2013年05月

2013年05月29日

ソーシャルベンチャーとしての政治家〜これからの日本の教育の進むべき道と政治家の役割〜文部科学大臣・下村博文@早稲田大学

という案内が来ました。

130529下村

現職の大臣が学生に向けて話す場合、国会の場、報道機関向けと違い、多くの場合、「本音」が混ざります。

下村文部科学大臣は群馬県の山間部で育ち、小学生の頃、父親を交通事故で失い、奨学金を受けながら、高校卒業後、早稲田大学に進学し、その後、都議会議員を経て、衆議院議員になり、現内閣で文部科学大臣を務めています。

小学校の時に、恵まれない環境でありながら、先生から「文部大臣になるかもしれないね」と言われた一言が、心に残ったそうです。

いわば、日本版アメリカンドリームを果たした、とも言えます。

また、大学在学中、卒業後に家庭教師、学習塾などで、成績がよくなく、先生、親に見放された生徒の「やる気」を生み出し、数多くの成功例をもたらしています。

では、下村文部科学大臣が早稲田大学学生に伝授する、日本版アメリカンドリームをまとめてみます。


・単年度の研究予算では、優秀な研究者、技術者、専門家を雇用できない。

・日本にある783の大学のうち、30大学くらいはグローバル人材育成に対応してほしい。

・海外の大学と提携、単位交換などによる人材交流が可能。

・受験英語をかなり行っているのに、海外の人と英語で話せない人がほとんど。

・大学入試にTOEFLを基準点として採用して、基準点をクリアすれば、英語の試験を免除するようにする。

・日本の大学進学率51%、OECD諸国の平均61%、韓国、アメリカ70%に比べて決して高くない。

・社会に出てからの大学、大学院での学び直し、動機づけが強く、目的が明確。 

・日本の一人当たりのGDPはここ20年で世界2位から27位に後退。

・教育により、人材を高度化し、付加価値を生み出す。 

・教育とは未来に対する先行投資。

・自分をダメだ、と思う日本の高校生83%、諸外国に比べ、はるかに高い。これでは、幸せには、なれない。 

・子供はちょっとしたことで変わる。「やる気」がポイント。

・人間の潜在的な可能性、まず、ビジョン、目標、動機を持つこと、次に、継続的な勉強の積み重ね 

・富士山に登れるのは、登ろうと思うから。散歩していて、たまたま富士山に登れることはない。

・これからの時代は幕末以上に激動の時代を迎える。

・立ちはだかる「困難」は自分を磨く可能性である。 

・メダリストになるか、ならないか、は「限界」をどれだけ超えたか?の違い。

130529早稲田

アメリカンドリームを達成するには、おぼろげながらも目標を持って、試行錯誤、失敗しながらも、成功事例を着実に積み重ねる、ことでしょうか。

明治以来の日本の教育は、欧米先進国へのキャッチアップという意味では、ホームレスでも新聞が読める、など、質の高さで一応の成功は収めた、と言えるでしょう。

しかし、教育もグローバル化する中、日本ではトップの東大、京大と言えども、世界水準では、ハーバード、スタンフォード、MITには大きく水をあけられている、と言わざるを得ません。

下村大臣が先頭に立って、どのような教育改革が行われるのか、楽しみです。




2013年05月27日

最近、各大学が年に1回、卒業生をキャンパスに招く、ホームカミングデーが盛んにおこなわれるようになりました

130527東工大1

「TAK」さんは東大の大学と大学院、東工大の大学院を修了しましたが、

東大のホームカミングデーは11回目を数え、最近は毎回参加し、その様子は、

大学はふらっと立ち寄るプラットフォーム、東大ホームカミングデイに寄せて

世代を超えて集まろうじゃないか!東大卒業生 東大ホームカミングデー

根強い人気の秘訣 NHKアナウンサーの小野文恵さん

に書いています

東工大はホームカミングデーは今年で2回目、1回目の昨年の様子は、

東工大ホームカミングデー・池上彰教授特別講演に行ってきました

に書いてあります。

そこに、


正直言って、10回目の東大に比べると、1回目の東工大は、運営、イベントに不慣れなところがありますが、それは仕方がないこと、とにかくやることに意義があります

東工大に限らず、第1回目のホームカミングデーの特徴は、高齢卒業生と在校生、若年卒業生が目立って、その中間がポッカリあく、ことでしょうか

回を重ねるごとに、次第に、来なかった年代層も戻ってくるようになります

さて、東工大は今年からわかりやすい解説で定評のある、ニュースキャスターの池上彰さんをリベラルアートセンターの教授に迎えています

ホームカミングデーでは特別講演がある、ということで早速聞きに行きます

1回目の開催は職員、在校生が準備の主体になりますが、2回目以降は次第に卒業生有志が加わるようになります。今後、もっと幅広い卒業生がつながるようになれば、と楽しみです


