基づくライフスタイルの時代へ
>
・まだ分析されていない「眠っているデータ」を有効に利用することで大きなビジネス上の価値を創出することができる
・Evidence based Society、もっとデータを利用する。勘と経験による判断から、データによる判断へ
>
「実世界ログが巻き起こすイノベーション」に参加しました
>
「個人の移動、購買、消費などの活動が、本人が意識する、しないにかかわらず、自動的に記録される」になり、しかも、その記録の相当部分がオープンになります。
過去の行動の再現、未来の簡易予測、それに基づく、行動の変更、などは、既にある程度実現しています
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大衆顧客を年齢、性別、地域、収入などにより、セグメント化して、各セグメント毎に、マーケティング戦略を立案する、という古典的な手法から、顧客の購買、行動記録データから顧客毎へのマーケティング戦略へと、変化していく。
●クラウドファンディングによる資本調達、クラウドソーシングによる人材、モノの調達
変わる資金調達「クラウド・ファンディングの可能性を考える」
>
何か事業、プロジェクトをするにはお金がかかります。
こういった資金は国の予算、資本家からの出資、銀行、ベンチャーキャピタルからの出資などが考えられますが、
それぞれに高いハードルがあります
インターネット時代を迎えて、従来の少数の資本家からではなく、ウェブを利用し、広く多数の人々から資金を調達する、クラウドファウディングという手法が欧米で人気を集めています
>
クラウドソーシング、ホワイトカラー革命の現実化
>
クラウドソーシング:企業、組織が自社またはアウトソースの人材により実施していた業務を、よりオープンかつ不特定多数のクラウドから人材を集め、実施する。多種多様な知識・技術の獲得、グローバルで適正コストの人材活用、人材の流動性の向上
・企業にとってのクラウドソーシングの価値、労働単価が低下し、人材派遣会社に比べ、はるかに短時間で、人材獲得が可能で、品質が向上し、納期が短縮化
>
●ディジタル化、ネットワーク化によるモノのモジュール化、国際分業化
新興国ビジネス:モジュール化による国際水平分業化と品質重視へ
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自動車がエンジンが主要技術である時には、エンジンの技術、部品について、系列、下請けが何重にもあり、それが日本の製造業の特徴だったのですが、バッテリー自動車になると、モーター、バッテリー、コントローラーなどの部品がモジュール化され、世界中で調達可能になります。それゆえ、系列、下請けの垂直統合と呼ばれる日本型産業構造から、国際分業へ変化していく
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2013年02月25日
TEDee×Business Bank コラボレーションイベント「Yu Ito (起業家)× TEDee(英語)」
という案内が来ました。
案内文によると、
>
シリコンバレー初の日本人学生起業家 伊藤悠氏が「起業」を「英語」で語る!
小さい頃からの夢の実現「学生で」「海外で」起業する困難とは、そして広がるこれからの夢…
起業家志望の学生や、興味はあるけど何をしたらいいか分からないという方、
少人数イベントで、ゲストにたくさん質問できる!自分の思いにフィードバックがもらえる!
あなたが一歩を踏み出すきっかけに!
>
とあります。
晴れた日曜日の午後だというのに、会場は熱気を帯びた学生さんたちで、いっぱいです。
日本の学生は、内向き、とか、アントレプレナーシップに乏しい、などといいますが、この会場には全くあてはまりません。
イベントの様子を紹介する前に、ここで、アントレプレナーシップについて、整理しておきます。
アントレプレナーシップは、起業家精神と訳されることが多いのですが、アントレプレナーシップ「業を起こす者よりも、むしろ業を企てる者」という意味から、企業家精神、とします。
オープンイノベーションとアントレプレナーシップ(企業家精神)
>
アントレプレナーシップ(企業家精神)については、企業体質、個人の資質として、議論されることが多いのですが、
むしろ、ここに書いたように、
・グローバル競争の激化、株主への説明責任の増大に伴う、大企業の中央研究所の終焉
・大企業の基礎研究からの撤退に伴う、産学連携、ベンチャー企業への移行
・単独企業内でのイノベーションから、産業クラスターでのオープンイノベーション
という時代、社会の大きな流れの中で考えた方がよさそうです
>
企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するにはイノベーション・エコシステムが大切
>
企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するには、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムにより、技術、知財、人材、資金が動くことが大切です
大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムは、ポジティブな関係だけではなく、
・大企業をレイオフされた人々が、新しい産業を創る
・大企業をスピンアウトしたベンチャー企業を、数年後にその大企業がM&Aで吸収
のように、かなりドロドロしたものも含みます。これらを含めたエコシステムの中で企業家精神(アントレプレナーシップ)は活かされる、ようです
>
「米国におけるクリーンテックベンチャーの動向と今後の課題」に参加しました
>
ベンチャーが活躍する分野としては、クリーンテック、ライフサイエンス、ITが主流ですが、それぞれで全く様相が異なること、
アメリカでもベンチャーを育てる生態系があるのは、シリコンバレー(スタンフォード)、ボストン(MIT)、ニューヨーク。投資家、ベンチャー経験者、(レイオフされた有能な)技術者、弁護士がいて、世界中から人材が集まる
>
少し前置きが長くなりましたが、伊藤氏から、シリコンバレー現地のスタッフと中継しつつ、英語でプレゼンがありました。
伊藤氏も現地スタッフも、上に書いたように、シリコンバレーの大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのエコシステム(生態系)が企業家精神(アントレプレナーシップ)を活かす、ことを述べられていました。
ここで、伊藤氏に会場から質問が来ます。もちろん英語です。「将来的に、起業を考えているのですが」「文系で特に起業できる技術はないのですが」
伊藤氏の回答はシンプルでした。「今すぐシリコンバレーに行きなさい」
アントレプレナーのエコシステムに飛び込むのが、一番よさそうです。
この後、3~4人ずつに分かれてのグループディスカッション、ディスカッションのプレゼンテーションという流れで進んでいきます。
友達同士ではなく、ひとりで参加した学生さんが多いのですが、3〜4名のグループをつくってディスカッションするので、一人で参加しても、話す相手がいなくて「壁の花」なんてことはありません。
セッションが終わると、お茶を片手に、交流会が始まります。ひとりで参加しても、これまでの振り返りをネタに、話の輪ができ、どんどん新しい友達ができていきます。
上記のように、参加者は学生さんが主体だったのですが、数名の社会人も参加していました。
「学生さんたちと話していると、大きな夢を描くことができて、夢を語ることができます。
その描いて、語った夢を、それっきりにしてしまうのではなく、現実の仕事、職場にどうやって反映していくか?が課題かもしれません」
イベントに参加する社会人の意気込みも聞くことができました。
という案内が来ました。
案内文によると、
>
シリコンバレー初の日本人学生起業家 伊藤悠氏が「起業」を「英語」で語る!
小さい頃からの夢の実現「学生で」「海外で」起業する困難とは、そして広がるこれからの夢…
起業家志望の学生や、興味はあるけど何をしたらいいか分からないという方、
少人数イベントで、ゲストにたくさん質問できる!自分の思いにフィードバックがもらえる!
あなたが一歩を踏み出すきっかけに!
>
とあります。
晴れた日曜日の午後だというのに、会場は熱気を帯びた学生さんたちで、いっぱいです。
日本の学生は、内向き、とか、アントレプレナーシップに乏しい、などといいますが、この会場には全くあてはまりません。
イベントの様子を紹介する前に、ここで、アントレプレナーシップについて、整理しておきます。
アントレプレナーシップは、起業家精神と訳されることが多いのですが、アントレプレナーシップ「業を起こす者よりも、むしろ業を企てる者」という意味から、企業家精神、とします。
オープンイノベーションとアントレプレナーシップ(企業家精神)
>
アントレプレナーシップ(企業家精神)については、企業体質、個人の資質として、議論されることが多いのですが、
むしろ、ここに書いたように、
・グローバル競争の激化、株主への説明責任の増大に伴う、大企業の中央研究所の終焉
・大企業の基礎研究からの撤退に伴う、産学連携、ベンチャー企業への移行
・単独企業内でのイノベーションから、産業クラスターでのオープンイノベーション
という時代、社会の大きな流れの中で考えた方がよさそうです
>
企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するにはイノベーション・エコシステムが大切
>
企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するには、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムにより、技術、知財、人材、資金が動くことが大切です
大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムは、ポジティブな関係だけではなく、
・大企業をレイオフされた人々が、新しい産業を創る
・大企業をスピンアウトしたベンチャー企業を、数年後にその大企業がM&Aで吸収
のように、かなりドロドロしたものも含みます。これらを含めたエコシステムの中で企業家精神(アントレプレナーシップ)は活かされる、ようです
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「米国におけるクリーンテックベンチャーの動向と今後の課題」に参加しました
>
ベンチャーが活躍する分野としては、クリーンテック、ライフサイエンス、ITが主流ですが、それぞれで全く様相が異なること、
アメリカでもベンチャーを育てる生態系があるのは、シリコンバレー(スタンフォード)、ボストン(MIT)、ニューヨーク。投資家、ベンチャー経験者、(レイオフされた有能な)技術者、弁護士がいて、世界中から人材が集まる
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少し前置きが長くなりましたが、伊藤氏から、シリコンバレー現地のスタッフと中継しつつ、英語でプレゼンがありました。
伊藤氏も現地スタッフも、上に書いたように、シリコンバレーの大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのエコシステム(生態系)が企業家精神(アントレプレナーシップ)を活かす、ことを述べられていました。
ここで、伊藤氏に会場から質問が来ます。もちろん英語です。「将来的に、起業を考えているのですが」「文系で特に起業できる技術はないのですが」
伊藤氏の回答はシンプルでした。「今すぐシリコンバレーに行きなさい」
アントレプレナーのエコシステムに飛び込むのが、一番よさそうです。
この後、3~4人ずつに分かれてのグループディスカッション、ディスカッションのプレゼンテーションという流れで進んでいきます。
友達同士ではなく、ひとりで参加した学生さんが多いのですが、3〜4名のグループをつくってディスカッションするので、一人で参加しても、話す相手がいなくて「壁の花」なんてことはありません。
セッションが終わると、お茶を片手に、交流会が始まります。ひとりで参加しても、これまでの振り返りをネタに、話の輪ができ、どんどん新しい友達ができていきます。
上記のように、参加者は学生さんが主体だったのですが、数名の社会人も参加していました。
「学生さんたちと話していると、大きな夢を描くことができて、夢を語ることができます。
その描いて、語った夢を、それっきりにしてしまうのではなく、現実の仕事、職場にどうやって反映していくか?が課題かもしれません」
イベントに参加する社会人の意気込みも聞くことができました。
2013年02月22日
「TAK」さんは、「カフェ」と名のつく、ゆるやかな対話の場が好きです。
サイエンスカフェにおける参加者の興味とは?楽しみとしての科学コミュニケーションを考える
に書いた、サイエンスカフェ
卒業生ネットワーク、学部を超えた「横のつながり」世代を超えた「ナナメのつながり」から何かが生まれる
に書いた、ワールドカフェ
東大情報学環「Educe Cafe:アートが引き出すコミュニティ」に行ってきました
に書いた、アートをテーマにしたカフェ
など、いろいろなカフェがあります。
今日は
音楽カフェ
という案内が来たので、参加します。
国立新美術館開館5周年オペラコンサート
に
>
プッチーニの蝶々夫人、ビゼーのカルメンなどは聞く機会も多くて、いずれは実際のオペラに行きたいな、と思っていました。
でもチケット代が高くて、なかなか足が向きませんでした
今回上記の無料オペラコンサートのことを伺い、早速参加することにしました
大きな劇場ではなく、国立新美術館の一角を使用するため、文字通り、出演者と触れ合うような距離でオペラを鑑賞することができます。また出演者の方々も舞台だけではなく、会場を歩き回りつつ、歌います題目の中に、プッチーニの蝶々夫人から「ある晴れた日に」、ビゼーのカルメンの「ハバネラ」など、オペラに造詣が浅い人も知っている曲目を入れるとことが見事です
ビゼーのカルメンを情熱的に歌い上げたメゾソプラノの堀万里絵さんから赤いバラの花を渡されました
無料のイベントは経営上難しいと思いますが、ファン層のすそ野を広げる面から、アマチュアの音大生などの団体には発表会も兼ねて、安価でお願いできれば、と思います
>
と書いたように、音楽イベントが簡単に参加できるようになれば、と以前から考えていました。
今回の音楽カフェは、ヴァイオリンの演奏を聞き、またヴァイオリニストの方のトークを伺い、参加者がそれをベースに対話を行う、というものです。
対話したこと、考えたことを雑記すると、
・コンサート、オペラを聴きに行くのは、ドレスアップして、お金がかかる「非日常」のイベント。これを普段着で、手軽に参加できる、生活の一部に組み込みたい
・コンサート、オペラは明治以降、西洋から取り入れられ、ドレスアップして、静かに聴くのが暗黙のルール。一方、西欧では生活に溶け込み、広場、カフェ、家庭での生演奏が定着している
・サイエンスカフェでは、講師役が専門的な内容をわかりやすく説明して、参加者が理解する必要があるが、音楽カフェは演奏により、ゲスト、参加者、主催者に一体感が築かれる
・コンサートホールではなく、路上でヴァイオリンを演奏したところ、人々が立ち止まって聴き、拍手があり、アーティストとして新鮮な経験
・日本では、幼児の頃から音大卒業まで20年間、音楽を学び、練習しても、アーティストなど、音楽関係の職に就けるのは、ほんのわずか。せっかくの教育、才能が活かされていない、もったいない状況
・コンサート、オペラは、高額なフィーのプロによるものを鑑賞するだけでなく、音大生など、セミプロによるものを気軽に楽しめる「場」ができると日常に定着するきっかけになる
・生演奏では演奏者と聴衆が「場」を共有し、音だけでなく、演奏者の気迫、姿勢、情熱が波動のように伝わってくる
・Youtube、iPhoneなどで、高品質、広範囲で豊富な音楽が手軽に楽しめるようになった反面、生演奏を聴く機会は減った
・オーケストラ、合唱隊の、暗黙、自発的、即興のハーモナイズは素晴らしい。これができる秘訣は何だろう?
