2014年03月02日 16:34
[posted by strange_days_2009]
■ こんなの推薦じゃない
東京大学が平成28年度から推薦入学を実施することになり、その推薦基準が公表されたのだが、それが科学オリンピックでの入賞歴やら高い語学力やら論文やら自作のソフトウェアなど水準の高い資質を要求するものであったことから、「難しすぎる」「普通の学生にはムリ」といった反応が出ているようだ。
東京大学はもともと普通の学生が簡単に入ることのできない難関大学である。「難しすぎる」と文句を言っている人たちは、一般入試で簡単に入れない東大でも、推薦なら少しは楽に入れると思っていたのだろうか。そんなうまい話はないということくらい普通に考えれば分かりそうなものだが。
まあ、確かに、推薦入学が、学力の見劣りする生徒をそれなりの大学に確実に押し込みたい高校と、少子化の中でそれなりの学生を一定数確保したい大学との間で、要はそれなりの学生をそれなりの大学にローリスクで流し込むためのシステムとして機能していた面があることは否定できない。そのような現状を前提に見れば、この東大の推薦入学は「こんなの推薦じゃない」ということになるのだろう。
しかし、推薦入学というのは、もともと、一発勝負の入学試験では評価しきれないぬきんでた能力を持つ学生を、それを間近に見ている高校が大学に対して推挙するものだろう。むしろ一般入試より難しくて当たり前。東大がそうした推薦入学の本来の姿を問うような高めの推薦基準をぶつけてきたことにはそれなりの納得感がある。
推薦入学の背景には、一発勝負で人生にとって大事な進学先が決まってしまう入試への抵抗や躊躇があるんだと思うけど、じゃあ、「人物」とか「潜在能力」みたいなものをどうやって公平に評価して見極められるのか、実際にはとても難しく危うい。もともと「試験で測れないようなぬきんでた才能」なんてそんなにあるもんじゃないってことだろう。敢えて「推薦」するのはこれくらいバーが高いってことなのかもしれないな。
│Comments(3)
│TrackBack(0)
■ この記事へのトラックバックURL
■ この記事へのコメント
これ文句を言う人は推薦入学をコネ入学か何かと勘違いしてるんだろうか。僕らの感覚からすると、自分の成績じゃとてもじゃないが推薦など受けられない、だから一般入試で受けるしかない、って話なんだが。
Posted by たくりん at 2014年03月02日 18:31
全く同感です。
というか、私も含めて凡人がそこまでして大学に行く必要があるのか?ということです。
もっと職人やブルーカラーを大切に育てる教育がこれからは大切ではないでしょうか?
ちなみに三流大卒、全く学歴など必要のない自営業でございます。
明日はストーンズライブに行ってきます!
Posted by coconut at 2014年03月03日 19:59
大学は本来専門教育、高等教育の場であり研究の場なので、ステータスの高い職業訓練制度があればいいというのは同感ですね。フランスのグランゼコールみたいなのがあってもいいと思います。
Posted by Silverboy at 2014年03月09日 13:19