2014年04月

2014年04月30日

千住博×酒井邦嘉「芸術と科学の対話」

という通知が来ました。

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千住博さんは家族全員がクリエイティブな生活をおくっている「芸術三兄弟」千住一家の長兄です。

この千住一家については、

クリエイティブな生活を送るために 「芸術三兄弟」千住一家の秘訣




長兄は日本画家の千住博氏、次兄は作曲家の千住明氏、長女がバイオリニストの千住真理子氏。

皆が、それぞれの分野で大活躍されており、「芸術三兄弟」と呼ばれています。

次兄の千住明氏から、お話を伺う機会がありました。

「芸術三兄弟」のお父さんは慶応大学で管理工学科開設に尽力された千住鎮雄教授、お母さんは教育評論家の千住文子氏です。

慶應大学入学にあたっては、コンピュータ音楽や人間工学の面から音楽を研究できる工学部(現理工学部)に進学を決めます。

しかし、やはり1年生のうちに、自分は将来作曲家になるという決意を固めます。

この決意を告げると、父 鎮雄氏はすぐに明さんの慶応での学籍を抜いたそうです。

生半可な気持ちではなく、後戻りできない、背水の陣でなければ、大きなことはできない、とお考えだったのでしょう。

父 鎮雄氏は、いつも自分たちに次のように言っていたそうです。

・人生はロングレースである。決して焦ることはない。(30歳からでもやり直しできる)

・人生には何度か、重要なキーがやってくる。やってきたと思ったらすぐにキーを開けなさい

・誰もいない、空いている電車に乗りなさい。電車が混んできたら、空いている別の電車に移りなさい(常に新しいことにチャレンジしなさい)

・結果は、才能×努力である。ただし、才能にはたいした差はない。普通の人の才能が1.0だとして、才能がある人でも、せいぜい1.1か1.2くらいのものだ。(つまり、努力することの方が重要)

千住明氏は次のようにも言っていました。

人々に届く音楽を一生書いていきます。決して独りよがりな音楽を書くません。

音楽はもうひとつの言葉、つまり、音楽という共通言語による他者とのコミュニケーションであり、音楽は、誰かに聴いてもらって初めて命を持つのです


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芸術とはコミュニケーションである


千住博さんは、著書『美は時を超える』の中で、古代ギリシャの詩人ホメロスの言葉を引用して説明しています。

「芸術とは、人に知らせたくなる行為のこと」

もっと明るい場所で「多くの人に見てもらいたい」という本能が、神の領域であった「美」を、人間の領域の「美」へと転換させていったのではないか、と千住さんは言っています。

多くの人の目に触れ、批評を受けることが、描く側の創作意欲を刺激し、次の作品が生まれていったに違いありません。

「描く」・「創る」と「見る」・「評価する」という相互作用のもとで、芸術は発展してきました。

「芸術とはコミュニケーションである」

内面から沸き起こるイマジネーションを他者にどう伝えていくか、そのための創意工夫のプロセスが芸術活動であり、「伝えたい」という想いの強さこそが、優れたアートを産み出す源泉だそうです。

モーツァルトの音楽、レオナルド・ダヴィンチの絵画など、すぐれた芸術は、時代、国境を超えて、人々の心に伝わります

芸術とふれ合い、鑑賞する過程は、芸術作品が持つ感性的価値を通じて自らの感性に気づく営みでもあります。

アートを通して、人と人、人と芸術、人と場等など、新しい絆を見つけることができる、かもしれません。


と書いてきました。

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今日はどんなお話が聞けるのか?楽しみです。

連休の谷間なのですが、会場の東大駒場キャンパス21KOMCEE地下レクチャー・ホールは満員です。


さて、早速出た話をまとめます。

・未知のものを理解するには、それまでに蓄積した記憶が大切。芸術、文化はそれを見出し、発掘する役割を果たしている。

・春夏秋冬、朝昼夜をどう快適に過ごすか?が文化、文明の発達につながっている。全部が一様であれば退屈でつまらない。

・源氏絵巻物語、幅は70cm、ろうそくで読める範囲。

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・日本から離れて、はじめて日本文化が見える。 

・とてもよいものがそばにあったのに、気づかずに、忘れてしまっている。それを気づかせ、思い出せる、発掘するのが芸術家の役割の一つ。

・クール・ジャパンとクラッシック・ジャパン、海外で注目されているのは後者。

・1964年東京オリンピックから文化面でも新しい日本が始まった。丹下健三、森英恵など

・1980年代インターネットはなかった。1か月遅れの海外の雑誌が文化の情報源。芸術家、文化人はこぞってニューヨーク、パリに行った。今はインターネットの力で、どこでも世界の中心になることができる。

・情報は洪水状態、しかし、見る人、探す人は「よいもの」を見つけている。

・浮世絵を通じて、日本の絵画が世界に知られることになった。

・あふれ出る時の摩擦熱がビッグバン。ビッグバンが始まりではない。 

・芸術はコミュニケーション、自然に身を置いて同化を試みる。楽器で気持ちを表現することができる。

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・浮世絵、働いている人々の日常を描く。日常の生活に喜びを見出している。日常の生活の中に、素晴らしいもの、驚くべきことがたくさんあふれている。

・浮世絵、ある時は遠近法を駆使し、ある時は遠近法を無視して表現している。 

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・ドガ「バレエの舞台稽古」本番ではなく、練習している風景を描いている。非日常の本番よりも、日常の練習に「美」の本質がある。 

・あなたの最高の傑作は?「次の作」

・芸術はプロセスを楽しむ。作品の一部だけを足り出すのではない。

・アートはプロセスを見る。プロセスが出ているかどうか、が大切。プロダクトは、プロセスではなく、完成品を見る。

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・浮世絵の影響で、ヨーロッパの芸術家、モネ、ゴッホ、ルノワールなどが、王侯貴族、非日常から庶民の日常を描くものに移行していった。

・「美」とは、生きる喜び、生きるにかかわること。元気が出る、勇気が出る、力をもらう。「私は生きている」と表現する。

・洞窟の絵、見たものを、正確に、客観的に、記録しようとした。科学の始まり。

・お互いに意見を出し合うことにより、洗練していく。描く、書くことにより、記録、学習できる。芸術と科学の役割は共通。

・写真以前の絵画は正確な写実性、写真以降は、写真にはできない「自由」が重視される。

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・芸術は、分断された人々に、共通項で語ること、を教えてくれる。

・日本文化の特徴、様々な異質のものが融合していく調和。西洋、東洋の文化から、選択し、取り入れ、融合させている。

・科学だけを学ぶのではなく、教養を幅広く学ぶことで、異質、無関係と思われていたモノ同士が結びつき、イノベーション、新たな展開が生まれる。

・シューマンのバイオリン・ソナタ、シューマンが自殺するまでのプロセスを表現したもの。演奏すると身体を壊す。

・芸術家が破壊、破滅のプロセスを表現した絵画がある。それを知らずにオフィスに掲げると大変なことになる。 

・芸術は作品によっては、見る人、聴く人に「危険」なものがある。

・千住三兄弟妹。両親は絵画、音楽、バイオリンに反対した。親がハードルになり、親から自立していくことが大切。芸術は金持ちの親が、応援してやらせて、大成するほど生易しいものではない。

・親が説得できないで、社会の他人など、説得できない。 

・見えないものを見えるように描くのがビジュアル・アート。聞こえないものを聞こえるようにするのが音楽。

・科学はわからないことをわかるようにすること。

・描写力、どこまで描いたか?ではなく、どこまで見たか?

