2008年11月19日
新テロ特措法(給油新法)の延長反対!!国会行動に70人が参加
「給油新法延長に反対する第6回国会前行動」が11月18日昼、参議院議員会館前で行われ、市民団体・宗教団体・労働組合の関係者など約70人が集まりました。
参議院の外交防衛委員会は当初、18日に新テロ特措法(給油新法)の採決を予定していました。この日の行動は、採決に抗議するために呼びかけられたものです。
しかし17日に行われた麻生太郎首相と小沢一郎民主党代表の党首会談で、小沢代表が第2次補正予算の提案を求めたのに対して、麻生首相が明確な回答を避けたことから、民主党は新テロ特措法の18日採決を拒否しました。そのために、新テロ特措法の今国会での成立が不透明になる中での行動になりました。
国会前行動は、高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)の司会で、12時30分から1時30分まで行われました。冒頭に日本共産党・参議院議員の井上哲士さんと、社民党党首・参議院議員の福島みずほさんから、国会情勢の報告を受けました。その後、参加の各団体の代表者が、新テロ特措法や田母神問題について発言しました。
以下は、主な発言者と発言の要旨です。発言者のお名前を、正確に確認することができませんでした。名字だけの記載になった方、ご容赦ください。またお名前に間違いのある場合は連絡してください。
●井上哲士さん(日本共産党・参議院議員)
日本共産党・参議院議員の井上です。本日朝の理事会で民主党から、「第2次補正予算が出ない」ことを理由に、採決には応じないとの報告があり、委員会は休憩状態になりました。いまのところ、再開される見込みはありません。
私たちは、第2次補正予算と新テロ特措法の審議を絡めることには、道理がないと考えています。そもそも、こんな状態のままで、この法案の採決を決めたこと自体が間違いです。田母神問題を「重大だ」と言って、法案審議と切り離すことになりましたが、自衛隊の根幹にかかわる田母神問題と、自衛隊を海外に出す法案を切り離すことはできません。ですから私たちは、今日も採決せずに審議を行うことを主張しました。この法案を廃案に追い込むために、皆さんと一緒に頑張りたいと思います。
参議院の審議を通じて、戦争でテロを無くすことはできないこと、その戦争を支援する法案は間違いであることが浮き彫りになりました。ペシャワール会の中村哲代表の参考人質疑では、いまのアフガニスタンに何が必要か明らかになりました。中村さんの陳述と答弁は圧巻でした。与党議員は、「日本は海上阻止活動の給油をしているだけ」と言いました。しかし「現地ではそんなことは通用しない」と中村さんから一言で切り捨てられると、反論すらできませんでした。
米国ではオバマ氏が大統領に当選しました。アフガニスタンのカルザイ大統領はオバマ氏に対して、「米国の空爆によるアフガニスタン市民の殺害が、米国とアフガニスタンの緊張の原因になっている」。「攻撃中止を最優先課題にしてほしい」と求めました。これが現地の声なのです。
また田母神問題が明らかになりました。私は最初、「また言ったのか」。こんな人物を任命した自民党はけしからないということだけを考えていました。しかし国会の質疑を通して、それだけでは済まない、恐るべき自衛隊改造計画が進行していたことが明らかになりました。彼が自衛隊の幹部教育課程の中に「国家観・歴史観」という科目を新設し、侵略戦争を美化し、憲法を否定する教育を行っていました。しかもその講義の講師の名前は、国会にも示されていません。
なぜその講座を作ったのか。自分が入隊した時には、イラク派遣など考えられなかった。それほど自衛隊は変わっている。10年たったら、もっと本格的に自衛隊が武力行使を行うようになるだろうと彼は言うのです。そういう時に、海外に行く自衛隊員が元気でなければいけない。相手の国の軍人に、なめられてはいけない。だから侵略戦争をやったことは否定しなければいけない。彼はそう言っているのです。またそうした自衛隊の姿を国民に説明することが、幹部自衛官の姿だとも言っています。幹部自衛官は勉強して、国民を啓蒙するべきだとも書いています。自衛隊が国民を啓蒙するなど、戦前と同じではないですか。そのために、あの講座を作ったというのが自衛隊改造計画です。
この問題を徹底究明します。皆さんと一緒に、頑張ります。
●福島みずほさん(社民党党首・参議院議員)
みなさん、こんにちは。みなさんと一緒に声をあげられることを、とても嬉しく思っています。
