メールマガジン/ブログ - 最新情報
2022年09月24日

「地中海人ピカソ」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その945)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
地中海人ピカソ            2022年9月24日
                 ヨックモックミュージアム
              
 ゴルフがご縁で、ヨックモックミュージアムの副館長とお知り合い
 になりましたので、青山のヨックモックミュージアムにいって参り
ました。
 有難いことに、副館長みずからがご案内していただき、この美術館
 にかける情熱を語って頂きました。

 仕事がら、美術館のオーナーと言われる方とお会いすることが多い
 のですが、あらためて芸術を通して社会に貢献しようという方で
 あり、芸術の持つ力を信じていらっしゃる方とお話しするのは、と
 ても楽しい時間でした。

 こちらの副館長も臨床美術士であり、メンタルケアスペシャリスト
 でもあり、アートワークセラピストでもあります。私がいつも言って
 いる、スポーツは身体の健康のためで、アートは精神の健康のために
 必要なものであるということを正しく実践されていらっしゃいます。

 ピカソという作家にフォーカスされているのもエッジがきいていて、
 切り口として楽しいものになっています。誰でも知っているピカソ
 ではありますが、もちろん油彩画はとんでもない値段になっており、
 今ではセラミックもものすごい価値のあるものになっておりますが、
 35年かけて集められたとのことですので、集めている間にどんどん
 ピカソのセラミックの値段が高くなってしまって大変だったとおっしゃ
 っておりました。

 500点もの作品を所有されているピカソの作品を今回は大高保二郎
 氏によるキュレーションをしていただき、所蔵作品を紹介されており
ました。美術館ですからただ作品を並べるのではなく、テーマを持って
 ストーリーを通じて作品を紹介することで理解が深まります。
 今回は地中海人としてのピカソということで、作品を紹介されておりま
 した。

 青山の青山大学のそばで、カ
フェもおしゃれで勿論、お菓子もおいておりました。特筆すべきは定期的
にワークショップを開かれていることで、子ども向けとともに大人向けに
もセラピストとして、副館長自らが講師となって実施されるようです。

是非、機会を見つけて参加しようと思っています。
 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075

2022年09月17日

「韓国出張報告2022」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その944)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
韓国出張報告             2022年9月17日
              
 先週、韓国にいって参りました。KIAFとフリーズのアートフェア
 というとかっこよいのですが、ハンドボールの日韓戦で残念ながら
 タッチの差で、アートフェアには参加できませんでした。

 しかしながら、韓国のアート街には顔をだし、その熱気は感じて
 まいりました。また、コロナのため3年ぶりの海外出張でしたので
 韓国に入るためのVISAも必要ですし、日本に変えるための MySOS
 というアプリをインストールして現地でPCR検査が必要など、手間
 がかかるようになっておりました。

 ソウルに到着して、せっかくなので韓国のアプリを紹介してもらい
 ホテルまで電車でいってみました。驚いたのは、地下鉄も綺麗に
 なっているだけでなく、社内のビデオメッセージで独島(竹島)が
 歴史的に韓国の領土であることのヒストリーを宣伝していること
 でした。韓国の首相が代わって、反日ムードが和らいでいると伺っ
 ている中で、いきなり電車の中でこのビデオを見せられて、少し
 落ち込みました。

 韓国や中国で反日教育をしているとのことですが、日本では逆の事
 はいたしません。GHQによる教育に対する監査が厳しかった名残なの
 でしょうが、他国ではこのように平気で公共の場を使って、自国の
 主張をされるのでしょうが、日本ではそういうことは許されません。
 戦後70年たった今でも、GHQによる日本弱体化のための教育方針が
 根強く日本人どうしで監視しあっている状況なのだと思います。

 また、ギャラリー街でほっとするのは、COEXで開催されたという現代
 アートの祭典ですが、仁寺洞では変わらず、韓国らしい美術品が置か
 れておりました。そこでも、もちろん現代アートもおかれております
 が、世界的なコンテンポラリーアートという名のもとに、世界標準と
 いいますか、グローバルという切り口の同じような作品、同じような
 インスタレーションの作品を多く拝見いたしました。

