STAP細胞を作成したと話題になった研究者の博士論文にコピペが続々と見つかりいったいどうなってんだ的な騒ぎになっているようだ。確かに、ネット環境が完備し論文執筆もパソコン打ち込みの現代では、それなりのネタを探して電子的に切り貼りするなんて簡単にできてしまう。以前は丸写しだって少なくとも書き写す手間くらいはかかったが、電子的なコピペなら一瞬ですんでしまうのだ。こういう情報環境が所与の世代に、「世界は巨大なデータベースであり既知の事実は共有財産であって必要なものは自分が新たに書き下ろさなくてもコピペすればいい」みたいな、切り貼り的、「オレは端末」的世界観が形成されても不思議ではない。とはいえ、さすがに学部のゼミ論や卒論じゃあるまいし、博士論文で100ページ中20ページがほぼ完全にコピペというのはマズいだろう。仮に既知の事実を敢えて書き下ろすことに意味が見出せずコピペするのを許容したとしても、引用の事実と出典は明示するんじゃないのかな、普通。僕は一介の文系学士なのでこの辺の詳しい事情は知らないが、こうした分野の博士論文ではこんな雑なコピペによる乱造は珍しくないことなのだろうか。それともこの研究者のやり口がよほどいい加減なのだろうか。この博士論文が特に雑だということならこの人物に学位を与えたこと自体がどうよということになるし、この程度はよくあるんですよということなら学位も所詮コピペで取れちゃうということだからユーキャンの通信教育でAKBが博士になるのも近いってことだろう。この研究者の論文が批判的に検証されなければならないのは当然だと思うが、本当に彼女一人の問題なのかどうかも併せて確認するべき。みんなやってるからいいという話でないのは当然としても、みんながやってる中でこの人だけをやっつけるのは、納得感がないし何より問題の解決にならない。まあ、本人の「下書き」という言い訳もどうかと思うけどな。