2024年09月08日 08:00
本田美奈子 / 風流風鈴初恋譚
1994年「Junction」収録
テーマ:夏もそろそろ終わりにしようかと思います。ここんところ夏の終わりっぽい曲が続いてましたんで、そろそろ秋に移ろうかな、と。
85年にアイドルデビュー。同期は中山美穂や斉藤由貴、おニャン子等々のアイドル全盛期です。デビュー1年目にして武道館コンサートを成功させています。88年にMINAKO with WILD CATSというロックバンドを結成し、NAONのYAON等にも出演しています。同じアイドルの菊池桃子がRAMUを結成したのも同年ですので、アイドルがロックバンドという気運だったのでしょう。ちなみにWILD CATSは89年に解散しています。
90年にミュージカルでヒロイン役となり、92年から一年半のロングランをこなしゴールデンアロー賞の新人賞を受賞しています。ここから10年ほどはミュージカルに多数出演。03年にはクラシックアルバムをリリースし、また違うジャンルへチャレンジしています。
05年に急性骨髄性白血病との診断を受け入院し、同年11月に亡くなりました。
オリジナルアルバムはWILD CATS名義を含めて11枚、死後に残された音源でミニアルバムや企画アルバムがリリースされています。公式のベスト盤は生前より死後の方が多くリリースされています。
この人はゲイリー・ムーアやクイーンのブライアン・メイなどと一緒に仕事をしているため、ロック好きとして他のアイドルよりも好印象でした。
「JUNCTION」
1 祈り
2 ポジティブに愛して
3 愛の讃歌
4 アマリア
5 My Love of Destiny
6 風流風鈴初恋譚
7 BBちゃん雲にのる
8 さあね
9 命をあげよう
10 つばさ
11 すべてが変わるだろう
94年にリリースされた通算8枚目のオリジナルアルバムです。Wild Cats以来となり、ミュージカルに軸足を移してから初めてのアルバムとなります。10がシングル曲、8がカップリング曲です。特に10は本人出演のCMにもなり、岩崎宏美や林原めぐみがカバーしており、今や彼女の代表曲にもなっています。オリコンでの最高位は75位止まりですが、名曲10のお陰で、30年前のアルバムなのにいまだにショップで見かけることがあります。アイドル系のベスト盤ではなくオリジナルアルバムが生き残ってるのは珍しいことです。
作詞は岩谷時子、作曲は弦哲也。弦哲也さんは「天城越え」をはじめ演歌界では超有名人です。そんなこともあり、ほぼ演歌のような楽曲になっています。Wild Cats解散後に新たな方向性として演歌も検討していたそうで、実際にテレビで着物を着て演歌を歌っていたこともあります。その後ミュージカルから声楽方面へと進んだため場違いに感じますが、彼女の中では当たり前の曲だったんでしょう。アイドルとして同時期にデビューしていた長山洋子が93年から演歌転向しているのも、時期的に見て面白いところです。もっとも長山洋子の場合は演歌が元々の目標だった部分もありますから、本田美奈子とは事情が違いますが。
詩の世界は夏の終わりの楽曲です。風鈴屋のお兄ちゃんに初恋した町娘が「秋には会えなくなる」とイヤがる、時代劇とかで1シーンあるくらいの風情です。これをシャンソン訳詞の大御所である岩谷時子さんが書いているのが面白いところです。本田美奈子と岩谷時子さんはミュージカル「ミス・サイゴン」で面識を得て、以降かなり親しく付き合っていたそうです。このアルバムではプロデュースも担当していますし、本田美奈子が亡くなる直前には同じ病院に入院していたこともありボイスレコーダーにメッセージを入れて無菌室へ応援を届けたという逸話があります。今や彼女の代表作ともなっている「つばさ」も岩谷さんの作詞です。
曲調やバックの音は思いっきり演歌です。なのに彼女の澄んだ声で歌われると、どことなく可愛らしく感じます。コブシを見せびらかすような雰囲気ではなく、演歌にも触れてみました、という印象です。演歌ファンからすれば物足りないというか「似非」と呼ばれそうな曲ですが、昭和のトップアイドルが歌っているのが驚きです。