と書きました。

これを踏まえつつ、

第2回東工大ホームカミングデー

に参加します。

まず、着いて、驚いたのが、キャンパスが「閑散」としていて、人の姿が、まばらなことです。日程を間違えたかしら?と不安になったほどでした。

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ホームカミングデーは学園祭とは違います。

ただ、年に1回、卒業生に懐かしいキャンパスに来てもらう、普段着でありながら、ちょっと「よそゆきの場」です。

案内所と、ちょっとした模擬店の特設テントくらいあってほしいところですが、案内所は建物の中、特設テントは
「岩手物産展」というものが、ひとつだけ、誰も立ち寄らず、スタッフが手持無沙汰です。

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「何のおもてなしもできませんが」と言いつつ、さりげない心遣いがある「場」と思うのですが、これでは、本当に「何のおもてなしもありません」

上記のように、昨年はニュースキャスターの池上彰さんの特別講演があり、講堂が満員でした。

今年の基調講演は、東京スカイツリーのお話を建設に携わった企業、卒業生である経営の方がなさったのですが、会場はガラガラ。

基調講演とは、誰もが知っている、旬な著名人が行い、集客を高める意味があります。

企業の経営陣は、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブス、カルロス・ゴーン氏などを除けば、著名人ではありません。

東京スカイツリーの話も、利用開始から1年たった現在では、どこかで聞いたことがあり、「賞味期限切れ」です。

お酒を飲み、食べ物をつまみながら、交流する「全体交流会」があるのですが、参加費3000円で事前振込みで、当日参加は不可、となっています。

事前振込みの方が取り扱いが便利なのはわかりますが、こういったイベントで、交流会に参加するかどうか?は、「久しぶりに、懐かしい友達とあって、もう少し話がしたい」など、当日の、予想できない事情に左右されます。

「TAK」さんは参加しませんでしたが、参加者はとても少なかった、と聞きました。

以上、東工大ホームカミングデーについて、辛口の感想を書きました。

卒業生ネットワークとコミュニケーション




同窓会ネットワークとは、昔を懐かしがるためだけでは、もったいない、ものです。

卒業生というつながりで、必ずしも同じ時期ではない先輩後輩も時代を超えてつながることができれば、強力な社会インフラになります。


と書きました。

卒業生ネットワークとは大学の重要な社会インフラです。ホームカミングデーとは、その重要な社会インフラを形成する、卒業生に来てもらう、大切なイベントです。

東工大の、来年度の取り組みに期待します。





2013年05月24日

30代後半のキャリアを考える:激流、筏下りの「先」にあるもの

というイベントの通知が来たので、参加することにします。

参加して、驚いたのは、こういうイベントでは、当日、急に都合が悪くなる、など、キャンセルが出て、会場に多少空きがあるのですが、今回は超満員、参加者は30代後半よりも少し上の40代が主流、男女比率は6:4というところでしょうか。

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キャリアを考える場合、30代後半は、ひとつのポイントになります。

「激流、筏下りの「先」にあるもの」とタイトルになるように、30代前半までは、会社に就職した場合、みんな一斉に、激流にもまれながら、実力をつけてきました。

ただ、「激流」とは、自分が起こしたものではなく、周囲から与えられることが主でした。

ところが、30代後半となると、組織にもどっぷりつかり、組織内の知識、慣習、処世術もすっかり会得し、

「激流」も、ゆるやかになったり、流れに身を任せる術も身に着けたりします。

それとはちがって、今後は自分発のプロジェクト、など、流れを起こす側に回り、流れの方向を決める立場になります。

現場一線だけでなく、現場から少し離れた管理業務も行うようになります。

マネージャーをするのか、専門性を磨くのか、決断、選択を迫られます。

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昔は、マネージャー・ポジションへの昇進が自然でしたが、いくつかの専門性を持たない、単なるマネージャーは、誰でもできる、すぐに取り換えができる、リストラされやすいポジションでもあります。

もちろん、20代、30代前半、40代、50代にそれぞれキャリアを考える難しさがあるのですが、「TAK」さんは、30代後半のキャリアを「25匆瓩たマラソン」と比喩しました。

マラソンは始まると先頭集団、第2集団などができます。金メダルを取る選手でも、中盤までは集団にいて、25劼魏瓩たころから、集団が崩れ、各自の勝負が始まります。

会社に就職した場合、最初の頃は、同じ年次について横並びで、先頭集団、第2集団のような人事処遇が行われます。同じ年次の横並び人事処遇が崩れるのが、30代前半くらいでしょうか。

