2015年05月

2015年05月30日

モーグル上村愛子選手「逆境で学ぶ、オリンピック5大会に出場して」

という通知が来ました。

IMG_20150528_171429708

1998年の長野オリンピックから2014年のソチオリンピックまで、5大会に連続出場し、全ての大会で入賞を果たした元女子モーグル日本代表の上村愛子氏をお招きし、世界のトップを目指し続けた現役時代のことや弱い心との向き合い方などについて、伺います。


上村愛子さんについては、

難題のある人生は有難い人生「上村愛子選手 公式ブログ」

モーグル上村愛子選手「難題のある人生は有難い人生」

に書いていますが、モーグルについて上記ブログを振り返り、ちょっとおさらいします。


モーグルというスキー競技は1988年のカルガリ大会でオリンピック公開競技に、1992年のアルベールビル大会から正式競技になりました。

当初は日本人にはあまりなじみがありませんでしたが、1998年の長野オリンピックから一躍人気が出ました。

ただし、人気が出たのは、競技が行なわれた後の、夜のスポーツニュースからです。開催された日だって、中継はされていましたが、リアルタイムでは誰も見ていなかったでしょう。

当日は、ジャンプのノーマルヒル競技があり、原田選手、船木選手に期待が集まっていました。しかし、原田選手は5位、金メダルが期待された船木選手は惜しくも銀メダル。日本中にため息が漏れていました。

そんな時に、夜のスポーツニュースで届いたのが女子モーグル里谷多英選手の金メダル。

エアーは大きなコザック、切れのいいターンで好タイムが出ました。

この好タイムに動揺し、その後の上位選手が転倒など、崩れていく、「実力による、ラッキーな金メダル」だったでしょうか?

ここから、モーグル、特に女子モーグルの人気が出てきました。

長野オリンピックにも当時、高校生だった上村愛子選手は出場していました。当時第7位。今後の成長が期待されていました。

上村愛子選手は長野オリンピックから5回連続オリンピックに出場、7位、6位、5位、4位と毎回入賞、今回のソチオリンピックも4位入賞ですが、残念ながらメダルは取れませんでした。

高校生だった「上村愛子ちゃん」も結婚して、今では、もう大人の女性です。


14649401

上村愛子選手のブログ

から印象的な文章の抜粋を上記ブログに書きましたが、

傍から見ている「一緒に見て、都合の良いときだけ、感動、感激はするかも知れない第三者」と、実際に取り組む「本人」の迫力の違いを感じました。

傍から、冷徹に「可哀想だけど、順当な結果だ」などというコメントの意味のなさ、むなしさ

実際に世界の大舞台で、4年に一度だけ、かすかなチャンスをつかんで、活かしていく「本人」の気迫

さて、今日はどんなお話が伺えるのかしら?

早速出たお話をまとめます。

d93d7910


現役スキー選手、自分のスケジュール、都合に周囲に合わせてもらう。引退後は自分が周囲に合わせる

クラスはみんなでにぎやか、図書館は静寂、一人で好きな本を読む。本は自分が経験していないことを教えてくれる。

選手として滑っている時と、外側から見る時、外側から見ていたつもりだったが自我が邪魔していた

選手の時は、自分とトップ選手を比べてしまう。今はトップ選手を客観的に見る。

採点競技、主流のもの、評価が高いものをやらざるを得ない。自分が得意なもの、やりたいものとのギャップ。自分の演技に高い点が出ないことへの悔しさ。

上に行きたいのなら、自我ではなく、主流に合わせざるを得ない

メダルは結局取れなかったけれど、メダルを取るべく、しっかり準備したこと、やるべきことはすべてやったこと、に対する、すがすがしさ

シーズン初め、は、昨シーズンまでの技に改良を加えるので、当初はうまくいかない

ソルトレーク五輪後に、エアーのルールの大改正、それまでの8年間と全く違うことをやることになる。ルール改正があると、みんなそれに従い、がむしゃらにやる。数年後には新しい武器がないと、トップにはいられない

うまい人の動きは無駄がない。外から見るとわるいところがよくわかる。

一点強化ではなく、トータルで強化しないと、世界では戦えない

36f8e1ac

当時は里谷と上村だけ、今は層が厚くなった

世界一は、一人しかなれないが、みんなが目指すことができる

明日できるように、今日できることをやっておく

オリンピックメダリスト、目標が明確、逆算がしやすい

頑張っても調子が出ない時、栄養、睡眠など、準備のどこかが間違っている

科学的トレーニングは最近になってから、それまではナショナルチームでも根性論

感覚でやっていたことが、追求していくと、ピースにはまっていく

思った動きができなくなったら、プロに外から見てもらう

引退するタイミング、実はバンクーバー五輪でメダルを取って引退したかった、その先は考えられなかった。バンクーバー五輪から復帰した時、ソチ五輪まで行けるかどうか?わからない状態だった。やってもソチ五輪まで

何となく、では、オリンピックは目指せない。目標を立ててやっていく

ナショナルチームに入ってから、「自分はこんなことをやりたかったのだろうか?」と思った。でも、いやでも毎日やる、ことになる。いやでもやったことの成果は出る。

里谷多恵選手、最初の目標で最後まで越えられなかった。

世界のトップ、ジェニファー、ハナ、上村の三つ巴、ライバルだけれど仲間

大会前は激しい音楽、終了後は、穏やかな音楽

今日うまくいかなくとも、明日笑えるように、今日できることをする

コーチ、自分が行きたい道を明らかにしてくれた


今後の上村愛子さんの新たな分野での活躍が楽しみです。



2015年05月26日

東京大学日本・アジアに関する教育研究ネットワーク

2015Summer01

の講義の中に

永六輔×吉見俊哉  日本人はアジアとどう向き合ってきたのか

という回がありました。

永六輔さんは、「上を向いて歩こう」の作詞、1970年代には愛川欽也さんとのラジオの深夜放送による中高生への音声による開放空間の創作してきました。

永六輔さんはラジオという音声によるメディアを縦横無尽に利用して、多くの人々に夢、希望さらには想像力を提供してきました。

今日は、このラジオの深夜放送による中高生への音声による開放空間について考えてみます。

IMG_20150525_165427408


1970年代と言うと、既にテレビが普及しており、ラジオは全般的には「隅に追いやられた」感がありました。

ただ、テレビが普及したといっても、まだまだ高価で、大きくて、20万円以上しました。薄型の液晶テレビなどなく、ブラウン管の大きなテレビの時代です。

1人1台ではなく、1家に1台、茶の間にあり、家族みんなで見る、ものでした。

一方、その頃、ラジオは小型で安価で中高生でも手に入るものでした。

それゆえ、みんなで見るテレビに対し、中高生がパーソナルユースで1人で聞くラジオ、という感じでした。

受験勉強をしながら、ラジオを聞く、「ながら族」という言葉が生まれました。

もちろん、インターネットなどない時代で、孤独な中高生にとって、ラジオとは、深夜放送という開放空間へ導いてくれる、今のスマートフォーンのような存在でした。

こういった形で、全般的には「隅に追いやられた」感があるラジオでしたが、草の根レベルで、一人一人の中高生には普及していきました。

251586

放送作家を交えたワールドカフェ。これからの都市コミュニティを考えよう 




深夜放送、一人で勉強している受験生にとって、DJが読むリスナーからのハガキは、「苦しいのは自分だけでなないんだ」とリスナーを勇気づけた。ラジオがみんなの中心で結びつける役割を果たしていた。 


