柳画廊のメールマガジン/ブログ情報です。

メールマガジン/ブログ - 最新情報

2021年10月16日
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       今の美術業界を考える(その890)

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努力は夢中に勝てない        2021年10月16日
                   
誰から伺った言葉なのか、忘れてしまいましたが、大好きな格言
です。努力は実るとか、努力は無駄にならないとか、確かなのだと
思いますが、努力していると思っている段階で、夢中になっている
人にはかなわないのは事実なのだと思います。

仕事でも、遊びでも、お稽古ごとでも同じだと思うのですが、努力
していると考えている時点でスタートラインが違うのだと感じて
います。

銀座柳画廊でお世話になっている、画家の岡野博先生が‘からっぽ
になることの大切さ‘をよく教えてくださいます。このからっぽな
状況というのは、即ち、夢中になっている状況なのだと思います。

その、からっぽ(夢中)になってい状況であれば、自由になれるし、
多くのものが入ってくるし、そして自分の個性がもっとも強くでる
状況なのだとおっしゃいます。そして、その状況で生まれた絵画は
最初は、良い絵なのかどうかも判断できないものだと先生はおっしゃ
っておられます。

スポーツも同じなのだと思います。あそこにボールをパスして、シュ
ート するんだと思って、その結果が得られた時には、大きな喜びが
ありますが、計算している時点で既に遅いのだと思います。やはり、
多くの人が感動する神がかったプレーというのは、無意識の中から生ま
れるものであり、その結果について、最初はまわりも判断できないもの
なのだと思っています。

ビジネスについても同じです。計画して、実施してPDCAを回して結果を 
得るものは、日本人が得意な改善という世界で無駄を省いて効率を上げ
る仕事なのだと思います。会社全体を大きく成長させる施策というのは
非連続的なものであり、クリエイティヴなものであると思います。
そういう仕事というものは、努力の先にあるものではなく、会社がピンチ
に襲われた時とか、会社の外から持ち込まれた案件など、あがきもがいて
いる時に、ふと生まれてくるのだと思います。会社の場合は、その大きな
金の卵を産むような仕事を得るために必要なことは、多様性を担保する事。
同質な人間ばかりの意見を聞いていては、違う視点は生まれてきません。
会社ではお煙たがれているような人のアイデアを聞いてみたり、経営者が
夢中になって耳の痛い意見を聞くことから全てが始まるのだと思っています。
                         
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
     03-3573-707

2021年10月09日
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       今の美術業界を考える(その889)

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修羅場のケーススタディ        2021年10月9日
令和を生き抜く中間管理職のための30問
                   木村尚敬 著 PHP出版

 著者とご縁があり、拝読させていただきました。私も経営者の
 立場であるとはいえ、社長の意向を無視して仕事を進めることは
 できませんので、中間管理職としてこの本を読ませて頂きました。

 「本当にヤバい時」あなたはどうするか?という出だしで始まる
 この本は、全体を通して大きな企業の中間管理職を意識されている
 ようで、常に「社長になったつもりで経営判断をすべし」とアド
 バイスされています。

 今は、どんな大きな企業であっても、環境の変化が激しいために、
 現場で様々な判断をしていかないと、ビジネスがまわらなくなって
 います。さらに、世代間での考え方の違い方は、非常に大きく、
 これからはコロナ禍で大学にもいかずにオンラインで学校を卒業
 する学生たちが企業で働くようになりますので、その価値観の違い
 からくる軋轢は容易に想像ができると思います。

 この本で、私が特に共感したのは「リーダーは怒ったら負け」とい
 うくだりです。人の上に立つ人間は、怒りの感情を演技として使う
 のであればよいけれど、ただ感情をぶつけるためだけに利用すると
 人はついてこないということです。実際に、恐怖政治が長続きしない
 ことは歴史が証明しておりますので、怒りのコントロールは非常に
 重要だと思います。