ここに書いたことは、少し前までの時代のことで、現在では、大企業でも、自分の仕事がなくなる、所属する事業部が売却される、など、先行きが不透明で、35歳が転職できる最後のチャンス、などと言われています。


さて、キャリアを考える場合、「自分」を少し離れた位置から、所属する組織の枠組みを外して見てみるのがよかったりします。

ところが、上に書いたように、「組織にもどっぷりつかり、組織内の知識、慣習、処世術もすっかり会得した」状態では、組織内の知識、慣習が暗黙の常識として、とっくにしみこんでいて、枠を外して考えることができず、枠の中でもがく、ことになってしまっています。

見えない透明の、組織の常識が、かぶさってしまい、支配的になり、

・「自分はこうなるだろう」と認知的に思い込み、
・感情的には、見えない不安にかられます

このイベントでは自分の「軸になるスキル」「価値を感じること」「興味があること、目指したい分野」をあげて、他参加者から「自分が5年後に活躍している姿」を、なるべく無責任なほど大げさに、想像してもらいました。

他参加者からは、自分では気づかない視点を、もらうことができます。

自分では気づかなかった視点により、「見えない透明の、組織の常識」が破けて、思い込んでいた「自分はこうなるだろう」という姿が揺らいできます。

この少し揺らいだ状態で、未来の自分に起きること(構想)と過去の自分に起きたこと(内省)を起こる/起きた時期と共に列挙してみます。

過去からの列挙と、未来からの列挙、をそれぞれしてみます。

このワークには答えはありません。ただ、思い込んでいた「自分はこうなるだろう」という姿とは、違うイメージが生まれるかもしれません。

なんか発散してまとまりがありません。でも、キャリアを考えるのは、思い込みをほぐして、発散させて、また次第に集結させていく、このプロセスの繰り返しかもしれません。




2013年05月22日

武器としての教養とネットワーク

コラボレーション:あなたが変えると、あなたも変わる?

で、元マッキンゼー&カンパニーのコンサルタントであり、現在エンジェル投資家、京都大学客員准教授として活躍している瀧本哲史氏のお話を書いてきました。

整理してみると、これからの正解のない不定型な問題ばかりの時代を生きていくには、「コラボレーションできるネットワーク」がキーポイントになりそうです。

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ひとりっきり、たったひとりではなく、何かするにはコラボする人、ネットワークが欠かせません。

スティーブ・ジョブスはスティーブ・ウォズニアックと共に、ビル・ゲイツはポール・アレンと共に、事業を始めています。

異分野交流会から始まるつながり、始まらないもの




交流会では、名刺を配りまくっている人がいますが、一体どれだけ有効なのか?疑問です

また、挨拶メールをくださる方がいらっしゃます

「昨日はどうもありがとうございました。また、よろしくお願いします」

という感じでしょうか

交流会でその方と有意義な時間を過ごすことが出来たのであれば、これは有効です

ただ、単に名刺を交換しただけで、「この人、どの人だったかな?」と顔を思い出しながら、という状態だと、挨拶メールの交換で終わってしまいます


と書きましたが、「コラボレーションできるネットワーク」とは、交流会の名刺交換で、できるものではありません。


瀧本さんのお話から「コラボレーションできるネットワーク」をキーワードに拾い出してみると、

・ネットワークは創れない、出来上がるもの。知られる、貢献できるの偶然性

・ネットワーク、つながっている人が自分を規定する。「コミュニティーの橋」「ハブ」に価値がある

・フィルタリングの重要性、時間、リソースは有限であり、良質の人、モノを選択する重要性が増す

・ハブがよいのは、ネットワークが成果を生むこと

・私の成功は、私の周りの人の成功によって、測定される

・コミュニティー(地縁血縁に由来する同一の価値観を共有する)からヘテロニティー(異質体が、ある一点の興味や思いで、ほんの一瞬、部分的につながる)へ移行

・転職時に有効な「弱いつながり」とは、自分と位相を共有していない、つながり

・学校、教育の価値だけでなく、同級生のネットワークにつながる価値が大きい

・ビジネススクール:ケースメソッドを行うのに、個人ではなく、グループワークが行われる。多様な人々のチームを形成することが、ネットワークになる

・公式なネットワークよりも非公式なネットワークが役にたつ

・ネットワークを形成するには「ギブ」できるものが必要。大量のインプットによるアウトプットとコミュニケーション力

・カリスマリーダーにより変わる時代から、参加者のつながりで変わる時代へ

・ゆるやかなつながりは、ビジョン、目標の共有により起こり、参加、離脱が自由

・グループディスカッション:自分のアイデアを説得し、優位に立ち、通そうとするのが一番ダメ、メンバーの意見をつなぐハブの役目が大切

・これからのチーム、小さいコミットから必要性が実証された人を選別し、少数のコアメンバーと多数の周辺メンバーからなり、スキルは、お互いを補完しようとする結果の学習により獲得され、流動的


「コラボレーションできるネットワーク」には、実社会のネットワークだけでなく、ネット上のネットワークも含まれます。

無理して仲良くしないこと?