と書いたとおりです。

ラジオは映像がない、文字がない、ため、トークが聴取者の想像力を掻き立て、共感を呼びます。

聴取者は時折、葉書を放送局に送り、さながら、今のSNSのような存在でした。

c0063108_21251684

そんな、ラジオの深夜放送ですが、大学に入学すると同時に途端に聞かなくなります。

受験勉強をする必要がなくなるため、深夜に起きていないことが大きいのですが、

高校までの友人がクラスメート、部活など、限られた関係なのですが(特に男子校は)、

大学に入学すると、クラス、サークル、諸活動など、男女を含めた友人関係の輪が輻輳化、複層化していきます。

このリアルな輻輳化、複層化した男女の友人関係の中に、自分の居場所を求めることが第一で、深夜放送という開放空間へ行く必要がなくなります。

6c1ebb3a

「ひとのつながり」みたいなことを言う人の、多くが開放系(形じゃなく。)の2次元的つながりをイメージしているようなのだけど、そうじゃなくて、自分のなかに、開放系と閉鎖系の、大小の、複数の系(レイヤー)をもつこと(3次元)。


子どもから高齢者まで? 「地域の居場所づくり」の盲点


開く力と閉じる力が働いて、場は成立している。

人は、状況に応じたそのときどきで、異なる場を求める。

あるときは居場所だった場が、別のときには居場所だと感じられない。その逆もある。

人は気持ちや置かれた状況によって、求める場が変わるからだ。


85c4ec4a

家庭でもない、職場でもない、「第3の場 サードプレイス」とは?




家庭でもない、職場でもない、「第3の場 サードプレイス」とは、社会学者のオールデンバーグが取り上げたものですが、

職場から家庭に帰る前に、ちょっと居酒屋に立ち寄る、あるいは英会話スクール、スポーツジムに立ち寄る、

というのは、「第3の場 サードプレイス」ということを意識せずとも行われていることです。


と書きました。

20120929_1


永六輔さん、小沢昭一さん、斎藤安弘さんら、ラジオ全盛時代を築いた人たちは、音声メディアを駆使して、人々の「第3の場 サードプレイス」である、開放空間を創作してきたのだな、

そんなことを回想したひと時でした。


放送作家を交えたワールドカフェ。これからの都市コミュニティを考えよう 




・SNSの普及で、ラジオにハガキを出さなくても、ラジオがなくても、人と人とが結びつける時代になった。ラジオには新しい役割が求められている。

・今ではラジオ放送中にメール、ツイートによるレスポンスがあり、放送中にリスナーの反応により、内容を切り換えたり、メール、ツイートを放送するようになり、ラジオ放送のあり方も大きく変わった。

・ラジオ局とリスナーの関係だけでなく、リスナー同士、放送で紹介した店、人とリスナーとの関係もできていき、ネットワークが広がっていく。


このラジオとインターネットSNSの関係の推移から、都市コミュニティの展開についても参考になることがいろいろありそうです。


これから、どんな開放空間、「第3の場 サードプレイス」ができていくのか、楽しみです。




2015年05月25日

大学にいて楽しいのが、いわゆる公開講座のように、大学のトップのホームページに掲載するイベント以外に、

各学部、学科、研究室が主催する自主イベントの案内を数多く見かけることでしょうか

今日は、

「本当に大切なものから生きる人生を選ぶ」東大法学部卒のヴォーカリスト 鈴木 重子さんのお話

というイベントを見つけました。

IMG_20150521_164652689

いのちの響きをつむぐ歌い手。東大在学中にボサノヴァ、ジャズヴォーカルを学び、卒業後は司法試験への挑戦と、ジャズクラブでの活動を続けながら自身の歩む道を模索。「本当に好きなことをして、限りある人生を生きよう」とヴォーカリストの道を選択。

とあります。

鈴木さんは、小学生の頃から成績優秀で文系最難関の東大文一に疑いもなく入ったが、入学後、法学の思考回路が自分と合っていないことに気づき、ステージに立って歌った時、歌手である、自分を発見されたそうです。

このイベントは法学部の学部学生がメインのイベントですが、他学部学生、大学院生だけでなく、社会に出て数年過ごした、実は迷っている社会人にも刺さるお話かな、と思います。


伺ったお話が多岐に及び、自分の中でも、いまだに再構築できていない状況なので、まずは伺ったお話を紹介します。

IMG_20150521_170632320


東大生、自由とパワーを持つが、同時に周囲からのプレッシャー、責任も併せ持つ

コミュニケーション、内容だけでなく、伝え方、いかに伝えるか、が大切

東大生、言われたことをきちんとやる、のは得意だが、「自分は何をしたいのか?」には、答えを持っていないことが多い

周囲のすすめに従って大学に進んだが、社会に出てから、自分が本当にやりたいことを考え直して、別の大学院に入って再度勉強する人が増えてきている

五感を伴った情報が入ってきやすい。一度入手した情報を、誰かに教える、活用すると、情報が活きてくる

ひょんなことから代表に選ばれて、あいさつをする、みんなから拍手、翌日から先生も含めて、みんなの態度がガラッと変わった

(同様のことが私にもあった。学芸会、それほど、かわいい訳ではない、女の子が王女の役をやることになったのだが、

音楽に合わせてリハーサルを続けるうちに、男子のあこがれの女の子に変身してしまった)

