2012年10月15日

東工大世界文明センターで資生堂名誉会長福原義春氏による「変化の時代 人と社会の行方」

というイベントがあったので参加しました

福原義春氏は資生堂創業者の福原有信の孫で、資生堂という企業をグローバルに育て上げてきました

福原氏の話は

福原義春の名言 格言

に掲載されていますが、直接伺うのは初めてです

東工大世界文明センターは理工系の東工大が、リベラルアーツも扱う、画期的な機関です。

ところが、折悪しく、ホームページがハッカーの攻撃で使用できなくなっています

そのせいか、今日のイベントも周知が不十分で、参加者の入りがちょっとさびしい感じがします

とにかく、出たお話をまとめます

121015資生堂



・昔の3K:危険、きつい、きたない、今の3K:漢字書けない、計算できない、結婚できない?

・組織にとっては、リーダーを育てる方が、製品を効率よく、低コストで生産することよりも重要である(ドラッカー) 

・文化的刺激、社会的経験、非日常の時間などが、個々の人間の力となり、社会全体の活力に繋がる

・企業にゆとりがなくなり、一見何を仕事にしているのか?わからないが、知恵を持つ、「有識者」を置いていられなくなった

・企業の人員のゆとりがなく、最低限の人員で対応するため、企業文化の世代間伝承が途切れてできなくなった

・グローバル社会:日本人の賃金は、来日して働いている途上国の人々の賃金まで低下する

・遠い過去を見る人は、はるか先を見ることができる(チャーチル) 

・霧になった時は、船の舳先を見るよりも、自分が描いてきた航跡を見る方が、よほど進路を正確に定められる。(マクマハン米国海軍作戦参謀) 

・未来を決定する大きな出来事は既に起こっている(ドラッカー) 

・20世紀までは科学技術による発明、発見の時代であったが、アナログ社会、21世紀からは情報をはじめとして生活がデジタル化。アナログ世代とディジタル世代が混在、共存

・何の不自由もない国なのに、満ち足りたことによる欠乏感

・「昼間の星は見えない」数字に表れない情報、文と文の間を読む

・データを集めるだけでなく、集めたデータから、新たな知を編む

・人は見たいものしか見ない(カエサル)

・文明が滅亡する時、ローマ帝国、ヴェネツィア、美徳の喪失、政治の質の低下、文化の大衆化による低俗化、官僚制度の肥大化、ばらまきによる財政破綻

・欧州の古典教養がアメリカの大衆文化につながり、産業としてハリウッド、ブロードウェイという形で実を結んだ

・真の教養とは、知識の個人的な蓄積ではなく、先人から受け継いだ、あるいは同世代から発した知識を、再構築し、他者に影響を与えつつ、次世代に伝達していく

・理想なき現実と、理想に支えられた現実の間に、どれだけの開きがあることか(藤沢令夫 京大)

・グローバル化は目的ではなく、不可避的に進んでいく現実

・1900年前後に、内村鑑三(代表的日本人)、新渡戸稲造(武士道)、岡倉天心(茶の本)は、英語で日本文化を世界に発信した。和漢の素養+西洋の素養+国際発信力


将来のリーダーを育てるアントレプレナーシップ教育とは

に、


日本の理工系の大学、大学院は専門科目に大きく偏っています。その結果、リーダーではなく、中堅エンジニア向け教育になってしまっています

リーダー向けの教育であれば、専門科目だけでなく、アントレプレナーシップ、MOT、リベラルアーツなどの教育が欠かせません。

ただ、リベラルアーツにかぎらず、人文科学、社会科学と理系専門科目のバランスは難しいものがあります。

最先端の科学技術研究が諸外国から遅れている、と指摘されると、後者へ傾斜するし、技術をビジネスにつながるには前者が欠かせません



と書きましたが、福原氏にも東工大という理工系大学で、「中堅エンジニアではなく、将来のリーダーを育てる」教育の重要さを指摘された感があります




「TAK」さんstakeid at 12:54│コメント(1)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

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この記事へのコメント

1. Posted by フランクリンプランナーに挑戦中   2012年11月04日 01:18
福原氏の名言 格言をはじめてみました。とても素晴らしい言葉ですね。名言・格言は好きでよく読むのですが、とても素晴らしい言葉の1つだなと、記事を読みながら感じました。

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