2010年10月11日

工学が未来を創る 博士課程のすすめで書いた

イベント工学とあなたの未来を考える2Weeks

読売新聞サイト「博士の8割就職」父母に実績PR…東大大学院「東大工学系は就職難ではありません」

に掲載されていました

これに対するtwitter上での反応が、

・博士課程にもなって、なんで父母にPRするのか?自分で決めることだろう!

・東大工学系大学院ともあろうものが「就職難ではありません」とはだらしない。こんなに活躍してます、と言えないのか。

・博士課程を修了して、任期付きで不安定な博士研究員(ポスドク)を5年続けて企業や大学での常勤職に8割が就職とは、どう考えるのか?

などという批判的なものが多かった感があります


実際にイベントに参加した「TAK」さんとしては、ニュースサイトに要約されると、イベントで行われていたやり取りなどほとんど伝わらず、

要約を読んだ人たちが、それぞれに判断した内容だけが伝わる、というプロセスを見ることになった感があります


1.なぜ父母にPR、参加した父母の反応 実は若い頃の自分を投影していた

工学が未来を創る 博士課程のすすめ


「博士課程にもなって、父母は関係ないだろ」とは、いきません。息子、娘の進路を父母が心配するのは当然です


と書きました

でも、それだけでしょうか?

父母の多くは、先生方と同じ頃を大学のキャンパスで過ごしたのでしょう。

父母、特にお父さんたちの表情、目の輝きを見ていると、息子、娘の進路もさることながら、このイベントに若い頃の自分の姿を投影しているのではないだろうか?と思われました。

息子、娘を通して、若い頃の自分の姿を投影したかったのでしょう。実は、自分のために参加したかったイベントなのです。


また、父母の世代の博士課程に進んだ人たちは、少し変わり者で、研究室という「タコツボ」に閉じこもって、実験、論文書きをしていました。

学部、修士を卒業して、企業に進んだ人たちが実務をこなして結果を出していくのに対し、大学に残り、狭い分野を掘り下げていき、「専門バカ」「コミュニケーションが取れない」ということが多かったのは事実です

この父母の世代の博士のイメージを払拭することも、このイベントの目的であったのでしょう


2.任期付き博士研究員(ポスドク)は常勤職より悪いのか?

企業、官庁に勤務するのは常勤職でしょうか?その企業、官庁がなくならない限り、通常、定年まで勤務できます

一方、任期付き博士研究員(ポスドク)は2〜5年くらいの任期でしょうか。この期間内に次の職を見つけないと、無職になってしまいます。ですから、常勤職に比べて不安定、ということでしょうか。

企業、官庁に勤務する場合、異動は3年に1度くらいの頻度であります。

博士研究員(ポスドク)と同年齢の30歳前後の場合、ある部署に在籍する3年間に実績をあげ、他の部署、プロジェクトから声が掛からないようでは、
「エリート幹部候補社員からの脱落」を意味します。

すなわち、常勤職であっても、3年の任期付きで、その期間内に実績を出さなければならないのです。また、異動はその企業、官庁内に限定されます。

一方、優秀な任期付き博士研究員(ポスドク)は、その任期内であっても、いろいろな所から声が掛かり、条件がよいところを渡り歩いて、キャリアアップしていくことができます。

声を掛ける企業、機関、大学などは、優秀な任期付き博士研究員(ポスドク)を常勤職でほしいですから、双方の条件が折り合えば、常勤職が決まります。

どこからも声が掛からない博士研究員(ポスドク)は、厳しい言い方をすれば、社会から必要とされていません

研究テーマが社会のニーズと合っているのか?自分の研究業績は十分か?共同研究を進める上で、周囲と問題がなかったか?など、冷静に振り返るべきかもしれません

工学が未来を創る 博士課程のすすめに書いたように、


やりたい研究だけしていて、博士修了時に、「いいポストがない」というのは、やはり甘い、と思います

自分がやりたい研究に加えて、自分が進みたい分野で高く評価される研究が不可欠でしょう



以上、実際にイベントに参加した立場からの雑感です











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この記事へのコメント

1. Posted by てつ   2010年10月13日 15:06
特に優秀な実績をあげられなくても、まずまずの結果をあげれば基本的に、会社員や(特に)公務員はその場所に残れるのに対して、ポスドクの場合は、優秀でない限りは職を失う、という現状では、両者の立場を似たようなもの、とはとても言えないと思います。

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