「音楽カフェ」、音楽が持つ力で、何かが引き出され、生まれるのか、楽しみです。
サイエンスカフェにおける参加者の興味とは?楽しみとしての科学コミュニケーションを考える
に書いた、サイエンスカフェ
卒業生ネットワーク、学部を超えた「横のつながり」世代を超えた「ナナメのつながり」から何かが生まれる
に書いた、ワールドカフェ
東大情報学環「Educe Cafe:アートが引き出すコミュニティ」に行ってきました
に書いた、アートをテーマにしたカフェ
など、いろいろなカフェがあります。
今日は
音楽カフェ
という案内が来たので、参加します。
国立新美術館開館5周年オペラコンサート
に
>
プッチーニの蝶々夫人、ビゼーのカルメンなどは聞く機会も多くて、いずれは実際のオペラに行きたいな、と思っていました。
でもチケット代が高くて、なかなか足が向きませんでした
今回上記の無料オペラコンサートのことを伺い、早速参加することにしました
大きな劇場ではなく、国立新美術館の一角を使用するため、文字通り、出演者と触れ合うような距離でオペラを鑑賞することができます。また出演者の方々も舞台だけではなく、会場を歩き回りつつ、歌います題目の中に、プッチーニの蝶々夫人から「ある晴れた日に」、ビゼーのカルメンの「ハバネラ」など、オペラに造詣が浅い人も知っている曲目を入れるとことが見事です
ビゼーのカルメンを情熱的に歌い上げたメゾソプラノの堀万里絵さんから赤いバラの花を渡されました
無料のイベントは経営上難しいと思いますが、ファン層のすそ野を広げる面から、アマチュアの音大生などの団体には発表会も兼ねて、安価でお願いできれば、と思います
>
と書いたように、音楽イベントが簡単に参加できるようになれば、と以前から考えていました。
今回の音楽カフェは、ヴァイオリンの演奏を聞き、またヴァイオリニストの方のトークを伺い、参加者がそれをベースに対話を行う、というものです。
対話したこと、考えたことを雑記すると、
・コンサート、オペラを聴きに行くのは、ドレスアップして、お金がかかる「非日常」のイベント。これを普段着で、手軽に参加できる、生活の一部に組み込みたい
・コンサート、オペラは明治以降、西洋から取り入れられ、ドレスアップして、静かに聴くのが暗黙のルール。一方、西欧では生活に溶け込み、広場、カフェ、家庭での生演奏が定着している
・サイエンスカフェでは、講師役が専門的な内容をわかりやすく説明して、参加者が理解する必要があるが、音楽カフェは演奏により、ゲスト、参加者、主催者に一体感が築かれる
・コンサートホールではなく、路上でヴァイオリンを演奏したところ、人々が立ち止まって聴き、拍手があり、アーティストとして新鮮な経験
・日本では、幼児の頃から音大卒業まで20年間、音楽を学び、練習しても、アーティストなど、音楽関係の職に就けるのは、ほんのわずか。せっかくの教育、才能が活かされていない、もったいない状況
・コンサート、オペラは、高額なフィーのプロによるものを鑑賞するだけでなく、音大生など、セミプロによるものを気軽に楽しめる「場」ができると日常に定着するきっかけになる
・生演奏では演奏者と聴衆が「場」を共有し、音だけでなく、演奏者の気迫、姿勢、情熱が波動のように伝わってくる
・Youtube、iPhoneなどで、高品質、広範囲で豊富な音楽が手軽に楽しめるようになった反面、生演奏を聴く機会は減った
・オーケストラ、合唱隊の、暗黙、自発的、即興のハーモナイズは素晴らしい。これができる秘訣は何だろう?
「音楽カフェ」、音楽が持つ力で、何かが引き出され、生まれるのか、楽しみです。
2013年02月21日
東工大MOT情報・サービスイノベーション分野公開シンポジウムのご案内
の中で、『サービスを科学する時代へ(データに基づく意思決定)』というお話がありました。
案内文によると、
>
科学の世界では、実験科学、理論科学、計算科学に続く第4の科学のパラダイムとしてデータ中心科学が注目されている。
サービス科学においても、データに基 づく方法論と、それを用いた経営の意思決定が重要になってきている。本講演では、データに基づく意思決定とは何か、そのために必要なことは何 かを議論する。
>
とあります。
ライフログ、という言葉をよく聞くようになりました
Wikipedia
を見ると、
>
人間の生活・行い・体験(Life)を、映像・音声・位置情報などのデジタルデータとして記録(Log)する技術、あるいは記録自体のこと
ライフログには、ユーザが自分で操作して記録する手動記録と,外部デバイスにより自動的に記録する自動記録がある。
前者の手動記録は、詳細で自由度の高い記録が可能であり、ブログやメモなどのように記録にユーザの主観的意見を含めることができる。
後者の自動記録は、ウェアラブルデバイスを装着して、画像・動画・音声・位置情報といったデータを常時記録するというものである。
>
とあります。
少し前までは、ブログ、SNSなどに個人が書き、記録する文書、写真などを指しましたが、最近は、GPS付きスマートフォーンなどにより、個人の移動、購買、消費などの活動が、本人が意識する、しないにかかわらず、自動的に記録されるようになった、ことを指すことが多い、ようです
これについては、
人間・テクノロジーの未来「インタラクションからインテグレーションへ」
に
>
・Google検索、世界の事はわかるが、自分のことは検索できない。「昨日何を食べた?」「1週間前に会ったあの人の名前は?」など。これが自動的に記録され、必要な時に引き出せると、人間の機能が驚異的に向上する
にあるように、カメラ付きのメガネで視線が追ったもの、食べたものをを自動的に記録する、簡単なイア・センサーで聞いた音、話したことを録音する、など、
人間の行動が自動的に記録され、かつ、検索できる、可能性ではないか?と思います
さらには、思ったこと、考えたこと、感じたこと、などが、自動的に、記録され、検索が可能になれば、人間の行動、生活は劇的に変化する、と思われます
SFの世界ですら、起こり得なかったことが、現実化しつつある
>
と書きました
「実世界ログが巻き起こすイノベーション」に参加しました
に
>
・ライフログ:記録のコストがほとんど0まで低下、大量の情報が苦もなく、記録、収集できる。→実世界の様々な情報を記録、追体験できる技術がどんどん進化
・ライフログの活用:マーケティング、健康管理、ものづくり(工程、作業管理)など
・人間の「記憶」は、あいまいで、記録と照合すると、かなりの違いがある
・食物の映像などからのカロリーの推定はかなりの誤差。食事にかけた時間からの取得カロリーの推定の方が精度がよい
・従来の概念:シグナル(意味がある情報)ノイズ(意味がない情報)という区別、しかし、大量記録では、情報に意味があるか、ないかは状況によって異なる。意味は状況に依存して、相対的に発現
・熟練者は、一般に技術の言語化が苦手で、知識は暗黙知のままにされがち。暗黙知をそのままにしておくと、活用が難しい。ライフログは暗黙知を形式知にする可能性を持つ
・ライフログ:当初は記録の大量化による、「意図しない」データの取得を活用していたが、最近は、知識の取得→構造化→活用により、「意図的なデータ取得」を計画的に行う
・バーチャル:実際には存在しないが、存在するのと同等の効果を発揮する
・レシートログ:レシートには物品、金額などの購買記録以外にも、場所、時間などが記録されており、そこから様々な推測、再現が可能
・単なるシミュレーションではない、行動と直結したリアルタイム予測は、予測の精度よりも、その予測により、行動がどう変わったか、が重要
・問題が顕在化した時には、もやは対策が難しいことが多い。精度がよくなくても、未来予測ができれば、兆候を察知することにより、事前に対策が可能になる
・人にとっての時間:(1)固定化、予約された時間(授業、講演など)(2)タスク:自分の裁量で、時間、労力を投入し、あるタスクを行う(3)自由な時間、(2)の定型化、モジュール化、による自主管理が大切
・ライフログにより、「過去」の追体験(リフレクション)、「未来」の先行体験(プロジェクション)が可能になり、かつ、両者が同時並行で行われる。追体験できる「過去」、先行体験できる「未来」は、「現在」である
・行動のリアルタイム予測、ネガティブな事象が起こらないように、行動を変えることが大切。予測が当たらないにようにする、ことが大切
・20世紀のコンピューターは効率的、大量処理、エネルギー型技術、21世紀のコンピューターは分散型、多様性の中での効率、エントロピー型技術
2つほど考えたことがあります
先に書いたように、「個人の移動、購買、消費などの活動が、本人が意識する、しないにかかわらず、自動的に記録される」になり、しかも、その記録の相当部分がオープンになります。
過去の行動の再現、未来の簡易予測、それに基づく、行動の変更、などは、既にある程度実現しています
これを今後どう活用していくか?が、大きなポイントのようです
>
前置きが長くなりましたが、ライフログ、ビッグデータの利用については、急速な進歩が見られる分野で、これについてまとめていきます
・データは当初の目的だけでなく、それ以外にも大きな利用価値がある、データの再目的化がポイント(ビッグデータ)
・まだ分析されていない「眠っているデータ」を有効に利用することで大きなビジネス上の価値を創出することができる
・Evidence based Society、もっとデータを利用する。勘と経験による判断から、データによる判断へ
・ワインの質、ソムリエのテイスティングよりも、気温、降水量などのデータにより正確に予測可能(オーリー・アッシェンフェルダーのモデル)
・ビッグデータ、データが膨大で手持ちのコンピューターで処理できない場合、ランダムサンプリングを行うことにより、母集団の統計的性質を極めて正確に推定可能