大切なことは、無理して仲良くしないことです。無理して仲良くしようとすると、ストレスがたまります。

と書きました。

実社会でも、ネット上でも、ネットワークは無理やり、創ろうとしても、うまく機能しません。

それよりも、意図した結果でも、そうでなくても、行動、活動の結果、出来上がっっていくのが、ネットワークであり、それがさらに、行動、活動を広げ、深めていく、ということです。





2013年05月21日

東大五月祭企画2048年の医療「医療を変えることは未来を変えることである」

という企画に参加しました。

130521東大

東大五月祭はお祭りの雰囲気に加えて、良質のイベントが満載で楽しいです。

卒業すると多くの卒業生が、足が遠のくのですが、「良質のイベント」という観点から、ぜひ参加してほしいものです。

さて、「2048年の医療」ということですが、単なる未来予測であれば、面白くありません。

130521医療1

このイベントでは、

基礎・臨床・社会医学の分野で革新を起こして来た3名の若手医師

上田泰己先生
東京大学医学部在学時にバイオテクノロジーの実験手法やソニーコンピュータサイエンス研究所にてプログラミング手法を身につけ、20代という若さで理研のチームリーダーに抜擢されたシステムバイオロジーの研究者。

杉本真樹先生
外科医としての臨床経験を生かし、手術ナビゲーションシステムや3Dプリンターによる生体質感造形など、医療分野での最先端技術開発を行う。

山本雄士先生
東大医学部卒業後、6年間日本で循環器内科や救急医療などに従事。その後、日本人医師として初めてハーバードビジネススクールでMBAを取得。「人と社会をもっと元気にする医療=ヘルスケアの実現を目指して」をミッションとして活動している。

が講師ということで、最先端技術を武器に、医療現場に革命を起こしつつある方々からのお話が楽しみです。

まずは、出たお話をまとめます。

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・ゲノム以降の生命科学、(見つける、測る わかる生物学、システム生物学)、(操る、創る 創る生物学、合成生物学)

・医療の進歩、ゲノム等のバイオ技術だけでなく、光学、情報通信、ディジタル化など、「医療の可視化」によるものが大きい

・高解像度カメラにより、今まで見えなかったものが見えるようになった

・高解像度カメラなど光学、情報通信、ディジタル化技術の進歩により、患者の
患部を直接見る以上に、治療箇所が的確に見えるようになった

・電子カルテ、医療情報データベースによる、情報共有は個人情報の問題は大きいものの、間違いなく全体のレベルアップにつながる

・医療にビジネスと言うと、人が困っていることで金儲け、と悪く思う人も多いが、ビジネス化は公的資金に頼らず、物事を動かすメカニズム

・インターネットのように「これがなかった時代など想像できない」という医療イノベーションは何になるか?現時点ではわからない

・病気になる前に健康を気づかせることは難しい。自覚できない

・ゲノムにより、自分に将来起こりうる病気をある程度、予測することができるが、外的条件も相当大きい

・健診は「わかって対処できること」にメリットがある。わかっても対処できないことは健診すべきか?

・医療は非日常ではなく、日常の延長

・科学的に正しいことと、社会的に正しいことは違う

・経験と技術は、トライ・アンド・エラーで着々と身に着けざるを得ない。情報だけでは埋まらない

・1961年の平均余命10年は65歳、現在の平均余命10年は75歳

・幸せは結局は他人との比較、何歳まで生きたいかも同様

・多くの人が集まる意味、「そこから何が生まれるか?」集まってテキストを読むだけでは意味がない

・研究者が「凄い!」と感じることを解決していくことが、大きなブレークスルーになっている



・マイクロチップを人体に貼付することにより、血圧、脳波などを24時間モニタリングする

・医師が症例データベースにより、患者の症状をその医師の経験の範囲内でなく、広く照合し、診察する

などは既に行われつつあります。

これまでは「患者の自覚症状により、通院する」というパターンでしたが「計測データから未然に対策」が現実のものになりつつあります。

光学、情報通信、ディジタル化などにより「医療が可視化」され、3Dプリンターにより、「可触化」されつつあります。

一方で、

東京大学「知の構造化センター・シンポジウム」に参加しました

に書いたように、


電子カルテ、首都圏、都市部の医療施設では便利だが、野戦病院のように荒廃した地域医療の現場で、医師が治療しながら電子入力は難しく、進まない


という障害もありそうです。

ただ、

勘、経験からデータに基づくライフスタイルの時代へ

で書いた、光学、情報通信、ディジタル化などによる「可視化」、3Dプリンターによる「可触化」など、医療だけでなく、社会全般で起こりつつある技術の進化が医療の進歩にも大きくかかわりそうです。




