週刊 奇妙な日々
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2014年03月21日 21:59
[posted by strange_days_2009]
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景気がいいと物価は上がる
伝統的な経済学理論からは、不景気とはモノが売れないことである。モノが売れず、そのためモノの値段が下がり、売り上げが減って企業業績が悪化し、賃金が下がって失業も増える。それが「景気が悪い」状態である。
逆に景気がいいというのはモノがガンガン売れて売り上げも伸び、賃金は上がるし生産が増えて人手が要るので失業が減る状態のことである。この局面では当然ながらモノの値段は上がる。つまり「物価が上がる」ということは一般に「景気がいい」ということである。
だが、いつの頃からか物価が上がるのは景気が悪いからだという妙な俗説が信仰されている。給料が上がらないことと物価が上がることは生活を苦しくするという点で同類であり、こうした不利益をもたらす現象はひっくるめて「不景気」だということなのだろう。
長いデフレの間、僕たちは価格破壊と称する物価の下落を経験した。そして今、政府はデフレ脱却のため年率2%のインフレ・ターゲットを設定している。それはつまり物価が毎年2%上がるように頑張りますということで、アベノミクスの柱のひとつなのだが、果たして世間の人たちはそれを理解しているのだろうか。
というのも、消費税率の引き上げに合わせて、これまで価格転嫁をこらえていた需要増や円安による原料高の影響もまた物価にハネてくる可能性があると思うからだ。デフレを脱却するというのは結局物価が上がるということで、本当にみんなそれを分かってデフレ脱却を喜んでいるのか。
もちろんデフレを脱却すれば賃金は上がり失業率は改善する。しかしそれには少しばかり時間がかかり物価上昇に遅行するのが普通である。賃上げがついてこない段階で物価だけが先に上昇すると好景気が実感されず困るので、政府がベースアップを後押しする異例の状況になっている訳だ。
ともかく、これから物価の上昇が始まるし、それは僕らがデフレ脱却、好景気を望んだからだということは理解しておきたい。
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