場において、秀でていれば、周囲は尊敬してくれる。それができなければ、自分には価値がない。

小さいころから、成績優秀で、疑うことなく、文系最難関の東大文一へ。しかし、入学後に法学と自分の思考回路があっていない、ことに気付いた

東大に入れば、ずっと楽しく暮らせる、と思っていたのだが、エリートだけが集まる、さらに熾烈な競争の場だった

友達に進路の相談ができなかった。競争の場で弱みを見せるわけにいかなかった。つらいことを相談できる友達がいれば、状況が変わっていたかもしれない。

8d5f8c81

法学の存在には、大切な意味があるのに、それには気づかずに、資格があればと司法試験の勉強、でも勉強できない状態

音楽をやっている時間は楽しかった。音を奏でることにより、人とかかわることは凄い力がある。

ステージに上がって、歌を歌った時、自分は生きているんだ、と感じた。意識ではなく、意識下で身体が勝手に気が付いた。

明日のために今日、苦しむのではなく、今、周囲の人と楽しさを分かち合う。幸せが循環していく。

安全のために、周囲が認めることをするのではなく、周囲の人と楽しさを分かち合う。

歌手になることを決めたのではなく、歌手である自分を発見した。

あまり努力してはいけない。歌手は頑張り過ぎてはいけない。

いらない努力を捨てることにより、もともと持っているポテンシャルを引き出す。Undoする。しみついてしまったものを解き放つ。

歌を歌うことは技術をみせることではない。自分にとって正直な気持ちを語りかける。聞いてくれる人を大切にする。

02l

歌を歌っているライブハウス、劇場を超えて、世界に働きかける。

歌が深まると、聞いている人との関係が深まると、世界のゾーンが変わっていく。

人生では何度か、チェックポイントを取ってみる。休んで、自分の在り方を見直してみる。普段いるところと違うところに行ってみる。

五感で感じることを大切に。頭ではなく、身体で感じることを大切に。ただ、浮かび上がってくるのに、少し時間がかかる。

自分がその社会で何を実現したいのか?自分が一番大事にしていることをすればいい。

人間は注意を向けた情報を収集するようになる。

「やめようか」と聞いてみる。何かがおかしい、うまくいかない時は、立ち止まってみる。何に違和感があるのか、何が止めているのか、それをクリアすると次のステップへ進むことができる。


9c3b42b1

多くの東大生にとって、東大合格が人生の大きな目標だったりします。もっとも、最近はハーバード、スタンフォード、MITが目標で、東大はその通過点に過ぎない、という東大生も見かけますが。

すると、将来、自分がどのような職業に就いて、何をしたいか?ではなく、とにかく日本最難関の東大を目指すことが目標になります。

東大合格で人生の目標が達成され、万々歳かと言うと、そうでもなく、人生の大目標喪失感に苛まれることになります。

そして、入学した法、工、医の価値観と自分の価値観のギャップにも苛まれます。

工学部出身の「TAK」さんの視点から考えたことがあります。

キャリアを踏まえた大学生活とは?


東大理系男子学生を対象に考えてみます。

すると、

(1)東大合格、うれしい反面、人生最大の目標達成による喪失感

(2)大学生になったら彼女をつくるつもりがなかなかできない

(3)彼女をつくるため、学生生活をエンジョイするためにサークルに入ろうとするが、厳しい選考が待ち受けている

(4)厳しい進学振り分けの結果、工学部に入るが、それが中堅エンジニアへの出発

(5)これではまずい、と留学を考える

なんてルートが考えられます。


2f3cb59b-s

就職という名の産学連携


大学と産業界について、考えてみます


以前は、工学部には就職に際して、ある企業に学科推薦枠○名、という制度がありました

例えば、土木・建築学科はゼネコン、機械工学は自動車・機械、電気・電子工学は電機メーカーなど、学科と就職する企業が、かなり結びついていました

企業からすると、「基礎的な教育は大学が行なってくれて、先端的な技術・知識は採用する卒業生から入手する、先生方との関係も維持できる」

学生、大学からすると、「苦労することもなく、大企業に就職できる」

双方にとって、いい制度でした。卒業生が大学と企業のパイプ役を果たしていました

ただし、学生が学科と直接結びつかない、商社、金融などへ就職しようとすると、大学、先生方は冷淡でした。時には、関係する業界への就職をするような働
きかけ、勧めがあった、かもしれません。

パイプ役を果たしてほしい卒業生が、その役目をしないのですから、当然かもしれません

iQ6bbb40u7kk

日本の産業が製造業からサービス産業へ移行するにつれ、学科推薦制度も次第に姿を消し、工学系学生も文系学生同様、就活をするようになりました

また、工学部の学科も土木、機械、資源、原子力のような名称から、社会基盤整備、システム創成、技術戦略など、ずっと広範囲なものに変わりました

卒業生が大学と企業の直接的なパイプ役を果たす時代は終わった、かもしれません

「かもしれません」とは、直接的ではないが、卒業生が大学と企業のパイプ役を果たす役割は続いている、という意味です。念のため。


まだまだ、荒削りなので、鈴木重子さんから伺ったお話をもとにもう少しかんがえてみます。




2015年05月24日

最近、各大学が年に1回、卒業生をキャンパスに招く、ホームカミングデーが盛んにおこなわれるようになりました

「TAK」さんは、東大の大学と大学院、東工大の大学院を修了しましたが、東大のホームカミングデーは12回目を数え、毎年10月に行われます。

東工大はホームカミングデーは5月に開催され、今年で4回目、第1回から参加し、その様子は、

東工大ホームカミングデー・池上彰教授特別講演に行ってきました

東工大ホームカミングデーに行ってきました

東工大ホームカミングデー2014に行ってきました

に書いてあります。

IMG_20150523_135659351

東工大ホームカミングデイ2015(大岡山キャンパス)

の通知が来ました。

2つの大学のホームカミングデーに出るので、自然と比較することになります。

正直言って、10回以上会を重ね、法、経、工、理、医学部を持つ総合大学の東大に比べ、4回目の東工大は、運営、イベントに不慣れ、は否めません。

もっとも、東工大は日本の理工系大学のトップとして、東大と向き合う立場が宿命ですから、その特徴を活かしてほしいところです。

IMG_20150523_140103123

第3回目参加記の

東工大ホームカミングデー2014に行ってきました

から、少しずつ変化の兆しも見られるので、これをもとにしながら書いてみます。

一昨年は、

まず、着いて、驚いたのが、キャンパスが「閑散」としていて、人の姿が、まばらなことです。日程を間違えたかしら?と不安になったほどでした。

総合受付のスタッフも、ろくにおらず、

「何のおもてなしもできませんが」と言いつつ、さりげない心遣いがある「場」と思うのですが、これでは、本当に「何のおもてなしもありません」

という状態だったのですが、今年は、たくさんのスタッフが「こんにちは」と迎えてくれて、「おもてなし」の気持ちを感じます

テント、屋台もいくつか出ていて、これまでは「閑散」としていて、人の姿は、まばらだったキャンパスですが、今年は人の出も、ある程度あり、にぎわいも出てきました。

IMG_20150523_135919265

ホームカミングデー、年に1回、卒業生に懐かしいキャンパスに来てもらう、普段着でありながら、ちょっと「よそゆきの場」です。

その、ちょっと「よそゆきの場」をようやくセットすることができたかな、という感じです。

メインイベントは学長の挨拶があった「東工大MOT設立10周年記念シンポジウム イノベーションをサイエンスする 東工大MOTは進化します」で、

その内容については、場をあらためて書きます。

IMG_20150523_14014435

東工大ホームカミングデー2014に行ってきました

にも書いたのですが、

ただ、やっぱり気になったのが「基調講演」でしょうか?