 また、私も経験したのが人手不足で八方ふさがりのプロジェクトで、
 どのように対処するかという問題です。ここで、ありがちなのは、
 「自分がやる」のは最悪の選択であり、抱え込むのが大きな問題を
 産む温床です。こういう場合は、手を尽くして組織のリソースを引
 きだすのが正解ということで、小さな組織でもよくある問題です。
 
 また、この著書にも書いてある通り、最後に優秀な人材は誰かが見
 ているもの、とあるように、大きな組織であっても、小さな組織であっ
ても、一生懸命働いていれば、必ず見ている人はいるものだと思います。
そもそも日本人は「どの会社に勤めているか」ということにアイデンティ
ティを置く方が多く、自分は何ができるかをクリアにしていないとの事
です。

つまり、これから働いていくためには、常に自分は起業する覚悟で働いて
いれば怖いものは何もない。また、これからは倒産した企業で働いていた
人は、逆にその経験が貴重なキャリアにもなるということでう。全ての
仕事は自分のキャリアアップにつながると、自分を信じて働くことなの
だと思います。
 
                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
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2021年10月02日
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       今の美術業界を考える(その888)

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巨匠の偽版画事件           2021年10月2日
          
 新聞、TVなどでも報道されている通り、平山郁夫、東山魁夷、片岡
 珠子らの絵画を基にした版画の偽物が大量に流失した事件で、大阪
 の画商さんと、版画工房の経営者が逮捕されました。

 9月28日の日経新聞にも大きく取り上げられておりましたが、
 この事件は、「性善説」を前提に充分な不正対策を講じてこなかっ
 た業界の課題と書かれておりますが、その通りだと思います。

 27年前に、IT業界から美術業界に入った私は、あまりの常識の
 違いに驚きました。それは、性悪説から入るIT業界と、性善説から
 入る美術業界の根本的な考え方の違いなのだと思います。IT業界
 も、素晴らしい方や尊敬する方にも多くお会いして参りましたが、
 ネット上だけのつきあいや、ステークホルダーが多岐にわたり、
 顔の見えない方とのおつきあいが多いために、性悪説から入らな
 いとビジネスにならないのです。

 方や、美術業界は非常に規模も小さく、狭い人間関係の中で行われ
 ているために、顔の見える関係性の中で仕事をしているので、性
善説がまかり通ってきているのだと思います。今回の問題に関しては、
東京美術倶楽部が、鑑定作家に関しては版画であっても真贋の証明書
を発行するとのことですので、ご心配な方は、東京美術倶楽部の会員
の画廊にお願いして、真贋をはっきりさせるのが安心かと思います。
銀座柳画廊も東京美術倶楽部の会員です。それなりに費用はかかりま
すが、、、、

美術業界の発展のための成長痛の一つだと私は思っています。おれおれ
詐欺が流行する日本ですから、こういう事がおこるのだと思っています。
 
 美術の世界で生き残るためには、審美眼を持つことと、品性を持つこ
 とだと私は思っています。その品性の部分が、今の美術界では揺らいで
 いることを感じています。もっといえば、世界的に現代アートの世界で
 品性を感じることが少なくなりました。
 ビジネスの世界では、お金が指標となり、画廊という仕事であっても、
 株式会社で運営している限り、お金を稼いでいかなければ継続すること
 は出来ません。苦しい状況から、偽版画を作るという犯罪に走って
 しまったのだと思いますが、具体的には知らなくとも、あの画廊は少し
 怪しいということは多くの画廊は知っており、その近くで甘い汁を吸った
 業者さんたちもいらっしゃったのだと思います。

 公の機関で通報できる仕組みがあり、通報した人を守る仕組みがあれば
 これほど大きくならなかったのだと思います。コロナでも同じですが、
 正直者が馬鹿をみる社会は、変えていきたいと思っています。
                         
                       文責  野呂洋子
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2021年09月25日
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       今の美術業界を考える(その887)

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日本人の精神構造           2021年9月25日
          