今日は採決がある日でした。社民党と共産党は、もっと審議を尽くすべきと主張しました。そもそも私たちは、この法案に大反対です。与党と民主党は採決を決めていました。私たちが「おかしいぞ!」と声を上げたことが通じたのか、昨日の段階で採決は中止になりました。
第1に、国民の生活が困窮しているのですから、補正予算は出すべきです。しかし第2に、新テロ特措法には反対です。審議を徹底して、その上で採決には反対です。そうではないですか。本日の時点では、会期末もわからなくなりました。給油法案が採決されないように、一緒に頑張っていきましょう。
本日の時点では採決はありませんし、田母神問題、シビリアンコントロールの問題も、キッチリ議論するべきだと思います。田母神さんが、自衛隊のイラク派遣違憲判決に「そんなの関係ない」と言った時、非常に怒りました。そして今回の問題です。これは根が深い。防衛庁が防衛省に昇格し、在日米軍再編特措法が成立し、国民投票法が出てくる中で、自衛隊が大きく変わったのではないかと思います。「過去の戦争は侵略戦争ではない」という教育を受けた自衛隊員が、そのまま海外に行くことなどおかしい。そもそも自衛隊は海外に行くべきではありませんが、こんな意識のままで行ってはいけません。派兵してはいけません。
米国ではオバマさんが大統領に当選しました。「いい戦争」と「悪い戦争」を区別しているオバマさんを、私たちは全面的に支持するわけではありません。しかしオバマさんを選んだ米国の国民の意識は、「戦争はいや」ということではないでしょうか。格差が拡大し、貧困が拡大している社会に「NO」と言っているのではないでしょうか。
ブッシュ・共和党政権とともにやってきた日本の政治、小泉改革と新自由主義、戦争加担に加担してきた日本の政治を、私たちも終わらせましょう。アフガニスタン侵攻とイラク侵攻に反対してきた皆さんの活動、「継続は力なり」です。それがいま、国民に対して一番の説得力を持つ声だと思っています。
インド洋での給油活動に、日本は704億円支出しています。燃料代だけでも234億円です。私たちの貴重な税金を、人を殺すことに使うべきではありません。人の命を生かすことに使うべきです。みなさん、これからも頑張りましょう。
●手島さん(日本YWCA)
WYCAの設立は1905年です。以来100年以上にわたり、神の正義の実現のために、女性の力を結集してきました。しかし先の大戦では、心ならずも戦争に協力してしまいました。1945年の総会では、そのことを厳しく反省し、戦後の出発としました。
いまインド洋では自衛隊が、米軍に給油を行っています。これはまさしく戦争協力です。絶対に許されないことです。私たちは絶対に戦争に協力したくありません。一刻も早く、自衛隊には帰ってきてもらいたいです。
田母神発言について、憲法99条は公務員を憲法ることを定めています。憲法に反する幕僚長を任命したことは、政府の責任です。また6000万円もの退職金を払ったことは、許せないです。
みなさんと一緒に、力を結集して、自衛隊がインド洋から帰って来るように努力したいと思います。
●山口菊子さん(豊島区議会議員・「憲法」を愛する女性ネット)
今日の採決が中止になりましたが、その原因が、私たちの原因が私たちの主張と異なっていることが残念です。
地域の中で、いろいろな人たちと話をします。「自民・公明の政権はたくさんだ」、「生活破壊はやめてほしい」、インド洋での給油に税金を使っていることも、「おかしい」という人が増えてきました。また田母神発言は、公務員としては絶対に許されない発言です。「そんなの関係ない」と言った時点で罷免をできなかった日本政府。そのことに対する批判も、地域の中で出てきています。
田母神発言を容認し、憲法改正、自衛隊派兵を望む国会議員が、少なからずいます。私たちはその都度、国会行動などを通して抗議していく、地域で運動を起こしていく、そうしたことが重要だと考えています。私たちと同じ思いの国会議員が少ないことが、非常に残念です。でも解散・総選挙で私たちと同じ思いの国会議員を一人でも増やしていくことが大切ではないでしょうか。これからも頑張りましょう。
●中岡基明さん(全労協事務局長)
新テロ特措法の採決ということで、急きょ集まりました。最近は「急きょ」の行動が多くて、全労協として人数も集まらずに申し訳なく思っています。
今日は採決がされずに、一安心ですが、安心しているだけでいいはずはありません。新テロ特措法、インド洋での給油活動は、政争の具に使われていい問題ではありません。もちろん、1日も早く国会を解散して民意を問うことは必要です。