第1回はニュースキャスターの池上彰さんの特別講演があり、講堂が満員でした。

第2回の基調講演は、東京スカイツリーのお話を建設に携わった企業、卒業生である経営の方がなさったのですが、会場はガラガラ。

東京スカイツリーの話も、利用開始から1年たった段階では、どこかで聞いたことがあり、「賞味期限切れ」です。

基調講演とは、誰もが知っている、旬な著名人が行い、集客を高める意味があります。

そして、基調講演で集客した聴衆に、自分たちがアピールしたいことを伝えていくことになります。

若手MOT研究者によるリレーレクチャー「イノベーション最先端」は大変興味深いものでしたが、通常のMOT講演会、知的財産講演会で聴くような内容をホームカミングデーでやっても仕方ありません。

午後いっぱい持たせるのは無理があったようです。

IMG_20150523_140250259

今回のホームカミングデーでは、現役の学生さんたちが参加する企画が数多くありました。

ホームカミングデーは、卒業生と現役学生が、いくつかのテーマを通じて、触れ合う場でもあります。

このような企画がたくさん出てくるとよさそうです。

IMG_20150523_160056310

さて、東工大ホームカミングデーについて、やや辛口の感想を書きました。

卒業生ネットワークとコミュニケーション




同窓会ネットワークとは、昔を懐かしがるためだけでは、もったいない、ものです。

卒業生というつながりで、必ずしも同じ時期ではない先輩後輩も時代を超えてつながることができれば、強力な社会インフラになります。


IMG_20150523_140016634

卒業生ネットワークとは大学の重要な社会インフラです。ホームカミングデーとは、その重要な社会インフラを形成する、卒業生に来てもらう、大切なイベントです。

まだまだ、運営、イベントに不慣れで、参加者の少ないのですが、それは仕方がないこと、とにかくやることに意義があります

回を重ねるごとに、次第に、来なかった年代層も戻ってくるようになります

10回以上回を重ねる東大がそうでした。


東工大の、来年度の取り組みに期待します。











2015年05月22日

東大、早稲田、慶応などの大学院で、経済、金融、企業戦略などを教えている宿輪純一先生の勉強会

宿輪ゼミ「国際経済・金融情勢」

に参加しました。

IMG_20150520_18385700

なお、先生は4月1日付で帝京大学教授に就任されたそうです。

さて、前回の参加は

日本国債格付け引下げ、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)最終局面、中国主導のアジアインフラ投資銀行、で国際経済はどうなる?

で4月の下旬でした。

この時は、EUはギリシャによる経済危機、アメリカはNYダウ、ナスダック史上最高値更新で金融引き締めのため、金利引き上げの予想、中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)、


日本国債、1段階格下げ「A」になり、日本国債が大量に売られて、価格は暴落、金利は上昇、というシナリオが、ホラー・ストーリーではなく、少しずつ現実味を帯びている感

というところだったでしょうか?

それ以降の変化としては、アメリカの金融緩和終了の影響が出てきて、市場からお金が引き始めている、ということでしょうか?

img_2451b1bc57a2e72d0950b8bca211c572146452

量的金融緩和策についての復習をすると、

経済の教科書では、市場に流通する通貨の量を調整するのが、政策金利(昔の公定歩合)であり、好景気の時にはインフレ防止で金利を上げ、逆に、不況時には、デフレ対策で、金利を下げる、というものでした。

ところが、政策金利がほぼセロに近いゼロ金利状態では、これが機能しないため、ゼロ金利の状態で、市場にさらに資金を供給するという政策がとられます。

これが量的金融緩和策です。

物価とインフレデフレの関係と金融政策

久しぶりの宿輪ゼミ「剥げ落ちたアベノミクスの期待/米国の量的緩和解除に注目」

にも


・金融の量的緩和とは?本来は金利の上げ下げで、市場に出回るお金の量をコントロールするのだが、金利がほぼゼロに近いため、量でコントロールせざるを得ない 

・アメリカの金融の量的緩和、余ったお金が株式市場に流れている。緩和が解除されると、金融が引き締まり、株価が下がる 


と書きました。

marketnow_14102301

ニューヨークダウが7年連続で上昇していますが、これは金融緩和の時期とダブります。

ドルの資金流通量は量的緩和前が8000億ドルだったのに対し、現在は4.5兆ドルで約5.5倍。2020年までには2兆ドルまで減少させる予定です。

株価が好調であれば、経済、雇用も好調で、ニューヨークダウの上昇に合わせて、失業率が低下しています。

images

また、ニューヨークダウ30はアメリカ国内だけでなく、世界中でビジネスを行いますので、日本企業とも多くの取引があります。

ニューヨークダウの上昇に合わせて、日経平均も上昇していることがわかります。

rakuten_0413_2

ただ、ウォーレン・バフェット「経済と株価はおおむねバランスする」と言っています。

実体経済以上の株価上昇はバブルで昨年末から株価がGDPを上回っており、バブル状態です。

アメリカの金融緩和終了の影響が出てきて、市場からお金が引き始めています。金融市場の潮目の変わり時かもしれません。

資産価値が下がるのがバブル崩壊。20%の変動は吸収できるが、それを超えるとステージが変わります。

2391aa88

上で、雇用について触れましたが、

アメリカ「雇用統計」

アメリカ労働省が毎月第一金曜日に発表する雇用に関する統計で、アメリカ経済の状態を知る上で、極めて重要な指標です。

失業率、非農業就業者数を中心として、製造業就業者数、小売業就業者数、週労働時間、賃金インフレの状態を示す平均時給など10数項目が同時に発表されますが、特に重要なのは、失業率、非農業就業者数です。失業率は経済の状態の反映に少し遅れがありますが、、非農業就業者数は遅れがなく、すぐに反映され、よりタイムリーな指標と言えます。

さて、前置きが長くなりましたが、国際経済、国際金融について、検討する時は、このくらいの前提はしっかり整理してからでないと、表層だけなぞって、本質は理解できないことになってしまいます。


全般

方向感が出にくく、おっかなびっくりの相場の中で、ニューヨークダウとドイツ国債に注目

1

アメリカ

ニューヨークダウがバブル状態。FRB(連邦準備制度)イエレン議長が「アメリカ株は高過ぎる」と警告(普通しないこと)

アメリカの利上げは、当初9月の予想だったが来年までずれこみそう。(景気がそれほどよくないため)