・データを意思決定に活用するには、相関ではなく因果を知らなければならない。相関関係と因果関係は別物
・データは補助手段に過ぎない。シャープではエグゼクティブ・コックピットという、全世界での生産、販売、在庫のリアルタイムデータがあったにもかかわらず、経営不振に
・日本では統計的手法がTQCとして導入されたが、現場の小集団活動に置き換えられてしまい、統計的手法は忘れ去られてしまった
・データ・サイエンティスト:高度な数学的素養を持ち、プログラミングにたけ、好奇心旺盛で企業経営に興味を持つ、スーパースターで、アメリカにおいて、最もセクシーな職業(トーマス・ダベンポート)
・データ・リテラシー:データ処理や統計に関する基本知識に加えて、データの裏にある真実を見抜く力、一見関係がないデータの組合せから、何かを見抜く力
・データ科学はデータの収集、キュレーション、分析の3つの活動が主体
・キュレーター、もともとは博物館の学芸員。発掘で得られた遺物の中から、展示に適するものを選び出し、それらを修復し、あるストーリーに沿って展示する
・デジタル・キュレーター、インターネット上の多くのサイトから情報を収集し、「まとめサイト」を作る
・データ・キュレーター:多くのデータセットの中から、役に立つものを選び出し、必要に応じ、修復し、分析アルゴリズムにかける
・データはファクトではない。データは必ずある意思をもって収集され、加工される。だから、データは事実そのものを表している訳ではない
の中で、『サービスを科学する時代へ(データに基づく意思決定)』というお話がありました。
案内文によると、
>
科学の世界では、実験科学、理論科学、計算科学に続く第4の科学のパラダイムとしてデータ中心科学が注目されている。
サービス科学においても、データに基 づく方法論と、それを用いた経営の意思決定が重要になってきている。本講演では、データに基づく意思決定とは何か、そのために必要なことは何 かを議論する。
>
とあります。
ライフログ、という言葉をよく聞くようになりました
Wikipedia
を見ると、
>
人間の生活・行い・体験(Life)を、映像・音声・位置情報などのデジタルデータとして記録(Log)する技術、あるいは記録自体のこと
ライフログには、ユーザが自分で操作して記録する手動記録と,外部デバイスにより自動的に記録する自動記録がある。
前者の手動記録は、詳細で自由度の高い記録が可能であり、ブログやメモなどのように記録にユーザの主観的意見を含めることができる。
後者の自動記録は、ウェアラブルデバイスを装着して、画像・動画・音声・位置情報といったデータを常時記録するというものである。
>
とあります。
少し前までは、ブログ、SNSなどに個人が書き、記録する文書、写真などを指しましたが、最近は、GPS付きスマートフォーンなどにより、個人の移動、購買、消費などの活動が、本人が意識する、しないにかかわらず、自動的に記録されるようになった、ことを指すことが多い、ようです
これについては、
人間・テクノロジーの未来「インタラクションからインテグレーションへ」
に
>
・Google検索、世界の事はわかるが、自分のことは検索できない。「昨日何を食べた?」「1週間前に会ったあの人の名前は?」など。これが自動的に記録され、必要な時に引き出せると、人間の機能が驚異的に向上する
にあるように、カメラ付きのメガネで視線が追ったもの、食べたものをを自動的に記録する、簡単なイア・センサーで聞いた音、話したことを録音する、など、
人間の行動が自動的に記録され、かつ、検索できる、可能性ではないか?と思います
さらには、思ったこと、考えたこと、感じたこと、などが、自動的に、記録され、検索が可能になれば、人間の行動、生活は劇的に変化する、と思われます
SFの世界ですら、起こり得なかったことが、現実化しつつある
>
と書きました
「実世界ログが巻き起こすイノベーション」に参加しました
に
>
・ライフログ:記録のコストがほとんど0まで低下、大量の情報が苦もなく、記録、収集できる。→実世界の様々な情報を記録、追体験できる技術がどんどん進化
・ライフログの活用:マーケティング、健康管理、ものづくり(工程、作業管理)など
・人間の「記憶」は、あいまいで、記録と照合すると、かなりの違いがある
・食物の映像などからのカロリーの推定はかなりの誤差。食事にかけた時間からの取得カロリーの推定の方が精度がよい
・従来の概念:シグナル(意味がある情報)ノイズ(意味がない情報)という区別、しかし、大量記録では、情報に意味があるか、ないかは状況によって異なる。意味は状況に依存して、相対的に発現
・熟練者は、一般に技術の言語化が苦手で、知識は暗黙知のままにされがち。暗黙知をそのままにしておくと、活用が難しい。ライフログは暗黙知を形式知にする可能性を持つ
・ライフログ:当初は記録の大量化による、「意図しない」データの取得を活用していたが、最近は、知識の取得→構造化→活用により、「意図的なデータ取得」を計画的に行う
・バーチャル:実際には存在しないが、存在するのと同等の効果を発揮する
・レシートログ:レシートには物品、金額などの購買記録以外にも、場所、時間などが記録されており、そこから様々な推測、再現が可能
・単なるシミュレーションではない、行動と直結したリアルタイム予測は、予測の精度よりも、その予測により、行動がどう変わったか、が重要
・問題が顕在化した時には、もやは対策が難しいことが多い。精度がよくなくても、未来予測ができれば、兆候を察知することにより、事前に対策が可能になる
・人にとっての時間:(1)固定化、予約された時間(授業、講演など)(2)タスク:自分の裁量で、時間、労力を投入し、あるタスクを行う(3)自由な時間、(2)の定型化、モジュール化、による自主管理が大切
・ライフログにより、「過去」の追体験(リフレクション)、「未来」の先行体験(プロジェクション)が可能になり、かつ、両者が同時並行で行われる。追体験できる「過去」、先行体験できる「未来」は、「現在」である
・行動のリアルタイム予測、ネガティブな事象が起こらないように、行動を変えることが大切。予測が当たらないにようにする、ことが大切
・20世紀のコンピューターは効率的、大量処理、エネルギー型技術、21世紀のコンピューターは分散型、多様性の中での効率、エントロピー型技術
2つほど考えたことがあります
先に書いたように、「個人の移動、購買、消費などの活動が、本人が意識する、しないにかかわらず、自動的に記録される」になり、しかも、その記録の相当部分がオープンになります。
過去の行動の再現、未来の簡易予測、それに基づく、行動の変更、などは、既にある程度実現しています
これを今後どう活用していくか?が、大きなポイントのようです
>
前置きが長くなりましたが、ライフログ、ビッグデータの利用については、急速な進歩が見られる分野で、これについてまとめていきます
・データは当初の目的だけでなく、それ以外にも大きな利用価値がある、データの再目的化がポイント(ビッグデータ)
・まだ分析されていない「眠っているデータ」を有効に利用することで大きなビジネス上の価値を創出することができる
・Evidence based Society、もっとデータを利用する。勘と経験による判断から、データによる判断へ
・ワインの質、ソムリエのテイスティングよりも、気温、降水量などのデータにより正確に予測可能(オーリー・アッシェンフェルダーのモデル)
・ビッグデータ、データが膨大で手持ちのコンピューターで処理できない場合、ランダムサンプリングを行うことにより、母集団の統計的性質を極めて正確に推定可能
・データを意思決定に活用するには、相関ではなく因果を知らなければならない。相関関係と因果関係は別物
・データは補助手段に過ぎない。シャープではエグゼクティブ・コックピットという、全世界での生産、販売、在庫のリアルタイムデータがあったにもかかわらず、経営不振に
・日本では統計的手法がTQCとして導入されたが、現場の小集団活動に置き換えられてしまい、統計的手法は忘れ去られてしまった
・データ・サイエンティスト:高度な数学的素養を持ち、プログラミングにたけ、好奇心旺盛で企業経営に興味を持つ、スーパースターで、アメリカにおいて、最もセクシーな職業(トーマス・ダベンポート)
・データ・リテラシー:データ処理や統計に関する基本知識に加えて、データの裏にある真実を見抜く力、一見関係がないデータの組合せから、何かを見抜く力
・データ科学はデータの収集、キュレーション、分析の3つの活動が主体
・キュレーター、もともとは博物館の学芸員。発掘で得られた遺物の中から、展示に適するものを選び出し、それらを修復し、あるストーリーに沿って展示する
・デジタル・キュレーター、インターネット上の多くのサイトから情報を収集し、「まとめサイト」を作る
・データ・キュレーター:多くのデータセットの中から、役に立つものを選び出し、必要に応じ、修復し、分析アルゴリズムにかける
・データはファクトではない。データは必ずある意思をもって収集され、加工される。だから、データは事実そのものを表している訳ではない
2013年02月18日
東工大MOT情報・サービスイノベーション分野公開シンポジウムのご案内
が来たので、参加します。
中でも、『日本を変えるクラウドソーシング』が興味深いものでした。
最近、クラウドという言葉がブームですが、
クラウドコンピューターのクラウドは「雲」の意味の、Cloud
クラウドファンディング、クラウドソーシングのクラウドは「大衆」の意味の、Crowd
で日本語では紛らわしくなっています。
さて、クラウドソーシングという言葉を最近、耳にするようになりましたが、どういうことでしょうか?