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テーマ:夏もそろそろ終わりにしようかと思います。ここんところ夏の終わりっぽい曲が続いてましたんで、そろそろ秋に移ろうかな、と。
85年にアイドルデビュー。同期は中山美穂や斉藤由貴、おニャン子等々のアイドル全盛期です。デビュー1年目にして武道館コンサートを成功させています。88年にMINAKO with WILD CATSというロックバンドを結成し、NAONのYAON等にも出演しています。同じアイドルの菊池桃子がRAMUを結成したのも同年ですので、アイドルがロックバンドという気運だったのでしょう。ちなみにWILD CATSは89年に解散しています。
90年にミュージカルでヒロイン役となり、92年から一年半のロングランをこなしゴールデンアロー賞の新人賞を受賞しています。ここから10年ほどはミュージカルに多数出演。03年にはクラシックアルバムをリリースし、また違うジャンルへチャレンジしています。
05年に急性骨髄性白血病との診断を受け入院し、同年11月に亡くなりました。
オリジナルアルバムはWILD CATS名義を含めて11枚、死後に残された音源でミニアルバムや企画アルバムがリリースされています。公式のベスト盤は生前より死後の方が多くリリースされています。
この人はゲイリー・ムーアやクイーンのブライアン・メイなどと一緒に仕事をしているため、ロック好きとして他のアイドルよりも好印象でした。
「JUNCTION」
1 祈り
2 ポジティブに愛して
3 愛の讃歌
4 アマリア
5 My Love of Destiny
6 風流風鈴初恋譚
7 BBちゃん雲にのる
8 さあね
9 命をあげよう
10 つばさ
11 すべてが変わるだろう
94年にリリースされた通算8枚目のオリジナルアルバムです。Wild Cats以来となり、ミュージカルに軸足を移してから初めてのアルバムとなります。10がシングル曲、8がカップリング曲です。特に10は本人出演のCMにもなり、岩崎宏美や林原めぐみがカバーしており、今や彼女の代表曲にもなっています。オリコンでの最高位は75位止まりですが、名曲10のお陰で、30年前のアルバムなのにいまだにショップで見かけることがあります。アイドル系のベスト盤ではなくオリジナルアルバムが生き残ってるのは珍しいことです。
作詞は岩谷時子、作曲は弦哲也。弦哲也さんは「天城越え」をはじめ演歌界では超有名人です。そんなこともあり、ほぼ演歌のような楽曲になっています。Wild Cats解散後に新たな方向性として演歌も検討していたそうで、実際にテレビで着物を着て演歌を歌っていたこともあります。その後ミュージカルから声楽方面へと進んだため場違いに感じますが、彼女の中では当たり前の曲だったんでしょう。アイドルとして同時期にデビューしていた長山洋子が93年から演歌転向しているのも、時期的に見て面白いところです。もっとも長山洋子の場合は演歌が元々の目標だった部分もありますから、本田美奈子とは事情が違いますが。
詩の世界は夏の終わりの楽曲です。風鈴屋のお兄ちゃんに初恋した町娘が「秋には会えなくなる」とイヤがる、時代劇とかで1シーンあるくらいの風情です。これをシャンソン訳詞の大御所である岩谷時子さんが書いているのが面白いところです。本田美奈子と岩谷時子さんはミュージカル「ミス・サイゴン」で面識を得て、以降かなり親しく付き合っていたそうです。このアルバムではプロデュースも担当していますし、本田美奈子が亡くなる直前には同じ病院に入院していたこともありボイスレコーダーにメッセージを入れて無菌室へ応援を届けたという逸話があります。今や彼女の代表作ともなっている「つばさ」も岩谷さんの作詞です。
曲調やバックの音は思いっきり演歌です。なのに彼女の澄んだ声で歌われると、どことなく可愛らしく感じます。コブシを見せびらかすような雰囲気ではなく、演歌にも触れてみました、という印象です。演歌ファンからすれば物足りないというか「似非」と呼ばれそうな曲ですが、昭和のトップアイドルが歌っているのが驚きです。
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