2013年05月20日

元マッキンゼー&カンパニーのコンサルタントであり、現在エンジェル投資家、京都大学客員准教授として活躍している瀧本哲史氏の講演会

が東大五月祭である、というので参加することにしました

瀧本哲史氏×朝比奈一郎氏トークセッション『武器としての教養』「正解のない不定型な問題を個々人が主体的に選択して解く」という新しいゲーム。ゲームを勝ち抜くための武器として、「教養」と「ネットワーク」

ということです。

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瀧本さんの講演は、

「武器としての決断思考」瀧本哲史氏講演会(五月祭)に参加しました

コラボレーション:あなたが変えると、あなたも変わる?

で伺っていますが、瀧本さんの話し方は、かなり早口で付いて行くのが大変です。

今回も早速メモしてまとめてみます。


・今まで「課題を解く」「最適化」「100%の真実」「改善」→これから「課題自体の発見」「トレードオフと価値観」「60%少数意見が多数に変わる」「非連続、破壊的なイノベーション」

・変革者は非常に若いか、危機に陥っている分野の新人。古いパラダイムで決定される世界観、ルールにとらわれず、役に立たないから、他のものを考えることになる

・新しい説が古い説を説得するのではなく、古い説の人が引退していき、新しい説が取って代わる。説得は莫大なエネルギーを必要とし、頑固な人たちにはあまり有効でない

・小さなゲリラ的チームで、たくさんのリーダー候補がチャレンジし、成功したモデルを広げていく

・小さなチームの方が変化に対応しやすく、意思決定が速く、失敗してもやり直しがきく。たとえば、クリントンはアーカンソー州知事、オバマはシカゴのコミュニティー・オーガナイザー

・アメリカの都市間競争、多様性を認める寛容性がある都市が、よそから才能、人を集めるので強い

・転職時に有効な「弱いつながり」とは、自分と位相を共有していない、つながり

・大学の機能、メディチ・エフェクト。異なる文化、領域、学問が1か所に収斂する場所

・これからの課題、非定型で達成可能だが、とても高いもの

・これからのチーム、小さいコミットから必要性が実証された人を選別し、少数のコアメンバーと多数の周辺メンバーからなり、スキルは、お互いを補完しようとする結果の学習により獲得され、流動的

・「構造化された体系」を学ぶよりも、複雑な世界の中に「構造」を見つける

・コンサルタント、他業界の当り前が役にたつ、先行研究をもとに、新しい解をテーラーメイドで創り出す。(再現性が高い理論は、模倣が容易で、優位性がない) 

・ネットワーク、つながっている人が自分を規定する。「コミュニティーの橋」「ハブ」に価値がある

・ネットワークは創れない、出来上がるもの。知られる、貢献できるの偶然性

・フィルタリングの重要性、時間、リソースは有限であり、良質の人、モノを選択する重要性が増す

・ハブがよいのは、ネットワークが成果を生むこと

・私の成功は、私の周りの人の成功によって、測定される

・コミュニティー(地縁血縁に由来する同一の価値観を共有する)からヘテロニティー(異質体が、ある一点の興味や思いで、ほんの一瞬、部分的につながる)へ移行

・東大、京大の学生、1年生が最も優秀で学年が上がるにしたがって、その優秀性がなくなり、社会人学生にはほとんどない

・非凡な人を引き付け、居続けてもらう会社をつくる(マッキンゼーのミッション)