Wikipediaによると、
>
狭義では不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態。ウェブサービスのトレンドの一つでもある。
広義では、必ずしも雇用関係を必要とせず、不特定多数の人間により共同で進められるプロジェクト全般を指す場合も
従来、アウトソーシングという形で企業などが、外部に専門性の高い業務を外注するというトレンドがあった。
しかし、昨今では、インターネットの普及により社外の「不特定多数」の人にそのような業務を外注するというケースが増えている。それらを総称し、クラウドソーシングと呼ばれている。 知的生産力やコンテンツなどを、多数の人々から調達・集約し、事業成果を得ることを目的にしている。
>
とあります。
このクラウドソーシングの基本を
東工大MOT(技術経営)卒業生・在校生交流会に行ってきました
に書きましたので、再掲します。
>
・Crowd sourcing, We are smarter than me. 知的労働者を安価に調達できる可能性
・Idea is cheap.(アイデアを実現する方法まで考える) → Ideas are most valuable.(アイデア実現のためのハードルがクラウドソーシングによる知的労働者の調達により低くなっている)
・グローバル、ネット社会では、自社特有技術でない限り、内製よりも外部調達の方が安い
・業務をコア・コンピテンシー以外はアウトソーシングしようとすると、職員は「守り」に入り、「不可」と言うが、実際はほとんどアウトソーシング可能
・アウトソーシングを検討する場合、まず「コスト」ではなく、資源の質・量、安定供給を検討した上で、「コスト」を検討する
・クラウドソーシング、弁護士、会計士、技術者など、代替性のあるものはコモディティー化する
・クラウドソーシング、東京、日本に住んでいる必要はない。地方、途上国でも可。労働対価はどんどん低減していく
>
これらを踏まえた上で、出た話をまとめます。
・クラウドソーシング:企業、組織が自社またはアウトソースの人材により実施していた業務を、よりオープンかつ不特定多数のクラウドから人材を集め、実施する。多種多様な知識・技術の獲得、グローバルで適正コストの人材活用、人材の流動性の向上
・英語の翻訳作業、バングラデシュ、フィリピンなどで、日本国内に比べ、低価格で受注。
・大企業の技術者が解決できなかった課題を掲載したところ、他業界の技術者が簡単に解決する事例がある
・音声の書き起こし、文書のウェブ入力など、単純だが人手のかかる作業は、ICTでクラウドに発注することにより、低コスト、短時間で実現できるようになった
・企業にとってのクラウドソーシングの価値、労働単価が低下し、人材派遣会社に比べ、はるかに短時間で、人材獲得が可能で、品質が向上し、納期が短縮化
・個人にとってのクラウドソーシング:グローバルに、日本では得られない仕事を獲得できる可能性がある反面、新興国人材との競合により、労働単価は低下する
・クラウドソーシングでは、品質管理が懸念されるが、ワーカーのデスクトップキャプチャを見ることにより、作業の質のチェックが可能に
・音声の書き起しなどの作業は、極めて低価格なため、複数発注することにより、一致度合いをチェックすることにより、品質確保が可能
・クラウドソーシングでは、報酬よりも共同作業が、参加者のモティベーションになっている場合もある
・クラウドソーシングの概念は1990年代後半から存在していたが、急速に成長したのは最近で、2009年から2011年までに発注額が2.5倍に
・ICTの進歩により、情報、人材、知識、技術はオープンになっていく(オープンリソース社会)人材のオープン化を進めるひとつのツールがクラウドソーシング
・日本の企業にとって、人材のオープン化は多大なメリットをもたらすものの、受け入れは容易ではない。社内失業、労働組合、人事処遇制度など。また海外に比べ英語の扱いが難しい
・個人にとってのクラウドソーシングの課題、新興国人材との競合による労働単価の低下、作業の質の透明性が向上し、一度質が低い仕事をしてしまうと、2度と受注できなくなるリスク
・スタートアップ、中小企業にとっては、クラウドソーシングは大きなチャンス。質の高い人材が、固定費化せずに活用可能
・クラウドソーシングにおける著作権の取り扱い、受注者は放棄することが条件になっている場合が多い
・クラウドソーシング時代における英語のスキル、発注する場合はそれほどでもないが、この業界で受注する場合は、高いスキルが求められる
・クラウドソーシング、人材派遣会社にとっては大きな脅威となる可能性
コンピューターのプログラミング、企業のコールセンター機能などがアウトソーシング化されているのは、知られていましたが、弁護士、会計士、技術者など、専門知識を有する分野については、高額の委託契約が必要な専門職、と考えられてきたしたが、上記のようにコモディティー化が進んでいます。
特に新興国との競合になる分野では労働単価の低下は必然です。
上に書いたように、起業するのであれば、必要な人材を固定費なしに、調達できる一方、大企業勤務のホワイトカラーは一気に不要化が進みそう、という状況が進んできています。
が来たので、参加します。
中でも、『日本を変えるクラウドソーシング』が興味深いものでした。
最近、クラウドという言葉がブームですが、
クラウドコンピューターのクラウドは「雲」の意味の、Cloud
クラウドファンディング、クラウドソーシングのクラウドは「大衆」の意味の、Crowd
で日本語では紛らわしくなっています。
さて、クラウドソーシングという言葉を最近、耳にするようになりましたが、どういうことでしょうか?
Wikipediaによると、
>
狭義では不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態。ウェブサービスのトレンドの一つでもある。
広義では、必ずしも雇用関係を必要とせず、不特定多数の人間により共同で進められるプロジェクト全般を指す場合も
従来、アウトソーシングという形で企業などが、外部に専門性の高い業務を外注するというトレンドがあった。
しかし、昨今では、インターネットの普及により社外の「不特定多数」の人にそのような業務を外注するというケースが増えている。それらを総称し、クラウドソーシングと呼ばれている。 知的生産力やコンテンツなどを、多数の人々から調達・集約し、事業成果を得ることを目的にしている。
>
とあります。
このクラウドソーシングの基本を
東工大MOT(技術経営)卒業生・在校生交流会に行ってきました
に書きましたので、再掲します。
>
・Crowd sourcing, We are smarter than me. 知的労働者を安価に調達できる可能性
・Idea is cheap.(アイデアを実現する方法まで考える) → Ideas are most valuable.(アイデア実現のためのハードルがクラウドソーシングによる知的労働者の調達により低くなっている)
・グローバル、ネット社会では、自社特有技術でない限り、内製よりも外部調達の方が安い
・業務をコア・コンピテンシー以外はアウトソーシングしようとすると、職員は「守り」に入り、「不可」と言うが、実際はほとんどアウトソーシング可能
・アウトソーシングを検討する場合、まず「コスト」ではなく、資源の質・量、安定供給を検討した上で、「コスト」を検討する
・クラウドソーシング、弁護士、会計士、技術者など、代替性のあるものはコモディティー化する
・クラウドソーシング、東京、日本に住んでいる必要はない。地方、途上国でも可。労働対価はどんどん低減していく
>
これらを踏まえた上で、出た話をまとめます。
・クラウドソーシング:企業、組織が自社またはアウトソースの人材により実施していた業務を、よりオープンかつ不特定多数のクラウドから人材を集め、実施する。多種多様な知識・技術の獲得、グローバルで適正コストの人材活用、人材の流動性の向上
・英語の翻訳作業、バングラデシュ、フィリピンなどで、日本国内に比べ、低価格で受注。
・大企業の技術者が解決できなかった課題を掲載したところ、他業界の技術者が簡単に解決する事例がある
・音声の書き起こし、文書のウェブ入力など、単純だが人手のかかる作業は、ICTでクラウドに発注することにより、低コスト、短時間で実現できるようになった
・企業にとってのクラウドソーシングの価値、労働単価が低下し、人材派遣会社に比べ、はるかに短時間で、人材獲得が可能で、品質が向上し、納期が短縮化
・個人にとってのクラウドソーシング:グローバルに、日本では得られない仕事を獲得できる可能性がある反面、新興国人材との競合により、労働単価は低下する
・クラウドソーシングでは、品質管理が懸念されるが、ワーカーのデスクトップキャプチャを見ることにより、作業の質のチェックが可能に
・音声の書き起しなどの作業は、極めて低価格なため、複数発注することにより、一致度合いをチェックすることにより、品質確保が可能
・クラウドソーシングでは、報酬よりも共同作業が、参加者のモティベーションになっている場合もある
・クラウドソーシングの概念は1990年代後半から存在していたが、急速に成長したのは最近で、2009年から2011年までに発注額が2.5倍に
・ICTの進歩により、情報、人材、知識、技術はオープンになっていく(オープンリソース社会)人材のオープン化を進めるひとつのツールがクラウドソーシング
・日本の企業にとって、人材のオープン化は多大なメリットをもたらすものの、受け入れは容易ではない。社内失業、労働組合、人事処遇制度など。また海外に比べ英語の扱いが難しい
・個人にとってのクラウドソーシングの課題、新興国人材との競合による労働単価の低下、作業の質の透明性が向上し、一度質が低い仕事をしてしまうと、2度と受注できなくなるリスク
・スタートアップ、中小企業にとっては、クラウドソーシングは大きなチャンス。質の高い人材が、固定費化せずに活用可能
・クラウドソーシングにおける著作権の取り扱い、受注者は放棄することが条件になっている場合が多い
・クラウドソーシング時代における英語のスキル、発注する場合はそれほどでもないが、この業界で受注する場合は、高いスキルが求められる
・クラウドソーシング、人材派遣会社にとっては大きな脅威となる可能性
コンピューターのプログラミング、企業のコールセンター機能などがアウトソーシング化されているのは、知られていましたが、弁護士、会計士、技術者など、専門知識を有する分野については、高額の委託契約が必要な専門職、と考えられてきたしたが、上記のようにコモディティー化が進んでいます。
特に新興国との競合になる分野では労働単価の低下は必然です。
上に書いたように、起業するのであれば、必要な人材を固定費なしに、調達できる一方、大企業勤務のホワイトカラーは一気に不要化が進みそう、という状況が進んできています。
2013年02月14日
東大、早稲田、慶応などの大学院で、経済、金融、企業戦略などを教えている宿輪純一先生の勉強会
宿輪ゼミ「国際経済金融」
に参加しました
月2回のペースで、国際経済、金融について、誰でも参加できる自主ゼミを行っていただけるのはありがたいことです
さて、前回参加した
久しぶりの宿輪ゼミ「経済・金融+日本国債」に参加しました
は正月明け早々でした
1ドル78円前後の歴史的円高から、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3つを基本方針とした、いわゆるアベノミクスにより、円安傾向、日経平均もリーマンショック以前に近づく中、今後の国際経済はどう移行するのか?大変興味深いものです。
さて、タイトルに書いたように、1973年2月14日に固定相場制から変動相場制に移行してから、40年になります。
経済、政策、国際社会の振り返りから見るアベノミクス
に書いたのですが、
>
アメリカのニクソン大統領が1971年8月に金とドルの交換停止、いわゆるニクソンショックがありました。
これは、アメリカが1960年代後半のベトナム戦争などによる、財政支出を受けてインフレーションの加速や貿易黒字減少など、景気過熱気味で経常収支が悪化するアメリカは、歳出が増大する一方で歳入が減少し財政赤字が急拡大し、急増する失業者を前に国内雇用維持のためには財政支出が必要と考えられており、ジレンマに悩まされます。
ドルと金と交換するのであれば、ドル紙幣を大量に発行することはできません。そこで、金とドルの交換を停止しました。これによりドル紙幣は、政策的に発行できるようになりました。
さらに、1971年12月に、いわゆるスミソニアン協定のより、1ドル360円から308円に切り上げられ、1973年2月14日に、第二次世界大戦後の通貨の枠組みであったブレトン・ウッズ体制が終結させ、固定相場制度を軸にした通貨体制から、金融政策の独立性が高い変動相場制度へ移行しました。
>
ブレトン・ウッズ体制とは、第二次世界大戦後の通貨の枠組みですが、第1次大戦(1914〜1918年)前は、アメリカだけでなく、ヨーロッパ、日本も、紙幣を金と交換できる、金本位制を採用していました。
この辺の事情は、
希望とデザイン
に、
>
1914〜1918年の第1次世界大戦前は、アメリカ、ヨーロッパは金本位制という、金と通貨が交換できる制度でした。
これにより、通貨の価値は金で保証されていました。
戦争には、兵器、物資、食料など、大量の需要が発生します。
主な戦場はヨーロッパでしたが、直接の戦場ではなかったアメリカ、日本には大量の製品の発注があり、工場はフル稼働で生産し、設備増強しても、生産が追いつかないほどでした。
アメリカ、日本の企業は大儲けし、「戦時成金」が発生しました。
この発注に大量の通貨が必要なため、金本位制は一時中断していました。
それゆえ、通貨の価値は下がっていました。
さて、戦争が終わり、平和がやってきました。
アメリカ、ヨーロッパは金本位制を再開し、日本も行いました。
ところが、戦争でふくらんだ通貨は、もはや金とはバランスしません。
順調な経済をもたらしていた、兵器、物資、食料などの発注もなくなりました。
そこで起きたのが、1929年のウォール街に端を発した世界大恐慌です。
結局、この世界大恐慌を乗り切ることができたのは、第2次世界大戦の勃発まで、待たねばならなかったでしょうか?
