2015年01月01日

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

以前は正月三が日は、今年の目標づくりをやりましたが、

最近は昨年の活動の総括をしつつ、今年の方向を定めていきます。

昨年の正月の

キャリア構想、最近の動きを振り返る

を参照しつつ、振り返ると、

(1)キャリア戦略にも出口戦略が大切

(2)セカンド、サードキャリアあるいは複線的キャリア

(3)キャリア構想と社会の進展のギャップ

(4)中堅エンジニアから技術経営層への脱却

(5)戦力外通告選手、場があれば大活躍する可能性

というかんじでしょうか。少し長くなりますが、それぞれのテーマが関連し合うのですが書いてみます。


(1)キャリア戦略にも出口戦略が大切

スタンフォード大学ビジネススクールにいると、在学中に起業する

・出口戦略を持ってビジネスを始める。これがないと、具体的な事業戦略が立てられない

と書きましたが、終身雇用が期待できない時代、キャリア戦略にも、

途中のプロセスはともかく、どういう形で卒業するのか?出口戦略を持っていることが大切です。

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・成功したアントレプレナーとて、必ずしもグレートアイデアを持っていた訳ではない。凡庸なアイデアを改善していく。何かにつまづく。誰かのアイデアをまねる。一般的なサービスを改善していく。

・グレート・ビジネスに、必ずしもグレート・アイデアは必要ない。 

・ビジネスプランを書くことで、どうやってビジネスを運営するか?自分の前提条件、がわかる

・会社が成長すると、必要とされる人材も変わる。創業時は何でもできる人、成長期は専門性を持ったスキルを持つ人

・自分がコントロールできることだけでなく、コントロールできないこと、運も大切、経済状況、外部環境はコントロールできない

・最良の方法はやってみること


などのアントレプレナー戦略は、キャリア戦略としても大切です。


(2)セカンド、サードキャリアあるいは複線的キャリア

昨年の終わりにフィギュアスケートの町田樹選手が、現役引退して研究活動を始める、と宣言して、世間を驚かせました。

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フィギュアスケートに見る、コミュニティーの急激な再編


町田樹「引退のご挨拶」


スポーツ選手のセカンドキャリア問題が社会問題となるに至っており、私も、自分自身の選手引退後のキャリアデザインに苦労した一人です。


町田樹選手は現在24歳、次のオリンピックを目指すか?(羽生選手、宇野選手が確実視される中、大変な道!)、いい状態の時に、惜しまれながら、セカンドキャリアに転向するのか?

悩んだ結果かと思います。

キャリア支援の現場から「40歳定年」を考える


キャリアを1社に終身雇用ではなく、20〜40歳のファースト、40〜60歳のセカンド、60歳以上のサード・キャリアのように構築していけないか?


・20代前半までの大学教育とその後の職務経験だけで、一生のキャリアを構築するのは難しい。キャリアを構築しながらの学び、スキル、知識の習得が不可欠。

・自分のストレッチ、成長の機会は、会社に与えられるのを待つのではなく、自ら創り出す。 

・自分のポジション、居場所、あり方を異なる視点から眺めてみる。 

・これまでと異なる仕事をやってみることがセカンドキャリア、サードキャリア構築のきっかけになる。

・40代ぶら下がり社員、40代前半で管理職に就かない社員は一生、管理職に就かない。

・セカンド、サードキャリアは場所を変えるのではないか?同じ場所では難しい?


ところで、ビジネスマンは、今頃、あわてて、セカンドキャリアについて考えていますが、

ビジネスマンよりも、もっと引退年齢が早いアスリートは、ずっと前から、セカンドキャリアについて考えています。


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人生は「意義」と「楽しみ」がある仕事をしている時、幸せ!


●メダルでキャリアが開けるか?

日本ではメダルは最後のゴールと考えられますが、世界では、メダルはキャリアの最初の一歩、と位置づけられます。

それゆえ、選手は現役時代から、メダルを取って引退後の自分のキャリアを描きます。

あるマラソンのメダリストは、

「メダルでキャリアが開けると思ったが、何もなかった。恨まれて、出たくもない駅伝に出なければならなくなっただけ」

とこぼしています。

メダルをゴールと位置づけ、その先のことを考えないのか?キャリアの最初の一歩、と考えるのか?大きな差が出そうです。


●何かを極めた人は、目標が決まれば、早い!