 日本人の精神構造は、非常に複雑です。それは、隠す文化からくる
 もので、戦後の正しい情報を知らないために、想像するしかないから
 だと思っています。

 正しい情報を持っていないため、お隣の中国や韓国の反日教育に対
 して、反論が出来ないどころか、何も言えなくなってしまうために、
 沈黙すると、相手を肯定していることになってしまうのが非常に
 残念です。

 また、正しい情報を持っていないという事から、思考を停止して
 しまう大人が多いために、大人であっても幼児性の強い社会が出来
 あがっていると感じています。また、不思議なことに日本では、
 精神的に幼児性の強い社会を肯定している所から、アニメ文化を
 始めとしたサブカルが強いのだと思います。

 そもそも、‘おれおれ詐欺’というのが社会的に成立するのは日本
 くらいだと他国の方からはよく言われます。おれおれ詐欺にあって、
 警察が守ろうとするのは、日本くらいであり、基本的に世界の常識
 は騙される方が悪いのです。

 ‘私は、こんな手口で騙されました’という事を公表すること自体が、
海外では大きなリスクであり、自分は騙される人間であることを社会に
ご披露するようなものだと思います。

 かつて私がIBMという企業で働いていた時に、上司にアメリカ人がつ
いた時があり、その時の上司が次のようなことを言いました。
「社内であっても、騙されたり、人から仕事を押し付けられることは
よくあることだ。でも、それを決して他人に言ってはいけない。何故
ならば、お前は騙しやすく、俺の仕事を代わりにやってくれるお人よし
であることを、わざわざ教えてあげることになるからだ。」

いかにもアメリカ人らしく、その彼もとても親切でお人よしの性格だ
 ったのを覚えています。慣れてしまうと、それが居心地がよくなる
 わけですが、それでは世界では通用しないことを覚えておかなければ
 いけないと思っています。

 世知辛い世の中だと思われるかもしれませんが、自立していくという
 ことは、そういう事なのだと思っています。
                         
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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2021年09月18日
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       今の美術業界を考える(その886)

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学校ってなんだ!          2021年9月18日
日本の教育はなぜ息苦しいのか
       工藤勇一  鴻上尚史 著  講談社現代新書
          
ZOOMで毎月実施している読書会でご紹介された本を拝読させて
いただきました。教育には非常に興味を持っている私としては、
日本の現在の教育は、今のご時世に合っていないのは明らかで
あるにもかかわらず、どうして変えることが出来ないのだろうと 
思っています。

その中で、著書の工藤勇一さんは、2014年から2020年ま
で、東京都千代田区立麹町中学校の校長先生として、担任制を辞め
て、全員担任制にしたり、校則を廃止したり、定期試験を辞めたり
と、かなり画期的な教育方針を打ち出されて、それらがニュースに
なったり、NHKで取材されたりと、断片的に「すごい先生が現れた
な、、、」と思っておりました。

鴻上尚史さんは、作家・演出家ということで、演劇の分野の方が、
教育について対談されるということに非常に興味を持ちました。
演劇は、総合芸術ともいわれていて、芸術に造詣の深い方が教育
について議論されることに、大きな意味があると思っています。

私なりに、このお二人のお話しを著書から伺って感じることは、
日本社会の息苦しさは、教育の中に大きな問題があるという事です。
それは、どういうことかというと、自主性を認めない、多くの
意味があるのかないのかわからないルール(校則)によって、縛ら
れていて、そのルール(校則)の意味も、学校側も生徒側も議論
することさえ多くの学校では許されていないという現実です。

そのような現実の中で、工藤先生が実施されたのは、生徒の自主性
に任せて、自立したこどもを育てることに主眼を置かれたという事
なのだと思います。言葉を変えると、本当の意味の民主主義を学校
教育の現場で、子ども達に教えていることが画期的なのだと思います。

人を殺すとか、法律を破ることはいけないけれど、スカートの長さや
髪の毛の色など、意味のない校則については自主性に任せるという潔さ
が工藤先生の胆力なのだと思います。