・滝、水が落ちるのに合わせて、自分も動くことで、静止写真、動画とは、全く違う、水滴ごとの滝を見ることができて、滝を描ける、と思った。 





2014年04月25日

Ed Tech新しい学びのシンポジウム

という案内が来ました。

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前回の参加記を

「新しい学び」はリアルタイムで進行中

に書きましたが、


本シンポジウムは「未来からの留学生」である子どもの学びや成長について、専門家や異業種、スタートアップの人と意見を交わしながら考えていく場として開催される。

EdTechにより子どもたちの学びの環境や、新しい体験、成長の機会が急速に広がりつつある現在、新しい学びに対してのかかわり方や役割をともに考えていくことが重要だ。


紙の教科書、ノートからタブレット、教える授業から、事前に予習して議論する反転授業、無料の大規模オンライン講義、などが始まりつつある現在、教育が今後何を目指し、どう変わっていくのか?実は誰もわかっていない、のではないか、と思います。

とにかく、リアルタイムで起きていること、そのフィードバックの紹介、収集からヒントを得ることが大切です。

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取りあえず、これまでの取り組みを整理すると、


BEAT公開研究会「変革期を迎えた学習プラットフォーム」に参加しました


ICTを利用した教育、いわゆるe-ラーニングは、インターネットの開始と同時に始まりました。

当初は、テキストは紙媒体の従来の書籍を使いつつ、参加者がメーリングリスト、電子掲示板などにポストする、というものでした。

今から見ると、随分、初歩的なインターネットの利用ですが、当時、カリフォルニア大学バークレー校などが、e-ラーニングを行い、1コース数万円とかなり高額で、かつ、修了証が出るだけにもかかわらず、世界中から参加者が集まりました。

「TAK」さんも、こういったe-ラーニングに参加しましたが、国内にいながら、自分が都合の良い時間に、ケースを行い、掲示板にポストし、世界中の参加者とメーリングリスト上で、英語で議論するのは、まるで「プチ留学」経験で、新鮮なものでした。

この時代は回線はISDNで端末はデスクトップでしたが、その後、光回線による大容量化、タブレット端末の普及によるモバイル化が進み、オンライン学習は量、質、内容、方法が大幅に進化しました。

テキストは電子書籍、講義は動画配信、メールなど使わなくても、ウェブ上ですべてが可能です。

ISDNの時代に比べ、リアルタイムの双方向性が格段に向上し、提供者側は学習者の学習態度、履歴をリアルタイムで把握できます。積極的にアクセスしてくるのか?ほとんど利用しないのか?ページは開いているものの、アクセスがほとんどないのか?リアルタイムでわかります。

最近では、MOOCs(ムークス:Massive(ly) Open Online Courses大規模公開オンライン講座)

と言われる、数週間単位の学習コースを世界中の誰でも無料で受講できるオンライン講座を、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学など世界トップレベルの大学が開設しています。


公開研究会「MOOC(大規模公開オンライン講座)と反転授業で変わる21世紀の教育」に参加しました


MOOCsに世界のトップ大学が無料でオンライン講座を提供する、とは、「プラットフォーム・ビジネス」です。

各大学から提供されるオンライン講座は形式がバラバラではなく、MOOCsという「プラットフォーム」に適合するように「モジュール化」されます。

各教科、テーマについて、世界のトップ大学が無料で質が高いコンテンツを提供するため、「国際標準化」が起きます。

ネットビジネスとリアルビジネスの棲み分けが進みます。

・プラットフォーム・ビジネス

・国際標準化

・ネットビジネスとリアルビジネスの棲み分け

について考えてみます。

既にいろいろなプラットフォーム・ビジネスがあります。

インターネット(アマゾン)、人々(Facebook)、タブレット端末(アップル)、情報検索(グーグル)、モバイル(コンピューター)

MOOCsは教育のプラットフォームになりつつあります。

これから研究が進む新分野は、いろいろなテキストが乱立しそうですが、数学、物理、経済など、古典的な学問については、MOOCsに世界のトップ大学が提供する内容が、デファクト・スタンダードになりそうです。

なお、学ぶ言語は英語になります。


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オンラインによる学びがこれから進んでいくのは間違いないのですが、少しずつ課題も見えてきました。

・無料の大学オンライン講義が始まったが、「無料」なので、気軽に参加するが、大量に脱落

・リアルの授業では、内容にもよるが、30分以上集中が続くが、授業の動画に集中できるのは10分が限界

・教育の機会が乏しい途上国、貧困層に、教育の機会を提供したかったが、実際に主体的に参加しているのは、
既に十分な高等教育を受けた人たちが、さらなる教育の機会を求め参加している

・日本語による教育も提供されているが、ハーバード、MITなどによる英語のプログラムに参加すれば、世界中の参加者とつながるが、日本語のコースが、せっかく生まれるつながりを日本に限定している

などなど


さて、オンラインを利用した、新しい学びは、どう進んでいくのでしょうか?

早速、出た話をまとめてみます。

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・ハーバード、東大など有力大学の無料オンライン授業が始まったが、無料ゆえに、取りあえず参加だけする人も多く、当然ながら脱落が多く、十分に活用されるには課題がありそう

・オンラインとリアルを組み合わせることで、参加者同士がリアルで知り合うと、オンライン学習の継続の促進がきたされる。

・オンラインの資料作成講座、自分だけではなく、他者と共有することで質が向上する。同僚同士だと人間関係に配慮して指摘しづらいことも、オンライン講座の参加者同士だとお互いに指摘しやすい。

・オンライン学習の参加者、PCよりもスマホが増えている。PCだと家での対応が前提で、時間的、場所的制約があるが、スマホであれば、どこでも、空き時間に対応できる。

・空き時間にやることがないので、スマホでSNS、ゲームをやっていた人が、オンライン学習する可能性がある。

・授業を録画したものをオンラインで流しただけでは学びにはつながらない。

・人間が授業の動画に集中できるのは10分、インタラクション、フィードバックが大切。

・入試のベネッセ、就活のリクルート、大人の学びへ対応するものがない。

・プラットフォーム戦略、フロントよりもバックエンドで儲ける。 

・数学、物理のオンライン授業での質問、回答は難しい。数式、図に対応できる汎用ソフトが少ない。

・オンライン授業で先生の役割が変わる。マスで話すのはオンラインで行い、先生の役割は学習者へのチューター、家庭教師のように個別に対応する、ことに移行する。マス対応からパーソナル対応へ。

・オンラインになると、やがては無料になる。ビジネスモデルの構築が難しい。 

・インターナショナル(仕事、旅行で海外へ)→マルチナショナル(本国以外で仕事する)→トランスナショナル(人生の中で、効率的に仕事できる国を渡り歩く)

・21世紀は英語は世界共通語化するので必須だが、グローバルに活躍するには、自分で考える力が不可欠。


上に書いたように、オンラインによる学びがこれから進んでいくのは間違いありません。

まだまだ課題がありますが、見守っていきたいです。




2014年04月24日

期待学研究会「カタチと期待」という通知が来ました。

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デザインとは考えをカタチにすること、使い勝手がよい、だけではなく、心に響く、期待に沿うものに

美しい事への期待はいかなるところから湧き起こるのか?