>
さて、このくらいの予習をして臨むことにします。
・円安政策、G7、G20を迎えるが、国際的にはドイツ以外からは、特段の批判はない。量的緩和は、アメリカが取った手段であり、批判しづらい
・世界経済動向の基本指標である、ニューヨークダウ30種は回復傾向
・日本経済の見通し:景気(GDP、国内売上)、貿易収支(海外売上)燃料費上昇により2012年より赤字、経常収支(経常損益)2015年から赤字の見込み、財政収支(借入)
・EUの景気がよくなく、EU圏内での消費が不活発なため、製品が輸出に回り、貿易黒字でユーロが上昇
・アメリカでは個人の最大の資産は住宅。リーマンショックまで30年間価格が上昇した
・シェールガス、アメリカは自由貿易協定(FTA)締結国への輸出が原則だが、協定外品目に。TPPとのひも付けを一応回避
・日本の生産拠点のアジアへの進出、メイド・イン・ジャパンからメイド・バイ・ジャパンへ
・貿易が通貨交換の主体の時は、通貨と物が等価だったが、現在は貿易の決済量はマネーフローの1%程度に過ぎない
・円高、世界的にはリーマンショックの緩衝材とされた
・江戸時代の通貨「両」貨幣のため、金、銀に多少の劣悪金属の混入悪貨があったものの、簡単には増やせなかった。明治時代以降の通貨「円」紙幣のため簡単に増刷可能
・先進国と新興国の経済規模GDP比、2000年には8:2、2020年には6:4に
・為替の操作、通貨介入と量的緩和。前者は国際的批判を伴う場合があるので、後者が選ばれることが多い
・インフレ率が高いのは、一般的に新興国、先進国は成熟
・インフレ率は物価上昇率とされることが多く、消費者物価のみが対象とされ、不動産、株価などは反映されないことが多い
・正常時はインフレ率=金利、インフレ率>金利になると、お金を借りて物につぎ込み、バブルになる
・金融の量的緩和は、本来は、一時しのぎ、であり、その間に経済の健全化が大切
・金融政策は一時しのぎ、には、よいが、経済成長には結びつかない
・通貨危機とは、通貨のバブル崩壊、実体経済との乖離、固定相場で起こり、変動相場では起こらない
・金本位制、量的緩和ができないため、基本的に安定していて、インフレが起こらない。ただし、金鉱が発見されるとインフレに
・経済学の前提「人々の経済行動は合理的」は、実際には成り立たず、相当部分、感情で動く
・会議の席上で論破すると、たとえ正論であっても「敵」をつくることになる。どこかで相手に「花」を持たせることにより関係が継続する
・閉塞感が漂うと物事の見方がネガティブになる
宿輪ゼミ「国際経済金融」
に参加しました
月2回のペースで、国際経済、金融について、誰でも参加できる自主ゼミを行っていただけるのはありがたいことです
さて、前回参加した
久しぶりの宿輪ゼミ「経済・金融+日本国債」に参加しました
は正月明け早々でした
1ドル78円前後の歴史的円高から、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3つを基本方針とした、いわゆるアベノミクスにより、円安傾向、日経平均もリーマンショック以前に近づく中、今後の国際経済はどう移行するのか?大変興味深いものです。
さて、タイトルに書いたように、1973年2月14日に固定相場制から変動相場制に移行してから、40年になります。
経済、政策、国際社会の振り返りから見るアベノミクス
に書いたのですが、
>
アメリカのニクソン大統領が1971年8月に金とドルの交換停止、いわゆるニクソンショックがありました。
これは、アメリカが1960年代後半のベトナム戦争などによる、財政支出を受けてインフレーションの加速や貿易黒字減少など、景気過熱気味で経常収支が悪化するアメリカは、歳出が増大する一方で歳入が減少し財政赤字が急拡大し、急増する失業者を前に国内雇用維持のためには財政支出が必要と考えられており、ジレンマに悩まされます。
ドルと金と交換するのであれば、ドル紙幣を大量に発行することはできません。そこで、金とドルの交換を停止しました。これによりドル紙幣は、政策的に発行できるようになりました。
さらに、1971年12月に、いわゆるスミソニアン協定のより、1ドル360円から308円に切り上げられ、1973年2月14日に、第二次世界大戦後の通貨の枠組みであったブレトン・ウッズ体制が終結させ、固定相場制度を軸にした通貨体制から、金融政策の独立性が高い変動相場制度へ移行しました。
>
ブレトン・ウッズ体制とは、第二次世界大戦後の通貨の枠組みですが、第1次大戦(1914〜1918年)前は、アメリカだけでなく、ヨーロッパ、日本も、紙幣を金と交換できる、金本位制を採用していました。
この辺の事情は、
希望とデザイン
に、
>
1914〜1918年の第1次世界大戦前は、アメリカ、ヨーロッパは金本位制という、金と通貨が交換できる制度でした。
これにより、通貨の価値は金で保証されていました。
戦争には、兵器、物資、食料など、大量の需要が発生します。
主な戦場はヨーロッパでしたが、直接の戦場ではなかったアメリカ、日本には大量の製品の発注があり、工場はフル稼働で生産し、設備増強しても、生産が追いつかないほどでした。
アメリカ、日本の企業は大儲けし、「戦時成金」が発生しました。
この発注に大量の通貨が必要なため、金本位制は一時中断していました。
それゆえ、通貨の価値は下がっていました。
さて、戦争が終わり、平和がやってきました。
アメリカ、ヨーロッパは金本位制を再開し、日本も行いました。
ところが、戦争でふくらんだ通貨は、もはや金とはバランスしません。
順調な経済をもたらしていた、兵器、物資、食料などの発注もなくなりました。
そこで起きたのが、1929年のウォール街に端を発した世界大恐慌です。
結局、この世界大恐慌を乗り切ることができたのは、第2次世界大戦の勃発まで、待たねばならなかったでしょうか?
>
さて、このくらいの予習をして臨むことにします。
・円安政策、G7、G20を迎えるが、国際的にはドイツ以外からは、特段の批判はない。量的緩和は、アメリカが取った手段であり、批判しづらい
・世界経済動向の基本指標である、ニューヨークダウ30種は回復傾向
・日本経済の見通し:景気(GDP、国内売上)、貿易収支(海外売上)燃料費上昇により2012年より赤字、経常収支(経常損益)2015年から赤字の見込み、財政収支(借入)
・EUの景気がよくなく、EU圏内での消費が不活発なため、製品が輸出に回り、貿易黒字でユーロが上昇
・アメリカでは個人の最大の資産は住宅。リーマンショックまで30年間価格が上昇した
・シェールガス、アメリカは自由貿易協定(FTA)締結国への輸出が原則だが、協定外品目に。TPPとのひも付けを一応回避
・日本の生産拠点のアジアへの進出、メイド・イン・ジャパンからメイド・バイ・ジャパンへ
・貿易が通貨交換の主体の時は、通貨と物が等価だったが、現在は貿易の決済量はマネーフローの1%程度に過ぎない
・円高、世界的にはリーマンショックの緩衝材とされた
・江戸時代の通貨「両」貨幣のため、金、銀に多少の劣悪金属の混入悪貨があったものの、簡単には増やせなかった。明治時代以降の通貨「円」紙幣のため簡単に増刷可能
・先進国と新興国の経済規模GDP比、2000年には8:2、2020年には6:4に
・為替の操作、通貨介入と量的緩和。前者は国際的批判を伴う場合があるので、後者が選ばれることが多い
・インフレ率が高いのは、一般的に新興国、先進国は成熟
・インフレ率は物価上昇率とされることが多く、消費者物価のみが対象とされ、不動産、株価などは反映されないことが多い
・正常時はインフレ率=金利、インフレ率>金利になると、お金を借りて物につぎ込み、バブルになる
・金融の量的緩和は、本来は、一時しのぎ、であり、その間に経済の健全化が大切
・金融政策は一時しのぎ、には、よいが、経済成長には結びつかない
・通貨危機とは、通貨のバブル崩壊、実体経済との乖離、固定相場で起こり、変動相場では起こらない
・金本位制、量的緩和ができないため、基本的に安定していて、インフレが起こらない。ただし、金鉱が発見されるとインフレに
・経済学の前提「人々の経済行動は合理的」は、実際には成り立たず、相当部分、感情で動く
・会議の席上で論破すると、たとえ正論であっても「敵」をつくることになる。どこかで相手に「花」を持たせることにより関係が継続する
・閉塞感が漂うと物事の見方がネガティブになる
2013年02月12日
知的財産マネジメント研究会
には産業界、大学、研究、知財、ベンチャーなどの関係者が集まります。
ライセンス・アソシエイト分科会での、
「ライセンスor ベンチャー起業」
というテーマをもとに、「オープンイノベーションとアントレプレナーシップ(企業家精神)」について整理して、考えてみます
なお、アントレプレナーシップは、起業家精神と訳されることが多いのですが、アントレプレナーシップ「業を起こす者よりも、むしろ業を企てる者」という意味から、企業家精神、とします。
渦中にいる時は、わからない 歴史の重要性
>
1980年代に、大企業で中央研究所が様々な研究を行っていました。
その象徴的なものが、アメリカのAT&Tのベル研究所でしょうか?
直接、本来の通信業務とは関係ない分野で、ノーベル賞クラスの研究成果がいくつも出ていました。
ところが、その後、株主に対して、予算の執行とそれに対する成果の明示、説明が求められるようになり、このような「おおらかな研究環境」は姿を消します。
そして、技術開発の中心が、大企業の中央研究所から、シリコンバレーのベンチャーへと移っていきます。
この波は、日本へも伝わり、日本企業も中央研究所では基礎研究を自ら行うのではなく、大学との委託研究に切り替えていきます。
これが、「中央研究所の終焉」でしょうか?
>
オープンイノベーション時代における産学連携施策
>
オープンイノベーションの時代、と呼ばれるようになってから、かなりの時が過ぎました。
どんな大企業でも、1社単独で社内で、基礎研究、応用研究、実用化などを行うことは難しくなり、大学、他企業との連携の必要性が認識されています。
ところが、まだまだ、自社内主義から抜け出れていません。
例えば、商品化に結びつく技術開発を行った技術者は、それなりに評価されるでしょう。
しかし、それと同じ技術を、社外で見つけて、自社で開発するよりも低コストで、導入した人は、ほとんど評価されません。
金で技術を買っただけ、とされ、技術を見極める能力、低コストで導入する能力などは、ほとんど評価されません。
また、大企業になればなるほど、研究、開発、標準化、知財、マーケティング、営業のセクショナリズムが進み、風通しが悪くなり、社内ですら、人材の流動化が起こりにくくなります。
>
大学発ベンチャー「知識の収益化」と「触媒作用」
>
日本では大学発ベンチャーの評判は、必ずしもよくありません。
大学発ベンチャー1,000社のような数値目標だけ掲げられ、つぶれているものも少なくありません。
よく言われるように、経営、資金調達に疎い大学関係者だけでは、起業、上場などは難しいかもしれません。
一方、有名なスタンフォード大学とシリコンバレーでは、グーグルのような世界を席巻する企業も誕生しています。
●「お金を使うのが当たり前の研究」から「知識の収益化」へ
これまで大学では、科研費、振興調整費、あるいは企業からの委託研究費、共同研究費など、研究費用を獲得してきて、お金を使って研究活動を行い、研究成果を出す、というものがほとんどでした。
その研究成果を、事業化、あるいは、特許、ライセンスなどの形で、収益化する、ということは、ほとんど行われていなかったのではないでしょうか?