メダリストは、とにかく、ひとつの事を極めています。

その後、しばらく、悶々とする時期があります。

でも、次の目標が決まれば、最短距離で行けるそうです。


●とにかく、取り掛かることが大切!

大学生の就職活動でも、アスリートのセカンドキャリアでも、「まだ知らない世界」を探します。

それゆえ、その分野の真実など、初めはわかりません。

初めは間違っているかもしれません。でも、とにかく、取り掛かり、次第に真実を見つけていくことが大切です。


●前のキャリアのアイデンティティーを消すことはない!

例えば、アスリートが芸能活動を始める、など、新しいキャリアを始めるときに、「前のことは、すっかり忘れて」と言いますが、何もゼロクリアすることはありません。

前のキャリアで得たものを活かしながら、キャリアトランジションしていけばよい、のです。


●人生は「意義」と「楽しみ」がある仕事をしている時、幸せ!



(3)キャリア構想と社会の進展のギャップ

キャリア構想と社会の進展のギャップ


人々は技術の進展、社会の変革は十分に認識しつつも、一方では、キャリア構想は「高度経済成長期」から、それほど進歩がない。官庁、大企業に就職し、組織内で出世して、高いポジションを得ること、と考えている。

社会が変革している以上、当初描いたキャリアも修正、変更していくことになるはずなのですが、なぜかキャリアプランは当初描いた「高度経済成長」の頃のまま

官庁、大企業に就職し、組織内で出世して、高いポジションを得ることを目指す

ではうまくいくはずがありません。

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キャリアアップとは「自分がやりたいことを形づくるプロセス」

キャリアアップというと、ともすると専門知識やスキルを高めていくことで達成されるように思うけど、その概念が大きく覆されつつある。

今、露わになりつつあるキャリアアップの姿は、「自分がやりたいことを形づくるプロセス」だ。未来がくっきり見えない今の社会では、自らが進む方向性を明確に描き、着実に具現化を進める人こそがリーダーになる。これは企業の中でも外でも同じこと。だから、自分がやりたいことを見極めることこそが、これからのキャリア観の基礎を成すことになる。

やりたいことがある、すぐに見つかる人にとってはワクワクする世界。そうでない人にとってはなかなか住みづらい世界

専門知識やスキルを高めていくことは、そのための手段、必ずしも直接的に現業に結びつくものでなくても、育児休業や時短勤務も「自分がやりたいことを形づくるプロセス」の手段

キャリアアップというと、以前は、大企業で、同僚よりも早く出世して、高いポジションに付き、大きなプロジェクトを任される、

大企業が窮屈になると、転職、起業して、大企業の歯車では、なし得なかった夢を実現する、という感じでしたが、

キャリアアップとは「自分がやりたいことを形づくるプロセス」

と考えれば、別に転職、起業しなくても、会社内でも、いろいろなパターンが考えられます。

あるいは単純に、しっかりと結果を出し、実績を積み、信頼を重ね、ネットワークを広げていくことが、次の仕事に連鎖的につながり、「自分がやりたいことを形づくるプロセス」になるのかもしれません



(4)中堅エンジニアから技術経営層への脱却

中堅エンジニアから技術経営層への脱却するには工学部の再構築が不可欠


エンジニアのキャリアパスも、一つのメーカーに就職して、研究開発、技術開発の仕事で実績を残しつつ、一歩一歩キャリアの階段を上っていく、というよりも、

新技術のベンチャー企業を起し、それを売却し、経営陣に参加する、あるいは、売却益を元手に新たな技術開発を行い、また売却する、のようなキャリアが考えられるようになってきています。

日本とアメリカの技術者のキャリアストーリーが違いすぎるんです

日本では、技術者は大企業に就職して、生涯その会社で勤め上げ、社内で昇進して、定年前に、技術担当役員になり、年収2000万円程度、というのが、上々のサクセスストーリーでしょうか?

