2016年12月09日

東大、早稲田、慶応などの大学院で、経済、金融、企業戦略などを教えている宿輪純一先生の勉強会

宿輪ゼミ「国際経済・金融情勢」

に参加しました。

19

前回の参加は、

アメリカは金利引上げ予測、日本は国債金利を引き上げ、中国人民元は国際通貨(SDR)加入、イギリスのEU離脱で、世界経済はどうなる?

で10月上旬でした。

これから2か月たちましたが、この間の大きな動きとしては、

2dee12e3

(1)アメリカ大統領選挙、まさかのトランプ氏勝利

アメリカ大統領選挙、トランプ氏勝利によせて

に書いたように、大方の予想を覆し、共和党のトランプ氏がアメリカの新大統領に選出されました。

大統領選挙が終わったということで、かねてから景気が堅調なアメリカは、金利引き上げが確実なのですが、

・8年ぶりに、小さな政府、規制緩和の共和党政権へ

・共和党主流とは距離を置く、トランプ氏の閣僚人事、外交、内政、経済政策などが、不透明で予測がつかない

選挙直後は、ドル安に動いたが、その後、金利引き上げ確実視と、これまでと違う、新政策への期待感から、ドル高に

79443674

(2)移民問題で、揺れるEU

EU各国の選挙で、移民問題が争点になり、「移民反対、EU離脱も辞さない」候補が優勢

オーストリア大統領選挙は極右勢力が敗れたものの、イタリアは国民投票の結果、レンツィ首相が辞任

3月オランダ、4〜5月フランス、9月ドイツの選挙が注目

なお、国民投票でEU離脱を選択したイギリスだが、議会がこれを承認するのか、不明

欧州中央銀行は、金融緩和を継続するものの、その規模を縮小


ここでは、アメリカの金利引き上げ、EUの移民問題について復習します。


アメリカ金利引上げ、ゼロ金利解除で国際経済、金融はどうなる?(2015年12月18日)


これから起こることを予測すると、

・EU、日本がゼロ金利なのに対し、アメリカは0.25%の金利なのですから、当然、アメリカに資金が集まることになります

・アメリカが金利引き上げに踏み切ったのは、景気が好調だからなので、株価も好調ですが、資金が減っていくので、中長期的には株価は低下傾向です

・ニューヨークダウが下がると連動して日経平均も下がります

・新興国から資金がアメリカに引き上げられ、深刻な資金不足、インフレになる

b8b59c79

アメリカは好景気なのですが、それにより、ニューヨーク、サンフランシスコの物価がラーメンが3000円、家賃が月に60万円と、高くなり過ぎ、インフレ気味で、金融引き締めが必要な状態です。

それゆえ、ドルが世界経済に及ぼす影響を考慮しつつも、国内状況を考えると、利上げせざるを得ない状況です。

3c99f042

1997年に起きたアジア通貨危機も、米国のドル高政策によって金利が大きく引き上げられ、当時米ドルと連動させる「ドルペッグ制」を採用していたタイやマレーシアなどのアジア通貨が実力以上に大きく上昇していたところにヘッジファンドなどが売り浴びせをしたことによって起こった。

3640fe94

上に書いたように、アメリカの金利引き上げにより、アジア、中南米、アフリカなどの新興国から資金が引き上げられ、通貨危機を起こすことも懸念されます。


ただ、アメリカFRBは急に金利引き上げを決定したのではなく、金融の量的緩和自体は1年半前に終了し、金利の引き上げは行わず、据え置いていました。

その後の米連邦準備制度理事会(FRB)において、イエレン議長は「今回は金利引き上げを行わないけれども、今後は引き上げる可能性もある。」

のような含みのある発言を繰り返していたことから、世界の市場もそれ相応の準備はしていました。


12月の金利引き上げが確実視されるようになりました。

74598a8e

ギリシャ危機、中国株価急落は一段落、市場は次のステージ、アメリカの金利引上げ、ドル高へ移行で、国際経済はどうなる?(2015年07月17日)


いつも言っていることですが、織り込み済みのはずの、予期される事項が、いよいよ現実味を帯びてくると、金融市場は、起こるはずのことが、起き出すと一気に進む、ので、手遅れになる前に、早めに対応したいところです。


既に、ドル一極高、株高の動きは起きており、むしろ、万が一、利上げを見送った時の反動の方が大きそうです。

24dd747e

イギリスEU離脱ショックでポンド、ユーロが売られ、急激な円高、長期国債までマイナス金利、で世界経済はどうなる?