確かに特許をたくさん出されている大学関係者もいます。
しかし、そのほとんどが国内特許で、しかも、未活用特許、ではないでしょうか?特許を手段に収益化するのではなく、特許出願自体が目的となってしまているのが現状ではないでしょうか?
大学関係者は学術的成果が評価されてきましたが、「知識の収益化」へも、もっと注目してもよいのではないでしょうか?
●大学と産業の「触媒作用」
大学と産業の産学連携は行われていますが、まだまだ、というのが実情です。
双方とも「内気な独身者」のように「どこかに自分に合ういい人はいないかしら?」と思っているだけで、具体的なアクションを起こせないでいる、というとわかりやすいでしょうか?
双方をよく知っている「大学発ベンチャー」は入ると、産学連携はずっと進むのではないでしょうか?
●基礎研究から実用研究へのデス・バレー(死の谷)を埋める
基礎研究から実用研究までの間はデス・バレー(死の谷)と呼ばれます。
市場規模、商品化の目途もはっきりしない段階で、企業はなかなか手を出せません。
「大学発ベンチャー」もここで倒産してしまうことが少なくなく、リスキーです。
でも、ここを埋めることができるのは、「若者」「ばか者」「よそ者」の「大学発ベンチャー」が適任かもしれません。
●「山師」の排除
「大学発ベンチャー」は研究者が多く、資金調達、株式上場、などは苦手なため、これらに明るい人に来てもらいます。
ところが、中には「ベンチャーでひとやま当てたら、さっさと他へ」と、儲け話だけに興味があり、事業には関心がない「山師」も少なくありません。
このような「山師」には気をつけなければならない、ようです。
>
企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するにはイノベーション・エコシステムが大切
>
企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するには、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムにより、技術、知財、人材、資金が動くことが大切です
大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムは、ポジティブな関係だけではなく、
・大企業をレイオフされた人々が、新しい産業を創る
・大企業をスピンアウトしたベンチャー企業を、数年後にその大企業がM&Aで吸収
のように、かなりドロドロしたものも含みます。これらを含めたエコシステムの中で企業家精神(アントレプレナーシップ)は活かされる、ようです
>
「米国におけるクリーンテックベンチャーの動向と今後の課題」に参加しました
>
ベンチャーが活躍する分野としては、クリーンテック、ライフサイエンス、ITが主流ですが、それぞれで全く様相が異なること、
アメリカでもベンチャーを育てる生態系があるのは、シリコンバレー(スタンフォード)、ボストン(MIT)、ニューヨーク。投資家、ベンチャー経験者、(レイオフされた有能な)技術者、弁護士がいて、世界中から人材が集まる
>
これまでの、オープンイノベーションとアントレプレナーシップ(企業家精神)を取り巻く環境について、簡単にまとめてみました
オープンイノベーションとアントレプレナーシップ(企業家精神)については、企業体質、個人の資質として、議論されることが多いのですが、
むしろ、ここに書いたように、
・グローバル競争の激化、株主への説明責任の増大に伴う、大企業の中央研究所の終焉
・大企業の基礎研究からの撤退に伴う、産学連携、ベンチャー企業への移行
・単独企業内でのイノベーションから、産業クラスターでのオープンイノベーション
という時代、社会の大きな流れの中で考えた方がよさそうです
には産業界、大学、研究、知財、ベンチャーなどの関係者が集まります。
ライセンス・アソシエイト分科会での、
「ライセンスor ベンチャー起業」
というテーマをもとに、「オープンイノベーションとアントレプレナーシップ(企業家精神)」について整理して、考えてみます
なお、アントレプレナーシップは、起業家精神と訳されることが多いのですが、アントレプレナーシップ「業を起こす者よりも、むしろ業を企てる者」という意味から、企業家精神、とします。
渦中にいる時は、わからない 歴史の重要性
>
1980年代に、大企業で中央研究所が様々な研究を行っていました。
その象徴的なものが、アメリカのAT&Tのベル研究所でしょうか?
直接、本来の通信業務とは関係ない分野で、ノーベル賞クラスの研究成果がいくつも出ていました。
ところが、その後、株主に対して、予算の執行とそれに対する成果の明示、説明が求められるようになり、このような「おおらかな研究環境」は姿を消します。
そして、技術開発の中心が、大企業の中央研究所から、シリコンバレーのベンチャーへと移っていきます。
この波は、日本へも伝わり、日本企業も中央研究所では基礎研究を自ら行うのではなく、大学との委託研究に切り替えていきます。
これが、「中央研究所の終焉」でしょうか?
>
オープンイノベーション時代における産学連携施策
>
オープンイノベーションの時代、と呼ばれるようになってから、かなりの時が過ぎました。
どんな大企業でも、1社単独で社内で、基礎研究、応用研究、実用化などを行うことは難しくなり、大学、他企業との連携の必要性が認識されています。
ところが、まだまだ、自社内主義から抜け出れていません。
例えば、商品化に結びつく技術開発を行った技術者は、それなりに評価されるでしょう。
しかし、それと同じ技術を、社外で見つけて、自社で開発するよりも低コストで、導入した人は、ほとんど評価されません。
金で技術を買っただけ、とされ、技術を見極める能力、低コストで導入する能力などは、ほとんど評価されません。
また、大企業になればなるほど、研究、開発、標準化、知財、マーケティング、営業のセクショナリズムが進み、風通しが悪くなり、社内ですら、人材の流動化が起こりにくくなります。
>
大学発ベンチャー「知識の収益化」と「触媒作用」
>
日本では大学発ベンチャーの評判は、必ずしもよくありません。
大学発ベンチャー1,000社のような数値目標だけ掲げられ、つぶれているものも少なくありません。
よく言われるように、経営、資金調達に疎い大学関係者だけでは、起業、上場などは難しいかもしれません。
一方、有名なスタンフォード大学とシリコンバレーでは、グーグルのような世界を席巻する企業も誕生しています。
●「お金を使うのが当たり前の研究」から「知識の収益化」へ
これまで大学では、科研費、振興調整費、あるいは企業からの委託研究費、共同研究費など、研究費用を獲得してきて、お金を使って研究活動を行い、研究成果を出す、というものがほとんどでした。
その研究成果を、事業化、あるいは、特許、ライセンスなどの形で、収益化する、ということは、ほとんど行われていなかったのではないでしょうか?
確かに特許をたくさん出されている大学関係者もいます。
しかし、そのほとんどが国内特許で、しかも、未活用特許、ではないでしょうか?特許を手段に収益化するのではなく、特許出願自体が目的となってしまているのが現状ではないでしょうか?
大学関係者は学術的成果が評価されてきましたが、「知識の収益化」へも、もっと注目してもよいのではないでしょうか?
●大学と産業の「触媒作用」
大学と産業の産学連携は行われていますが、まだまだ、というのが実情です。
双方とも「内気な独身者」のように「どこかに自分に合ういい人はいないかしら?」と思っているだけで、具体的なアクションを起こせないでいる、というとわかりやすいでしょうか?
双方をよく知っている「大学発ベンチャー」は入ると、産学連携はずっと進むのではないでしょうか?
●基礎研究から実用研究へのデス・バレー(死の谷)を埋める
基礎研究から実用研究までの間はデス・バレー(死の谷)と呼ばれます。
市場規模、商品化の目途もはっきりしない段階で、企業はなかなか手を出せません。
「大学発ベンチャー」もここで倒産してしまうことが少なくなく、リスキーです。
でも、ここを埋めることができるのは、「若者」「ばか者」「よそ者」の「大学発ベンチャー」が適任かもしれません。
●「山師」の排除
「大学発ベンチャー」は研究者が多く、資金調達、株式上場、などは苦手なため、これらに明るい人に来てもらいます。
ところが、中には「ベンチャーでひとやま当てたら、さっさと他へ」と、儲け話だけに興味があり、事業には関心がない「山師」も少なくありません。
このような「山師」には気をつけなければならない、ようです。
>
企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するにはイノベーション・エコシステムが大切
>
企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するには、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムにより、技術、知財、人材、資金が動くことが大切です
大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムは、ポジティブな関係だけではなく、
・大企業をレイオフされた人々が、新しい産業を創る
・大企業をスピンアウトしたベンチャー企業を、数年後にその大企業がM&Aで吸収
のように、かなりドロドロしたものも含みます。これらを含めたエコシステムの中で企業家精神(アントレプレナーシップ)は活かされる、ようです
>
「米国におけるクリーンテックベンチャーの動向と今後の課題」に参加しました
>
ベンチャーが活躍する分野としては、クリーンテック、ライフサイエンス、ITが主流ですが、それぞれで全く様相が異なること、
アメリカでもベンチャーを育てる生態系があるのは、シリコンバレー(スタンフォード)、ボストン(MIT)、ニューヨーク。投資家、ベンチャー経験者、(レイオフされた有能な)技術者、弁護士がいて、世界中から人材が集まる
>
これまでの、オープンイノベーションとアントレプレナーシップ(企業家精神)を取り巻く環境について、簡単にまとめてみました
オープンイノベーションとアントレプレナーシップ(企業家精神)については、企業体質、個人の資質として、議論されることが多いのですが、
むしろ、ここに書いたように、
・グローバル競争の激化、株主への説明責任の増大に伴う、大企業の中央研究所の終焉
・大企業の基礎研究からの撤退に伴う、産学連携、ベンチャー企業への移行
・単独企業内でのイノベーションから、産業クラスターでのオープンイノベーション
という時代、社会の大きな流れの中で考えた方がよさそうです
2013年02月08日
東京大学知的資産経営研究講座「技術を活かすデザイン・ドリブン・イノベーション」
に参加しました
今日の講師は、NPO法人産学連携推進機構理事長の妹尾堅一郎先生と金沢工業大学の杉光一成先生です。
技術力で勝る日本が、事業で“負け続ける”という状況になってから、久しい感があります
かつては、世界で圧倒的シェアを誇っていた日本製品が、次第にシェアを奪われていく
これまで、日本を成功に導いてきた、7つの「ものづくり神話」
1)技術力優位=事業競争力の優位の神話。
2)国内競争での勝利が海外輸出へと結びつくという神話。
3)自前主義、抱え込み主義、摺合せ垂直統合型優位の神話。
4)高品質優位の神話。
5)製造業=モノづくりの神話。
6)知財権大量取得優位の神話。
7)国際標準降臨の神話
が、もやは通じず、
・ディジタル化、ネットワーク化により、社会構造が変貌し、これまでの成功ビジネスモデルが通用しなくなった