 それよりも危機感を感じたのは、韓国のソフトパワーの強さです。明治
 の時代にヨーロッパを中心にジャポニズムが世界を席巻していたポジシ
 ョンは明らかに韓国にとってかわられているということです。

 当時、日本の明治政府が海外に向けて日本のソフトパワーで魅了した
 戦略は今では韓国のものとなっており、世界中の若者を始めとした、
 多くの人たちが韓国の映画、TV,ファッション、K-POPなどトータルで
 世界中の人たちを引き付けていることを今回の韓国出張で強く感じて
まいりました。
 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 




2022年09月10日

「夜行」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その943)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
夜行                 2022年9月10日
              森見登美彦 著   小学館文庫
                      
 先日、初めてふらりと画廊に来られたお客様が、この本の中に
 柳画廊という名前が度々でてくるので、やってきましたと言われ
 ました。ベストセラー作家でありながら、恥ずかしくも森見登美彦
さんという著者を存じ上げておらず、今回、この「夜行」という
書籍を楽しく拝読させていただきました。

 確かに、この本では京都の柳画廊という画廊が要所要所にでてきて
おり、話の展開の中では岸田道生という銅版画家の「夜行」という
作品を中心にストーリーが進められています。

 話のテンポが良く、描写も挿絵などは全くない文字だけで、非常に
 美しい情景をイメージさせてくれる著書で、非常に楽しく拝読いたし
 ました。ファンタジー系のSFといった本で、読後感としては、
 恐ろしいというよりは、不思議の国に連れて行ってもらったような
 感覚が残ります。

 画廊に来られた方は、この本の大ファンらしく「聖地巡りです」
 とおっしゃっていたようです。もともと画廊という場所は入り
 ずらい場所とも言われておりますが、このような本を読むと、
 ますますミステリアスな場所のような気がします。しかし、それで
 足を運んでくださるわけですから、著書の森見さんには感謝です。

 普段、私の読む本は非常に乱読ではありますが、実用書だったり、
 ビジネス書だったり、その時のベストセラーだったりと、乱読
 ではありますが、久しぶりに空想の世界に連れて行ってくれる本
 を読んだように思います。32万部も売れるというのも、わかる気が
 します。

 本も重要な芸術です。文字を通して、作家の世界観を作り上げて
 ファンを囲い込むことができます。絵画の場合は、ある意味、一瞬
 ではありますが、小説の場合は最後まで読ませるスキルが必要かと
 思います。この「夜行」も一気に読むことが出来、その不思議な世界
 を頭の中で体験するのは非常に知的好奇心をくすぐられるものでした。

 この森見登美彦さんの描かれる小説の世界は、独特のものがあり、
 どうやら柳画廊は他の本にも出てくるようです。この方の絵画に対する
 興味や見方も学ぶところがあり、他の著書も読んで、森見さんの世界の
 理解を深めようと思っています。

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 
2022年09月03日

「超歌舞伎2022」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その942)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
超歌舞伎2022           2022年9月3日
                       新橋演舞場
                      
NTTとドワンゴの協力による古典歌舞伎と最新テクノロジーの融合
をテーマにした「超歌舞伎」を新橋演舞場で拝見してまいりました。
もともと、歌舞伎はその時の時流にのり、新しいものを取り入れて
いくことで発展してきているものですから、この「超歌舞伎」も
歌舞伎らしい取組なのだと思います。

2016年から実施しており、新橋演舞場で上演するのは初めて
ということで、初音ミクさんと中村獅童さんとの共演でした。
AR(拡張現実)を主体とした初音ミクさんですが、これらの舞台
は既に、色々な演劇でも取り入れられており、パフュームのコン
サートなどはまさしくARをふんだんに取り入れたものです。

歌舞伎という古典芸能を題材にARを取り込むことで、新しいお客
様を歌舞伎のファンにするということも、目的でしょうし、年配
の方々に新しいテクノロジーに触れてもらいたいというのも目的
のひとつなのだと思っています。

