2009年09月06日

「ARCHITECT2.0展」/「アルゴリズミック・デザイン」/「理論と実践」

「ARCHITECT2.0展」で藤村龍至氏との話に出た「アルゴリズミック・デザイン」について、建築系ラジオを聴き直したり、松田達氏のブログ、藤村龍至氏のブログを読み返してみた。何でもそうなのかもしれないけれど、一度聴いただけ、一度読んだだけでは分からなかったことや、分かったつもりになっていたことが二度目以降に分かったり、新しい解釈を知ったりすることもある。もちろん、これ以降にも聴くことで、より深い理解ができるのだろう。特に松田達氏のブログには、今回読むことで勇気づけられることが書かれてあった。

建築系ラジオで「テーマ討議 アルゴリズミック・デザイン」というコンテンツがあって、これはある大学の合同中間公表会で、その最終段階の討議の部分を録音したもの(だと思う)。コンテンツは松川昌平氏の「この授業では設計プロセスに他者性を持ちこもうとしているのです」という話からいきなり始まる。その後「アルゴリズミック・デザイン」を出演者の松川昌平氏・田中浩也氏・藤村龍至氏・柄沢祐輔氏がどのように捉えているのかが、それぞれ述べられる。

僕はコンピュータ演算による「アルゴリズミック・デザイン」というものを経験したこともないし、具体的にどのようなスタディをするのかはっきりとは分からないけれど「設計プロセスに他者性を持ちこむ」ということに可能性を感じる。その時に、複雑になる設計プロセスを徹底的に演算するためにコンピュータを利用する、というのが松川氏の立場。対して藤村氏は「超線形設計プロセス論」というぐらい、ありとあらゆる可能性を徹底的に演算する、というよりは、検討する要素を最初は少なく、そして順番に多くすることで徐々に建築に他者性や複雑さを内在させよう、というもの。つまりスタート地点で、ある可能性に絞って設計を進めていく、ということ。同じ「アルゴリズミック・デザイン」とは言いながら、全くスタンスの違いが見受けられて、この辺りは面白いところ。

松田達氏のブログではより詳細に書かれていて、松川氏は「科学」、藤村氏は「政治」というメタファーで建築を捉えている。そして松田氏自身は「建築」がメタファーだ、と。「科学」や「政治」という建築の外部のメタファーではなく、建築自身を「建築的思考」をもってのみ「建築でしかできないこと」に到達できる、としている。そして「建築という実作で勝負する」というスタンスは僕たちを勇気づけてくれる。建築を設計している多くの人たちは、独自の建築理論や設計論を展開させても多くの場合は誰にも相手にされない。それはある特別な人たちのみに開かれた世界。けれど、僕たちだって建築をつくることができて、実作・実践で勝負することには可能性は開かれている。

もちろん僕は設計論や方法論を軽んじているわけではなくって、それらはそれで可能性を広げてくれるし、それとは別に実作で勝負する世界があってもいいのだと思う。両者を横断することで、建築の可能性はより広がっていくのだろうと思う。けれどとにかく、少なくとも僕は、実作・実践で勝負をしていかなくてはいけない。実はこういう部分を「ARCHITECT2.0展」を経て、一番感じたところだった。ちょうど円環構造ではないけれど、今日色々と読んで、考えながら「ARCHITECT2.0展」で感じたところへ、また戻ってくることになった。


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sttts
posted at 23:59
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