・世界市場の急速な拡大:以前G7諸国(7億人) → 現在G20+BOP諸国(50億人)
この辺の事情は、前々回のこの講座の参加記
東京大学知的資産経営研究講座「新ビジネス塾」に参加しました
妹尾堅一郎氏が語る「ビジネスモデル乱世に生き残る条件」
にも書かれています。
同一業界内での競争から、事業環境をあたかも「生態系」のように、異なった遺伝子をもつ異質な企業群が協調したり競争したりしながら、その環境が進化していく、という「産業生態系」で、考えた方が、よさそうです
このような状況下では、
産業生態系、ビジネスモデル、商品、価値
の「デザイン」が大切になってきます。
この場合の「デザイン」とは、単なる外的なスタイリング、ではなく、
モノ(実は、いわゆる、形がある「モノ」だけでなく、形がない「サービス」なども含みますが)が提供され、活用される状況を考慮した、設計、計画
でしょうか
これらを踏まえた上で、出た話をまとめてみます
・PC(パーソナルコンピューター)1990年代:計算機→2000年代:メディア(コミュニケーション・メディア(メール)、マルチメディア(文字、写真、動画、音楽))→2010年代:ネットワークサービスのインターフェース
・ガラパゴス携帯(多機能、幕の内弁当、ベンダーがすべての機能を詰め込む)、スマートフォーン(プラットフォーム、カフェテリア、ユーザーが好きな機能をチョイス)
・ルクエがあれば、高機能電子レンジではなく、解凍、加熱のみの電子レンジでOK
・モノの所有からサービスの使用へ
・価値形成の基軸が、ベンダー側からユーザー側へシフト
・同一商品群内の競争ではなく、産業生態系(アップル、グーグル、インテル、アマゾン、マイクロソフトなど)内の競争に
・アナログカメラの時のフィルム+カメラ+現像、すべての機能がディジタルカメラに、さらにピントを合わせなくても、PCで調整すればよい
・時計:従来は時刻を確認する道具、あるいは宝飾品、スウォッチにより、ネクタイと同じファッションに、1個でなくて、何個でも所有する
・iPod:自分の音楽コレクションをすべてポケットに詰め込んで、どこへ行っても楽しめる
・デザイン・ドリブン・イノベーション:これまでと異質の、常識を破った、快い体験(顕在ではなく潜在ニーズ)を顧客に提供することにより、新たな市場を創りだす
・顧客満足=機能+信頼性+利便性+価格、機能競争、価格競争ではなく、利便性を主としたデザイン・ドリブンへ
・デザインがプロダクトのイノベーションを促進する
・デザインはトレンドに乗る(既存のマーケット)ではなく、新しい市場を創る
・デザインは視覚だけでなく、聴覚、触覚を通じた「快さ」「使いやすさ」を提供する
に参加しました
今日の講師は、NPO法人産学連携推進機構理事長の妹尾堅一郎先生と金沢工業大学の杉光一成先生です。
技術力で勝る日本が、事業で“負け続ける”という状況になってから、久しい感があります
かつては、世界で圧倒的シェアを誇っていた日本製品が、次第にシェアを奪われていく
これまで、日本を成功に導いてきた、7つの「ものづくり神話」
1)技術力優位=事業競争力の優位の神話。
2)国内競争での勝利が海外輸出へと結びつくという神話。
3)自前主義、抱え込み主義、摺合せ垂直統合型優位の神話。
4)高品質優位の神話。
5)製造業=モノづくりの神話。
6)知財権大量取得優位の神話。
7)国際標準降臨の神話
が、もやは通じず、
・ディジタル化、ネットワーク化により、社会構造が変貌し、これまでの成功ビジネスモデルが通用しなくなった
・世界市場の急速な拡大:以前G7諸国(7億人) → 現在G20+BOP諸国(50億人)
この辺の事情は、前々回のこの講座の参加記
東京大学知的資産経営研究講座「新ビジネス塾」に参加しました
妹尾堅一郎氏が語る「ビジネスモデル乱世に生き残る条件」
にも書かれています。
同一業界内での競争から、事業環境をあたかも「生態系」のように、異なった遺伝子をもつ異質な企業群が協調したり競争したりしながら、その環境が進化していく、という「産業生態系」で、考えた方が、よさそうです
このような状況下では、
産業生態系、ビジネスモデル、商品、価値
の「デザイン」が大切になってきます。
この場合の「デザイン」とは、単なる外的なスタイリング、ではなく、
モノ(実は、いわゆる、形がある「モノ」だけでなく、形がない「サービス」なども含みますが)が提供され、活用される状況を考慮した、設計、計画
でしょうか
これらを踏まえた上で、出た話をまとめてみます
・PC(パーソナルコンピューター)1990年代:計算機→2000年代:メディア(コミュニケーション・メディア(メール)、マルチメディア(文字、写真、動画、音楽))→2010年代:ネットワークサービスのインターフェース
・ガラパゴス携帯(多機能、幕の内弁当、ベンダーがすべての機能を詰め込む)、スマートフォーン(プラットフォーム、カフェテリア、ユーザーが好きな機能をチョイス)
・ルクエがあれば、高機能電子レンジではなく、解凍、加熱のみの電子レンジでOK
・モノの所有からサービスの使用へ
・価値形成の基軸が、ベンダー側からユーザー側へシフト
・同一商品群内の競争ではなく、産業生態系(アップル、グーグル、インテル、アマゾン、マイクロソフトなど)内の競争に
・アナログカメラの時のフィルム+カメラ+現像、すべての機能がディジタルカメラに、さらにピントを合わせなくても、PCで調整すればよい
・時計:従来は時刻を確認する道具、あるいは宝飾品、スウォッチにより、ネクタイと同じファッションに、1個でなくて、何個でも所有する
・iPod:自分の音楽コレクションをすべてポケットに詰め込んで、どこへ行っても楽しめる
・デザイン・ドリブン・イノベーション:これまでと異質の、常識を破った、快い体験(顕在ではなく潜在ニーズ)を顧客に提供することにより、新たな市場を創りだす
・顧客満足=機能+信頼性+利便性+価格、機能競争、価格競争ではなく、利便性を主としたデザイン・ドリブンへ
・デザインがプロダクトのイノベーションを促進する
・デザインはトレンドに乗る(既存のマーケット)ではなく、新しい市場を創る
・デザインは視覚だけでなく、聴覚、触覚を通じた「快さ」「使いやすさ」を提供する
2013年02月05日
東京大学知的資産経営研究講座「企業家精神(アントレプレナーシップ)とイノベーション・エコシステム」
に参加します。
今日の講師は、
東京大学 産学連携本部 事業化推進部長 各務 茂夫教授
以前ボストンコンサルティングに勤務され、その後、起業された経験がある方です
なお、各務先生のアントレプレナーに関する講演は、
アントレプレナーシップ「業を起こす者よりも、むしろ業を企てる者」
アントレプレナーシップの教育は難しい?
に書いておりますので、ご参照ください
企業家精神(アントレプレナーシップ)と書きましたが、これは「起業家精神」の誤植では?と思った方もいるかと思います
上に、
アントレプレナーシップ「業を起こす者よりも、むしろ業を企てる者」
と書いたように、アントレプレナーは必ずしもベンチャー企業を起す者ではなく、業を企てる(くわだてる)者、Passion(志)とIntelligence(知性)を併せ持つ者、と考えると、しっくり来そうです
今日は、前半ではこのアントレプレナー全般についてのお話、後半ではシリコンバレーと並ぶ、アントレプレナーのエコシステムと言われるテキサス州のオースティンを例に、大企業、大学、ベンチャーの技術、人材、資金のエコシステムのお話があります。
(アントレプレナー全般)
・スタンフォード大学の技術移転、開始から利益をあげるまで17年かかった
・日本の大企業の技術開発、自前主義が強く、欧米のようなベンチャーの買収はあまり考えない。産学連携においても同様に自前主義
・アメリカの企業にはベンチャーキャピタルを通じて、年金基金が入ってきて、運用のプレッシャーがかかる
・IBM、大型メインフレームからビジネスソリューションへのビジネス転換。1993年にルー・ガーソナーが基礎研究が中心のワトソン研究所を応用研究にシフトさせ、ノーベル賞級の研究者が次々に退職。大学との産学連携へシフト
・Googleとスタンフォード大学、基本技術は大学院生の成果で、知財は大学に帰属、2004年株式公開後に大学が持分(全株式の1%)を売却し、400億円の売却益
・スタンフォード大学予算の比率:外部研究資金(29%)、基金等投資収入(24%)、授業料(18%)、医療機関収入(13%)、その他収入(16%)
・イノベーション創出と産学連携モデルへの転換:従来のリニアモデル、自社内で基礎研究→応用研究→実用化。オープンイノベーション、基礎研究(大学)、応用研究(ベンチャー)、実用化(大企業)共同研究、戦略的提携
・バブル崩壊による金融機関の破綻により、ベンチャーキャピタル等への人材流動、ある意味でよかった。現在のメーカー大企業から新興国ベンチャーへの人材移動が何をもたらすか?
(イノベーションのエコシステム)
・自己完結できる企業など存在しない。いかなる企業も、その成功は、支援企業やインフラに左右される(マイケル・ポーター)
・成長著しい地域経済を見ると、例外なく、クラスターが形成されており、生産性、イノベーション、競争力の面で重要な役割を果たしている(マイケル・ポーター)
・テキサス州オースティン、ビジョナリストによる計画的・人為的な「場」において、大学、ベンチャー、大企業の有機的、偶発的な展開が見られた
・クラスター形成においては、大企業からのスピンオフが、ベンチャーとしても人材としても母体になっている
・大企業が優秀な人材を集積させ、教育し、人的ネットワークを形成し、社内ベンチャーを育成し、それらの人材がスピンアウトすることが、クラスターにおいて重要な役割を果たしている
・チボリ・システム。事業アイデアがIBM社内では認められないため、スピンアウト。IPOを果たすがIBMに買収される。スピーディーさが失われ、主要メンバーが再度スピンアウト
・ベンチャー企業の出口戦略、日本ではIPOだが、アメリカでは大企業によるM&A
・シリアルアントレプレナー(複数回、会社を設立した人)が経験、スキル、ネットワークを活かし、境界横断的に出口戦略を果たしていく
・ネットワークは、起業家のみならず、VC、支援機関、大学など外延性を含むと有効に機能する。ただし、適切な維持をしないと時間と共に減衰していく
オースティンに限らず、シリコンバレー、ボストンでも同様と言うことですが、企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するには、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムにより、技術、知財、人材、資金が動くことが大切です
大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムは、ポジティブな関係だけではなく、
・大企業をレイオフされた人々が、新しい産業を創る
・大企業をスピンアウトしたベンチャー企業を、数年後にその大企業がM&Aで吸収
のように、かなりドロドロしたものも含みます。これらを含めたエコシステムの中で企業家精神(アントレプレナーシップ)は活かされる、ようです
に参加します。
今日の講師は、
東京大学 産学連携本部 事業化推進部長 各務 茂夫教授
以前ボストンコンサルティングに勤務され、その後、起業された経験がある方です
なお、各務先生のアントレプレナーに関する講演は、
アントレプレナーシップ「業を起こす者よりも、むしろ業を企てる者」
アントレプレナーシップの教育は難しい?
