2017年06月21日

日本の文化政策の新たな姿を探る

という案内が来ました。

10


日本の文化政策は、文化財の保護、芸術文化の育成といった伝統的領域に限られることなく、メディア・アート、デザイン、ファッション、食などの領域も視野に入れ、観光、産業発展、地域活性化など多様な政策分野との連携も深めつつある。

また、従来のような「保護」のみならず、文化の活用、文化を源泉とする新たな経済のあり方への模索も始まっている。

この10数年推進されてきている「クール・ジャパン」戦略に照らしても、日本文化の国際発信は今や政府の関心事となっている。

文化政策が変化しつつある現状に照らし、今後2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてどのような展開があり得るのか、どのような課題があるのか。

各界の最先端で活躍し、発言が注目を集める論客とともに探っていく。

2342e829

アートと社会、経済だけでなく、文化の力を育て、活用する

に書いたように


社会の発展を考える上で、経済の力だけではなく、文化の力が見直されてきています。


であるにもかかわらず、必ずしも、このイベントに書かれたように、日本の文化政策はうまくいっている、とは言い難い面があります。

スピーカーの前文化庁長官の青木保氏も「文化庁の業務は文化財の保護、修復が中心」と述べていましたし、日本の文化というと、伝統的な芸術文化だけに限定してしまうこともしばしばです。

045e57fc

日本のアニメ、ゲームなど、ポピュラー・カルチャーが、台湾、香港、韓国で人気を博したため、「クール・ジャパン」などと呼ばれました。

ただし、この「クール・ジャパン」は、現象の本質ではなく、表層を見ただけでは、という批判もありました。

方法としてのトランスアジア、ポピュラー文化がアジアをひらく


1990年代、ネットがまだ、それほど普及していない時代でしたが、台湾、香港、韓国などアジア諸国と一緒に、欧米化ではないグローバル化が始まりました。

この時代を振り返り、今後のアジア諸国との文化の普及、醸成を探ることができそうです。

IMG_20170420_070633

1990年代の日本のポピュラーカルチャーのアジアへの普及、それまでのグローバル化は欧米化が前提だったが、欧米化せずとも普及

2011年以降、尖閣諸島、竹島問題など、政治的に関係は冷え込んでいる一方で、日本への中国、韓国からの観光客、留学生は増えている

文化の普及、浸透と政治は、異なるステージで進む

IMG_20170605_200818

日本のポピュラーカルチャーのアジアへの普及は文化的近似性ではなく、むしろ日本文化を極力抑えた無臭性がポイント、普及後は日本の臭いをつけていく。

グローバル化が新しい文化を呼び込む

予想が裏切られることは、ある意味、新たな発見につながり、楽しい

逆説的だが、ポピュラーカルチャーを研究していると、日本の枠を出ることができない

ポピュラーカルチャーだけでなく、人の流動性がポイント

ポピュラー文化を制度としてみるのではなく、それを通じて、人を見ると面白い


17

ネットの時代になって、世界中への文化の発信が容易になった、と言います。

ただ、文化とは人々が醸成するものであり、他への「発信」とは、他の地域の人々にとっては、余計なこと、いらぬおせっかい、かもしれません。

伝わってきた「文化」の中で、適するもの、気に入ったもの、役に立つもの、は、勝手に取り入れます。

例えば、日本人は中国から伝わってきた漢字を、外国語としてではなく、自国の言語として、展開して、活用しています。

955af25f

文化の醸成に大切なのはふれあいの場


文化的環境の整備を目的に帝国劇場が作られたが、劇場で上演される演劇もさることながら、実際にはより重要だったのが、開幕までの時間を過ごす場、通路では政財界の知名人、文化人が挨拶を交わし、談笑するサロンの役目を果たした

いろいろな人たちが出会い、談笑する場が文化の醸成には欠かせない


ネットの時代とは言え、文化に大切なのは、伝え、醸成する「人」だったりします。

触れた人々が、楽しむ、感動する、のでなければ、文化は醸成されないし、伝わりもしません。

21

日本文化財専門家のデービッド・アトキンソン氏から指摘がありました。

「日本の文化財、博物館などは、外国人観光客を歓迎するものになっているだろうか?

口では、歓迎する、と言いながら、実態は、とてもそうとは言い難い。

外国人観光客の目線ではなく、地元の目線になっていないか?「おもてなし」と言いながら、外国人観光客には伝わらない、内輪だけの、自己満足の「おもてなし」になっていないか?

英語の表示、アナウンスは少ない。飲食禁止、座るところもない、ので、長時間滞在は困難。撮影禁止も多い」

日本に観光で来る、とは、わざわざ自分の金、時間を使ってくる人たちです。

その人たちに、楽しみ、感動してもらえないのであれば、日本文化が伝わるわけありません。

9

そんなことを感じたイベントでした。






トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
livedoor プロフィール
最新記事
Archives