アメリカでは、大企業の技術者がいとも簡単に大企業を辞めて、起業します。

起業して、うまくいかなければ、その大企業に戻ったりします。日本ではあり得ないことでしょうか?

ベンチャー起業した人が、年収数十億円以上になり、資本家となり、ベンチャーに出資する側になる「技術者→起業家→資本家」というサクセス・キャリア・ストーリーが珍しくありません。

日本では、好きな技術の仕事をするのに対し、アメリカでは、好きな技術の経営をする、のが技術者のキャリアなのです。

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従来の工学系教育は、学部から大学院修士に進むにしたがって、専門分野を限定し、その分野を深く掘り下げ、最先端の研究、開発を行う、というものでした。

最先端の研究・技術開発には、このプロセスが不可欠なのですが、変化の速い社会では、他領域で注目すべき技術が生まれて、研究していた分野の価値が薄れる、陳腐化する、など、このスタイルの欠点が以前から指摘されていました

一方、MOT(技術経営)と呼ばれる分野は、一つの技術を掘り下げるのではなく、全体を俯瞰し、必要な技術を組み合わせ、マーケティング、ファイナンスなども取り入れて、商品化、実用化、ビジネス化に結び付けます

工学系でありがちなのは、大学院生が自分で有望なテーマを発掘するのではなく、研究室で、あるいは先輩が担当したテーマが既に決まっており、「問題発見」が省略され、既に決められた問題の「解決」だけを求められるケースでしょうか?

「専門を限定し、掘り下げる」と「全体を広く俯瞰する」の、2つの方向で、何も前者が悪くて、後者をすべき、と言っているのではありません。

ただ、これまでの工学系教育は、あまりに前者に傾いており、後者の視点を取り入れないと、前述のように、卒業生は、技術経営層ではなく、中堅エンジニアにおさまってしまいます

技術の研究、開発に携わるだけでなく、その技術を活用して、どのようにビジネスを行うか?という視点も欠かせません


(5)戦力外通告選手、場があれば大活躍する可能性

戦力外通告選手、場があれば大活躍する可能性


ここで言う戦力外通告選手とは、

全く能力がなくて、使い物にならない選手、ではなく、

今年で言えば、小笠原選手、井端選手、晩年の松井秀喜選手のように、全盛時と比べれば、確かに実力が落ちてきたことは否めないが、

まだまだ、かなりの実力があるのに、若手を活用したい首脳陣の意向のため、ライバルの台頭のため、首脳陣の考え方との折り合いがつかないため、

活躍する場、実力を示す場、に恵まれない選手のことです。

「戦力外通告選手」は、これまでいた場所にしがみついていても、「活躍する場」「実力を示す場」がないのですから、腐ったままです。

ただ、「活躍する場」「実力を示す場」を、与えられる、見つける、創る、ことができれば、大活躍する可能性があります。


これまでは終身雇用制で、大学を卒業してから定年まで、営業畑、技術畑、人事畑など、専門の分野を、真っ直ぐではないにしても、いくつかのポジションを経由しながら、らせん階段を上るように、昇進・昇格していくキャリアモデルでしたが、社会の変化が激しく、会社の寿命も短くなり、統廃合、吸収合併が珍しくなくなり、このキャリアモデルは通用しなくなりました。

キャリアを1社に終身雇用ではなく、20〜40歳のファースト、40〜60歳のセカンド、60歳以上のサード・キャリアのように構築していけないか?

ビジネスマンは、今頃、あわてて、セカンドキャリアについて考えていますが、

ビジネスマンよりも、もっと引退年齢が早いアスリートは、ずっと前から、セカンドキャリアについて考えています。

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「逃げる」とは、優位に戦える場に移行すること


これまでは、歯を食いしばって「戦う」ことが美徳とされ、「逃げる」ことは、勇敢に戦っている人を見捨てる、卑怯なこと、とされてきました。

しかし、無理に歯を食いしばって戦わなくとも、場所を変えて、もっと自分が優位に戦える場に移ることの方が得策の場合もあります。

「逃げる」とは、決して卑怯なことではなく、優位に戦える場を見つけ、あるいは作り出し、そこに移行することです。

歯を食いしばって戦うだけでなく、「戦う」と「逃げる」を使い分けると、よさそうです。





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