言葉を変えて表現すると、工藤先生の教育は日本社会を自分たちで変える
事が出来る子ども達を育てているのだと思います。それは、学校を変える
経験をした子ども達は、大人になっても、日本社会を本気で変えることが
出来ると思うのです。日本の学校は、そういう経験をさせる現場として
教育者が変わっていけば、もっとスピーディに日本社会は変化することが
可能になると信じています。

                         
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
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2021年09月11日
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       今の美術業界を考える(その885)

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東京オリパラを振り返って       2021年9月11日
          
 色々なことがありましたが、東京オリンピック、パラリンピックが
 終わりました。私にとっては、何年も前からワクワクしながら、
 待っていたオリンピック、パラリンピックでしたが、終わってみると
 なんともあっけなく終わったように感じています。

 ひとつには、オリンピックもパラリンピックも観戦チケットを購入
 していて、とても楽しみにしていたのですが、現地で見ることが
 できず、TVでの観戦になりました。

 また、ハンドボールでも多くの事を期待しておりましたが、やはり
 ヨーロッパの壁は厚く、関係者からは‘頑張った’という声も頂き
 ましたが、やはりコロナ禍において直前のヨーロッパ遠征ができな
 かったのは大きかったのではないかと思っています。

 逆に、期待以上だったのはパラリンピックの方でした。障がい者の
 方による大会ということですが、健常者以上の成績を出される方を
 含めて、その本気の度合いにはTV画面を通してからも圧倒されました。

 特に、共感を呼んだのは、オリンピックも選手の競技力や技術の
 高さに感動するのですが、どんな仕事も一人で大きな仕事をする事は
 できません。それはスポーツでも全く同じだと思っています。

 パラリンピックの場合、支える方がTVにうつるというか、目の見え
 ない方の伴走者など、ものすごくダイレクトにパラリンピアンを
 支えている方の存在を感じることが出来るので、彼らと共感する力が
 強かったのだと思います。

 また、パラリンピアンの精神力といいますか、健常者だった方が事故
 か何かで、オリンピックではなく、パラリンピックを目指していた方
 も多く、障害とは乗り越えるためにあるのだと思わせて頂き、経営者
 として、コロナや不景気などの障害は、改めて乗り越えて、バージ
ョンアップするためのものだと認識させてもらいました。

 スケボーなどの新しいスポーツの台頭は、勝つためのスポーツから、
 チャレンジすることの尊さにスポーツも変わってきていることを拝見
 することができました。

 これを機に、日本のスポーツ界も大きく変わると思いますが、私達の
 意識も大きくかわっていくきっかけになっていると思っています。

                         
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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2021年09月04日
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       今の美術業界を考える(その885)

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銀座柳画廊HPリニューアル2021    2021年9月4日
          
 数年ぶりに、銀座柳画廊のホームページをリニューアルさせて
 頂きました。2020年の頭から、コロナの問題が台頭してきて
 おり、緊急事態宣言を始めとした人との接触を極力避け、人流を
 さけるように言われ続けております。

 その頃から、銀座柳画廊ではYouToubeを始めたり、ZOOMによる
 作品の鑑賞会を実施したり、SNSを始めとしてオンラインで情報を
 お伝えしていくことに力を入れてまいりました。

 今回は、その本丸であるホームページのリニューアルです。銀座
 柳画廊の若い女性スタッフを中心にプロジェクトチームを作り、
 9月1日よりリニューアルオープンをさせていただいております。

         http://www.yanagi.com

この度、ホームページでは展覧会やイベントのご案内が中心でしたが
 今回は、ホームページからも絵画を購入できるように変更させて
 頂きました。

 もちろん、今までもHPからのお問い合わせや、版画などの販売も
 できましたが、今回は、作品の見やすさや、探しやすさに力を入れて
 おります。Art Worksという所で、画廊の作品を紹介するように
 なっており、作品を探しやすくなっておりますので、是非、お試し
 ください。

 また、このコラムをHPに掲載しているのはもちろんですが、画廊の
 様子をお届けするために、毎月1日に、スタッフで持ち回りでコラム
 を書いてもらうようにいたしました。ブログのマンスリーレター
 というコラムを設けて、最初は社長にお願いしており、次回は私、
 その次は営業担当、など、画廊スタッフの生の声をお届けするように
 しています。乞うご期待ください!!