に書いておりますので、ご参照ください
企業家精神(アントレプレナーシップ)と書きましたが、これは「起業家精神」の誤植では?と思った方もいるかと思います
上に、
アントレプレナーシップ「業を起こす者よりも、むしろ業を企てる者」
と書いたように、アントレプレナーは必ずしもベンチャー企業を起す者ではなく、業を企てる(くわだてる)者、Passion(志)とIntelligence(知性)を併せ持つ者、と考えると、しっくり来そうです
今日は、前半ではこのアントレプレナー全般についてのお話、後半ではシリコンバレーと並ぶ、アントレプレナーのエコシステムと言われるテキサス州のオースティンを例に、大企業、大学、ベンチャーの技術、人材、資金のエコシステムのお話があります。
(アントレプレナー全般)
・スタンフォード大学の技術移転、開始から利益をあげるまで17年かかった
・日本の大企業の技術開発、自前主義が強く、欧米のようなベンチャーの買収はあまり考えない。産学連携においても同様に自前主義
・アメリカの企業にはベンチャーキャピタルを通じて、年金基金が入ってきて、運用のプレッシャーがかかる
・IBM、大型メインフレームからビジネスソリューションへのビジネス転換。1993年にルー・ガーソナーが基礎研究が中心のワトソン研究所を応用研究にシフトさせ、ノーベル賞級の研究者が次々に退職。大学との産学連携へシフト
・Googleとスタンフォード大学、基本技術は大学院生の成果で、知財は大学に帰属、2004年株式公開後に大学が持分(全株式の1%)を売却し、400億円の売却益
・スタンフォード大学予算の比率:外部研究資金(29%)、基金等投資収入(24%)、授業料(18%)、医療機関収入(13%)、その他収入(16%)
・イノベーション創出と産学連携モデルへの転換:従来のリニアモデル、自社内で基礎研究→応用研究→実用化。オープンイノベーション、基礎研究(大学)、応用研究(ベンチャー)、実用化(大企業)共同研究、戦略的提携
・バブル崩壊による金融機関の破綻により、ベンチャーキャピタル等への人材流動、ある意味でよかった。現在のメーカー大企業から新興国ベンチャーへの人材移動が何をもたらすか?
(イノベーションのエコシステム)
・自己完結できる企業など存在しない。いかなる企業も、その成功は、支援企業やインフラに左右される(マイケル・ポーター)
・成長著しい地域経済を見ると、例外なく、クラスターが形成されており、生産性、イノベーション、競争力の面で重要な役割を果たしている(マイケル・ポーター)
・テキサス州オースティン、ビジョナリストによる計画的・人為的な「場」において、大学、ベンチャー、大企業の有機的、偶発的な展開が見られた
・クラスター形成においては、大企業からのスピンオフが、ベンチャーとしても人材としても母体になっている
・大企業が優秀な人材を集積させ、教育し、人的ネットワークを形成し、社内ベンチャーを育成し、それらの人材がスピンアウトすることが、クラスターにおいて重要な役割を果たしている
・チボリ・システム。事業アイデアがIBM社内では認められないため、スピンアウト。IPOを果たすがIBMに買収される。スピーディーさが失われ、主要メンバーが再度スピンアウト
・ベンチャー企業の出口戦略、日本ではIPOだが、アメリカでは大企業によるM&A
・シリアルアントレプレナー(複数回、会社を設立した人)が経験、スキル、ネットワークを活かし、境界横断的に出口戦略を果たしていく
・ネットワークは、起業家のみならず、VC、支援機関、大学など外延性を含むと有効に機能する。ただし、適切な維持をしないと時間と共に減衰していく
オースティンに限らず、シリコンバレー、ボストンでも同様と言うことですが、企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するには、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムにより、技術、知財、人材、資金が動くことが大切です
大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムは、ポジティブな関係だけではなく、
・大企業をレイオフされた人々が、新しい産業を創る
・大企業をスピンアウトしたベンチャー企業を、数年後にその大企業がM&Aで吸収
のように、かなりドロドロしたものも含みます。これらを含めたエコシステムの中で企業家精神(アントレプレナーシップ)は活かされる、ようです
2013年02月04日
東京大学より
知の構造化センターシンポジウム2013
と言う案内が来ました
「知の構造化センター」
によると、
>
「知の構造化」とは、コンピュータを使って大量の情報を処理し、各要素の間の関係性を明らかにし、利用可能にすることです。これによって、大量の情報を様々な用途に活用することができます。
知の構造化技術は情報を提示するだけではなく、情報と情報の関係性を提示することにより、情報の全体像の把握、知識の構造的な理解、知的な発見やアイディアの発想を支援することができます。
重要なことは、知の構造化技術をツールとして使うことによって、人間の認知や世界の捉え方、その歴史的変化、アイディアが生まれる状況、人間同士、また環境と人間のインタラクションなど、様々な現象の理解を深めることができることです。これは、よりよい観測装置によって科学が進化してきたことと同じであり、大量のデータを構造化することで、対象をより適切に観測する手段を得、それによって新たな洞察が得られることが期待されます。
>
東京大学「知の構造化センター・シンポジウム」は何度か開催されており、参加記は
東京大学「知の構造化センター・シンポジウム(Webと知の構造化)」
にも書いていますので、ご参照ください
今日のテーマは、
「ビッグデータと知の構造化」
「i.school: イノベーション教育における知の構造化ツールの活用」
「進化する教科書,思想の構造化」
「医療と知の構造化」
などですが、それぞれが関連するので、出た話をまとめて書きます
・6ヵ月後の予測、TwitterよりもWikipediaの方が制度が高い。後者の入力者の方が専門性が高い
・Twitterは他人に見られる、Evernote自分だけ、後で振り返ってみると前者の方が、文章の質がよい
・実際に問題を解決するために集まったグループと、ケーススタディー演習のためのグループ、後者の方が責任が薄い分、問題から離れて俯瞰して見ることができるメリット
・リアルの場、多数決に左右される傾向、場の支配的な意見と異なることはネットを併用すると有効
・ワークショップの感動、その場に居合わせないと共有できない
・人間中心イノベーション、必ずしも技術革新ではなく、生活する場のデザイン、ちょっとした工夫から
・人工知能による発想支援、人が発想する場合とコンピューターが発想する場合がある、両者の融合が大切
・「いらない」と考えていたもの、「おまけ」が重要な機能になることがある。例えば、検索機能は当初「おまけ」と思われていたが、現在は重要な機能
・グループワークと一人作業、前者の煩雑さから、一人でやる方が楽、な場合が多いが、後者では、他者理解が広がる、新たな視点を得る、ことができる
・フェース・トゥー・フェースでは、うまく表現できないことがあり、場を離れたメール、SNSの方がしっかり考えを表現できる場合が多い
・混沌とした知識を分野、組織、時代を超えて活用するために「知を構造化」する
・書籍、論文をディジタル化することにより、知の構造化に着手できるようになる
・知識が爆発的に増加し、分野が細分化した時代には、自立分散的に創造された知識を構造化し、リアルタイムに編修し、最新研究成果を反映する
・研究と教育のつながり、最新の研究成果をリアルタイムで反映できるように、教科書のディジタル化
・文書のディジタル化、OCRの精度は95%、読み物としては「まあまあ」だが、学術的研究には不可、OCRにソフト機能を付加して、精度を99.85%まで高めた
・知の構造化、知の縦糸と横糸を紡ぐ、分野横断の横糸が主に論じられるが、経緯、歴史的変遷の縦糸も大切
・論文、ウェブなどに公表されている知識の構造化は比較的容易だが、個人のメモなどに分散して、埋もれている知識を発掘すると新たな発見があり得る
・診断支援プラットフォーム、検索に入力された症例は、検索者の同意の上で、自動的に蓄積されることがシステムを充実させていく
・電子カルテ、首都圏、都市部の医療施設では便利だが、野戦病院のように荒廃した地域医療の現場で、医師が治療しながら電子入力は難しく、進まない
なお「知の構造化」に関しては、
知の構造化とイノベーション
知の見える化、触れる化、構造化ー知識からの価値創出,再活用化
のスライドがわかりやすいです
知の構造化センターシンポジウム2013
と言う案内が来ました
「知の構造化センター」
によると、
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「知の構造化」とは、コンピュータを使って大量の情報を処理し、各要素の間の関係性を明らかにし、利用可能にすることです。これによって、大量の情報を様々な用途に活用することができます。
知の構造化技術は情報を提示するだけではなく、情報と情報の関係性を提示することにより、情報の全体像の把握、知識の構造的な理解、知的な発見やアイディアの発想を支援することができます。
重要なことは、知の構造化技術をツールとして使うことによって、人間の認知や世界の捉え方、その歴史的変化、アイディアが生まれる状況、人間同士、また環境と人間のインタラクションなど、様々な現象の理解を深めることができることです。これは、よりよい観測装置によって科学が進化してきたことと同じであり、大量のデータを構造化することで、対象をより適切に観測する手段を得、それによって新たな洞察が得られることが期待されます。
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東京大学「知の構造化センター・シンポジウム」は何度か開催されており、参加記は
東京大学「知の構造化センター・シンポジウム(Webと知の構造化)」
にも書いていますので、ご参照ください
今日のテーマは、
「ビッグデータと知の構造化」
「i.school: イノベーション教育における知の構造化ツールの活用」
「進化する教科書,思想の構造化」
「医療と知の構造化」
などですが、それぞれが関連するので、出た話をまとめて書きます
・6ヵ月後の予測、TwitterよりもWikipediaの方が制度が高い。後者の入力者の方が専門性が高い
・Twitterは他人に見られる、Evernote自分だけ、後で振り返ってみると前者の方が、文章の質がよい
・実際に問題を解決するために集まったグループと、ケーススタディー演習のためのグループ、後者の方が責任が薄い分、問題から離れて俯瞰して見ることができるメリット
・リアルの場、多数決に左右される傾向、場の支配的な意見と異なることはネットを併用すると有効
・ワークショップの感動、その場に居合わせないと共有できない
・人間中心イノベーション、必ずしも技術革新ではなく、生活する場のデザイン、ちょっとした工夫から
・人工知能による発想支援、人が発想する場合とコンピューターが発想する場合がある、両者の融合が大切
・「いらない」と考えていたもの、「おまけ」が重要な機能になることがある。例えば、検索機能は当初「おまけ」と思われていたが、現在は重要な機能
・グループワークと一人作業、前者の煩雑さから、一人でやる方が楽、な場合が多いが、後者では、他者理解が広がる、新たな視点を得る、ことができる
・フェース・トゥー・フェースでは、うまく表現できないことがあり、場を離れたメール、SNSの方がしっかり考えを表現できる場合が多い
・混沌とした知識を分野、組織、時代を超えて活用するために「知を構造化」する
・書籍、論文をディジタル化することにより、知の構造化に着手できるようになる
・知識が爆発的に増加し、分野が細分化した時代には、自立分散的に創造された知識を構造化し、リアルタイムに編修し、最新研究成果を反映する
・研究と教育のつながり、最新の研究成果をリアルタイムで反映できるように、教科書のディジタル化
・文書のディジタル化、OCRの精度は95%、読み物としては「まあまあ」だが、学術的研究には不可、OCRにソフト機能を付加して、精度を99.85%まで高めた
・知の構造化、知の縦糸と横糸を紡ぐ、分野横断の横糸が主に論じられるが、経緯、歴史的変遷の縦糸も大切
・論文、ウェブなどに公表されている知識の構造化は比較的容易だが、個人のメモなどに分散して、埋もれている知識を発掘すると新たな発見があり得る
・診断支援プラットフォーム、検索に入力された症例は、検索者の同意の上で、自動的に蓄積されることがシステムを充実させていく
・電子カルテ、首都圏、都市部の医療施設では便利だが、野戦病院のように荒廃した地域医療の現場で、医師が治療しながら電子入力は難しく、進まない
なお「知の構造化」に関しては、
知の構造化とイノベーション
知の見える化、触れる化、構造化ー知識からの価値創出,再活用化
のスライドがわかりやすいです