そう問いかけてみると実に様々な思いが去来します。

その人が見て来たものや感動したものがきっと記憶の闇の中で静かに、しかし確実に機能しているには違い在りません。

私たちは如何に生きのびるかという本能的な誘いの中でその感覚器官や思考を発達させて来たのでしょう。


期待学について、

次なる期待を予測するー期待学

期待学:多方向の、「期待」の醸成、「期待と現実のギャップのフィードバック」により社会は動く

顧客の「期待」を先読みすると、やりたいことができる

に書いてきましたが、

今回は、「カタチと期待」がテーマです。

会場の内田洋行ユビキタス協創広場CANVASには、いろいろな仕掛けがあって楽しそうです。

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さて、出た話をまとめていきます。


・人間は部分的にしか、思い出すことができない。

・次に予測されることを支援して気づかせるデザイン

・感覚 → 知覚 → 認識

・予感 → 予想 → 予測 → 予見 → 検証 → 確認(既得概念との照合) → 予知

・バイオリンは女性の身体を型取った?

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・楽器とデザイン、きれいな音が出るのは当たり前、それをどうまとめていくか?

・形:外界との境界線

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・同じ形でも向きが違うと受ける印象が全く違う

・形態心理学、カタチが人の心に作用する

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・美しい形に反応する本能というものがある。

・美しい形に反応する本能は、すなわち欲求であり、期待である。 

・美しいものは人の心を豊かにする。

・食事の見かけ、形、は、欲求に結びつく。「カタチ」における「期待」の最たるものは「食事」ではないだろうか?

・デザインは「快」の追求。不快であってはならない。

・デザイン:カタチが人の心に作用する。「快」と「期待」を構築する。美しくて、心地よいもの。 

・人間には、潜在的に「美しい」と感じる能力、美の感覚を他者と共有したい。 

・「色」と「カタチ」、美しいと感じる、重要な要素

・嗅覚、音、重さ、柔らかさ、温度:記憶に密接に結びついている

・ふすま、しょうじ、畳、これらは直線、丸い陶器があると、風景の中心になる

・桂離宮、直線構成の室内が、風景の曲線を引き立てる。

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・道具としての使い勝手がよいのは、デザインとして当然で、さらに心理的機能が必要。

・ミロのビーナス、左右対称であれば、熱くしくない。「くびれ」の表現

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・オーディオ、iPodが登場してから、音楽装置としての姿が消滅。

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・靴べら、使われる時間は極めて少ない。使われていない、多くの時間に見られる意味。 

・収納すると、モノは使われなくなる。

・ハンガー、服がかかっていない状態で、「さし」がなければ、インテリア 


単なる「機能」だけではなく、「美しさ」をもつデザインについて考えていたところ、


1900年代初頭にNYで撮影された女優やショーガール達の写真

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というサイトを見かけました。

ニューヨークのスタジオで女優やショーガール、セクシー女優を撮影したAlfred Cheney Johnston(アルフレッド・チェイニー・ジョンストン)(1885-1971)さんの写真

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1900年代初頭にショー劇場と契約し美しいモノクロームの色調としなやかなポーズの女性、

ポーズや手の動き、視線が美しく、まるでアカデミックな西洋絵画を想わせる気品、小道具の使い方も巧い

写真がとても絵画的





2014年04月21日

ヨドバシカメラ人事部のブログ「新入社員が退職した。」

が話題になっています。

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新入社員が退職した。入社してわずか10日。「この会社は自分に合わないと感じた」というのが退職理由。

2週間の新入社員研修期間中に売場での販売実習を数日行なう。その実習の結果、新入社員は「自分に合わない」と思ったそうだ。

辞めてどうするのか、聞いてみた。「公務員を目指します。」

楽しく、幸せになるには努力や我慢も必要なのだということが。

実感できただろうか?物事の本質を理解するには、長い時間が必要なのだということが。


会社、仕事とは、外から見ている時と、内に入ってからでは、全く違うことがほとんどでしょうか。

どんなに周到に調べても、外から見ている時と、内に入ってからでは、違います。

「こんなはずではなかった」ということをなくすために、しばらく実際に会社で働いてみるインターン制度を取り入れる企業も増えています。

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このブログでは、ぐずぐず決断できずに、現状維持を続けるよりも、さっさと決断して行動してフィードバックを得て、修正することを、進めています。

とにかく走り出せる学生と、踏み出せない社会人


社会人になって、経験を積むと、よいにつけ、悪いにつけ、身につけていくものがあります

すると、新しいものを得るよりも、身につけたものを失うことを避けるようになります


得るよりも失う方が悲しい だから現状維持?

に書いたように、


「チェンジ」「変革」が最近キーワードになっています。

現在の状態から、別の状態に変わることによって、何がしかのコストがかかります。

どういうことかと言うと、あなたは今の状態がいいにせよ、よくないにせよ、今の状態に慣れています。

その慣れている状態から、別の慣れていない、新しい状態に移るには、コストがかかります。

また、あなたが新しい状態に移ると、何らかの変化が起きるでしょう。

いいにせよ、よくないにせよ、その変化は、あなたの責任です。現状のままでは、その変化は起きません。

「チェンジ」「変革」には得るもの、失うもの、がありますが、上に書いたように、得たうれしさ、よりも、失った悲しさ、の方がずっと大きいのです。

こうして、人々は結局、現状維持を選んでしまう。

転職に踏み切れない、異動希望を出せない、などなど

これは日本に限ったことではありません。欧米でも同様の事例が報告されています。

そんな訳で、社会人は何かする前に、いろいろ考えます。

いろいろ考えているうちはよいのですが、「くよくよ」出来ない理由を言い出すようになります。


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「会社が自分に合わない」と感じたならば、早く辞めて、自分に合う会社に転職するのはいいのですが、少し気になることがあります。

この新人社員が、実際に配属になってみて、「会社が自分に合わない」と感じたならば、それは理解できるのですが、

売場での販売実習期間に「会社が自分に合わない」と感じたことが、気になります。

ヨドバシカメラの販売の様子は、就職活動中の学生でなくても、よく目にします。

もちろん、顧客としての立場と、販売員としての立場は違いますが、よく目にすることですから、「販売員としての立場」は、就職を検討する以上、想定しやすいことです。

この新人社員は、「公務員を目指します。」ということですが、公務員の経験はありません。

すると、公務員についても、実際に配属になってみて、「自分に合わない」と感じるかもしれません。

この新人社員は、入社してわずか10日で辞めます。仮に公務員試験に合格して、採用になったとしても、仕事に就くのは355日後です。

ほぼ1年間、仕事をしないで過ごします。同期だった社会人はスタートするのに、です。

ならば、今年から公務員で働くべく、就職活動をしていればよかった、気がします。

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このブログでは、ぐずぐず決断できずに、現状維持を続けるよりも、さっさと決断して行動してフィードバックを得て、修正することを、進めています。