・学校、教育の価値だけでなく、同級生のネットワークにつながる価値が大きい

・ビジネススクール:ケースメソッドを行うのに、個人ではなく、グループワークが行われる。多様な人々のチームを形成することが、ネットワークになる

・「前例がない時代」の「前例」を学ぶ。明治維新、敗戦直後など

・海兵隊、陸海空軍があるので「いらない」と思われた集団は、何とか「価値」を生み出そうとする

・リクルートの強さ、事件で創業者が逮捕され、消滅することへの危機から、伸びた

・80の努力で100の成果を得ようとするのではなく、120、150の努力を行い、そこで100の成果が得られれば、と考える

・グローバル社会とは空間的な広がり(地理的)だけでなく、時間的な広がり(歴史)も大切

・決断、判断には、客観的な根拠が求められるが、実際はかなりの部分を主観的に行っている

・人生は客観的でも公平でもない。それに慣れることが大切

・非凡な人が集まる「場」の力は大きい。その「場」を求めていく

・これからの研究テーマは、ひとりで単独で行うテーマよりも、周囲を巻き込まなければできないテーマが面白い

・自らアクションを起こしている人が、周囲に教えている

・大学が教えることは、学び方、情報処理能力であり、知識は副次的

・「正解」を学ぶのではなく、「問い」を「学び」ながら、「正解」をつくっていく

・万巻の本を読んで(良質な知識)、千里の旅に出て(経験)、アウトプットを行う

・自分の専門外の知識を得るには、良質な講師による講演会に参加するのが有効。本だけ読むのは難しい場合もある 

・公式なネットワークよりも非公式なネットワークが役にたつ

・カリスマに集まる同質な集団よりも多様な場の方が役にたつ

・ネットワークを形成するには「ギブ」できるものが必要。大量のインプットによるアウトプットとコミュニケーション力

・論破されたら、自分の方が「上」の立場であっても、素直に認めること


お話は多分野に及び、まとめるのはちょっと難しそうなので、この中から、気になったフレーズについて、少しずつ書いてみます。




2013年05月14日

東京工業大学は、1881(明治14)年に「東京職工学校」として開設されたのですが、発祥の地は、蔵前で、1923(大正12)年の関東大震災により 施設の大半を失なったため、現在の目黒区大岡山に移転した、ということは学外にはあまり知られていません。

130514大岡山

そのため、東京工業大学のOB・OG(少数ですがいます)組織、同窓会には「蔵前工業会」という名称が使われています。

卒業生と現役学生が交流する場として、大岡山蔵前ゼミ

と呼ばれるゼミがあり、社会で活躍された卒業生のお話を伺うイベントがあります。

130514大岡山1


日立製作所元社長庄山悦彦氏をお呼びして「世界にはばたけ、モノづくりの心」というタイトルでお話を伺う機会がありました。

現在は日本の電機産業すべて併せてもサムソンにかなわない、リストラ・人員削減の電機不況、という状況ですが、日本の成長期の原動力となったのが、日立、東芝などの電機産業であったことは間違いありません。

この時代の活躍、現在の取り組み、未来への起死回生策からいろいろなヒントを伺えそうです。

早速出たお話をまとめます。

130514蔵前

・日立鉱山で使用する機械の修理製造部門が、1910年(明治43年)に国産初の5馬力誘導電動機(モーター)を完成させて、日立製作所が設立された。

・企業は利益をあげるだけでなく、社会にどう貢献できるか?

・人事ローテーション、成果が出ていないので他の仕事に廻す、成果が出ているので他の分野でも成果を出してもらう、の2つがある

・逃れられない外的要因、素早く対応するしかない

・東日本大震災に対する日本国民の落ち着いた対応、世界に誇れるもの

・震災後のエネルギー政策、単に「脱原発」ではなく、中長期的な視点での検討が不可欠

・生産拠点、サプライチェーンの複線化、分散化、大震災が教えてくれた教訓

・大震災からの復興は、日本が抱える積年の諸課題を一気に解決する絶好の機会でもある 

・管理者には自分の専門外の問題が降りかかる。その時に、最適任者を見つけるだけでなく、自分でもしっかり理解することが大切 

・習うなら、プロから習う 

・異なる分野を経験することの重要性、重電から家電への異動、年単位の納品から秒単位の生産へ、スピード感を意識するようになった

・不良品率が0.001%でも、当該顧客にとっては100%

・経営者は顧客、株主、サプライヤー、官公庁など、多面的な関係の中で、スピーディーな決断をしなければならない

・M&A、分社化、合併など、今でこそ、普及してきたが、当初は(今でも?)ものすごい抵抗がある

・他社との協働、連携にはトップ同士の信頼関係、ボトムアップ力が大切

・新興国市場の変化、低賃金による生産拠点から、生活力向上による市場化、中産階級の増加により、低価格だけでなく品質の重要性が増してきた

・日本の強み、勤勉さ、チームワーク、世界最高のメーカーとユーザーを併せ持つ

・世界のリード役の推移:ヨーロッパ→アメリカ→日本→中国→インド・新興諸国

・ベンチャー企業の機動力、柔軟性、創造性「我が国経済のダイナミズムの源泉」

・これから大切なこと、人間力、行動力、知力、好奇心をもって課題解決、社会への貢献

・失敗を許容する覚悟を

・今後の日本の懸念:人材の質的低下、中国、韓国、米国に比べて

・理工系人材育成には、実は文科系知識、教養科目が大切

・人間には何度かの失敗、手痛い経験が不可欠

・「今やらねばいつできる。わしがやらねば誰がやる。」(平櫛田中)

・上杉謙信公の闘志、良寛和尚の達観(原田泰夫九段)

