2016年06月21日

イノベーション教育学会「産業界に資するイノベーション教育とは何か」大学における教育改革と将来のイノベーション教育のあるべき方向性

産業界に資するイノベーション教育とは何かを問い、大学における教育改革と将来のイノベーション教育のあるべき方向性について議論するため、各機関が行っている先進的なワークショップ事例発表や、イノベーション教育の最新事例発表の機会も設けました。

また、新しい試みとして、イノベーション教育科学研究部門の発表機会を初めて設けました。

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今日は、これに関する流れ、動き、動向をまとめてみます。

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人間中心イノベーション方法論は大学を超えて社会に普及するか?

EDGEプログラム

とは、

イノベーション創出の活性化のため、大学等の研究開発成果を基にしたベンチャーの創業や、既存企業による新事業の創出を促進する人材の育成と関係者・関係機関によるイノベーション・エコシステムの形成を目的としています。13大学のプログラムが選定されました。

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このプログラムでは、スタンフォード大学のd.schoolで行われている、デザイン思考を採用しています。

デザイン思考、シリコンバレーIDEOの事例より


欧米を中心に新たな価値、体験を生み出すためのデザインがより重要になってきています。

変化が激しい時代におけるデザインの役割、「技術イノベーションをいかに人間的にするかの方法」、「デザインとビジネス戦略を繋げる」、「インタラクティブなコミュニケーションや商品をデザインするためのメソッド」「デザインとビジネスを融合する」「ユーザー価値と経済価値を繋げる」などなど、

技術、イノベーション、ビジネス、コミュニケーションなど、いろいろな分野、あるいは分野融合を起こす方法として、デザインに対する期待は高まっています。


d.schoolでは、デザイン思考はどんな仕事・プロジェクトにおいても重要だという思想のもと、経営、情報技術、法律など多様な学科の学生が履修します。

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問題解決のためのデザイン思考における5 つのプロセス」が重要だということ。

empathy:課題の対象に感情移入する

define:問題を定義する

ideate:アイデアをたくさん出す

prototype:プロトタイプを作る

test:試験し、フィードバックを得る


このプロセスは、モノづくりだけでなくあらゆる問題解決の過程で応用できます。そして、d.schoolではこのプロセスを実際にクラスを通して経験していくことができます。


このプログラムに採択された各大学は、理工系が主体の大学が多いのですが、いろいろな学部、さらには自大学だけでなく、他大学、特に美大から参加メンバーを募集し、

さらには社会人、留学生も参加する形で、メンバーの多様性を図り、イノベーションを生み出す教育を行っています。

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東大iclubプロジェクトが同時並列的に進行中、どんなイノベーションが生まれるのか?


「イノベーションの学校」東京大学i.school関連の活動で、いつも感心するのが、

・活動が東大内で完結することなく、どこかで根を下ろした活動が始まる

・複数の団体とのコラボレーションが同時並行的に起きている

ことでしょうか?

学校では先生、専門家、経営者などから知識、経験を学んだり、参加者同士のグループワークにより、調査、話し合い、プランの作成、プレゼンテーションなどを行います。

それぞれが大変有意義なのですが、そのほとんどが「大変ためになった」と学校内で完結してしまいます。

ビジネスに活かすために参加している社会人学生も、決して例外ではなく、せっかくの学びが学校内で完結してしまっています。

スタンフォード大学ではグループワークで考え付いたビジネスプランを実行して、年商数億のビジネスになる、ということもあるようですが、日本ではあまり聞きません。

学校内で完結させずに、どこかで活動を行うためには、誰か、とのコラボが必要になります。

それも「足し算」ではなく、「掛け算」であることが大切です。


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「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」と「研究成果を社会に活かす」の違い


研究、学びを大学の中で完結させることなく、その成果を社会に適用し、実装し、さらには他へも水平展開を図る

「研究成果を社会に活かす」と似た言葉に、「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」があります。

「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」は既に、社会で顕在化しているニーズについて、研究する、学ぶ、こと

一方、「研究成果を社会に活かす」は、その研究成果について、社会で顕在化しているニーズは、特にはなく、研究者と社会の人々がコラボしつつ、その研究成果の活用について、探り、新たな可能性を見出していく、ことになります。

多くの人が顕在化していない、潜在的なニーズの開拓、は苦手なのですが、ここからイノベーションが生まれ、新たな価値、分野が展開していく可能性があります。


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ポイントは、大学内で完結するのではなく、社会に実装することまでをゴールとして取り組む、ということでしょうか。

「産業界に資するイノベーション教育」とありますが、必ずしも「産業界に資する」を目的としなくても、結果として、結果として、産業界だけでなく、社会にも、いろいろな形で影響している、感がしました。

今後の展開が楽しみです。




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