2009年01月15日

かつてない大不況、超売り手市場から一気に冷え込んだ就職市場、あるいはポスドクの就職難と、いい話が聞こえてきませんが、アメリカの大学で教職についている友人からメールが来ました。

アメリカでは博士は、引く手あまたで、高給で、就きたい職に就く、なんてことはないようです。


博士号取得の見込みがついたころから、徐々に就職活動が始まります。

私はアメリカ時代の同僚から「お前、就職には何が一番大事か知っているか?」と聞かれ、「論文数?」などと、今から考えると若い間抜けな答えをしていました。

彼によると、就職に一番大事なのは「お前が誰を知っているか、誰がお前を推してくれるか、だ」と。

彼は研究能力も十分高かったのですが、それと同等に人的ネットワーク作りにも秀でており、分野を問わず人と積極的に交流し、すぐに打ち解ける能力がありました。

彼は最終的に、超一流大学のアシスタント・プロフェッサーとなったわけですが、彼の幅広い人的ネットワークが助けになったことは疑いの余地がありません。ただ、彼の名誉のために一言付け加えますが、研究能力も一流であり、「コネ」だけで就職したわけではありません。


●誰を知っているか

アメリカでは多くの人事は公募の形を取っていますが、コネクションがまったくない人間が雇われることは、ゼロとは言いませんが、非常に少ないということが分かりました。

つまり、共同研究のような具体的な実績があるとか、学会で何度も会って議論したとか、昔一緒に仕事したことがあるとか、何らかの関係がある人が採用される可能性が高いということです。

いろいろな反論も出るでしょうし、賛否様々な意見があるかと思いますが、それが現実だということは、疑いの余地にない事実です。

採用する立場に立って考えれば、すぐに気がつくことですが、ある重要なポストが、何らかの事情で空いてしまった場合、そのポストの候補者の顔は何人か?思いつきます。

実際に、その何人かに声掛けした上で、募集のオープン性を保つために、公募します。

上記にある「思いついた顔」の人たちは、いろいろな選択肢があり、必ずしも応募してくれるとは限りませんし、実際に公募に応じた人が有能なこともあります。

ですが、「思いついた顔」の人たちが応募すれば、優先的に採用になるでしょう。


●誰が推してくれるか

アメリカでは、就職活動の中で、通常応募する際には、履歴書や研究や教育に関するエッセイに加えて、推薦書が必要となります。

この推薦書が非常に重要で、誰が推薦書を書くのかによって、結果は大きく変わってくるといっても過言ではありません。

ここで誤解のないように言っておきたいのですが、推薦者が「社会的に影響力のある人」ならば、採用される、という意味ではありません。

未知の人を採用する場合、よく知っている信頼できる人から、「彼、彼女は優秀だよ、しっかり仕事をこなすよ」という推薦があれば、ない人に比べて、ずっと優位になる、のは当然です。

採用したい分野、マーケティングでも行動経済でも、ライフサイエンスでもよいのですが、その分野の有力者が、「彼、彼女は優秀だよ、しっかり仕事をこなすよ」推薦するのであれば、これは極めて有力です。

ところが、その分野とは全く無関係な「社会的な有力者」から「是非、彼、彼女を採用してくれ」なんて、依頼があったならば、何とかして断る理由を探す、ことになってしまうでしょう。


かなり抜粋して、掲載したので、彼の意図が十分に伝わったか?少し不安ですが、

・人的ネットワークも「実力」のうち

・ただし、実力が伴わない、分野が無関係な人脈では意味がない

ということでしょうか






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