2013年11月18日

ライフネット生命会長の出口治明さんの

「安定」しながら「変化」しなければ生きられない


「社会が安定していなければ落ち着かない。しかし変化しないと進歩はない」という矛盾にあり、これが「人間とは何だろうか」という問いにつながっている

人間は安心して眠れる、道を歩いていても山賊や海賊に襲われる心配もない安定した社会がやはり一番重要です。「社会は同一性を保っていないと落ち着かない」

しかし一方で、ダーウィンの進化論にあるように、変化をしなければ社会が存続しなくなってしまいます。

人間の面白いところは、同一の存在でありながら、変化を続けていくことにあります。

たとえば、一カ月前のあなたと今日のあなたは、体の細胞は合成と分解を繰り返し、入れ替わっています。

しかし、あなたはずっとあなたです。これを生命の動的平衡と言います。

社会も、同一でありながら長い目で見れば変わっている。

この社会における「同一でありながら変化を続けるという矛盾」をどう理解できるのか


131118動的平衡

なお、動的平衡については、

壊すことが新たな創造へとつながる


動的平衡とは、このように生命を構成している要素は絶え間なく変化しているにもかかわらず、全体としては平衡を保っている、ことを言うのだそうです

生命は、ある部分が全体を俯瞰している訳ではない。

かと言って、個の最大化を図っている訳でもない。

細胞は分散的、ローカルに、自分の周囲のことしか関知しないが、周囲と双補完的に機能し、成り立っている


繊細だが、しなやかに移りゆくアートを言葉で表現すると


動的平衡、止まっているのではなく、絶えず移り変わり、動いており、宇安定な状態でありながら、全体として安定している


など書いてあります。


さて、安定を望みつつ、変化を望む、矛盾をどう考える?です。


これは一見、矛盾するように見えますが、

・まず、自分がいる場所については「安定した場所」を確保した上で、

・その確保した安定した場所が侵されない前提で、周囲においては、マンネリに陥らず、飽きない程度に、変化がほしい

・ただ、現実には社会、生態系は急激に変化しており、「確保した」と思っていた「安定した場所」も危うくなるかもしれない。

・その場合は、失敗した場合、元の場所に戻れる条件で、新しい場所に移りたい

と考えると、わかりやすそうです。

131118生態系

それぞれについて、これまでに書いてきたことをもとに解説します。

得るよりも失う方が悲しい だから現状維持?


「チェンジ」「変革」が最近キーワードになっています。

現在の状態から、別の状態に変わることによって、何がしかのコストがかかります。

どういうことかと言うと、あなたは今の状態がいいにせよ、よくないにせよ、今の状態に慣れています。

その慣れている状態から、別の慣れていない、新しい状態に移るには、コストがかかります。

また、あなたが新しい状態に移ると、何らかの変化が起きるでしょう。

いいにせよ、よくないにせよ、その変化は、あなたの責任です。現状のままでは、その変化は起きません。

「チェンジ」「変革」には得るもの、失うもの、がありますが、上に書いたように、得たうれしさ、よりも、失った悲しさ、の方がずっと大きいのです。

こうして、人々は結局、現状維持を選んでしまう。

転職に踏み切れない、異動希望を出せない、などなど

これは日本に限ったことではありません。欧米でも同様の事例が報告されています。


居心地のよさと悪さのバランス


「居心地の悪い環境を求めよ。居心地のよい場所では能力は伸びない」

人は各々の環境、社会の中で、自分の「居場所」を見つけ、作り出します。

そして、その「居場所」が、居心地がよく、快適なもの、にしようとします。

力が十分に発揮できるのは、居心地がいい環境で、得意なことをしている時です。

一度、居心地がよくなると、その状態をなるべく維持しようとします。

しかし、自分が得意なことをやっている時は、ろくに努力をしなくても、それなりに成果が出ます

それゆえ、居心地がいい居場所、では、自分の能力は止まったままで、伸びません。自分の幅も広がりません

ずっと自分が得意なことだけしていればよいのですから、幅は広がらず、能力は止まったままです

そんな時、居心地のよい場所をあとにして、新天地を求めます

新天地は慣れていませんから、今までの得意パターンは使えず、なかなか成果は出ません。もちろん居心地はよくありません。

でも、新しい能力が着実に伸びていきます

ただし、繰り返しますが、なかなか成果は出ません。成果は、新しい分野が得意分野になっていくにつれ、出てきます


敢えて、自分が不慣れな、居心地の悪い場所へ移って、常に新しい能力を見出し、伸ばすことの大切さを教えていただきました。

安定志向、現状維持志向が何も日本人に限ったことではない、ことがわかりました。

誤解してほしくないのは、居心地の悪い場所では、なかなか成果は出ません。

居心地の悪い場所を得意分野にしていくプロセスで、能力がついて、成果が出てきます。


「チェンジ」「変革」と「居場所と出番」のバランスは?


Windows98を発売し、マイクロソフトが世界中を席巻していた15年前にビル・ゲイツが、


「石油、鉄鋼が主力産業であったロックフェラー、カーネギーの時代には、資源、生産拠点を確保すれば、安定的に優位を確保できた。例えば、油田、鉱山を掘り当てれば、一生安泰だった。

しかし、ITなど知識産業の時代には、例えば、マイクロソフトが3か月間、研究開発を休めば、確実に市場から淘汰されてしまう。」

と言っていたのを思い出します。



保証があるから、挑戦できる


MBAを取った人間の多くがベンチャーに挑戦するのも、いつでも1000万以上稼げる仕事に帰れるという安心感があるからでしょう。グーグルの創業者ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの2人にも、「起業に失敗しても、またスタンフォードに帰って研究すればいいや」という余裕があったわけです。人間は、人生の最低ラインが見えた方が、大きなリスクに挑戦することができるのでしょう。




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