 コロナの中で、なかなか画廊に足を運べないという事を前提に、画廊で
 起こっている事、美術業界での出来事などをSNSだけでなく、HPも含めて
 様々な形で多くのお客様にお届けしたいと思っております。

 今後とも、このコラムと同様、HPも覗いていただけますよう宜しくお願い
 いたします。

                         
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 

2021年08月28日
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       今の美術業界を考える(その884)

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こどもみらい塾2021        2021年8月28日
          
 こどもみらい塾の生徒さん2人を先日、画廊巡りにご案内いたし
 ました。小学校1年生の6歳と7歳の女の子で、コロナの中で小学
 生に、なった子ども達でした。

 子どもたちの親に代わって銀座の画廊にお連れする趣旨で、泰明
 小学校の子ども達だけでなく、夏休みには、こもど未来塾の生徒
 さんたちを画廊にご案内するようになって10年以上たっています。

 10年前の小学生と今の小学生の違いは勿論のこと、コロナの中
 で小学生になった子ども達は、学校の通学の時間をずらしたり、
 6歳でオンライン授業を受けていたりしています。そのせいか、
 彼女たちは、集団で行動するのが苦手なようで、幼稚園生っぽい
 ところが、まだまだ見受けられておりました。

 床の間を知らない、というだけでなく、畳の部屋がない、という
 だけでなく、美術館にもまだ行ったことがないという彼女たちです
 が、絵を見ることはとても楽しいと言ってくれました。6歳ですか
 ら、まだまだ赤ちゃんの雰囲気が残っていて、子ども用の携帯を
 いじっているので、「何してるの?」と伺うと、「お母さんに
 メールしているの。」ということでした。お母さんに、「何の連絡
 をしているの?」と聞くと「お母さん、大好きだよ。」て連絡して
 たの。ということでした。

 なんのてらいもなく、仕事をしているお母さんに、6歳の娘から「
 お母さん、大好きだよ。」なんてメールをしているということで、
 こどもみらい塾の先生が言うには、最近は学童保育でも、ご父兄に
 お迎えの連絡や、伝言をするまえに、子ども達が直接親たちにお迎
 えのお願いをしていたりして、6時にはお迎えの車が来ていたりして
 驚いたりしています。ということでした。

 時代とともに、親子関係に関しても大きく変わっていることを実感し
 ています。TikTokをやっているという、その子どもたちに、ハンドボール
 をやっているレミタンというお兄さんを知ってる?と聞くと、二人とも
 登録しているということでした。ハンドボールという競技よりも、面白い
 お兄さんという認識でしたが、物凄い影響力を感じました。

子ども達に伝えていくことの大切さを認識し、新しい時代を作るのは子ども
たちであることは間違いありませんので、引き続き地道な活動ではあります
が、継続していくことを心に決めることになった一日でした。
                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
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2021年08月21日
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       今の美術業界を考える(その883)

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脇田美術館            2021年8月21日
          
 軽井沢にある脇田美術館に大阪の父と夫と夫の妹さんと行って
 まいりました。脇田和先生は明治41年生まれの方で、2005
 年にお亡くなりになっており、大阪の梅田画廊でもご縁のあった
 方ですので、私も作品は親しく感じております。

 1994年に私が美術業界に入ったときには、まだ脇田先生も
 ご存命で、オークションに作品が出てくると高額で落札されて
 おりました。銀座柳画廊でも何度か取り扱わせていただき、作風
 も暖かく、穏やかな色彩で、銀座柳画廊の社長も好きな作家の
 一人だと思います。

