1.はじめに
『みんなで決めよう「原発」国民投票』運動を展開される『今井一さん』が『住民投票条例の制定を求める直接請求』の署名集めを12月1日より始めると告知された。

本ブログでは、私的な立場からこの活動の意味を整理し、子どもの健康問題を第一に考えるママ・パパの署名だけで直接請求が成立することを説明したい。

みんなで決めよう「原発」国民投票へのリンク http://kokumintohyo.com/ からの転載》

【抜粋】
◆本会の活動の一環として、東京都、静岡県、大阪市において、東京電力、中部電力、関西電力各社管内に存在する「原発」の稼働、廃止について、これを都民投票、県民投票、市民投票にかけるための、直接請求(厳密には住民投票条例の制定を求める直接請求)を行います。

◆そのために、10月・11月の2カ月の間に、十数名の請求代表人を確定します。また、署名収集担当者(受任者) および当該自治体の有権者でなくともやれるサポーター(通行人への呼びかけ、チラシ撒きなど署名収集を手伝う人)を広く募集します。

◆現在、都民投票の請求代表人として、俳優の山本太郎さん、小林聖太郎さん(映画監督)、斎藤駿さん(カタログハウス社オーナー)らが就任の意思を固めてくださっています。

◆署名収集のスタートは、3地域とも[12月1日]で調整しています。
サポーターや受任者の登録方法など、詳細は、10月15日にホームページに掲示し、案内しますので、じっくりと読み、ぜひこの直接請求運動へのお力添えをお願いします。
なお、言うまでもなく、こうした署名の収集と併せて、本会が行なっている「原発」国民投票の実施を求める署名収集もこれまでどおり継続します。

2.直接請求とは何、この凄さは何?

ただ、この記事「住民投票条例の制定を求める直接請求」の行動を選択した凄さが分からないと、ピーンとこない人が多いのではないかと思います。

そこで、本ブログでは、私が大学時代「地方自治法」を勉強するゼミにいた経験を生かし、その凄さを説明します。尚、以下は全て私見であり、脱原発賛成な立場から確実に偏って見解を書いていることをご容赦下さい。

① 直接請求とは

地方自治(都道府県、市町村)の分野にて、一定の署名を集められば、「議会解散、知事・市町村長の解任」等を実行できる制度。
今回、検討されている「条例制定」はその手段の一つ。

目的は、河野太郎議員が示唆されているように、国会で「脱原発の国民投票法」の制定が直ちに実現困難なため、現実的な代替措置と考えれば良いと思う。
特別対談 河野太郎(自民党前幹事長代理)×山本太郎(俳優) 「原発に買われた政界と芸能界」リンク http://gendai.ismedia.jp/articles/-/21259

② 何故、凄いのか?

最近、実施された有名な直接請求は、河村名古屋市長が中心に実行された『名古屋市議会のリコール運動』である。公表された情報の範囲内で、その狙いの凄さを名古屋市議会リコール運動と比較し、説明したい。

凄さ① 名古屋市議会リコール運動の壁の克服『署名集めが少なくて済むこと』
- 「署名集めが有権者総数の50分の1以上で済む」点に着目

リコールをはじめとする直接請求実現に向けた最大の障害は署名集めである

名古屋市の有権者数は177万人。
リコール成立には有権者の20%に相当する36万人の署名が必要であった。
『リコール・解職請求に必要な署名の人数算出方法』へのリンク http://blog.livedoor.jp/stop_genpatu-memo/archives/5025879.html

実際に、このような政治活動に関心を持つ方は、一般論として、選挙で投票する人に限定されよう。
白熱した名古屋市長選でさえ、その投票率が54%という数値を見ると、実質的に半数の有権者から署名が得られないとリコールが成立しないという話
になる。
総務省HPへのリンク 平成23年2月6日執行 名古屋市市長選挙

今回は、直接請求の目的を「条例制定」とすることで、署名人数を有権者数の50分の1に激減させた。

これを名古屋で考えると「3万5千人」である。
要は名古屋で集めた10分の1の人数を集めれば良い、戦いとなる。

名古屋で出来たことが、東京、大阪で出来ない話にならないと思う。

因みに、東京都、大阪府、静岡県の有権者数とその50分の1の人数は、夫々、20万人、14万人、6万人という規模になる(実際は、大阪市、静岡市に限定すれば、更に人数は減少へ)。