・リーダーに必要な要件:高い志、コミュニケーション、先送りしない決断力、国際性、人間力、明るさ、健康、苦労経験を大切に、実行力、説得力、表現力

・日本文化の中で育まれたチームワークなどが、海外で認められ、日本以上にうまく活用されている

・心意気とフレキシビリティー、信頼とスピード、執念とチームワーク

・新しいことをやるときは、知らないことだらけ

・常に考えているからこそ、イノベーティブなアイデアが生まれる

・社会に出ると学校で学んだことをなかなか使わないが、新しいことを学ぶ必要が出てきて、その際に学校で学んだことが基本となる

・知識はすぐに陳腐化するが、知恵はどこでも活用できる


高度経済成長を経験し、豊かになり、それゆえに生産コストが上昇し、生産拠点が東南アジア諸国に移ってしまった現在、
日本がかつての形でのモノづくり大国を復活できることはないかもしれません。

でも、モノづくりが世界のリーダーであった時から学ぶことはたくさんありそうです。




2013年05月13日

自分が「やりたいこと」が明確で、それが仕事にできれば、望ましいし、きっと成果もあがるでしょう。

ただ、この「やりたいこと」って、曲者です。

「自分がやりたいこと」は、やっているうちにわかる




最初から「自分がしたいこと」「自分がほしいもの」が必ずしも、明確にわかっている訳ではなく、行動していくうちに、行動した結果として、「自分はこれがしたかったんだ」「自分はこれがほしかったんだ」とわかることが、実は多いようです

あれこれ、思い悩んでいるよりも、手っ取り早く行動した方が「自分がしたいこと」「自分がほしいもの」をキャッチすることが出来ます

この「行動していくうちに」も、やみくもに行動するわけではありません

本人の意識では、あくまでも「偶然」。だが、その「偶然」が起こるための仕組みを本人が気付かずに行なっています。


社会起業は社会のニーズが出発点。自分がやりたいことが出発点ではない




「社会起業は社会のニーズが出発点。自分がやりたいことが出発点ではない」

社会起業をやりたい、と言う人の中に、「自分がやりたいこと」をしたいからと言う人を散見しますが、社会起業は社会のニーズが出発点です。


今の時代、インターネットの普及で、やりたいことって、割合簡単にできてしまいます。

就職活動でも、「やりたいこと」にこだわるあまり、状況を難しくしたり、せっかく就職、内定しても「やりたいことと違った」と辞めてしまう例が多いようです。

日本も過去をさかのぼると、今よりもはるかに制約がありました。

就職では、女子の採用が難しかったり、結婚、出産時に退職が条件であったりしました。

今では、すっかり珍しくなくなった東大の女子学生は、この当時は、ものすごい制約がありました。

その制約下で、どう対応してきたか?とても参考になるのでは、と思います。

いささか、前置きが長くなりましたが、

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女性が社会で活躍するということ@東大本郷キャンパス、元厚生労働省局長、元資生堂副社長の岩田喜美枝氏


というイベントに参加しました。

岩田さんは、上に書いた時代に東大教養学部で学び、労働省に入省し、2人の子どもを育てながら仕事を続けてキャリアアップを果たし、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長や、資生堂代表取締役副社長

を経験されています。

「やりたいこと」というよりも「これしかなかった」時代をどう生き抜いてこられたのか?出た話をまとめてみます。

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・仕事、何のために働くか?人生の目的?人生の手段?仕事を通じて世の中の役に立つ

・人生の3本柱:キャリアをつくる、家族をつくる、社会と関わる

・自分の能力、経験を超える仕事にチャレンジしてやり遂げることにより、成長する。難しい仕事が人を育てる。 

・異動、これまでとは異なる分野の仕事が人を育てる、どんな異動を何回できるか?

・民間企業、官庁は女子の採用が少なく、労働省だけが何とか採用してくれた。希望するというよりも、そこしかなかった。

・リーダーとはビジョンとハードワーク 

・夢を語り、その実現を宣言し、実行しきる 

・選択したくても、思うようになることばかりではない

・人材の多様性とは、市場の理解、変化・リスクへの対応、新たな価値の創造

・やりたい仕事にこだわりすぎない。やってみないと、やりたい仕事はわからない

・キャリアづくりを焦らない。思うようにはいかない。偶然の巡り会わせもある。仕事が面白くなるにはしばらくかかる。

・出産を希望するのであれば、先延ばししない。出産には「適齢期」がある。出産による休業はいつされても困る。 

・世の中のニーズと自分の課題がラップしたところで頑張る。

130513岩田

この講演会は女性が主な対象なのですが、男子学生、男子社会人も多く目にしました。特に質問の時間では、
男性が積極的なため、女性が質問を躊躇してしまったのでは?という感がありました。