計画立案と実行、フィードバックのバランス


「泥棒を捕まえてから、縄をなう」が戒められてきたように、以前は計画は周到に準備しておくことがよい、とされていたのですが、変化が速い時代には、計画を実行する段階には状況が変化しています。

計画は、あまり精緻なものではなく、暫定的なものにしておき、反応を見ながらフィードバックしていく、スタイルに変わっているようです。


デザイン思考、シリコンバレーIDEOの事例より


早い段階で、コストをかけずに、プロトタイプを創り、市場に出して、フィードバックを得る。アイデアでは見えなかったことが、プロトタイプにすると見えてくる。 



先のことはよくわからないのだから、取りあえず、やってみて、うまくいかなかったらやり直す、ことが奨励される時代です。

ただし、それは、取りあえず、やってみることに、あまりコストがかからない、ことが前提です。

進学、就職、結婚、家・自動車などの高額商品の購入などは、リセットに金と時間、労力がかかります。

やってみる前、これを認識した方がよさそうです。


トークライブ「あなたにとって理想的な働き方とは?」に参加しました




「個人の持ち味」と「組織のらしさ」が重なる部分が「あなたイズム」。重ならない組織の部分は滅私奉公、個人の部分はオレ流、KY。就業時間は滅私奉公、時間外はオレ流で接点がないのはもったいない

入社3年目くらいまでは、「組織のらしさ」に合わせて働かないと、「組織のらしさ」と「個人の持ち味」の接点を見出すことが出来ない

入社3年以内で「自分がやりたいことがやれない」「自分の理想と違う」「会社の風土が合わない」だから会社を辞めたい、はもったいない


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本当に「組織のらしさ」と「個人の持ち味」の接点がないのか?

研修中ではなく、いくつかの部署を配属になってからでもよさそうです。

また、上記のように、進学、就職、結婚、家・自動車などの高額商品の購入などは、リセットに金と時間、労力がかかります。

想定が可能なことは、事前に想定しておくことも大切です。




2014年04月17日

作家や起業家として活躍するMark Manson氏が「20代でしておくべきこと、学んだこと」

10 Life Lessons I Learned from Surviving My 20s

というサイトがあります。

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読んでみると、「20代でしておくべきこと、学んだこと」というよりも、その後の人生でも参考になることが多いので、抜粋してみます。

まず、参考になるのが、

個人の変容は、一回の出来事の結果として起きるのではなく、長期に亘り、気づかないほどの小さな変化が積み重なって起きる

ということでしょうか。

その通りです。日々の積み重ねが、やがて大きな変化へとつながります。


1.早くたくさん失敗すること

若者が持つ最大の資産は、才能でもアイデアでも経験でもなく、「時間」です。

時間は大きなリスクをとったり、大失敗したりする機会を与えてくれます。

失敗こそが最高のレッスンです。

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2.友情は強制できない

友情はいつ生まれ、いつ消えるのか? 友情とは一体何なのか? 誰もうまく説明できはしません。ただ、当人同士にだけわかる「何か」なのです。

どの友人が残ってどの友人が離れていくかは事前に予測できない。

友人関係を維持できなかった相手が、悪い人たちだったわけではありません。誰の責任でもないのです。ただ、そういうものなのです。

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3.全部の目標は達成できない

私たちは、、「結果重視」の思考が染み付いています。

何か目標を決めチャレンジし、達成できたらあなたは成功者です。できなかったら落伍者です。

自分で決めた目標のいくつかは、本当はやりたいことじゃなかったのを発見しました。

目標を立てることの本質とは、80%はやる気を出すため、20%は無作為のベンチマークのためなのです。

達成できたかどうかではなく、目標に向かって努力したという行為そのものに、また挑戦と失敗のプロセス自体に価値があるのです。

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4.誰も自分がしていることをわかっていない

自分が何をしているか、わかっていた試しがありません。たくさんの人から、どうやって自分のビジネスを構築したのかと尋ねられます。

ただ、結果的にこうなったのです。常にチャンスを窺い、チャンスを掴もうとしてきただけです。

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5.世界中の人は基本的に同じものを欲しがっている

広い視点で見れば、人はみな同じです。誰もが人生の大半を、食べものやお金、仕事や家族について心配しながら生きています。お金持ちでさえもです。

誰もが、自分はかっこよくて重要な人物だと思いたがっています。十分にかっこよくて重要な人物であってもです。

私は人を見るときに、「誰であるか」ではなく「何をするか」で判断することを学んできました。

相手と長い時間を過ごし、その人の行動を観察しないことには、実際の姿はわかりません。見かけや出生地、性別だけでは判断できません。

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6.世界はあなたを気にしていない

「他の人が自分をどう思うか心配しなくなるでしょう。誰もあなたのことなど気にしていないのがわかれば」(作家 デヴィッド・フォスター・ウォレス)

あなたが何を言い、何をしているかなんて、ほとんど誰も気にしていません。


7.大衆文化は極端な人に汚染されている。中道をいくべし

オンラインであなたが見かける情報のほとんどは、5%の極端な人たちが発信しているに過ぎません。人生の90%は、その他の人々たちから成る静かな中間層によって営まれます。

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8. 小さなことの集まりは、大きなことより重要

Facebookの共同創設者で、マーク・ザッカーバーグの大学のルームメイトであるDustin Moskovitz氏のインタビュー

「もし、徹夜でコーディングする日々が6年間毎日続くことを『一夜にして成功』と呼ぶなら、それは本当にうんざりしてストレスフルなことです」

私たちは、物事の結果しか見ず、そこに至るまでの過程(そして数々の失敗)を見ようとはしません。

「大きなこと」は、何百、何千の日々の小さな積み重ねの結果として起きるのであり、そこまでの過程は、長い期間をかけて静かに目立たず進行します。

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9.世界は怖い場所ではない

できるだけ旅をして、先入観を持たず人々と話し、相手について質問をし、その人を知る努力をすること。

そうすることで失うものは何もなく、得るものは巨大です。

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10.あなたの両親も人間です

あなたの両親はあなたが子どもの間に何か大失敗をしています。

両親たちがしてきた挫折や失敗がわかりはじめるでしょう。それは成熟した証しであり、人生の痛みを知り始めたということです。

「大人」になって最初にすることは、両親の欠点を理解し、受け入れ、許すことです。




2014年04月15日

知的財産マネジメント研究会(Smips)

に参加します。

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全体セッションの東北大学 福嶋 路教授の

ハイテククラスターの形成とローカル・イニシアティブ−テキサス州オースティンの奇跡はなぜ起こったのか

が楽しみです。

アメリカの産学連携の中心と言えば、何と言っても、シリコンバレー、次にボストン・ルート128が有名ですが、それに次ぐ、第3の拠点がテキサス州オースティンです。

シリコンバレーにはスタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、ボストン・ルート128にはハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、
など、世界有数の大学がありますが、オースティンには、テキサス大学オースティン校くらいしかありません。

では、なぜ、そのような環境で世界有数の産学連携拠点が生まれたのでしょうか?

