2016年10月09日

大学のイノべーションとシンギュラリティ

という案内が来ました。

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日本の大学、とりわけ国立大学法人は、その成り立ちが国際的にユニークで、研究・教育の双方で米国、欧州の主要先進圏いずれもカヴァーしていない領域で、独自の国際的な役割を果たす事が可能で、また期待されてもいます。

面積と資源に明らかな限界がある日本にとって、未来を切り開く上で最も重要なのは人材でありイノヴェーションと考えられます。

少子高齢化が進み、教育のサービス産業化や学力低下の進行が進むなか、グローバルなイニシアティヴをリードする先導的人材を育成する卓越した高等教育・研究機関が日本には必須不可欠です。

しかし現状にはいくつか本質的な問題を指摘せざるを得ません。

「研究⇔教育」抜本的な再検討を、演示実験等を併用しつつ「聖域なし」熟議のスタイルで徹底討論します。

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社会の変化に対応した技術経営(MOT)の進化




人工知能、IoTなど技術経営を取り巻く環境も激変しています。

技術経営(MOT)がこの変化にどう対応してきたのか?うまく対応できたのか?今後、どう進化していくのか?課題は何か?


と書きましたが、技術経営(MOT)だけでなく、すべての大学教育が変革を迫られています。

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コンピュータと「巨大頭脳」




1940〜50年代にリレー式、真空管式など大型コンピューターが出現し、人が行っていた大量の計算を瞬時で行うようになりました。

これまで、大勢の人が数か月かかっていた複雑な計算を瞬時に行ってしまうこと自体、当時劇的だったのですが、コンピューターは情報を処理し、計算し、結論を出し、選択することができるのだから、自ら考えることができる、という考えが出てきて、1956年には人工知能という言葉が生まれます。

最近、話題の人工知能ですが、生まれは1956年とかなり古いものです。

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当初は、コンピューターは人間が作ったプログラムで、与えたデータを大量高速に処理するだけ、という見方が大勢でしたが、「論理的仕事」「知的労働」はコンピューターに向いているのでは、という考えもありました。

「人工知能」は、人の職業を奪うのでは、と言われますが、実際に、そろばん、計算尺で仕事をしていた大量の人々は、その職を失い、コンピューターに置き換わりました。


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人工知能への情報理工学の取り組み

シンギュラリティー・人工知能から超知能へ




ディープ・ラーニングや「ホーキング博士の警告」などで,にわかに注目を集めている人工知能(AI).

「2045年にはAIが人間の知能を超える」という,いわゆる「シンギュラリティ(特異点)」仮説もまことしやかに囁かれています.

人工知能は人間の味方なのでしょうか,それとも敵なのでしょうか?

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特に最近注目が集まっているのが、「ディープ・ラーニング」でしょうか?

ディープラーニングのシステムは、人間の脳についての知識を利用して階層的に認識を行うシステムです。

詳しくは、

ディープラーニングとは何なのか?

ディープラーニングの原理とビジネス化の現状

などをご参照ください。


人工知能については、当初は「パターン認識」を学ぶ機能で、この段階では人間には絶対に勝てなかった、のですが、

インターネットの時代になり、データベースも充実し、大量高速に検索、照合し、間違いを学習するようになると、人間を超える例が出るようになり、

人間の脳の思考回路を参考にした「ディープ・ラーニング」が適用されてから、人間を超えるのは時間の問題、と考えられています。

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コンピューターが発達した時代に、大学教育に積極的にコンピューターを取り入れたのは理工系、あるいは経済学部くらいでした。

しかし、インターネットの時代になり、理工系だけでなく、法、経済、文学、医学など、すべての学部で、インターネットを取り入れるようになりました。

例えば、法学部でも条文を読み、解釈するだけではなく、判例のデータ分析などが必要です。


人工知能を理解する、使いこなす、ことが、これからの大学教育に必要なことは間違いありませんが、さらに加ええt何が必要でしょうか?

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教育とは、自分の将来への投資

に書いたのですが、

一言でいえば、「教育」とは、「将来の自分」のための、基盤づくり、投資、とも言えるでしょうか?

社会とつながる学びとキャリア形成とは?




以前は官僚、医者、教員、法律家など、職業が比較的固定化されていて、医者になりたいのなら医学部、裁判官、弁護士、官僚になりたいのなら法学部、教員になりたいのなら教育学部のように、将来の職業と大学の専攻が結び付きやすかったのですが、

ソーシャルラーニングとこれからの人材育成


・小学生の65%は、今はない職業に就く

・高校生、大学生が将来就くキャリアについて、全く知らない段階で学ぶのは難しい


と書いたように、社会の変化が急激で、グーグルなど、IT関連では急成長する産業も多く、大学入試時点で将来の職業を描くのは難しいのかもしれません。

計画された偶然


「あなたは18歳の時に、今の職業はわかっていましたか?もし、わかっていたとして、計画的に歩んできましたか?」

 スタンフォード大学 クルンボルツ教授によると、「キャリアの80%は予期しない偶然の出来事によって形成される」ということです。

 人生に起こる様々な出来事「偶然」は、本人の意識では、あくまでも「偶然」。

 だが、その「偶然」が起こるための仕組みを本人が気付かずに行なっている、ということです。


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そうは言いながらも、工学、理学系の学生が、金融、保険、など「文系就職」する事例が数多くありますが、そうであるならば、学部の3、4年次に土木、建築、化学、機械工学などの、学部学科に合わせた専門学科を時間を費やして勉強するよりも、就職する職業に応じた経済、法律などを勉強した方が有効では、と考えることもあります。



社会の流れが急速で、将来が決して、安定したものではなく、変動する不確定な時代に、「教育」はどうあるべきか?とテーマを再設定するとわかりやすそうです。

さらに、「投資」ということを考えると、

最も有利な投資は「学位」 OECD調査


今の時代、教育ほど有利な投資先はない。価値があるのは学位そのものではなく、学位を取得する過程で習得した市場性のあるスキルだとし、重要なのは自分の進路や目標を明確にした上で、それを達成するために必要な学位を選択すること。


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「教わる」と「学ぶ」をつなげる大切な「調べる」




小中高校までの教育は、「教わる」と「学ぶ」に大別され、これまでの日本の学校教育は「教わる」に重きが置かれていて、もっと自分で「考える、学ぶ」ことが求められる、と言われています。

もっとも、自分で考える、学ぶ、前提として、「教わる」ことが大切で、例えば、物理学の場合、偉大な先人の業績を教わることなく、自分一人で学ぶとしたら、ほとんどの人が、ニュートン、アインシュタインどころか、アルキメデスの成果を超えることなく生涯を終えます。


「古典として蓄積されている、先人の偉大な業績を教える」については間違いないのですが、「将来の社会から逆算して、今、何を教育しなければならないか?」については、誰も正解はわかりません。


知識だけでなく、判断力、思考力、想像力、創造力が不可欠、と言われますが、これらについても人工知能が行う時代に、人間と人工知能が協調する時代に、どのような能力が求められるのでしょうか?

まだまだ探索中のようです。

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ひとつ興味深い話がありました。

ガリレオ、コペルニクスが提唱した地動説「地球が太陽の周りを回っている」を、理科教育の早い時期に習います。

「地球が太陽の周りを回っている」とは、日常経験していることとは、相容れないことです。

地動説「地球が太陽の周りを回っている」を、単なる「教わった知識」ではなく、自分で実感して納得するには、相当大変な作業が必要です。

さらには、身の回りをどれだけ、観察しても得られることは、正しい真理とは限らない、ということです。

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これからの技術、社会、教育がどうなっていくのか、楽しみです。







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