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滝の上に水現れて落ちにけり  後藤夜半

taki
 このメルマガは短歌や川柳、俳句の季語・季題に使われる言葉を解説していきます。


 滝

 その前に、最近すっかりサボっていて申し訳ありません。

 9月になれば幾らか手も空くのですが・・・

 NTVの記者が二人不慮の事故となりました。

 沢を登ると云うのは殆どロッククライミングに近いようです。

 下流に住む私たちが、只上流を目指すと云うイメージとは訳が違い、至る所滝、滝、滝。

 ちょっと雨が強く降ろうものなら、水が突如壁のようになって襲いかかってくるのだとか。

 ご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、季題としての滝。

 夏の清涼な眺めをもって季とするそうです。

 庭園などの作り滝も納涼の眺めと言う事です。

 ですから句を詠む時は清涼感を前提にしないと難しくなります。

 一方、語源としては「激つ(たぎつ)」から来ているようです。

 水が激しく流れる様を言います。

 従って万葉集では「たぎ」と濁って発音しています。

 また万葉に時代においては今でいう滝の事は「垂水(たるみ)」と呼んでいました。

 まさに字のごとくです。

 垂直なのが垂水、傾斜がきつく水が激しく流れる様子が滝。

 これが平安時代になると現在と同じく、垂直に落ちるものを滝と呼ぶようになりました。

 音も濁らずに「たき」となっています。

 古今集に出てきます。

 私見ですが、「たるみ」という発音は何となく激しさが感じられない。

 それで激しく落ちるものはみな「滝」と言うようになったのではないでしょうか。

 そのうち、激流については滝と呼ばなくなったそんな気がします。

 滝は当然ながら古来から信仰の対象となっています。

 川の水が突如川床から離れ空中に浮かぶ。

 これぞ神の出現と感じたのでしょう。

 滝の水は水神の直接触れた霊水です。

 この水を飲むことによって若返ると云う伝説から養老の滝や赤子滝が各地に存在します。

 修験者が滝に打たれるのも滝は神との考えから来ているようです。

 またイザナミノミコトが霊界から命からがら脱出してきた時も水浴びをして穢れを落としています。

 所謂、禊払いです。

 滝ともなれば禊払いの最高の力を持っていると信じられてきたのです。

 あなたもこれまでの罪を落としに教会へ言って告白するのも良いですが、日本人なら滝に打たれてみませんか?

 首都圏に住んでいる方なら高尾山へ行けば白衣も貸してくれます。

 この猛暑に是非。



  滝の上に水現れて落ちにけり  後藤夜半

 (後藤夜半:滝の夜半と言われるほど、掲題句で有名になった。
  虚子に言わせれば「これぞ写生」だそうです)





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