実際に好奇心と新しいものが大好きな私としては、幅広い友人が
いる中で、特に夫などは何故私と結婚したのだろうかと思うほど、
古い価値観が落ち着くようで、よく家庭でも娘と夫との間で、私
が通訳に入ることが多々あります。

そういう意味においても、歌舞伎で新しい価値観を取り入れていく
姿勢には、画廊経営においても見習う所があると感じています。
そして、初音ミクさんが舞台に出ているのならばということもあり、
女性の舞踊家たちが舞台にあがり踊られたことです。ご存知の通り
歌舞伎の世界は男性しか舞台に上がることは出来ず、女性は子ども
だけというのがしきたりです。

しかし、初音ミクさんが舞台にあがるのであれば、お客様も女性が
舞台に上がっても違和感がないだろうという試みなのだと思います。
それほど、女性が歌舞伎の舞台に上がるのは難しいのだと思います。

舞台を拝見して改めて感じたのは、歌舞伎で男性が女性の役をやっていて
も違和感なく、女性らしいと思うのですが、やはり女性が舞台に出ている
のを拝見すると、やはり女性の役は女性が演じた方がリアリティがあると
改めて思いました。

改めて、歌舞伎は傾(かぶ)いてなんぼの世界なんですよね。人をあっと
いわせるのが真骨頂なのだと思っています。

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 

2022年08月27日

「ルートヴィヒ美術館展 」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その941)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ルートヴィヒ美術館展         2022年8月27日
              新国立美術館  9月26日まで
                      
 六本木の新国立美術館で開催されているルートヴィヒ美術館展を
 拝見してきました。この美術館はドイツのケルン市が運営している
 20世紀から現代までの作品に特化した美術館です。

 それらのコレクションは、市民からの寄贈によって形成されており
 今回の展覧会は、館名に名を冠するルートヴィヒ夫妻をはじめ
 とするコレクターに焦点をあて、ドイツ表現主義や新即物主義、
 ロシア、アヴァンギャルド、アメリカポップアートなど、絵画、
 彫刻、写真、映像を含む152点が紹介されています。

 最近、あらためて感じるのは、私たちが見ている美術史というのは
 西洋美術史であって、アジアや他の地域のものは世界の美術史の
 中心からは除外されているということです。

 しかも日本で紹介されてきた西洋美術はフランスを中心とする美術で
 あって、最近になってようやくドイツをはじめとしたフランス以外
 のヨーロッパのものに触れる機会が増えたということです。さらに、
 現代アートといえばアメリカが中心であり、他国の作家はアメリカ
 在住のアーティストが紹介されているように感じています。

 今回のルートヴィヒ美術館展において、ドイツのルートヴィヒ夫妻
 からの寄贈が核となってコレクションされているものですから、
 ドイツ表現主義の作品が最初の部屋で紹介されておりました。

 オットーデクス、マックスベックマン、オスカーココシュカ、フラ
 ンツマルクといったドイツの作家たちは、多くのヨーロッパの美術館
 ではよく見かける作家たちですが、日本では少し馴染みが薄く、
 特に日本の美術市場でこれらの作家たちをみかけることは殆どありま
 せん。

 文化という意味において、ドイツも日本と同じく敗戦国であったわけ
 ですから、日本にドイツの美術品が積極的に紹介されることは少なかっ
 たように感じています。最近でこそ、ゲルハルトリヒター展や、この、
 ルートヴィヒ美術館展など、ドイツの作品達を目にすることが増えてきて
 おり、美術の世界においても、政治の影響が大きくみられる事は、多く
 の日本人は気が付いていないのだと思っています。
 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 


2022年08月20日

「日本人の真価」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その940)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
日本人の真価             2022年8月20日
                 藤原正彦著   文春新書
                      
 「国家の品格」を書かれた藤原正彦さんの新書で、サブタイトルが
 ‘この国は再生できる’とのことで拝読いたしました。この方の
  本業は数学教授であり、長年、お茶の水大学理学部教授を歴任
 されておりました。

