2016年12月19日

東京大学i.school2016年度冬のシンポジウム「人間中心と技術革新の付き合い方」

という案内が来ました。

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AIやIoT、ブロックチェーンなど、先端技術が以前にも増して注目を集める時代が到来しました。

それら技術によって、人間の知性に関する観念やモノとの付き合い方、貨幣の役割や仕組み等、私たちの社会生活や価値観の特に基盤部分において、これまでの常識的枠組みが大きく書き変えられようとしています。

技術起点で私たちが暮らす社会と市場に存在していた常識の枠組みが組み替えられる、リフレーミングの時代が到来したと言えるでしょう。

今回のシンポジウムでは、そのような技術起点のリフレーミング時代において、人間中心イノベーションの概念や方法論はどのような適用可能性を持っているのか、また、どのような課題があるのか、議論を深めます。

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人間中心イノベーション方法論、大学が変わる、社会が変わる

人間中心イノベーション方法論は大学を超えて社会に普及するか?

EDGEプログラム

イノベーション創出の活性化のため、大学等の研究開発成果を基にしたベンチャーの創業や、既存企業による新事業の創出を促進する人材の育成と関係者・関係機関によるイノベーション・エコシステムの形成を目的としています。13大学のプログラムが選定されました。

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このプログラムでは、スタンフォード大学のd.schoolで行われている、デザイン思考を採用しています。

デザイン思考、シリコンバレーIDEOの事例より


欧米を中心に新たな価値、体験を生み出すためのデザインがより重要になってきています。

変化が激しい時代におけるデザインの役割、「技術イノベーションをいかに人間的にするかの方法」、「デザインとビジネス戦略を繋げる」、「インタラクティブなコミュニケーションや商品をデザインするためのメソッド」「デザインとビジネスを融合する」「ユーザー価値と経済価値を繋げる」などなど、

技術、イノベーション、ビジネス、コミュニケーションなど、いろいろな分野、あるいは分野融合を起こす方法として、デザインに対する期待は高まっています。


d.schoolでは、デザイン思考はどんな仕事・プロジェクトにおいても重要だという思想のもと、経営、情報技術、法律など多様な学科の学生が履修します。

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問題解決のためのデザイン思考における5 つのプロセス」が重要だということ。

empathy:課題の対象に感情移入する

define:問題を定義する

ideate:アイデアをたくさん出す

prototype:プロトタイプを作る

test:試験し、フィードバックを得る


このプロセスは、モノづくりだけでなくあらゆる問題解決の過程で応用できます。そして、d.schoolではこのプロセスを実際にクラスを通して経験していくことができます。


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このデザイン思考は、日本に導入された当初は、

・多様な人々が集まると、当初の想定とは異なる、全く思いもかけない分野でイノベーションを生み出す

と大きな反響がありました。

ところが、このデザイン思考が普及するにつれ、思ったような成果が出ない、という声も聞こえるようになりました。

・いろいろな人が集まって、ワークショップで付箋を貼っても、イノベーションというよりも単なる改善

・人間中心がユーザー・ニーズのヒアリングに終わっていないか

初めて導入する際は、精鋭部隊が取り組みます。これまで、全く例もないことから、画期的な事例が出てきます。

ところが、普及し出すと、一般が取り組み、事例も増えるので、うまくいかない事例も出てきます。

デザイン思考と称しながら、その模造品、粗悪品が入ってきたり、推進者側が不慣れだったりすることもありそうです。

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デザイン思考よりも、人工知能、ブロック・チェーン、再生医療など、最先端の技術を導入することによって、人々の生活は劇的に変化するのではないか。

この場合でも、もちろん、技術が中心ではなく、人間が中心であることに変わりはありません

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このように、モヤモヤがある中、Ziba戦略担当役員・濱口秀司氏のお話を伺います。

濱口氏のお話しは、

イノベーションを実現するためには、バイアスを壊す

「人間中心イノベーション」は結果として現れるもの

にも書いていますが、


「人間中心イノベーション」は、イノベーションを技術革新と捉えず、人間の知覚・習慣・価値観の根本的な変化を伴う現象と位置づけます。

これらの変化は結果として現れるものであって、はじめから「狙って」アプローチすることは難しいものです。

しかし、人間は往々にして、イノベーションを確実に得られるものとして、求めようとします

Zibaの戦略担当ディレクター・濱口秀司氏から、イノベーションを見分ける3つの方法が提案されました

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1)見たこと・聞いたことが無い

2)与えられた時間内に実現可能

3)議論を生む(反対vs賛成)

これに「対象へのインパクト」を掛け算する

賢い人たちが集まると、「議論を生む(反対vs賛成)」が苦手です。合意点、落とし所を探って、議論を避けます

イノベーションは、問題解決のプロセスではなく、破壊のプロセスです

単純⇔複雑、具体⇔抽象の視点のシフトが提案されました。

このような「イノベーション思考」は、再現可能なものでしょうか。

難しいでしょう、だって、「イノベーション思考」が再現可能ならば、これさえマスターすれば、誰でもイノベーションが得られます

でも、メソッドではなく、方法論「メソドロジー」として扱うことができるかもしれません

スタンフォード大学d.schoolのMichael Shanks教授からは、

・イノベーションは効率、機能とは結びつかないことが多い

・特定のフィールドではなく、フィールド同士の結びつきを見る

・MBA(Master of business administaration)よりも MFA(Master of fine arts)が重要になる

というお話がありました

コンセプトはたくさんある。そのコンセプトを実現する戦略は1/100になってしまう。それを実行するのは、さらに1/100になってしまう。

ブランドとイノベーションとデザインを融合できないか?

「人間中心イノベーション」は結果として現れるもの

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イノベーションを生む方法として、

1)バイアスを視覚化する。バイアスは視覚化、構造化すると壊しやすくなる。

2)パターンを壊す。

3)強制発見する。

の方法が提案されました。

組織の中にいると、意識することなく、そのバイアスがかかっていますから、これはなかなか難しそう、だったりします。

イノベーションを生み出して、実行するには、

イノベーション(発想)→内部マーケティング(説得)→外部マーケティング(導入) 

という順序で行われます。

日本の社会、企業内の組織の壁によるイノベーションの阻害が指摘されますが、それ以前にイノベーティブなアイデアが生まれくい土壌なのではないか、と言う指摘です。

さて、イノベーションを起こす場所ですが、

ビジネスデザイン、皆が頑張っている所ではない所で頑張る方がずっと有効。例えば、PCのCPU速度で各メーカーが頑張っている時に、DELLはPCをカスタマイズで成功。

というお話がありました。

これを見つけるには、

制約条件理論、一連の工程のボトルネックになっている個所を発見し、その直前にリソースを投入し、作業スピードを調べる 

のがいい




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