 あれから25年以上たち、美術商として、世の中の移り変わりと
 いうか、市場に出ている作品の値段の乱高下には胸が痛くなる思
 いを何度もしています。

 今の日本の美術市場というか、好みの移り変わりには驚くものが
 あります。世代交代というか、今の日本の美術市場について感じる
 のは、2000年を超えてからお金持ちになった方々にとって、
 昭和の作家たちは全く過去のものになってしまったのだという事
 です。

 改めて世代を超えて愛されることの難しさを、ひしひしと感じて
 います。今、人気の作家たちも世代を超えると、どれだけの方々が
 残っていくのかと思います。美術品を残していくということは、
 ある意味で歴史を残していくことなのだと最近、感じるように
 なりました。

 その時の時代の空気を吸っているのが美術品なのです。価値とは
 何かというと、その作品にたいする思い入れなのだと思います。
 非常にシビアなのは、お金を持っている人がお金をだして作品を
 購入することが、その作品の価値を決めているということです。
 改めて自分の無力さを感じてはおりますが、大きな時代の流れというもの
 は存在していて、美術品もその時代の流れには逆らえないものだと思って
 います。銀座柳画廊としては、美術を通して社会を豊に幸せにしていきたい
 という思いの元に、自分たちの信じる価値のある作家を提供していこうと
 思っています。

                         
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
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2021年08月14日
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       今の美術業界を考える(その882)

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占領神話の崩壊          2021年8月14日
          西鋭夫 岡匡史 共著  中央公論新社
             
 ご縁を頂いて、西鋭夫さんとお会いする機会を頂いたことから、
 ご本人から次に書いている著書は読みごたえあるから読んでみてね、
 とのことでしたので拝読させていただきました。

 西さんはスタンフォード大学フーヴァー研究所に長年所属されて
 いらっしゃる方で、そこに秘蔵されていた数万枚におよぶ日本が
 GHQに占領されていた時代に接収された極秘文書が、一定の期間を
経て、岡崎さんの協力を基に解読された内容を書籍化したものです。

 西さんは、世界史をアヘンから眺めると一つの流れとして解読する
 ことが出来るというのが持論であり、今回、フーヴァー研究所が
 接収した資料の中からそれを裏付けるものが出てきています。

 私自身、中国があっけなくアヘン戦争に負け、日本は中国を長年、
 大国として崇めていたにもかかわらず、西洋諸国に負けたことは
 当然、当時の江戸時代の方々も研究されていたはずであり、その
 アヘンによるプレッシャーと、植民地政策をとっていた欧州が日本
 を植民地として考えないはずはないと思っています。

 東京裁判中に、日本がアヘン、モルヒネ、ヘロイン、コカインの
 製造量が世界一で、ナチス・ドイツまでも潜水艦で日本に麻薬を
 買いに来ていた事実が暴露されています。
 麻薬製造に手を出していたのは、日本の製薬会社であり、中国大陸
 でアヘンの販売権を巡って喧嘩をしていたのは、三菱商事と三井
 物産ということで、外務省が仲裁役を買っていたということです。

 つまり、国のお墨付きで麻薬の製造販売をしていたのが明治の日本
 だったのだと思います。私達は、日本という国を正しく知りたいと
 思っておりますし、確かにそうであれば、何故、日本が明治の時代に
あれ程のスピードで近代化においついたのかも納得がいきます。経済
的な裏付けがあったからこそ、出来た近代化で、決して威張れること
ではありませんが、それが現実なのだと受け止めることが大切なのだと
思います。

 歴史を学ぶ上で大切なことは、本人や関係者が生きている間はその影響力
 を恐れて真実を隠すことはあり得るかもしれませんが、正しい未来を描く
 ためには、本人の影響力が薄れたときには真実を伝えていくことが、正しい
 未来を描く材料になるのだと思っています。権力というものは、それだけ
 恐ろしいということなのだと思っています。

                         
                      文責  野呂洋子
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