2016年06月30日

イギリス国民投票におけるEU離脱選択、など、ヨーロッパ、ひいては世界の課題を考えるのに移民の問題は避けて通れません。

東大高校生のための金曜特別講座「移民、人権、国境を考える:フランスからの視点」

という絶好の機会があり、参加したのですが、参加記を失念していたので、まとめてみます。

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「移民」という語は、日本社会と縁が薄いように思われる。

だが、私たちが暮らす社会にはこれまで移民はいなかったのか?そして今後もいないのか?

また、「外国人労働力」の受け入れという要望が聞こえ始めているが、それは何を意味するのか?

これらの問いを念頭に置きながら、フランスにおける移民を考える。時に国民国家の典型と紹介されることもあるフランス。

その一方で、フランス人は、家系を3代さかのぼると、3分の1の人が外国人の先祖に出会うという。

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まず、フランスという「国のかたち」について考え、次に第二次世界大戦後の移民受け入れをたどり、「移民から市民へ」という統合政策の可能性と限界について考える。

また、最近、主に中東や北アフリカからヨーロッパへと向かう大規模な「移民」の流れが大きな問題になっている。

余裕があれば、「人権の祖国」を自称するその流れにどう対処し、国内でどのような議論が起こっているかにも触れたい。

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上にもあるように、フランス人の4人に一人は移民の祖父母を持ち、さらに、家系を3代さかのぼると、3分の1の人が外国人の先祖に出会うことになります。

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フランスの内閣を見てみます。

オランド大統領は、フランス生まれですが、その名が示す通り、もともとはオランダ出身。

ヴァルス首相はバルセロナ生まれのスペイン人。

ナジャ・ヴァロー国民教育研究相はモロッコ生まれ、クリスティアーヌ・ハビラ司法相はフランス領ギアナ生まれ、フルール・ベルラン文化・通信相は韓国ソウルの孤児院からフランス人に引き取られています。

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アインシュタインもフロイトもグロリア・エステファンも、みんな難民だった

にあるように、アメリカのキッシンジャー、オルブライトの二人の元国務長官も、もとをただせば難民でした。

世界平和、日米関係とオバマ大統領の広島訪問について

に書いたように、バラク・オバマ大統領は、父親がアフリカ人の黒人で、ハワイ州の出身、フィリピンにも住んでいました。

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話がヨーロッパからアメリカにそれてしまったので、もう一度、ヨーロッパに戻します。

現在の移民、難民は、旧東欧圏からの経済移民、シリアなど中東諸国、アフリカ諸国から戦乱を逃れた難民が主です。

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ヨーロッパの歴史を振り返ると、

・ずっと戦争があり、特に第1次、第2次世界大戦では、ヨーロッパ大陸全土が戦場となった

・イギリス、フランスは東南アジア、アフリカ諸国の多くを植民地とし、独立したが、宗主国であり、言語が通じる

2点がポイントです。

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日本でも、空襲があった太平洋戦争では、都市から農村への疎開がありましたが、これが、もっと長期間、広範囲にわたりあったことを考える必要があります。

つまり、移民、難民の問題は、旧東欧圏諸国のEU加盟、シリアなど中東諸国、アフリカ諸国の内戦、に端を発した問題ではなく、ずっと以前から、ヨーロッパに内在する問題であり、かつ、移民、難民出身者が政権中枢にもいるわけです。

ドイツのメルケル首相も西ドイツではなく、旧東欧圏である東ドイツの出身です。

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今日は結論めいたことは書きません。

ただ、ヨーロッパの移民、難民の問題は、最近の問題ではなく、ずっと以前から内在し、その人々が国家の中枢も担っている、ことを書き留めておきます。



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