《前回参議院選挙の有権者数から必要な署名(単位:万人)》*************
        東京都   大阪府   静岡県
有権者数   987     696     299

条例制定   
50分の1    20      14      6
   
リコール    171     123      57
   
前回参議院選挙の投票者数
投票者数    526     371     184
投票率      53%     53%   62%
   
実質的な署名比率
条例制定    4%      4%     3%
リコール     33%     33%    31%

《総務省HP の 有権者数を採用》
総務省HPのリンク http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/sangiin19/sangiin19_2_3.html
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凄さ② ママ・パパの7人に1人が署名すれば、実現可能な政治行動であること

次の現実的な課題は、条例制定に向け、直接請求に必要な署名人数が集まるか否かの見通しとなる。

この点は、子どもの被爆を気にする「ママ・パパ」の人数に着目したい。

まず、総務省HPから15歳未満の子ども人口を調べたところ、署名成立に必要人数よりも大幅に多いことが分かった。(東京都:153万人、大阪府:121万人、静岡県:51万人)

話を単純化するため、1人のママに子どもが2人いるとしたら、東京都内には約70万人のママがいる。
当然、私のようなパパもいる。要は、子どもの被爆を自分の問題と捉える親が140万人も存在する。

署名成立に必要な人数が20万人とすれば、7家庭の内、1家庭のママ、パパが署名をすると直接請求が実現する。その数値と比較して、実現が可能な話と思われる。


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都道府県別 年齢別人口構成
         0~14歳 15~64 65歳以上 合計
東京都     153        866      269       1,287
大阪府     121        566      194          880
静岡県      51         240        89          379
愛知県     109        486      147          742
福島県      28         125        50          204
(子ども人口の参考データ:総務省作成HPより)

 人口推計(平成21年10月1日現在)‐全国:年齢(各歳),男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級),男女別人口‐へのリンク http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2009np/index.htm


統計表  
以下の統計表はエクセルファイル形式です。

[注意]  数値は表章単位未満の位で四捨五入しているため,合計の数値と内訳の計は必ずしも一致しない。

 第1表 年齢(各歳),男女別人口及び人口性比―総人口,日本人人口(平成21年10月1日現在)(エクセル:36KB)

 第2表 都道府県,男女別人口及び人口性比―総人口,日本人人口(平成21年10月1日現在)(エクセル:31KB)

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凄さ③ 「子どもの健康を第一に考える政治家」を峻別にするリトマス試験紙になること

この運動は、発起人である今井氏が、愛川欽也パックインジャーナルの番組中語られていた。

私なりの意見を含め、その影響は以下の通りと考えられる。
① 脱原発に向けた投票条例の制定には、各地方自治体の地方議員の過半数で可決する政策決定過程がある。この決定過程で、「子どもの健康を第一に考える」社会を作るべきか、それとも産業を維持するために被爆リスクを犯して原発を稼動させるかの議論が出てくる。
少なくとも、条例制定に向けた直接請求が成立すれば、産業を維持するために被爆リスクを犯して原発稼動継続議論一辺倒の雰囲気を弱くする効果はある。
特に、デモも重要だか、この行動は民主的な手続に沿って、政治の流れを本当に変える力があるので、無視できないと思う。

② 更に、この直接請求 及び 投票条例制定に向けた政治家の政治行動を見れば、「真に子どもの健康を第一に考える政治家」は誰か というリトマス試験紙を作ることができる

このような意味からも、是非、実現に向けて、応援をしたい。

***WIKIの記載より******
直接請求(ちょくせつせいきゅう)とは、住民の発意により、直接に地方公共団体に一定の行動を取らせるもの。参政権の一つであり、国民発案(イニシアチブ)とともに直接民主制の一つである。地方自治法について以下では、条数のみ記載する。

条例の制定・改廃の請求

有権者総数の50分の1以上の署名をもって代表者が地方公共団体の長に請求する。(第74条

首長は、請求を受理した日から20日以内に議会を招集し、審議しその結果を公表しなければならない。

なお、制定・改廃請求の対象となる条例について、地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものは除かれる。