金利引き上げ時期の「後ずれ」、9月に利上げ、と予想しているので、実質的に、利下げ、金融緩和と同様の影響

ドルの利上げは、国内経済事情で決まるが、基軸通貨のため、世界中に影響が波及。ブラジル、トルコ、インドネシアなど、経常赤字、高インフレの国から、資金がアメリカに戻り、これらの国々が大きな影響を受ける。

TPP(環太平洋パートナーシップ)のための基本条件がTPA(Trade Promotion Authority:貿易促進権限)議会が大統領に権限を委譲。

TPPは、いわば中国へ主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)への対抗策としての、アジア版NATO

img_tpp03


欧州

ドイツ国債が買われ過ぎて、バブル状態。債券王ビル・グロスがそれを警告し、ドイツ国債が下がり気味。

イギリス、総選挙で保守党が予想以上の勝利で、保守、労働党共に過半数に達せずに、スコットランド独立党がキャスティングボードを握る構図を防いだことで、ポンドが買われ、ポンド高。北海原油を背景に、原油価格上がり気味も好影響。

ただし、世界的に、イギリスのEU離脱の可否を見極める動き。

ギリシャ、6月以降の資金繰りの目途が立っていない不透明な状況

EU全体としては金融緩和を期待して株高、ユーロ安

28dcd328

日本

株価、日経平均が再び2万円を超える。当面値崩れはなさそう。GPIF(Government Pension Investment Fund:年金積立管理運用)の国内株式運用比率が12%から25%に上昇したことによる、株式買入資金の上昇だけでなく、

質の向上(経営指標をよくみる)の影響もある。

一方、国債は市場が崩壊し、札割れ状態

インフレ・ターゲット2%、としているが、これは「デフレ脱却」と「景気回復」を混同。日本人は節約志向が高く、アメリカ、中国のように、お金があれば使ってしまう、ことはない。

財政健全化計画はGDP3%成長、インフレ・ターゲット2%、を前提としているが、これは難しく、金融緩和、国債買い入れ、をずっと継続することになってしまう

ff00b47c

中国

AIIB(アジアインフラ投資銀行)とシルクロード基金は担当が違うのでうまくいかないのでは?

一方で、AIIB(アジアインフラ投資銀行)とBRICS銀行を使い分ける、したたかさ

AIIBの資本金当初500億円の予定を1000億円に増額、中国が出資比率30%、ヨーロッパ諸国も30%とし、同等の発言権としたい

ADB(アジア開発銀行)ではインドが24%、中国が20%の物件を取得しているが、日本は0.5%しか取得できていない

GDPの15%が不動産業だが、住宅市場が不振で、ファンド会社が危ない

銅先物が住宅など実体経済を反映する景気指標だが、2011年につけた最高値から4割減と不振

11月から3回追加利下げ、準備預金引き下げ

002bb129


ブラジル

2014年貿易赤字(鉄鉱石、大豆)

鉄鉱石は原油と同様、価格が変動しても使わざるを得ないため、需要の変動が小さく、価格下落により売り上げ減

2015年マイナス成長、ワールドカップ、オリンピック開催が負担

34fad5c5

為替

ドル円:振れないが、やや円安

ユーロドル:ギリシャ不安でユーロ安

新興国:やや安

株式

米株:イエレン警告、ドル高で、やや安

日株:やや高

債券

国債:金利やや上昇

商品

金、原油:やや上昇








2015年05月18日

5/16(土)、17(日)と東大五月祭に行ってきました

学園祭は秋に開かれることが多いのですが、東大では初夏に本郷キャンパスで五月祭、秋に駒場キャンパスで駒場祭が開催されます

東大五月祭は学園祭の雰囲気を味わえるのですが、質の高い講演、ワークショップも盛りだくさんで、スケジュールを組むのが大変ですが、楽しみです。

fed87fe8

昨年は、

グローバル化時代の日本の教育「変わる世界で、変える人に」

で、元文部科学副大臣鈴木寛氏、百ます計算などの「陰山メソッド」で知られる陰山英男氏、「2012年度ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出された小林りん氏がスピーカーの講演会

2cc629cd

東大イノベーション・サマープログラム五月祭企画に行ってきました

で、東京大学i.schoolの主催するワークショップに参加したのですが、

c9d5687c

講演会、ワークショップに参加すると、2時間くらいはかかって、いろいろなプログラムを見れなくなってしまいます。

そこで、今年は、キャンパス全体のいろいろな企画を回りつつ、講演会、ワークショップものぞきつつ、全体の雰囲気を味わうことにします。

IMG_20150517_141327549

五月祭には、ここ数年、訪れているのですが、年々参加者が増えています。

以前は大学生が中心で、大学院生になると、「ついていけないよ」という感じだったのですが、企画者側も大学生、大学院生、参加者側は中高生、あるいは小学生から中高年まで、幅広い世代が参加します。

また、留学生の企画も目立ちます。

まず、赤門を入ってすぐの案内書でパンフレットを受け取り、正門、安田講堂方向へ歩こうとするのですが、もの凄い、人!人!人!

IMG_20150516_124438610

でも、空いていたらさびしいですから、混んでいるくらいがいいのです。

ひしめく模擬店、コーラス、演奏、パフォーマンスの中に身を置いていると、次第にワクワクしてきます。

IMG_20150516_130412366

数十年前にタイムスリップして、学生の頃に戻った感じです。模擬店で、ユニフォームを着て、一緒にお客さんの呼び込みをしたくなっちゃいます。

IMG_20150517_141939607

屋外企画も面白いのですが、室内企画も上に書いたように高い講演、ワークショップが盛りだくさんで、ちょっとずつのぞいていきます。

今年の特徴はアイドル企画がいくつかあることでしょうか?

1

若いパワー、エネルギーをもらうって、素晴らしいことです。

今は、まだ余韻に浸って、もやもやしてますが、何か生まれそうです。






2015年05月14日

「女性本来の力を活かす企業のあり方」ゲスト:株式会社和える代表取締役 矢島里佳さん

という案内が来ました。

IMG_20150513_182531425


伝統産業の職人さんたちと共に0~6歳児向けの日用品を開発、販売する株式会社和える代表取締役の矢島里佳さんをゲストにお招きし、彼女自身の生き方、価値観、起業のストーリーに加え、自社の組織運営と経営の方針についてお話を伺います。