しかしいま、インド洋で給油を行う必要があるのか。アフガニスタンの人々が、日本の自衛隊を必要としているのか。そうではないことが、NGOの人たちの活動で明らかになっています。復興に必要なのは、平和の手段でしょう。外国軍はただちに、アフガニスタンから撤退するべきです。米国もそうした選択をしていると思います。1日も早く自衛隊をインド洋から引き揚げる。日本政府はそうした方向に向かうべきです。
いま政治に求められていることは、なんでしょうか。派遣労働者の首切りが深刻化しています。経済が厳しい状態で中小企業がバタバタ倒産し、労働者は生きるすべを失いつつあります。このような状況にはセーフティーネットが必要であり、そこにお金を使うべきです。私たちは、そのために税金を払っているのです。みなさんと一緒に、これからも派兵法を成立させないために頑張ります。
●寺尾さん(イラク派兵違憲訴訟の会・名古屋)
今でもアフガニスタンでは、空爆によって市民が犠牲になっています。いつ命を奪われるのかわからない不安の中で、アフガニスタンの人々は生きていらっしゃる。そうした人々のために、私たちは心して、もっと、もっと行動しなければいけない。そう考えています。
先日、参議院議員の山内徳信さんの事務所にうかがいました。山内さんの事務所には、憲法99条の書が掛けてあります。憲法99条をしっかりと認識して、事務所に掛けてある議員が他にいるでしょうか。総理のところには、日の丸はあっても憲法はないでしょう。総理大臣の意識の中にさえないと、私は思います。
田母神さんが、自衛隊の中で偏った教育をすることができる。これは非常に危険なことだと思います。憲法を守る認識をもたせること、憲法教育を行うことが、一番大事なのではないでしょうか。総理大臣以下、自民党・公明党の国会議員がそのことを認識する。そもそも、国会議員になりたい人は、「憲法を順守します」と宣誓してから、国会議員に立候補するべきではないでしょうか。
公務員は憲法を守らなければいけない。しかし現実は違います。また、憲法の番人であるはずの最高裁判所も、おかしい。憲法が実践される社会と政治をつくるために、一緒に頑張りましょう。
●山下治子さん(ふぇみん・婦人民主クラブ)
給油新法を絶対に廃案にするために集まったみなさん、こんにちは。
私は憲法調査会を傍聴していました。ある国会議員は、「憲法調査会に所属して、いろいろ憲法を学んだ」と言っていました。私は、大ショックでした。寺尾さんのお話を聞いて、その時のことを思い出しました。
今日の採決が見送られたことは、当然だと思います。しかし採決を見送って、外交防衛委員会が開かれないことは、大いに不満です。11月5日に参考人として、ペシャワール会の中村さんと、JAICの方が発言しました。中村さんのお話は、大変示唆に富むものでした。ではなぜ、中村さんのお話を踏まえた議論をしないのか。とんでもないことです。
与党議員からは、「日本は何ができるか」という焦り、マインドコントロールのような状態を感じます。「何ができるのか」も大切です。しかし「何をしてはいけないのか」も、もっとしっかり考えるべきです。憲法をないがしろにする与党に、そのことを受け止めてもらいたい。与党議員は中村さんに、「日本は空爆に加担していないと、現地で宣伝して欲しい」と、ずうずうしいお願いをしていました。
国会で徹底的な審議を行うように、私たちも求めていきたいとおもいます。
●土井登美江さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)
きょうは、国会見学の子どもたちがたくさん来ていますね。この生徒さん、「おじさん、おばさんが何をしているのだろう」と思っているでしょう。子どもたちが学校で習っている主権在民。国会を見学することは大切だけれども、大人になったら国民が主人公であることを表すのに、選挙で1票を投じることと同時に、日常的に意思を表すことが大切なのだと知って欲しいなと思います。
衆議院では、おざなりの審議で採決が行われました。参議院では、きちっと議論して、給油新法はダメだという結論を出してもらいたいと思います。
昨晩のNHKテレビで、イラクのアブグレイブ刑務所で虐待事件を起こした米軍兵士の話をしていました。米国政府は虐待を起こした兵士7人を、「7つの腐ったリンゴ」と呼び、刑罰を科し、兵士個人の問題としてしまいました。米国でも、兵士に指示をした幹部たちは、罪に問われることは無かったのです。戦争を起こした張本人たちも、まったく罪に問われない。またイラクに行った兵士たちは、経済的貧困層の出身で、そうした人々が志願する実態が明らかにされていました。
