2009年03月04日

京都建築ツアー2009・1日目/青木淳講演会のこと02

後半はコンペの話に移っていく。イギリスで実現することができなかったコンペ案のこと。北アイルランドの世界遺産「ジャイアント・コーズウェイ」でのコンペ案のこと。こちらのアイデアはかなり力が入っていたようで、その後「白い教会」で実現されている。ステンレスのリングを切頂正四面体という基本形にそって連続することによって、構造体でありながら、デザインでもあって、かつ周辺環境とのフィルターにもなっている、というもの。これは一度見学したい建築でもある。

「大宮前体育館」のプロポーザルの説明については、青木淳氏も力が入っていた。細かいプログラムまでは良く分からなかったのだけれど、いま小学校のある敷地に体育館やプールをつくる、というもので、地上部分をできるかぎり低くして、周囲からは公園のような場所にする、というもの。建築的には地下の体育館はどうなのだろう?という気がしたのだけれど、市民利用の場合はメリットが大きいらしい。一般的には採光と通風を確保することが重要視されるように思っていたけれど、実際にはスポーツをするには日光が入ると床がまぶしくて競技に支障があったり、通風のために窓をあけると近隣に対して音の問題があるらしい。そういう意味では、地下建築にもメリットがあるようだ。

「決定ルールあるいはそのオーバードライブ」では、ある根拠である「決定ルール」を恣意性なしに「オーバードライブさせる」ことで、設計者でも予想もできなかった建築を生み出すことを目指しているように感じていた。ひょっとすると根底では同じことを考えているのかもしれないけれど、今回の講演会では「自然は同じものが繰り返されるのではなく、同じ法則によって繰り返すものだ」と言われていた。「その一番象徴的なものは都市であると思う」と。とりあえずは「経済効率を優先した都市開発」という決定ルールによって、各自がそのルールをオーバードライブさせることで、常に変化し続ける都市を「自然」と表現するのは、言葉としては違和感はあるけれど、氏の言いたいことは理解できるような気がする。ネイチャーとしての「自然」ではなく、人工的なものであっても、そこに「自然感」を感じられるかどうか。お膳だてされたものではない、そういう状況を「自然」と表現しているのかもしれない。

青木淳氏は少しずつ言葉を変えながら、けれどずっと考えていることを建築で実現し続けている。これからも、そのときにぴったりくる言葉を選びながら、僕たちに新鮮な刺激を与えてくれるだろう。


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sttts
posted at 23:59

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