とあります。

それでは、まずゲストから伺ったお話をまとめてみます。

IMG_20150513_185924137


伝統産業、日本食、原風景など、日本の文化は「宝の山」、ただ、そのまま、ではなく、アレンジして伝えることが大切

これまでは「経済」に着目し過ぎ、文化を経済に活かす、経済大国から経済文化大国へ、経済と文化は両輪

日本文化を支えてきた技術者がまだ残っているがギリギリ、失われてしまう寸前、伝統技術者を次の世代につなぐ

0ff880f5

子供の時に触れるものが大切

デザインを変えていく、魅力的なものが活かされていない

「本当の豊かさとは何か?」これは経済的に豊かさを得たからこそ、の問い。経済的に貧しい時には、そんなことを考えるゆとりすらない

オンラインだけではなく、伝える「場」が必要

「出会う」ことが大切。「たまたま」がつながっていく。

「こうしたい」と表明すると、それまでの人のつながりが、新たな人のつながりを生む

「住む」「スペースを使う」から、家が活きる

「つながり」を育むには、少し時間がかかる

既存の働き方(週5日、9〜17時、残業、休日出勤など)に合わないがゆえに、優秀な人材が活用されていない

社長は365日24時間働く、でも、父、母、夫、妻だって365日24時間働く。人以外で人格をもてるのが法人

何日会社に行けば、お金をもらえる、のではなく、価値を生み出さないと、会社が食べていけない

「この会社」ではなく、次に目指すものがある。成長と共にできることが増えていく

proto00_img_00

つむがれてきたからこそ、伝統

「こだわりを持ち、変わらないもの」と「時代と共に変わっていくこと」「新しいものを取り入れていくこと」のバランス

今までの蓄積を踏まえてこそ伝統、それがないと薄っぺら

好きか嫌いかわからない、グレーとは実は絶妙はバランス感覚

後から振り返ると、その時は気づかなかったターニング・ポイントがある

対等だけど、尊敬すべき対象がある。例えば、親

お互いに好きなことをやっているけれど、交わる時は交わる

製品をつくる職人よりも、道具をつくる職人がいなくなっている

原材料は輸入しないと成り立たない

日本の伝統の中継基地になる

IMG_20150513_191113564


ここでいただいたテーマの中のキーワード、伝統、文化、日本については、いろいろな機会に考えてきました。

開成学園の運動会に行ってきました


時代と共に、変わっていくのは当然です。

「変わっていく」ことに対して、一抹の寂しさを感じるかもしれません。

ただ、時代と共に、変わりつつも、引き継がれていく、これを伝統と呼ぶのかもしれません。


U168P210T2D10361F11DT20110726072012

アートと社会、経済だけでなく、文化の力を育て、活用する


社会の発展を考える上で、経済の力だけではなく、文化の力が見直されてきています。

どうやって日本の文化を展開、発信し、社会全体の発展に寄与するような活動をすればよいでしょうか?

日本には素晴らしい伝統文化、能、和歌、和楽器による音楽、があります。

ただし、これらをいきなり伝えようとしても、世界ではなかなか伝わるものではありません。

上に書いたように、西洋音楽という「国際標準化」により、世界中での適用性を確保し、その中で、「日本らしさ」を伝える、という手法がありそうです。

・世界に入っていくきっかけとしてのオペラ、いきなり日本の伝統文化では難しいが、「和」するオペラであれば、世界に受け入れられる芸術を日本から発信できる

・西洋のオペラ、個性のぶつかり合い、日本のオペラ、ハーモニー、アンサンブル、「和」全体観

・アカデミックだけでなく事業性、経営のトップがアーティストではなく、経営者

・国の力を広げるには、経済だけでなく、文化の力が不可欠

オペラは世界のユニバーサル・カルチャーです。

いきなり、日本の伝統文化は難しくても、世界に発信するきっかけとしての、日本発の「和」するオペラがありそうです。

有名な蝶々夫人は幕末の長崎が舞台です。


8f3813be

技術、製品から音楽、アート、料理など文化のグローバル化へ


音楽、アート、料理など文化については、西洋文化の他地域への普及が主で、一部、クールジャパンのように日本初のアニメ、音楽が海外で評価される動きもありますが、まだまだ、という段階でしょうか?

・日本歌曲、日本語による芸術的な詩や短歌に西洋音楽による曲をつけて、結果、国内だけでなく、世界に広まった。

・ソフトパワーとは政治力(現在)、技術(将来)、文化力(過去からの蓄積)

・国境の壁を越え、世界に普及した事例、フランス料理、イタリアオペラ。言葉と様式の壁を超える。チャネルを持つ。市場を知る。

・人はもらったものは大事にしますが、創ったものは忘れてしまう。(戸口幸策)

・文化事業は一時のブームではなく、ロングテール。 

西洋音楽の中に、日本らしさを取り入れる工夫をし、西洋音楽を日本に根付かせています。


西洋音楽という「国際標準化」により、世界中での適用性を確保し、その中で、「日本らしさ」を伝える、という手法でしょうか。


アメリカにも美味しい豆腐があることを知ってほしい

という記事がありました。


アメリカでアジア系の料理は人気が高く、日本料理の評価も高い。ただ、日本人が経営する店ではない。「純日本風の味付け」や「日本から空輸した高級食材」など細部にこだわり過ぎる伝統的な日本料理はうまくいかない。


日本の文化を発信する手がかりを得た気がします。


c7c90e9d

創造とイノベーション、料理の力で世界を変える


イノベーションと言うと、科学技術を思い浮かべがちですが、食文化の融合・伝達、クリエイティビティーの発揮、生活者への価値、と言う意味で、料理の力は大きいです。

食は最も生活に結びついた、文化を反映したもので、料理人の創造が表現でき、料理者と食する者の対話が様々なイノベーションを呼ぶ。人々の生活の基本から文化、世界を変える可能性があります。

日本は海外の料理を取り入れて、日本の文化に合ったものに進化させるのが得意です。

例えば、パスタはイタリア料理ですが、日本のパスタは質が高く、本場イタリアで食べるものと何ら遜色がありません。

スペイン料理のパエリアなど、日本人に合ったものが日本で食べられます。

中華料理に至っては、本場を離れて、独自の「中華」を創り上げています。

というように、文化の融合、伝達の手段として、食は重要な機能を果たしています。

・言語は異なっても、食は共通。食は料理人が自分を表現する方法。 

・移民により食が融合する。メキシコと中華など

・いいスタッフ、周囲に囲まれていると、提供できる食事のバラエティー、質がぐっとよくなる。

・重力(自然の力)に逆らわず、利用する。

・頭で考えているだけでなく、行動しているうちに、アイデアがわいてくる。

・チームで働くことにより、多くの人々とアイデアを創発することにより、クリエイティビティーが生まれる。

・完璧を求めても難しい。できることに集中し、改善を続ける。快適な、慣れている、コンフォート・ゾーンを抜け出す。

・国を変えようとしなくても、周囲に何か、貢献できることはある。


ffbe57b0-s

夢ビジョン2020オープンセッション「工芸、文化、産業、テクノロジー そしてこれからのものづくりとは」


日本のものづくりを支えていたのは長い時間をかけて形成された職人技でした。日本は島国であったが故に、産業革命による影響も緩やかで、欧米に比べると現在も格段に手工芸の技術が残っています。