イノベーション・エコシステムと呼ばれるものが大切だったりします。

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それについては、

企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するにはイノベーション・エコシステムが大切

に書いたのですが、


企業家精神(アントレプレナーシップ)と書きましたが、これは「起業家精神」の誤植では?と思った方もいるかと思います

アントレプレナーシップ「業を起こす者よりも、むしろ業を企てる者」

アントレプレナーは必ずしもベンチャー企業を起す者ではなく、業を企てる(くわだてる)者、Passion(志)とIntelligence(知性)を併せ持つ者、と考えると、しっくり来そうです

(アントレプレナー全般)

・スタンフォード大学の技術移転、開始から利益をあげるまで17年かかった

・日本の大企業の技術開発、自前主義が強く、欧米のようなベンチャーの買収はあまり考えない。産学連携においても同様に自前主義

・アメリカの企業にはベンチャーキャピタルを通じて、年金基金が入ってきて、運用のプレッシャーがかかる

・IBM、大型メインフレームからビジネスソリューションへのビジネス転換。1993年にルー・ガーソナーが基礎研究が中心のワトソン研究所を応用研究にシフトさせ、ノーベル賞級の研究者が次々に退職。大学との産学連携へシフト

・Googleとスタンフォード大学、基本技術は大学院生の成果で、知財は大学に帰属、2004年株式公開後に大学が持分(全株式の1%)を売却し、400億円の売却益

・スタンフォード大学予算の比率:外部研究資金(29%)、基金等投資収入(24%)、授業料(18%)、医療機関収入(13%)、その他収入(16%)

・イノベーション創出と産学連携モデルへの転換:従来のリニアモデル、自社内で基礎研究→応用研究→実用化。オープンイノベーション、基礎研究(大学)、応用研究(ベンチャー)、実用化(大企業)共同研究、戦略的提携

・バブル崩壊による金融機関の破綻により、ベンチャーキャピタル等への人材流動、ある意味でよかった。現在のメーカー大企業から新興国ベンチャーへの人材移動が何をもたらすか?

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(イノベーションのエコシステム)

・自己完結できる企業など存在しない。いかなる企業も、その成功は、支援企業やインフラに左右される(マイケル・ポーター)

・成長著しい地域経済を見ると、例外なく、クラスターが形成されており、生産性、イノベーション、競争力の面で重要な役割を果たしている(マイケル・ポーター)

・テキサス州オースティン、ビジョナリストによる計画的・人為的な「場」において、大学、ベンチャー、大企業の有機的、偶発的な展開が見られた

・クラスター形成においては、大企業からのスピンオフが、ベンチャーとしても人材としても母体になっている

・大企業が優秀な人材を集積させ、教育し、人的ネットワークを形成し、社内ベンチャーを育成し、それらの人材がスピンアウトすることが、クラスターにおいて重要な役割を果たしている

・チボリ・システム。事業アイデアがIBM社内では認められないため、スピンアウト。IPOを果たすがIBMに買収される。スピーディーさが失われ、主要メンバーが再度スピンアウト

・ベンチャー企業の出口戦略、日本ではIPOだが、アメリカでは大企業によるM&A

・シリアルアントレプレナー(複数回、会社を設立した人)が経験、スキル、ネットワークを活かし、境界横断的に出口戦略を果たしていく

・ネットワークは、起業家のみならず、VC、支援機関、大学など外延性を含むと有効に機能する。ただし、適切な維持をしないと時間と共に減衰していく 


オースティンに限らず、シリコンバレー、ボストンでも同様と言うことですが、企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するには、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムにより、技術、知財、人材、資金が動くことが大切です

大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムは、ポジティブな関係だけではなく、

・大企業をレイオフされた人々が、新しい産業を創る

・大企業をスピンアウトしたベンチャー企業を、数年後にその大企業がM&Aで吸収

のように、かなりドロドロしたものも含みます。これらを含めたエコシステムの中で企業家精神(アントレプレナーシップ)は活かされる、ようです


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さて、シリコンバレーのエコシステムが自然発生的なのに対し、オースティンは当初は計画的、人為的で、

ある段階からは偶発的、有機的、自走的発展したのが特徴的です。

では、上記を補足する形でまとめていきます。

・イノベーションには人材の多様性が不可欠、シリコンバレーにはアジア系、オースティンにはピスパニック系

・アメリカの地域クラスターは、日本のように地域に根差して、固定化しているのではなく、地域間をダイナミックに流動している。流動する人材を引き付ける都市が栄える。

・オースティンのイノベーション・エコシステム、ある段階までは計画的、人為的な発展、ある段階からは偶発的、有機的、自走的発展。偶発を起こすには計画が必要。

・1990年頃までは、産学連携は、大学が国の税金を使っての産業界との金儲けはよくない、との考えが主流。

・イノベーションにつながる動きは主流ではなく、亜流が起こす。

・アメリカでは、IT、バイオ分野では、知的財産権を取得できない大学を研究者が嫌うので、TLOが設置されている。

・技術者、研究者だけでなく、資本家、法律家、大企業、ベンチャーなど、多様、多分野の人を巻き込むのがエコシステムのキーポイント

・組織のトップ同士だけでなく、実務家同士の多層なネットワークがクラスター形成のポイント

・コンソーシアムからのスピンオフは知財の取り扱いなど、難しい点が多い。 

・金を出す、のではなく、カネのある人と起業家を結びつける、人と人を結びつける

・スピンオフした企業、大企業に買収される場合、大企業に入りたくない人が、さらにスピンオフする。

・大学では技術しか教わらず、ビジネスが教わらない。

・クラスター形成における大企業の役割:優秀な人材の集積、人材の教育、人的ネットワーク形成の機会の提供 

・大企業からのスピンオフ、知的財産ではなく、ビジネスモデルをビジネスとする場合は機密情報ではないので、必ずしも敵対ではなく共生関係が築ける場合もある。

・スピンオフ企業、出口戦略として、IPOは難しいので、大企業に買収されることを目指すことが多い。 

・アメリカでは、女性の経営者だけでなく、女性のCTO(技術責任者)、CFO(財務責任者)が多く、極めて自然で、なんら特別視されない。

・シリアル・アントレプレナー(複数回起業した人)を含む場合、スピンオフが成功する確率が高まる。スキル、能力、信頼が活かされている。

・経済の発展は3つのT、Technology(技術)、Talent(才能ある人材)、Tolerance(許容性)から生まれる。

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既に流れ、ムーブメントができていれば、それに乗ればよいのですが、「流れ、ムーブメント」を起こすには、まず、計画的、人為的に「場」の準備が欠かせない、ようです。

トランジション(変遷)・マネジメントはイノベーションを超えるか?




変革するには、イノベーションが不可欠ですが、そのイノベーションだけに着目するのではなく、もっと社会システム全体の構造的変化を見るのが、トランジションです。

一般的には、

(1)社会システムに問題があることが認識されていた。しかし、一部の認識にとどまり、社会的なムーブメントにはなっていなかった。

(2)インパクトがある大きな事件が勃発

(3)それを契機に大きなムーブメントが起こり、社会システム全体が変化する


も参考になりそうです。




2014年04月10日

シンポジウム「2020年東京オリンピック・パラリンピックでの文化プログラム」〜文化のチカラで日本を元気に〜

という案内が来ました。

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2020年東京オリンピックがもたらすものは?