戦争を起こす人々を批判することは重要ですが、実際に戦場に行く人々は貧困の犠牲になっている。そうした人々が事件を起こすと、トカゲのしっぽ切りになる。兵士が、軍隊自身が、病んでいるのです。私たちは「武力で平和は作れない」と訴えてきました。犠牲になるのは加害者も被害者も、一般の人々です。「武力で平和は作れない」ことを、改めて訴えたいと思います。
●星野さん(憲法を生かす会)
この集まりも6回目です。最初は早々に選挙があって、給油新法も廃案になると思っていました。しかし麻生が居直り続けている。それでも私たちは、粘り強く訴え続けてきました。国会での議論もありますが、給油新法を成立さえない、アフガニスタンやイラクの現実を見ろ、そこから平和を考えろ――そうした当たり前の市民の声が、国会には届いていると思うし、給油新法の廃案まで頑張りたい。
私の連れ合いは、私にはきついことをいうのですが、社会問題にはあまり発言しません。ところが田母神問題では、テレビに向かって怒鳴るのです。「ああした人が指揮官でいいのか」、「退職金をもらうのか」、「多くの若者はまじめに働いても給料が少ない」。でもこれは、普通の人々の気持ちだと思うのです。
田母神論文を読みました。彼は60過ぎです。年寄りではない。そんな彼がなぜ、ああした歴史観を持つのでしょう。彼は国会で「私が指示すれば千人以上が応募したはず」と自慢しました。それを聞いて私の義父は、「関東軍が動き出した」と言っています。年配の方には、そういう風に感じるのでしょう。
こうした動きは、芽のうちに摘み取らなければなりません。いま大きな曲がり角です。がんばりましょう。
●国富健治(新しい反安保行動を作る実行委員会)
民主党の拒否により、採決がなくなりました。僕は、民主党の主張には違和感がありますが、採決が延期されたことはよかったと思います。必要なことは、単なる延期で終わらせることなく、アフガニスタン戦争は何であったのか、イラク戦争は何であったのか、自衛隊の活動はどのようであったのか、7年間にわたる動きを論議し、結論を出すべきだと思います。その上で、インド洋での補給活動は終了させる。
僕も小学校6年生の時に、社会科見学で国会に来ました。60年安保の年です。そのころ休み時間には、「デモごっこ」をしていました。僕はいまでも続けているのですけどね。だから、子どもたちにもわかるような、子どもたちが実感できるような、改憲反対、戦争協力反対の運動を作らなければいけないと思います。
田母神さんは、「自衛官には言論の自由はないのか」といっています。でも田母神さんのいう「自衛官の言論の自由」とは、幹部自衛官の自由でしかありません。自衛隊の中で、普通の自衛官がビラを配ったり、会合を持ったり、そうした自由は禁じられています。一般の自衛官が幹部に文句を言う、不正を暴く、そうした自由は禁じられています。もし言ったら、黙らされる、暴力を受ける、辞めさせられる・・・。
1970年代に、「反戦自衛官」の裁判闘争がありました。その時の主張は、一般自衛官に言論の自由、結社の自由、集会の自由を認めるべきだということでした。また憲法に違反する命令、不当な命令は拒否する権利を認めよと主張しました。それはいまでも、通用すると思います。自衛隊が海外に派兵されて戦争に参加する。そのためには日本は侵略国ではないことを教育する必要がある。それが田母神さんの主張です。それは自衛隊員に対して、黙って指揮官の言うことを聞く、そうした教育が行われているということだと思います。
憲法保障する民主主義を、自衛隊の中にも作っていくことが必要だと、僕は思います。
●西原さん(平和を実現するキリスト者ネット)
こんにちは。先ほど通った小学生が横断幕を見て、「武力で平和は作れない」と読んでいました。とても嬉しかった。その子の家で夕食の時に、「国会前を通ったらおじさん、おばさんが旗を立てて何かしていたよ」と、話題になったらいいなと思いました。
先日韓国で、日韓の青年の会合を行いました。そのときに、日本の青年たちは悩んでいました。「竹島問題ってなに」など、学校で習っていない問題に接したからです。その青年たちがプレゼンをして、お互いの歴史観を話し合って、平和のために何ができるのかを話しました。
一人の日本の大学生が泣きながら、自分は緊張している、私たちは国と国の争いに巻き込まれたくない、個人としてみなさんと平和を作りたいと訴えました。こうした気持ちを大切にして、一人ひとりが主人公で、子どもたちと手を携えて平和を作っている、そうした思いで行動を続けていきたいと考えます。