 前にかかれた‘国家の品格’の中で書かれた言葉の中で、数学の
 天才が育つ環境として子どもの頃に美しい景色をみて育つことだ
 という言葉が非常に印象的でした。

 今回の著書にも私の心に響く言葉がいくつもありました。その一つ
 に「これからが、これまでを決める」という言葉で、今の私の信条
 にぴったりです。欧米の価値観ですと、過去の延長線上に未来がある
 となるので、逆の価値観になり、「これまでが、これからを決める」
 になるわけです。東洋的な価値観になると、これからの生き方次第
 で、今までの人生の意味を変えることが出来るというものです。

 また、ロシアとウクライナの戦争が起きている今、藤原さんご本人
 が3最の時に母親がひとりで子ども3人を連れて日本に戻ったときの
 記憶が、今のウクライナの難民の姿に重なるのだそうです。
 そして、これからの日本を考えた時に、中国とロシアに囲まれて
 いる日本の環境は、かなり厳しい状況だと思います。

 その中で、今は経済至上主義への懐疑が始まり、お金では測れない
 ものの価値が見直される時代になると確信しています。そういう意味
 で、芸術やスポーツ、文化、教養、道徳、基礎科学などの、お金では
 測れないものの価値が見直されると藤原さんは提唱されています。

 私達、日本人が大切にしている価値観として美意識と武士道精神が
 挙げられておりますが、中国やロシアという国では全く評価されない
 価値観でもあります。世界が豊かになってきていると同時に、SNS
 などにより、あっという間に情報が拡散される時代です。
 悪いことも拡散されますが、面白い事、感動したことも拡散されていく
 時代です。ウクライナが国力とは相反して、多くの国が応援しているのは
 SNSやニュースによりリアルタイムに状況が報道されることにあると
 思っています。

 国というレベルでの情報発信は、まだまだの日本かもしれませんが、民間に
 よる情報発信が日本を守る時代になってきているのかもしれないと、藤原
 正彦さんの本を読んで思うようになりました。
 

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 

2022年08月13日

「長崎の郵便配達」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その939)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
長崎の郵便配達            2022年8月13日
                   銀座シネスイッチにて
                      
 初日に銀座シネスイッチにて川瀬美香監督の‘長崎の郵便配達’
 というドキュメンタリー映画を拝見してまいりました。
 この物語は全て実話で、長崎で被爆された郵便配達の少年が一生
 をかかけて、戦争反対、核爆弾の根絶といった活動をしていた
 内容をイギリス人のピーター・タウゼントという方が書籍にされ、
 その書籍をもとに川瀬監督が映画化したものです。

 多くの偶然と出会いが重なり、出来たドキュメンタリー映画ですが、
 今、ロシアがウクライナに核の脅威を見せつけている中で上演されて
 いることに必然性を感じています。

 誰もが、戦争は反対であり、核爆弾の利用は地球を一瞬で人間の
 住めない場所にしてしまうことを多くの人は知っています。それで
 あるにもかかわらず、戦争はなくならず、核爆弾もなくなりません。
 人間は忘れる動物なのでしょうか。

 この映画は、長崎で起きた実話とリアルな映像と生き残った人物の
 証言をもとにリアルに私達に核の脅威を伝えています。77年前
 の出来事ですから、実際に被爆された方は殆どお亡くなりになられて
 います。人の記憶というのは本当にいい加減なものです。

 だからこそ、この映画に意味があると思っています。この映画の元
 となった小説を書かれたピーター・タウゼントという方は英国の
 空軍大佐であり、ローマの休日のモチーフとなったイギリス王女
 との恋愛でも世界的に有名だった方です。

 このピーター・タウゼントの娘さんであるイザベル・タウゼントさん
 と著書を読まれて、欧州まで会いに行った川瀬美香監督との出会いが
 この映画を生み出しました。

 映像は非常に美しく、情緒あふれるものに仕上がっておりますが、伝
 えるべきメッセージはしっかりと伝わっていると思います。私達は過去
 に起こった本当の事実を、なるべく一次情報として経験されたご本人の
 口から伺うことが大切で、そういう意味では、このドキュメンタリー
 は77年前に起きたことを丁寧にその当時の映像、新聞、写真などを
 交えながら正確に伝えているものだと思います。