しかし、現在ものづくりを取り巻く環境は、機械化や、3Dプリンタなどの技術革新、産業形態や、流通、生活様式などの急速な変化などによって転換期を迎えているように感じます。

・伝統手工芸でも、材料の加工など、かなりの部分が、手工芸ではなく、機械加工でなされている。

・西陣織、大昔はすべて手工業だったが、明治以降は機械織り。都が京都から東京へ移り、高価な織物を買える客が激減した。

・西陣織、織物のストラクチャーのデザインがメインで、職人が織るのは最後の工程。写真をスキャナーで取り込むデザインも行われている。

・西陣織、質の高さ、技術が海外の高級衣料ブランドから高い評価を受けている。和柄、帯、和服にこだわらなければ、いろいろな海外展開が考えられる。

・日本の伝統工芸、そのままでは日本からの土産、ジャポネスクとしての価値のみ。質の高さ、技術を活用して、海外にマッチした製品としての展開をしていく。

・ゆとりがある時に、「遊び」でやったことが、技術の進歩につながっている。

・新しいアートのクリエーターとしての職人はPC、ソフトウェアを使いこなす。 

・伝統工芸はクリエイティブ産業。

・伝統工芸、後継者の育成が難しい。歯を食いしばって頑張る時代ではなく、つまらないと、すぐに飽きて、続かない。

・「職人の技」とされていたことの多くが、3Dプリンター、NC工作機械で可能になった。これからの伝統産業は、新技術を積極的に取り入れる。

・日本の伝統工芸は「あらゆるところにこだわり」ではなく「こだわるもの」「こだわりを捨てるもの」を取り入れていくと、世界に進展していく可能性。


「伝統工芸」というと昔からの職人の技を代々伝承して、というイメージですが、実際には、3Dプリンター、NC工作機械、写真スキャナーなどの最新技術を導入して、PC、ソフトウェアを駆使して、行われている、とのことです。




2015年05月11日

文章は言語を使って表現するアートである

f0bd1ada




文章とは言語という媒体を使って、自分が表現したいことを表現するアート、ということができます。

文章を書く場合、絵画、写真のように、風景、人物、モノ、事象を、言語という媒体を使って、表現する場合があります。

この場合、風景、人物、モノ、事象を忠実に観察し、その結果を言語を使って表現することになります。

これはサイエンスの観察、観測に似ています。

写真の場合、同じ被写体であっても、写真家によって、全く異なる印象を受けるように、同じ風景、人物、モノ、事象の記述であっても、

筆者により、全く異なる記述になる場合が少なくありません。

風景、人物、モノ、事象を記述するだけでなく、自分の考え、アイデアも言語という媒体を使って表現します。

上記のように、無から有を生む、というものよりも、既に自分が抱いている、持っているコアをベースに、

いくつかのものを組み合わせて、新しいアイデアにする。これは工学に似ています。

あるいは、既にあるものを改良する。これは農学に似ています。

5e57803f

文章は言語が主体ですが、言語だけでなく、写真、イラスト、動画、音楽なども使うことができます。

文章には、読者がいて、読者に理解してもらうことが前提の文章(広告、企画書、ポスターなど)、

自分のために記録する文章(ノート、日記など)があります。

文化、思想を表現する媒体が、言語ですから、外国語のように、異なる言語体系で表現される文化、思想も当然異なるものになります。

異なる言語体系で表現される文化、思想を翻訳することは、単なる言語の置き換えではなく、文化、思想の背景を踏まえることが必要になります。


と書いたように、文学作品にみられる、言葉による表現力の素晴らしさを探求しようと、

文学、言語による表現の可能性、無限性

楽しい読書、から、ゾクゾクする、人生に食い込む読書へ

自分と対象とのインタラクション、さらに、その受け手へのコミュニケーション

2

など、いろいろな文学に関する講演に参加し、ヒントを探してきました。

文学、言語による表現は、自然科学のように、唯一絶対の法則がある訳ではなく、作家の方の数だけ、手法があります。

それゆえ、なるべく多くの方からお話を伺って、取り入れて、自分の表現に創り上げていきます。

今日は、

芥川賞作家、小野正嗣氏講演会「読む・書く・学ぶ」@東大法文2号館

という案内が来ました。

IMG_20150510_141539243

伺ったお話をまとめると、


遊びは、人間の生と深く結びついている。

遊びが成立するためには、想像力が必要。想像を絶する状況では遊びが成り立たない

想像力を奪われる、なくす時ほど、想像が必要

文学作品は、言葉を用いて、想像を行うもの

文学は人が生きていく上で、必要な遊びを創り出す

文学を鑑賞する時、人は言葉が創り出す想像の世界に浸っている

文学を鑑賞すること、現実と想像の世界を行ったり来たりして遊んでいる

文学作品の主人公、作品の世界の中で、居心地がよくないところがあり、読者は現実の自分の人生を掛け合わせていく

本を読むことによって、現実の世界と自分との関係が少しでも、より良い方向へ移行する

言葉の力を借りて、現実の世界から離れる。本を読んでいる時間は独特

文学、詩、読者がいなければ、ただの文字の羅列


8f3813be

想像力なしに偉大なものは何一つ達成されない

に、


・想像力なしに偉大なものは何一つ達成されない

・21世紀は偉大な変革と達成の時代。そのためには、挑戦的な着想や、思考と想像における新たな方法に触れることが大切。そうすれば、想像力は解き放たれ、人類全体のためになる創造が可能になる


東京大学公開講座「想像力ー想像から創造へ、混沌と構造化」に参加しました




・想像力こそは諸能力の女王(詩人・批評家ボードレール)そして想像(イマジネーション)が創造(クリエーション)へつながる

・インスピレーション(触発):外界の刺激に触れることによって、表現のモティベーションが高まったり、新しいアイデアや作品が生まれる現象

・「他者の表現」との出会いからもたらされるインスピレーション(触発)は想像(イマジネーション)、創造(クリエーション)に大きな役割を果たす


クリエイティブなライフスタイルとは?




