3.11から6ヶ月が経過した。

被災に対する思いとは別に「脱原発」の歯車を回す作業の難しさを感じる1日となった。

本ブログは、脱原発の立場を明確化し、鉢呂議員の辞任騒動に対する私見を述べたい。

1.鉢呂議員の辞任を起こした社会背景は?

① 国民は鉢呂議員の政策、人柄を理解していたか?
 まず、今回の騒動が起きるまで、鉢呂議員が経産相就任前から、被災地福島の問題へ積極的に関与してきた事実を案外知らなかったという事実認識をしなければならない。

② 脱原発派は 鉢呂議員の味方でいなかったのではないか
 更に、鉢呂議員は最終的に脱原発を名言したうえで、足元の数年は「安全性を確認しつつ原発の再稼動」という政策を提示した。
 一連の流れで、脱原発派の中でも、即時原発全面停止を主張する方は、鉢呂議員に対し「安全性を確認しつつ原発の再起動」という話に対し、「言葉狩り」を行い、鉢呂議員は「脱原発派」ではないとのレッテルを貼ってしまった。
 その私も気がついていたが、「脱原発」でないとの批判を受けることを恐れ、この問題を指摘できずにいた。

③ 脱原発派の支持がないと判断し、大臣辞職を選択する鉢呂大臣
 金曜日以降、鉢呂議員は会見で「死の町」という述べた発言が「言葉狩り」の対象となった。そして、数日間に辞任に追い込まれる状態になった。
 この辞任に至る過程で、鉢呂議員が大臣辞職を行うに至った背景には、ネット内外のにわかを含めた脱原発派から本当の支持を得られているかという不安定な状態で、政治生命リスクを負えないとの判断はあったのではないかと思う。

2.目先の問題への対応方法

① 早期辞任を敢えて前向きに考え、政策議論への転換の好機と捉えること

 だが、肯定的(すぎるが)に考えれば、迅速な大臣辞任で鉢呂議員(及び 野田内閣、民主党)は本来、間違いでなかった言葉に対し、マスコミから政策外のつらまらない言葉の攻撃に晒されるリスクは軽減された。

 野党議員からも、失言でなく、政策で議論すべきという議論も出ており、報道にも疑問が呈されている。

 我々が当面すべきことは、脱原発、被害者救済に向けた政策実現の議論がされているかという問題に注視することであろう。
 そして、一連の流れが一段落したときには、政治生命を維持した鉢呂議員から脱原発に向けた処方箋を皆で学べる政治家を得られたのかもしれない。

② マスコミは十分な説明を

 一方で、曖昧な報道で、大臣辞職にまで追い込んだマスコミには、今回の経緯を明確に説明する義務があると思う。一部の方々が「9.10事件」と呼んでいたが、「精神的重圧」という手段で人々にダメージを与えた点では一部軍部の若手将校の暴走で政府関係者の暗殺をした「2.26事件」と内容は変わらない気がする。

 故に、大手マスコミは今回の顛末を開示する義務を負っている。

③ マスコミの記者は社会人としての礼節を持って欲しい
 また、私は日本人を代表して外国との交渉に当たる経産大臣に対し、社会の礼節を弁えない質問をすることが社会の木鐸であるマスコミがすべきことでない。どんな局面でも、礼儀正しく質疑をするのが当然である。

 更に、昨日の会見では、社名、名前を隠して無礼な質問を継続した記者がいたのも事実である。
 当然、各閣僚はテロ等の攻撃に晒されるリスクもある。国家の安全管理上、昨日の会見の如く、どこの会社に属する記者かを名乗らず、質問をすることは、他国では絶対許されない話と思う。

3.中長期的な課題 として - 脱原発実現に、敢えて検討すべき「原発再起動」問題

 脱原発の議論は、国内の電力需給の問題に加え、国際的なエネルギー安保の問題と密接に関わる。

 リビヤ等の中東各国の政治情勢がきな臭い。欧米にも金融不安が再燃し、その程度はかなり劣悪な状況にある。この環境で、政治が不安定な中東での戦闘が激しくなれば、当然、石油の円滑な入手に支障を来たすかもしれない。

 そのときは、一番安全な原発を選定し、国家として、リスクを認識して一定期間の再起動を行うという政治判断を行わなければならない事態を全く否定できない。

 脱原発運動の言葉狩りには、この観点からの「原発再起動」可能性を頭から否定することだと思う。

 これから、新たに就任する経産大臣が以下の政策を明示した場合、脱原発派は支援できるかが重大な課題になると思う。
 ①基本理念は、原発事故が「死の町」の更なる拡大を引き起こす残酷さを認識しつつ、それを繰り返さないために長期的には「脱原発」を目指すこと

 ②現実的な当面の政策は、再生可能エネルギーで産業の電気需要を全て賄えないこと、エネルギー安保の2点を念頭に置いたうえで、安全運転基準を精緻な議論で行ったうえで「安全な原発の再起動」も検討する

 ③当然、安全基準の見直し作業においては、ネットでの公開を原則として、反対派を交えた諮問委員会の議論を経て、判断を仰ぐものとする

 私は、脱原発派がこの政策②を「言葉狩り」せずに応援できれば、原発推進・維持派にとり、強力な政治圧力
となろう。