元厚生労働省局長、元資生堂副社長というキャリアの方だからできたのでは?と思われがちですが、

資生堂は局長の「天下り先」として用意されていた企業ではありません。

「天下り先」として用意されていた企業を断り、自ら就職活動の結果、資生堂に就職されて、その後、役員、常務、副社長と進まれています。

「それしかなかった」ところからのキャリアつくり、いろいろと参考になりそうです。



2013年05月08日

「最後の楽園」と言われる、タヒチに行ってきました。大型連休をはさんで、2週間ほど、1年の1/24という、結構長い期間ですが、あっという間でした。

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「TAK」さんは、ブログに旅行のことはあまり書きません

スイス、ヴェネツィアの旅

のように、別のブログにしています

旅行のブログにアクセスする人は、

・これから行こうと計画されている方

・同じ場所に行ったことがある方

がほとんどで、それ以外の人には、関心がある情報ではありません。

「いいところでしたね」「もう少し足を伸ばすと、こういう穴場もありますよ」「私もひどい目に遭いました」などなど

旅行のブログにも反響はあります。

これはこれで楽しいのですが、話題が旅行だけで、それ以外に広がらないのです。

それゆえ、産学官、異分野の融合、創発のコミュニティー形成を目指す「TAK」さんには、あまり役に立つ情報発信ではありません

そのくせ、1テーマを書くのに、紀行文と写真の選定で30分から小一時間かかります。

ただ、旅行とは非日常的な行動の典型例です。そこで、気づいたこと、感じたこと、行ったことは自分の大切な行動記録です

「国家の品格」の藤原正彦氏のお父さん新田次郎氏が「アルプスの谷 アルプスの村」という紀行記を1979年に書いています。スイスへ行くのに、4回も乗り継ぎをしなければならない時代の貴重なもので、むさぼるように読みました

時代は進み、今では個人が簡単に海外紀行記を発信できます

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大昔のイタリア映画にタヒチを描いた「最後の楽園」というものがありました。その映画の中の挿入曲「パペーテの夜明け」が世界的にヒットしました。

その頃の日本は、海外旅行は「夢のまた夢」ハワイ旅行がクイズ番組の賞、という時代で、ハワイアン音楽がブームで、日野てる子さんが歌う、日本語のハワイアンに夢を託した時代でした。

そんな時代であったので、ハワイもタヒチも同じような感覚で、「パペーテの夜明け」は日本でもヒットし、いろいろなテレビ、ラジオ番組のテーマ曲にも使われました。

1990年代になると、タヒチ本島だけでなく、ボラボラ島のリゾート開発が進み、水上コテージがついたホテルができ始めました。

1泊で10万円前後と高額で、ハネムーンでしかいけない、高嶺の花でした。

ただ、食事をホテルのレストランではなく、外のレストラン、あるいはスーパーマーケットで仕入れる、など工夫を凝らすことにより、節約しつつ、タヒチのボラボラ島の楽園を満喫する方法もありました。

この頃、タヒチ本島、モーレア島、ボラボラ島、に1週間ほど、行きました。

その時に「もう一度来よう!」と思いました。

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時代は流れ、航空券、ホテルの予約が旅行会社に頼むことなく、個人で行える時代になりました。

旅行会社のパッケージツアーではなく、自分が行きたい島、手ごろな値段のホテルを選べます。

そこで、今回は大型連休をはさんで2週間と長めの期間を取り、リゾート開発が進むタヒチ本島、ボラボラ島、ライアテア島、のほかに、素朴な感じが残っているマウピティー島、ランギロア島も訪れることにしました。

日本は週に2便ですが、タヒチへの直行便があります。これは本当に便利です。

現時点でタヒチに直行便があるのは、東京、ロスアンゼルス、ニュージーランドのオークランド、ホノルルだけです。

それゆえ、中国、韓国からタヒチに行く人も成田に一度立ち寄ります。

タヒチは独立国ではなく、フランス領ポリネシア、物価は決して安くはありません。

公用語はフランス語、英語というよりもブロークン・イングリッシュがホテル、レストランでは通じます。

今回感じたのは、「タヒチ」と一括りにするよりも、島ごとに特色、楽しみ方があり、素朴な「楽園」、リゾートとマッチした「楽園」がある、ということでしょうか。

パペーテのファアア国際空港にはたくさんいた外国人旅行客も、いろいろな島に分散して、ぐっと少なくなります。

タヒチにはこれだけ、という王道の楽しみ方よりも、それぞれに応じた楽しみ方がありようです。


おそらく、また数年後には、別の楽しみ方でタヒチに行くと思います。

ところで、たっぷりトラブルもありました。それはB面ブログに書きます。




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