2020年オリンピック東京開催決定おめでとう。

前回の東京オリンピックを、おぼろげながらも覚えている最後の世代として感激もひとしお。

「あの時」を言葉で表現するのは難しいが、日本中が、得も言われぬ興奮に包まれていました。

あの感激がもう一度体験できるなんて幸せです。

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東京五輪。「七年後どうしてる?」と弾む声が聞こえる。ちょっと先の未来をみんなが楽しみにすること自体が久しぶりな気がする。

後悔の過去と憂鬱な将来ばかりじゃない。未来というものの本来の価値を少し取り戻そうとしているような気がして、なんだか嬉しい。

目標とは本来、自分で組み立てていくもの、かもしれません。

だけど、実際には、これがなかなか難しかったりします。

7年後の2020年には東京オリンピック、その時に自分はどうしてる?じゃあ、今からこれをしなくちゃ、これを準備して、なんて、外的要因で決めていくのもありでしょう。

さあ、7年後の2020年には東京オリンピック、その時、皆さんは何をしてますか?

「TAK」さんは、見るだけではつまらない、何かかかわりたい、と思っています。


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2020年に開催される東京オリンピックでは、スポーツの祭典であるとともに、同時に文化・芸術面での催しも数多く行われる予定となっています。

2020年東京オリンピックにスポーツで参加できるのは、ごく限られた、トップ・アスリートだけですが、文化・芸術活動であれば、誰だって、参加できそうです。

次代を牽引するカルチャー・リーダーシップを考える




イギリスでは、アートやクリエイティブ産業の幅広い分野で、社会全体の発展に寄与するような活動を展開する組織や個人への注目が高まっています。

政策レベルでも変革の時代に即した文化セクターのリーダーを育成しようという声が高まり、2005 年頃から政府や民間主導の下、「カルチャー・リーダーシップ」という名を冠した人材育成プログラムが数多く提供されるようになってきています。


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と書きましたが、このような「カルチャー・リーダーシップ」というムーブメントが、2012年のロンドン・オリンピックを盛り上げるだけでなく、その後の文化芸術活動へとつながっっていきました。

前回1964年の東京オリンピックは新幹線、首都高速道路など、高度経済成長の基盤となるインフラ、設備の整備をもたらしました。

この時の日本は発展途上国でしたが、現在は経済的にも技術的にも、成熟した先進国です。

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2012年ロンドン・オリンピックのように、文化芸術活動を成長戦略として位置づけ、オリンピックを盛り上げるだけでなく、オリンピックを契機として、その後の文化芸術活動へとつなげていく、という方策が考えられます。

2020年東京オリンピックに向けて、アートができること

では、アート関連の方々にオリンピックという世界中の人が集まるイベントをどうクリエイト、プロデュースし、盛り上げていくのか、伺いました。

今日は、文化芸術活動を所管する行政、経済界の方々からのお話です。


・オリンピックはスポーツの祭典であると共に、文化の祭典でもある。

・2020年東京オリンピックは東京だけの話ではなく、文化プログラムは日本全国で行われる。

・2016年リオ・オリンピックの閉幕式ハンド・オーバー・セレモニーの瞬間から、文化プログラムが始まる。

・文化プログラムはオリンピック立候補プロファイルにも記載が求められている。

・1912年第5回ストックホルム・オリンピックから1948年第12回ロンドン大会までは建築、彫刻、絵画、文学、音楽の芸術競技があった。

・オリンピックの文化プログラム、1か月では語りつくせないし、1か月で終わってしまってはもったいないので、4,5年かけて行う。

・イギリスでの文化プログラム、街全体をアート化するプログラム、アートと人々の予想外の出会い

・文化プログラム、オリンピック・ムーブメントを盛り上げる意味で、オリンピックよりも前に、オリンピック期間とはずらす。

・いわゆるアートだけでなく、ダンス、音楽などのパフォーミング・アートも実施

・アート・プロジェクトの実施で、これまで交流がなかった、アートのキーパーソン同士の交流が深まった。

・アート・プログラムの計画、実施にはアーティストだけでなく、アート・マネージャーの存在が不可欠 

・東アジア文化都市、日中韓3か国の文化交流および文化芸術による発展。2014年は横浜、光州、泉州、2015年以降は3か国で輪番で対応し、2020年は日本が担当

・欧州文化都市、EU域内の緩やかな歴史的・文化的共通性、多様性の中の統合、域内の文化的共通性と多様性を同時に表現

・2020年東京オリンピック、2020年の大会だけでなく、2020年以降の日本のあり方も見据えた対応が望まれる。

・文化政策、文化財保護から、日本の文化を海外への普及を図る、など、戦略的な取り組みへ

・2020年オリンピックを契機に、日本の文化を発掘、発信していく。

・文化の力で日本を元気に。日本の成長戦略に文化を位置付ける。文化芸術立国。

・オリンピック・イベントをしっかり行うだけでなく、世界の注目が日本に集まる機会に、日本のあり方、貢献を発信するチャンス。

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イギリスの事例を、

次代を牽引するカルチャー・リーダーシップを考える

から紹介すると、


カルチャーリーダーは単に美術館・博物館の館長、前衛的なアーティストではなく、人々を惹きつけ、ムーブメントを起こすことができる人、という意味合いでしょうか?

イギリスでは18世紀に産業革命が起こりましたが、産業だけではなく、文化にも大きな影響があったようです

・18世紀よりイギリスには多様な人々(詩人、アーティスト、科学者、政治家など)が集まり、対話する「場」がある。詩人と科学者が意見交換する、など、異分野の交流が頻繁に見られる

・文化が未来を創っていく。クリエイティビティーが経済発展のキーポイント。文化と技術がコラボして変化する社会に対応していく。もっと文化に投資すべき

・製造業、資源の利用は限界があるが、クリエイティビティー、知識はどれだけ使っても枯渇することはなく無限。これからはクリエイティビティー、知識を活用する社会に移行する

・文化は社会、人々を覗き見る「窓」である 

・文化を普及させていくにはネットワークが不可欠。イギリスでは、オペラを初めは半信半疑だった人たちが、ネットワークを通じて普及させていった


のように、いろいろな活動がありそうです。

とにかく、前回の東京オリンピックを、おぼろげながら覚えている最後の世代としては、2020年東京オリンピック・パラリンピックは「観る側」ではなく、是非「主催する側」として参加したい、です。



2014年04月07日

今週は各大学で入学式が行われています。

新入生の皆さん、おめでとうございます。

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さて、4月は連休前までに、クラス・オリエンテーションと仲間づくり、学習科目の履修届、サークルの入部、など、やることが目白押しです。

どれも大切なのですが、「サークル活動」が、大学時代の友人づくり、に大切な役割を果たすので、これについて書きます。

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新入生の皆さん サークル新歓イベントに乗り遅れないように!

