以前、三笠中央部の考証その2:お手本の模型 で日本海海戦に備えてボイラー室の通風筒(ベンチレーター)の雁首(カウルヘッド)を取り外して仮製の「風取り」を取付けた理由と、機械室のベンチレーターは従来通りとした理由について考えましたが、今回、その理由がわかりました。以下の通りです。
・ボイラー室の通風筒については、敵の砲弾が「風取り」に命中しても爆発せずに通り抜けるような構造にする事によって、被害を受けないようにするため、改装した。
・機械室の通風筒については、戦闘時はファンによる空気の循環ができない(排気口となっている上甲板のエンジン・ハッチを閉ざしてしまう)ため、通風筒の雁首を取り外すと機械室の通風に悪影響が出るため、そのままとした。
[JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C09020234000- [明治37〜38年 艦艇改装意見1(1)] の第36画像目]
仮製風取りの図です。実際には半円を交差させたような「仮製の風取り」が取り付けられました。
[JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C09020234000- [明治37〜38年 艦艇改装意見1(1)] の第54画像目]
機械室通風筒を従来通りとする理由が書かれています。