よい創作物は私を泣きそうにさせる。それらは現実から目を背けさせるために存在しているかのように見せかけ、実際は現実を直視せざるを得ない状況に人を追い込む。現実は想像の上に、想像は現実の上に、存在する。

想像と現実はあざなえる縄のように一体になっている


と書きました。

4aaff6a9

想像力が、すべての源泉になります。

上に書いたように、せっぱつまっている時に、想像力は働きません。

ちょっと、ゆとりがあって、遊び心が働く時に、想像力も働きます。

現実と想像の世界を行き来するうちに、想像は創造につながります。


いろいろヒントが出てきたようです。




2015年05月08日

英選挙は保守党が実質過半数の可能性、スコットランド民族党躍進

イギリス総選挙の総選挙はかつてない、2大政党制の終焉では?という激戦、キャメロン政権の危機、EUからの離脱、などが予想されていましたが、

ふたをあけてみれば、キャメロン首相率いる保守党が単独過半数を占め、ミリバンド党首の労働党が大敗、

スコットランドの独立を目指すスコットランド民族党が躍進しました。

K10010072871_1505081225_1505081228_01_03

今日は、中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に率先参加など、最近のイギリスの世界戦略について考えてみます。

世界の中のイギリスに見る凋落と復活




昨日までの敵ともパートナーシップを組む、柔軟さにより、イギリスは自国の数十倍の領土、人口、産業をまかなっていました。

また、英語と言う自国の言語を、世界共通語にもしてしまっています

ところが、第1次、2次世界大戦を通じて、イギリスは疲弊し、凋落した一方、アメリカは超大国にのし上がっていきました。

世界中に植民地をかかえることは、経済的にメリットがある反面、維持管理のための軍事費などが突出します。

一方、アメリカは広大な国土に移民を受け入れ、発展していった。ある意味、国内にたくさんの植民地を持っていたようなものです。

40a7fb64

・イギリスの3つのサークル(チャーチル)1.大英帝国と英連邦(カナダ、オーストラリア、インドなど)2.英語圏(特にアメリカとの特殊関係)3.統合ヨーロッパ、3つのサークルの交差点にいるイギリス、どのサークルからも外に出てはいけない

・第2次大戦を経たイギリスの衰退、戦勝国側だが、超大国はアメリカとソビエト、ドイツとの戦いに疲弊し、イギリスは単独は大国ではなくなった。さらにインドなど植民地が独立。

・1960年代以降、イギリスから植民地が独立し、大英帝国が解体し、独立した植民地の多くが英連邦に加盟したため、カナダ、オーストラリアなど、白人、キリスト教から、有色人種、イスラム等多様な宗教で、まとまりがとれなくなり、求心力を失った。

・1960〜70年代の米英関係、ベトナム戦争への英軍派遣拒否で、動揺。米英関係は常に安定なわけではなく、動揺する時期も数多くある。

igi

・イギリスは当初ECヨーロッパ共同体に加盟しなかったが、1973年に加盟、大英帝国からヨーロッパへの軸足の移行。ただし、EC内で、主要国のフランス、西ドイツと足並みが合わず、「厄介なパートナー」

・ブレア労働党政権、米英関係とヨーロッパ統合に収斂し、「米欧間の架け橋」を打ち出すが、アフガニスタン、イラク、リビアへの軍事作戦、アフリカの貧困対策など、大西洋を超えたグローバルな取り組みも行い、大英帝国への名残も見られる 

・中国、インドなど新興国台頭の中で、イギリスは、接近を試みるが、両国とも対米関係をより重視。香港、インドが大英帝国化にあった頃への回帰を目指すが、難しいかもしれない。 

o0350022211372430896

・イギリスは1.英連邦、2.米英関係、3.ヨーロッパ統合の複数のサークルが交差する位置に自らを置くことで、単独では持ちえない影響力の確保を目指す。

・イギリスは中国、インドなど新興国の台頭、EU脱退の可能性の中、1.英連邦、2.米英関係、3.ヨーロッパ統合の圧のサークルから、新たなサークルの組み合わせを模索

・イギリス、キャメロン首相が2017年末までに、EU残留の是非を問う国民投票。EUは28か国が加盟しているが、通貨であるユーロの危機、高い失業率など、危機を迎えている。 

・イギリスはEUから脱退した場合、ヨーロッパ内での影響力だけでなく、アメリカとの特殊な関係も損なうおそれ。間違えると、孤立化、影響力減退


イギリスはEUに加盟しながらも、通貨は統一通貨ユーロではなく、独自の通貨ポンドを維持しています。

これはEU域内関税撤廃など経済効果は利用しつつ、独自の金融政策が、ある程度可能です。

人のEU域内自由移動により、旧東欧圏からの移民の流入により、失業などが問題になっていますが、先進国の中では珍しく経済成長も果たしています。

img_8

上に、


・中国、インドなど新興国台頭の中で、イギリスは、接近を試みるが、両国とも対米関係をより重視。香港、インドが大英帝国化にあった頃への回帰を目指すが、難しいかもしれない。 


と書きましたが、この挽回策が中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)への率先参加でしょうか。

AIIB

日本国債格付け引下げ、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)最終局面、中国主導のアジアインフラ投資銀行、で国際経済はどうなる?




アメリカに極めて近い立場のイギリスの参加がターニングポイントで、その後、ドイツ、フランス、イタリアなどヨーロッパ諸国が、雪崩を打って加盟することになりました。

ただ、中国主導の国際金融機関が、果たして、うまく機能するのか?中東、欧州の「火種」が飛び火することにならないか?など、不透明な部分が相当あります。


と書きました。

香港、インドなど、アジアの拠点を失ったイギリスが、AIIB(アジアインフラ投資銀行)をテコにアジアへの影響力を復活させたい意図が、見える感がします。

img_2451b1bc57a2e72d0950b8bca211c572146452

2020年東京オリンピックに向けて、文化の力で日本を元気に




「カルチャー・リーダーシップ」というムーブメントが、2012年のロンドン・オリンピックを盛り上げるだけでなく、その後の文化芸術活動へとつながっっていきました。


55c4ed35

夢ビジョン2020「東京オリンピック・パラリンピックをパブリック・ディプロマシーの視点から考える」




・2012ロンドン・オリンピック開会式、230ヶ国、10億人の人々がオンタイム視聴、録画を含めると40億人の人が視聴、95〜98%は外国人

・トーチリレー、ロンドンだけでなく、イギリスの地方都市がアピールするチャンスとなった。地方から東京をバイパスして世界に発信するチャンス

・ロンドンオリンピック、開会式の感動でロンドン市民が変わった。


184d581d

と書いたように、2012年のロンドン・オリンピックの前は、経済的に疲弊している時期で、

「オリンピックなど、やれる状態ではない。やる意味はない。」

と言われていましたが、結果的には、通常、新興国が発展の加速ツールとして活用するオリンピックを、

先進国型の、復活の起爆剤として、経済活動のみならず、文化活動にもつなげる、新しいスタイルを示し、実際に経済的、文化的効果も出ています。

o0410025811766825997

世界の中のイギリスに見る凋落と復活




イギリス、古代文明が栄えた国ではなく、近代以前はヨーロッパの端に位置した国です。産業革命により、急速に経済力、軍事力を獲得し、世界最強国になりました。

ヨーロッパの外れの人口6000万人の島国イギリスが、かつては大英帝国として世界に君臨したものの、その座をアメリカに奪われ、復活しつつある姿は、日本にも参考になりそうです。


と書きましたが、今後のイギリスの世界戦略が楽しみです。



livedoor プロフィール
最新記事
Archives