ヨーロッパにおける移民問題とは?


ヨーロッパの歴史を振り返ると、ずっと戦争があり、特に第1次、第2次世界大戦では、ヨーロッパ大陸全土が戦場となった

移民、難民の問題は、旧東欧圏諸国のEU加盟、シリアなど中東諸国、アフリカ諸国の内戦、に端を発した問題ではなく、ずっと以前から、ヨーロッパに内在する問題であり、かつ、移民、難民出身者が政権中枢にもいる

例えば、フランス人は、家系を3代さかのぼると、3分の1の人が外国人の先祖に出会う


003195f2

第1次、第2次世界大戦で直接的に国土が戦場となったフランス、ドイツと、島国であったために、空襲はあったものの、戦場とはならなかったイギリスの温度差は発足当初からあり、イギリスは主要国のフランス、西ドイツと足並みが合わず、「厄介なパートナー」でありました。

移民は当初から問題にはなっていましたが、不法移民が問題で、上記のように安い労働力が域内で確保できるために、アメリカ、日本に対する競争力の厳選でもありました。

ただ、2004年からポーランド、チェコ、ハンガリーなど、旧東欧諸国が加盟したために、移民が急増し、失業問題が顕在化してきました。

さらに、バルカン半島諸国がEUへの加盟を希望しているのですが、さらに移民を増やすことになるので、現状では難しそうです。

db18a5b1

イギリス国内でも、結局のところ、EU残留となるだろうから、反対票として離脱に投票した人も多かった、と見られます。

国民投票だけでは法的拘束力はなく、議会での承認が必要ですが、下院議員の75%は離脱反対であり、今後の動向に目が離せません。


自ら、あるいは自らの祖先が移民であるからと言って、移民に寛容であるとは限りません。

そうであるにもかかわらず、既に、自らが体制側に移った場合、移民を排除する側になったりします、

生物多様性学の最前線




「先住者効果」といって、先に入った菌が、後から入って来ようとする菌を阻む、こともある


ように、生物の生存のためのものかもしれません。


早速、ゼミで出たお話をまとめます。

99b5ae07

1.アメリカ

12月の雇用統計、失業率4.6%、完全雇用、リーマンショック前の水準に戻る、非農業部門の増加数17.5万人、GDP7〜9月3.2%、と好調で12/13,4のFRB会議での、金利引き上げの材料がそろった

12月の金利引き上げは、市場は既に織り込み済みで、むしろ、引き上げなかった場合の反動の方が大きい。来年は3回の利上げの見込み。

共和党政権、小さな政府、規制緩和、法人税減税(35%→15%)が謳われている。

景気堅調で経済成長率4%は達成の見込み。

長期金利が1.5%から2.5%に上がり、中長期的には8%(?)このため、アメリカに資金が集まり、邦銀の資金集めが難航

トランプ新大統領のTPP、NAFTA(北米自由貿易圏)、温暖化ガス排出制限のパリ協定などへの対応が未知数

シェールオイル開発阻止のため、石油減産を渋っていたOPEC総会が9年ぶりに減産合意

f4062302

メキシコ、ブラジル、マレーシア、インドなど、新興国からアメリカに資金が流れ、通貨危機。景気がよくないのに、為替対策上、やむなく利上げ


2.ヨーロッパ

上記(2)の通り

6f4f547b

3.日本

GDP7〜9月2.2%と好調、外需により、輸出好調のため。

2020年に向けたインフラ投資28兆円

同一労働同一賃金、4割を占める非正規労働者への配慮

全農JA刷新、農業人口4%を割る

日本国債が安くなり、金利上昇。日銀10兆円の赤字

09a33a81

4.ロシア

12/19にプーチン大統領来日、領土問題進展は難しく、対中国軍事同盟?

5.中国

経済成長減速、輸出減少で海運も不調

6.インド

高額紙幣の使用禁止、現金量捕捉のため




トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
livedoor プロフィール
最新記事
Archives