 世界で戦争が起こっている今、改めて多くの人がこの映画をご覧になる
 ことを期待しています。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 



2022年08月06日

「家訓」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その938)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
家訓                  2022年8月6日
                      
 色々な家に家訓というものがあるかと思いますが、私の実家から
 受け継いでいる、今の野呂の家で夫と娘にも何度も伝えている、
 家訓(生きていく上で大切にすること)を恥ずかしながら共有した
 いと思います。

 1 に 健康
 2 に 品性
 3.4 は なくて
 5 に 努力

 というものです。これは、私の母親の実家の江戸時代から大切にして
 いる家訓だと教わりました。健康が何よりも大切なことは誰も異論は
 ないと思います。健康にまさる財産はないとも教わりました。最近、
 感じるのは、この健康には身体の健康と精神の健康があって、ともに
 健康でなければいけないと、しみじみ感じています。

 次に大切なものは品性です。この品性というものは、非常に難しく、
 私の母親からは、上品ぶるのは下品なことだと教わりました。何もしな
 くても滲み出てくるものが本当の品性であって、それを保つことがいか
 に難しいかということを教わりました。

 この品性に関しては、夫の実家でも商売上での家訓で似たようなものを、
 創業者の土井憲治さんから教わりました。‘画品の高い作品を扱うように’
 というものです。創業者の土井憲治さんが言いたかったことは、絵にも
 品性があるということだと理解しています。絵から品性が滲み出ている
 かどうかを自分の目で判断しろということだと思っています。
 私達、美術商の間で‘パン画’という言葉があります。どういう事かと
 いうと、絵では食べていくことは難しく、絵を売るために、画家も色々な
 ことを考えるわけです。その中で、‘絵を買ってもらいたい’という気持ち
 が画面の全面にでてきてしまうと、‘パンを食べるために描いた絵’と
 いうことが全面にでてきてしまって、画品が低くなるという事だと
 思っています。

 
 最後の3.4がなくてという言葉は奥深く、品性と努力の間には大きな開き
 があることを意味しています。1.2は努力を超えた、無意識のレベルまで
 落とし込めということで、最後の努力は仕事、商売、勉強などを続ける上で
 当然の心構えなのだと思っています。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 




2022年07月30日

「Luckey Fes」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その937)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
Luckey Fes              2022年7月30日
                      
 茨城の、ひたち海浜公園で実施されたLuckey Fesに参加して参り
 ました。音楽Fesに参加するのは初めてです。コンサートという
 ものに参加したことはありますが、野外で多くのアーティストが
 参加するFESというものに参加するのは初めてで楽しみに伺いま
 した。
 まず、驚いたのは、噂には聞いておりましたが暑かったです。
 この時期に野外でのコンサートは暑いのは当たり前ですが、当然
 のことながら、私の世代のアーティストさんたちはあまり多くな
 く、若者のイベントだけあって、10代20代の人たちが好む
 アーティストが多かったように感じます。

 また、敷地のあちこちにテントがはってあり、それは日よけでも
 自分の休憩所(VIP ROOM)をつくるのが目的なのだそうです。
 そもそも朝10時から夜8時までという長丁場のイベントで、
 色々なアーティストが来られるので、長時間いるために居場所
 がないと大変だと思いました。

 若手の音楽家を知らないので、私はとても評価できるような人間
 ではありません。娘は音楽が好きなようで、好きなアーティスト
 を推薦していたので、とても楽しかったようです。驚いたのは、
 家にくたくたになって帰ってきた後に、カラオケにいって復習して
 いたのに改めて、好きな事では疲れないのだと思いました。

 私としては、親しい友人が主催していたイベントで、私も含めて
 多くの友人を呼んでいたので、同窓会的な感じで楽しかったです。
 Fesですからお祭り的な感じで、多くの仲間が集まって、そこに
 音楽があって、わいわいするのはとても楽しいものでした。

