週刊 奇妙な日々
strange days weekly
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2014年02月15日 11:09      [posted by strange_days_2009]

多様性に対する想像力

東京都知事選挙が終わった。思ったのは、選挙前にツイッターの自分のタイムラインに流れてくるツイートでつぶやかれている意見と、実際の選挙結果が全然一致してないということ。選挙前にツイッターで大量に名前を見かけた候補は実際の選挙では大敗する一方、当選者を持ち上げるツイートは事前にはほとんど見かけなかった(けなすツイートはたくさん見た気がするが)。それはなぜか。

まず、デジタル・デバイスに親しみ、ソーシャル・ネットワーク・サービスを積極的に利用するような人は社会の中でもまだまだ多数派ではなく、そこで主流になっているような議論が必ずしも社会全体の中の平均的な関心と一致していないということだろう。ネット社会の世論は、少数の人のいささか偏った意見に引っ張られているのかもしれない。

敢えてネットで発言したいという人は、現状に対して何らかの不満なり改善欲求を持っている人だと推測できる。だとすれば、そこで語られる意見がいきおい現状否定的で変革志向型になりがちだということは容易に想像できる。それを見て「世の中は変革を求める声で満ちている」と考えるのはいかにも早計だ。

加えて、ツイッターのタイムラインは、自分が選んでフォローした人たちの発言である。フォローしたということは当然何か趣味が共通しているとかツイートが面白いとか主張が自分と似通っているとか、何かがあって自分が選んだ人たちである。そこで聞かれる意見に偏りが出るのはある意味当然だろう。そんなのは考えればすぐに分かることだ。

ところがネットでは「予想外の大敗」等と、ネット上での評判と実際の選挙結果のギャップに驚く声が結構ある。この人たちの、自分の周囲の人たちの声が世論を一般的に代表しているはずだという呑気な確信はいったい何なのだろう。デモに集まった人を見てこれが民意だとか言っちゃう無邪気で単純なメンタリティ。要は多様性に対する想像力が欠けているのだ。





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この記事へのコメント

そうですね、ほぼ仰せの通りと思います。
加えて、今回の都知事選に限っていうなら、SNSで変革志向型の発言をし、負けた候補を強く推していた人が必ずしも東京都民でない、むしろ都外の人である比率がかなり高かった、というのも、私のタイムラインでは大きな特徴でした。
Posted by 雪豹 at 2014年02月15日 21:39

都外の人が多いという声はよく聞きました。
都民としては都心部の道路事情の改善とか人によっては保育所の問題とかが重要というか、脱原発は取り敢えずどうでもいいというか、そもそも別に猪瀬知事で悪くなかったのに何で雪の日にわざわざ選挙するかな程度の認識がサイレント・マジョリティだったんじゃないかと思います。
Posted by Silverboy at 2014年02月16日 13:16


 
 
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