に書いたのですが、

大学時代は、テニス、旅行、英会話、なんでもいいのですが、好きなサークルに入ることを勧めます。

大学を卒業してからも、よく会う友達と言えば、同じ学科、同じ研究室と並んで同じサークルの友達が挙げられます。

「TAK」さんは工学部出身ですが、サークルはどの学部でもOK、だったため、今でも法学部、経済学部、医学部など、卒業後違う道に進んだ友達に会う機会に恵まれ、とても有意義です。

このような機会は大学時代の特権です。是非、気に入ったサークルに入りましょう。

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サークルの雰囲気、活動が、自分に合っているか?は実は入ってみないとわからないかもしれません。

新入生の皆さんは、入りたい候補のサークルをいくつか絞って、足しげく通って、実際にサークルに在籍している人たちと、お話されるとよいのでは?と思います。

ところで、新入生歓迎合宿、コンパなどが行われる4月下旬〜5月の連休までに入るサークルを決めるのでは?と思います。

5月の連休を過ぎると、どのサークルも新歓イベントは一段落、となります。

それゆえ、この時期を逃すと、入るタイミングを逸してしまう感じになってしまいます。

新入生の皆さん、タイミングを逸することなく、自分にあった楽しいサークルを是非見つけてください!

とにかく、スタートダッシュに乗り遅れないように。タイミングを逸すると、ちょっとリカバーが大変です




2014年04月03日

東大、早稲田、慶応などの大学院で、経済、金融、企業戦略などを教えている宿輪純一先生の勉強会

宿輪ゼミ「国際経済・金融情勢」

に参加しました。

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さて、宿輪ゼミは今年で9年目とのこと

「TAK」さんが初参加したのは6年前の2008年

経済・金融・経営・映画 宿輪ゼミ初参加

のことで、それから3回ほど参加し、その後、大学院のため、中断し、2年前から参加を再開しました。

こういった自主ゼミは、とにかく継続することに意義があります。9年も継続するのは、素晴らしいことです。


さて、前回の参加は

国際経済・金融の宿輪ゼミ「金融と市場の基本」


3月中旬の参加です。

何と言っても、私たちの生活にも直接影響し、実感が強いのが、消費税増税(5%→8%)でしょう。

140403国債

これについては、

消費税増税によせて、日本の財政を考える

日本経済の現代史を振り返り、財政再建の道を探る

に詳しく書きましたので、こちらを参照してください。

140403クリミア

国際情勢としては、ウクライナ・クリミア情勢が、まだ、もめていますが、これについては、

クリミア、ウクライナを巡るロシアと欧米の駆け引き

クリミア、ウクライナ情勢、ロシアの視点からの考察

を読んでいただければ、と思います。

これ以外にも、

アメリカの金融量的緩和の縮小が取りざたされ、新興国から資金が流出し、その結果、インフレを招いています。

また、これまで世界の景気をけん引してきた中国景気に減速が見られます。

この間までは貿易黒字国だった日本ですが、今は貿易収支は赤字です。

アベノミクスによる円安で輸出が好調なはずなのですが、原発トラブルにより、増加した燃料費など、輸入品の円安による高騰が、これを上回っています。


まず、量的金融緩和策についての復習から始めます。

経済の教科書では、市場に流通する通貨の量を調整するのが、政策金利(昔の公定歩合)であり、好景気の時にはインフレ防止で金利を上げ、逆に、不況時には、デフレ対策で、金利を下げる、というものでした。

ところが、政策金利がほぼセロに近いゼロ金利状態では、これが機能しないため、ゼロ金利の状態で、市場にさらに資金を供給するという政策がとられます。

これが量的金融緩和策です。

久しぶりの宿輪ゼミ「剥げ落ちたアベノミクスの期待/米国の量的緩和解除に注目」

にも


・金融の量的緩和とは?本来は金利の上げ下げで、市場に出回るお金の量をコントロールするのだが、金利がほぼゼロに近いため、量でコントロールせざるを得ない 

・アメリカの金融の量的緩和、余ったお金が株式市場に流れている。緩和が解除されると、金融が引き締まり、株価が下がる 


と書きました。

しかし、「紙幣」を大量に市場に供給するのであれば、「紙幣」の価値が急落するのでは、と考えるのが自然です。

金本位制の時代には、紙幣は金と交換されることで、その価値を担保していました。

紙幣が金と交換されない現在は、紙幣が大量に出回れば、ハイパーインフレで、文字通り、紙屑同然になってしまうリスクも、ないわけではありません。

なお、重要な経済指標として、アメリカの雇用統計が挙げられますが、

アメリカ「雇用統計」

アメリカ労働省が毎月第一金曜日に発表する雇用に関する統計で、アメリカ経済の状態を知る上で、極めて重要な指標です。

失業率、非農業就業者数を中心として、製造業就業者数、小売業就業者数、週労働時間、賃金インフレの状態を示す平均時給など10数項目が同時に発表されますが、特に重要なのは、失業率、非農業就業者数です。失業率は経済の状態の反映に少し遅れがありますが、、非農業就業者数は遅れがなく、すぐに反映され、よりタイムリーな指標と言えます。

さて、前置きが長くなりましたが、国際経済、国際金融について、検討する時は、このくらいの前提はしっかり整理してからでないと、表層だけなぞって、本質は理解できないことになってしまいます。

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上記事項を踏まえて、出た話をまとめます。

・消費税の引き上げが行われたが、財政再建にはこれだけでは不十分、成長戦略が欠かせない。

・アメリカFRB、金融量的緩和縮小で金利引き上げも想定される。お金が日本からアメリカに流れてドル高円安に。 

・ウクライナ・クリミア情勢、クリミアのロシア編入で決着では?東西冷戦時代と異なり、ロシアと欧米諸国が資源貿易で密接な関係にあり、対立はお互いにとってマイナス

・中国の理財商品が焦げ付き、中国版リーマンショックになる可能性も、資源輸出国である新興国に影響を及ぼすおそれ

・中国は成長が低迷しており、人民元を切り下げて、輸出を維持しようとする見込み 

・日銀短観、先行きがよくなく、金利低下、ドル高円安

・金、原油、金融量的緩和縮小でお金が絞られ、地政学リスクの回避された、との見方から下落傾向

・ティファニーの銀、中産階級が購入するので、その国の景気動向がわかる

・アメリカ雇用統計、最重要経済指標、特に非農業部門雇用者数

・日銀、国債を購入できる時間帯の延長を検討、海外投資家対策

・ヨーロッパ諸国、金融引き締めのため、輸入が減ったため、輸出超過で経常黒字 

・経済学の基本は「冷徹な頭脳と暖かい心」(経済学者A・マーシャル) 

・国債大量発行時は経常黒字でお金が入ってくることが大切。

・ドイツ、90年代は東西ドイツ統合などで経常赤字だったが、現在はGDP6より7%の経常黒字、東ドイツ統合のおかげで旧東欧圏とのビジネスがやりやすい。メルケル首相も東ドイツ出身

・ドイツ、第1次大戦後の1兆倍のハイパーインフレに乗じてナチスが入り込んだことのトラウマ、安定、健全な経済・金融を望む 

・江戸時代は米相場など先物変動相場、明治以降、工業化に合わせて固定化へ

・アメリカの経済は、短期的に金だけを見る。金以外の無形の価値の中長期的な経済価値を評価するようにはなっていない。

・欧州のユーロへの通貨統合、独り勝ちのドイツに他の国々が合わせざるを得ない形で、イギリスのポンドだけ抜けて、まとまった

・金融リテラシー、ハイリスク・ハイリターン商品、冷静に考えれば、そんなうまい話があるはずない、のに、乗せられてしまう。規制か?自己責任か?