 音楽はいいな〜と改めて思ったのですが、これからブレイクする
 アーティスト達を見つけ出すのが楽しいのだと思います。今回の
 フェスはヒップホップのアーティストが多く参加しておりました。
 このあたりの分野は私にはわからないのですが、娘をはじめ、若
 世代の音楽にふれるのも、これからは大切なのかもしれないと思い
 ながらもオールデイズのアーティストの方にいってしまうという、
 典型的な高齢者の行動をとってしまいました。

 音楽も芸術です。生活の中に音楽がない人生はあり得ないと思っていま
 す。音楽が生活の中にあることで人生は確実に豊かになることを実感
 しています。

 同じように、生活の中に絵画があると人生が豊かになることを、もっと
 多くの方に知ってもらいたいと思っています。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 


2022年07月23日

「祇園祭」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その936)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 祇園祭                2022年7月23日
                      
 3年ぶりに開催された祇園祭を拝見しに伺いました。京都が大好き
 な友人が、毎年、ホテルオークラのスイートルームをとられていて
 そのお部屋から、祇園祭の山鉾巡業を涼しい中で拝見できるという
 有難いお誘いを受けて日帰りでいってまいりました。

 もともと暑いのは大の苦手で、熱中症になりやすい体質のため、
 祇園祭は一生いけないものだと思っておりましたので、大変嬉し
 かったです。

 基本的にお祭りというものは大好きで、自分でもお祭り女だと思っ
 ています。人がたくさん集まって、わいわいすると良いことがあると
 信じています。

 そもそも、祇園祭とは何ぞやというと、1100年前に京都で疫病
 が流行したため、疫病を鎮めるため、神泉苑にて66本の矛をつくり
 疫病の退散を祈願したのが始まりだそうです。
 まさしく、コロナの終息を願う今、祇園祭とご縁ができたのは、私
 にとって意味があったのかもしれません。というより、もともと
 人類にとって疫病との闘いは長い歴史があり、たまたま私が生まれ
 育った時代に、疫病もなく、戦争もない時代であったのが、ここに
 きて疫病は流行するわ、戦争はあるわで、人類は科学が進んでも、
 精神的には進歩しておらず、歴史は繰り返すという言葉通りの事が
 起こっているのだと感じています。

 多くの日本人が京都が好きなのは、そんなところに所以があるのでは
 と感じています。科学技術が進んで、誰もがスマホを持ち、ネット
 検索することで、多くの情報を簡単に得ることができるようになった
 現代ではありますが、データはあってもそれを読み解き、現代社会に
 生かすための知恵がまだまだ足りないのだと感じています。

 そうした中に、京都という町にくると、日本の歴史がつまっていて、
 祇園祭ひとつをとってみても1100年もの歴史があり、疫病を収める
 為と言いながら、政治利用されたり、応仁の乱の時代に中断されたりと
 復活して継続するためには、京都に住む人たちの思いど努力がそこには
 隠されているのです。

 国も同じだと思うのですが、アメリカのように歴史のない国が国作りを
 するのは、ある意味で易しいことかもしれません。みずほ銀行のシステム
 が苦しんでいるのも、過去の多くの銀行のシステムを引き継ごうとして
 いるからだと思います。全てのことに通じているのは、過去とどのように
 向き合って、どのように未来を作っていくのかということです。

 美術の世界も、過去が多すぎて、現代アートとの折り合いをつけるのが、
 今、難しくなっているのかもしれません。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
           03-3573-7075
 


バックナンバー
月別に見る
登録・解除

【メールマガジン登録】

   メールアドレス:

【メールマガジン解除】

   メールアドレス:
メルマガ情報 「銀座柳画廊ニュースレター」 (マガジンID:0000127725)
  • 購読は無料です。
  • 発行形式はテキストです。
  • 発行周期は不定期です。
  • 登録・解除は以下のフォームからお願いします。
  • 配信は、インターネットの本屋さん「まぐまぐ」を通じて行われます。