6月からファインセラミック事業本部・関西営業に正式配属になった。
5月の研修時には、営業の先輩社員と営業同行させてもらい、
営業というものがどういうものか、なんとなく、肌で感じていた。
基本はファインセラミックという材質を用いて、お客様(メーカー)の
要望に応えた部品をカスタムメイドで製造・納品する形式だった。
従って、所定の材質(特性が異なる材質)はある程度のバリエーションがあり、そこからは選べるが、形状などについては、基本はお客様の要求に応えて製作する形となる。
よくある例としては、同じ製品を金属からの置き換えでセラミックにするが、
金属そのものの形状をそのままセラミックにすることができるかといったら、
できる部分とできない部分がある。
それは、金属とセラミックの製作上の工法の違いによるもの、
金属(加工しやすいが、柔らかい)とセラミック(加工しにくいが、硬い)の材質上の違いによるもの、だった。
だからこそ、営業は、その違いをよく理解した上で、
お客様へ説明をする、その中でセラミック製にするためにはどの部分をどう変更すべきか、
仕様(形状など)の議論を数回重ねる必要があった。
こここそが、このファインセラミック事業の面白いとこだった。
例えば、完成品メーカー(携帯電話や自動車など)であれば、既に作られたものを販売するのが普通である。(既製品:カタログ品と言われるもの(
だが、ここでは、既にあるものが基本はなく、お客様と部品の使い勝手上、どのような材質が望ましいか?どのような形状が望ましいか?という製品の根本的な部分を一緒に考えられる。
これこそが、この営業の醍醐味だった。
また、部品メーカーであるため、提案時には、お客様がどのように使うか?の用途をしっかりと確認する必要があった。
それはつまり、お客様の事業及びその詳細を知ることに他ならなかった。
ファインセラミック部品は、製紙業・金属加工業・半導体部品製造業・液晶パネル製造・医療機器・航空宇宙・一般産業・電子機器製造業・一般家電など、多岐にわたる産業に使用されている。つまりは、それらの産業すべてに関われることができるので、自分の中での業界知識が必然的に広まっていく。
だからこそ、幅広い知識や分野と関われるので、この部署を選んだ。
6月は先輩社員と同行、既に私の担当顧客は決まっていたため、先輩社員からの引継ぎで担当するお客様へ訪問していた。
6月末には、担当数字2,000万円/月レベルで一人で既存のお客様へ訪問していた。
ただ、余りにも勢いよく、一人で訪問していたため、後々怒られる(というか、どこに何をするか、言わずに、行っていたため)ことになったので、その後は都度先輩社員や上司に同行をしてもらった。(お客様との会話のブラッシュアップをしてもらったので、最終的には良かったと思ってる。)
9月頃には自分が新規に開拓したお客様がほしいと願い、TELアポをしまくって、
一時期TELアポマニア(TELアポが楽しすぎた、TELアポ率はなぜかほぼ100%を維持)になって、実際に10月頃には自分が開拓した!といえるお客様ができ、無事受注も頂いた。
その頃から、新たなお客様を任せられ、自分の担当数字は、5,000万円/月レベルになっていった。
ちょうど、社会人1年目が終わる頃には、ある会社の開拓を任せられることになった。
年間で1億以上の取引が見込まれるが、上司も数回トライしてはいたが、具体的な成果に結びついていなかった。
上司の忙しさもあり、何故か、課長から「金原は暇だろ。」という理由で、
その会社の開拓を任せられることになった。
上司が攻められないのに、僕が果たしてできるのか?
とりあえず、具体的な行動をしてみよう、ということで動いてみた。
上司が過去会ったことのある方をご紹介いただいた。
会社のシステムで試しにその会社のことを調べてみると、過去10年前ぐらいに少し取引があったということが分かった。
過去資料があるかないか、過去の資料保管庫に行ってみると、
当時の図面や資料、相手方の担当者の事が分かった。
上司が過去コンタクトのある方に挨拶がてら、面会をした際に、その10年前の担当者のことを確認したら、今も在籍しているとのこと。
その方が分かったので、連絡先を紹介いただき、後日再び打ち合わせをすることになった。
そこでどうやら、私たちがそもそも狙っていた分野の製品がちょうど業者の見直し時期であったため、具体的な見積依頼を頂くことになった。
競合がいる中、そこから、数回の打合せや交渉、工場訪問などのやり取りを重ねて、
試作発注を頂けることになった。
これで、将来的な億レベルの売上が、具体的な話になってきた。
まさか、過去の資料からひも解いて、微かな手がかりというか、目の前のことを着実にやっていくだけで、こんなにうまくいくとは思いもしなかった。
いつの間にか、時が移り、入社2年目の9月になっていた。
季節は秋に移るとき、試作発注を頂き、これから案件を成功するために意気揚々としていたが、その時、自分にとっての転機が訪れた。
続く。