・ディズニーはアンデルセン童話やグリム童話の原作をアレンジし、磨きをかけて、映画やキャラクターに取り入れた。

・アメリカ映画には、きれいな映像、素敵な歌、最後に悪人をやっつける勧善懲悪、前半のいじめ、挑戦する勇気、コンプレックスを乗り越える頑張り、自己犠牲、貧しい出身、など、感動の要素が散りばめられている。 

・クレージー・キャッツの谷啓はダニー・ケイに憧れて、芸名をつけた。

・悩んでいるよりも、実際にやってみることで、はじめてわかることがたくさんある。




2014年04月02日

消費税増税によせて、日本の財政を考える

で書いたように、

1990年頃から歳入と歳出のプライマリーバランスが崩れ、赤字国債残高が増大することになった、ことがわかります。

では、なぜこんなことになってしまったのか?どうすればよかったのか?財政再建するにはどうすればよいのか?考えることにします。

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政策責任者は、リアルタイムで刻々変化する、不透明、不確実、不確定な状況で政策判断、決定を下さなければなりません。かつ、責任は重大です。

一方、歴史を振り返るのは、既に結果を知っており、「あの時、こうすべきだった」という、責任もなく、気楽なものです。

ただ、この振り返り、を行うことにより、今後の教訓を得ることができます。

日本経済の現代史を振り返り、再生の道を探る


日本の政策金利の推移を見ると、1996年以降は1%以下の、いわゆるゼロ金利と呼ばれる、政策金利ですが、それ以前は高い時は9%、低い時でも4%前後あったことがわかります。

140402政策金利

第2次オイルショック(1979年)、プラザ合意(先進5か国の円高容認)(1985年)による影響もみられるものの、影響は短期的で小さく、むしろ1990年頃のバブル経済崩壊の影響の方が構造的に根深いことがわかります。

プラザ合意(先進5か国の円高容認)(1985年)により、1ドル230円だったのが1ドル120円になり、輸出産業の収益が急激に落ち込み、日本は「円高不況」に陥ります。上述のように、そこで日銀は政策金利を5%→2.5%に下げています。

ただ、その頃の日本の製造業の底力は強く、経済成長率はすぐに回復しています。

ところが、政策金利は2.5%のまま、2年間据え置いています。

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そこで、企業は低金利でお金を借りて、株式、不動産に投資する「財テク」がブームになり、「財テクをしない経営者は失格だ」と言い出す経営評論家も現れ、多くの企業が、本業そっちのけで資金の運用を始めます。資金の流入先は、株や土地でした。

株式、不動産により、資金を得た人々は財布のひもがゆるくなり、高級品が飛ぶように売れ、銀行は、土地を持っている人、企業には競って、本業外の融資をします。

これが、いわゆるバブル経済です。

当時は、日本とドイツで景気が過熱していました。おそらく両国とも金利を引き上げるのではないか。そうなれば、ニューヨーク株式市場から資金が逃げ出し、ドイツや日本に向かうのではないか。こう考えた投資家たちが、株価が下がる前に株を売却しようと考えます。そして、ついに1987年(昭和62年)10月、ニューヨーク株式市場で株価が暴落します。これは「ブラック・マンデー」と呼ばれます。

みんなが同じことを考えて一斉に株を売ったため、暴落を引き起こしてしまったのです。予言したことが実現してしまう。こういう状況を「予言の自己実現」といいます。

日銀も、ようやくバブルつぶしに乗り出します。公定歩合を1989年(平成元年)5月から1年3カ月の間に5回も引き上げ、2.5%から6%にします。金利が高くなるのですから、銀行からお金を借りようという人はいなくなります。かくしてバブルははじけました。

土地の値段が下がるということは、銀行貸し出しの担保になっていた土地の値下がりにもつながります。貸出金額より担保価値が低くなってしまったのです。これが不良債権です。

この不良債権により、1997年11月の1か月で、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券、徳陽シティ銀行の4金融機関が破綻します

上述のように、金融機関、本業は健全なのに、不動産で焦げ付いた企業を救済するために、政策金利は6%から0.5%に下げられましたが、バブル経済崩壊後は経済成長率もなかなか回復しなかった、ことがわかります。

日本では上述のように1995年以降ずっと1%以下のゼロ金利政策を取ったため、2008年のリーマンショックの際には各国の中央銀行が政策金利を下げて対応したのに、下げる金利代がありませんでした。

140402リーマン

本来2002年から2008年までの「いざなみ景気」と呼ばれる時期には、2%程度まで政策金利を上げておけば、リーマンショックの際にも余裕代があったのでは、と考えられます。

バブル経済崩壊以降は、企業も個人も収入が伸びませんから、税収も伸びません。かと言って、すぐに歳出を削減する訳にもいかず、赤字国債の発行につながります。


プラザ合意(先進5か国の円高容認)(1985年)により、輸出産業の収益が急激に落ち込み、日本は「円高不況」に陥ることの対策として、政策金利を5%→2.5%に下げるのは、当然として、

1987年(昭和62年)10月、「ブラック・マンデー」(ニューヨーク株式市場で株価が暴落)の際に、

ブラック・マンデー


87年12月時点では,日本も西ドイツも公定歩合は2.5%であった。

インフレを恐れた西ドイツ連銀は、88年7月と8月に公定歩合を0.5%ずつ引き上げ、さらに89年1月と4月にも0.5%ずつ引き上げて公定歩合の水準を4.5%とした。

これに対して,日銀は,国内景気の回復が明らかとなり、むしろ景気過熱を警戒する局面だったにもかかわらず、2.5%の公定歩合の水準を維持し続けた。


対米協調上、アメリカの政策金利据え置き要請を断ることは難しかったのかもしれません。

しかし、せめてドイツに追随する形で、この時に、政策金利を引き上げておけば、バブル崩壊の影響はずっと小さかったに違いありません。

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その後、2002年から2008年までの「いざなみ景気」と呼ばれる時期には、法人税は回復しています。

この時に政策金利は0.5%程度引き上げられるものの、諸外国と比較すると、ずっと金利が低いゼロ金利です。

この時に、2,3%まで政策金利を引き上げておけば、2008年のリーマンショック時に、金利の引き下げによる、対応策ができたのですが、既にゼロ金利であったため、対策の打ちようがありませんでした。

上に書いたように、

政策責任者は、リアルタイムで刻々変化する、不透明、不確実、不確定な状況で政策判断、決定を下さなければなりません。かつ、責任は重大です。

一方、歴史を振り返るのは、既に結果を知っており、「あの時、こうすべきだった」という、責任もなく、気楽なものです。

140401国債国際

しかし、政策金利のタイムリーかつ適切な操作をしなかったために、現在GDPの2倍以上の債務という、厳しい状況になっています。

これからも、アメリカの金融緩和縮小対応など、政策金利のタイムリーかつ適切な操作が求められる局面を迎えます。

「あの時、こうすべきだった」と後悔することはないように、したいものです。




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