メールマガジン/ブログ - 最新情報
2022年05月14日

「岡野博個展2022」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その926)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
岡野博個展              2022年5月14日
             
来週の月曜日、5月16日から31日まで無休で岡野博展を開催
いたします。銀座柳画廊にとって、岡野博先生は特別な作家であり、
最も力をいれている作家のひとりであります。

銀座柳画廊には他にも、有名な作家さんや、ご活躍されている作家
さんもおりますが、岡野博先生は創業の頃からのお付き合いである
と同時に、初めの頃は理解してもらうのに苦労した作家さんでも
ありました。

ぱっと見た感じでは、抽象画のような具象画のような、粗いタッチ
で描かれており、心無い方からは子どもの描いた絵のようだと言わ
れることもありました。

岡野先生にとって、絵を描くことは、上手く綺麗に描くことよりも
油絵具というものの本質に迫りたくて、それはどういうことかという
と、キャンバスに油絵の具がしっかりとくっついている事だと
いうことです。

明治より日本人が油絵を描くようになり、日本人の描く油絵は見れば
すぐにわかるとフランス人から言われて事が、非常に気になっていた
岡野先生は、ヨーロッパで長く生活することによって、油絵具がキャン
バスにのるという事の意味を身体で理解するために13年もフランスに
家族で生活をされておりました。

岡野先生にとって、日本人の作家で油絵具をキャンバスにくっつける
事に対して、試行錯誤されたことを仕事で表現したのが香月康男さんと
いうことです。確かに、香月康男先生のマチエールは絵の具に砂を混ぜ
たり、キャンバスに絵の具がしっかりと馴染んでいるように思います。

岡野博先生は若い頃より、香月康男さんの作品を拝見して、絵の具の
使い方が上手な方で、キャンバスにしっかりと絵の具が乗っている事
に影響を受けたといっています。
もちろん、岡野先生が絵かきになろうと思ったきっかけは、ニコラ・ド。
スタールというロシアの作家ですが、彼は別格なのだそうです。何しろ、
岡野先生の夢の中にも出てこられる方なのですから。

私のような凡人には全くわからない世界ではありますが、絵かきならでは
の苦悩というものがあって、表現するということ、絵で人を動かすという
事がどれだけ難しく、どれだけ影響力のあるものなのかを、岡野先生から
学んでいます。

絵画の深い世界を味わいに、岡野博先生の世界を堪能いただけたらと思って
います。皆さまのお越しをお待ちしています。

岡野 博 展 | 展覧会 | 銀座柳画廊 Ginza Yanagi Gallery 
                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 


2022年05月07日

「泉屋博古館東京」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その925)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
泉屋博古館東京                  2022年5月7日
             
先日、招待券を頂いて泉屋博古館東京に行って参りました。昔から
六本木に住友家が集めた作品の美術館ができると伺っておりました。
実際には元々あった住友コレクションを中心とした美術品を京都と
東京で紹介する美術館であり、2022年にリニューアルオープン
されたということです。

伺ってみると、アークヒルズクラブのすぐ近くで、スウェーデン大
使館の並びに面しており、緑が多く素敵な場所にありました。電車
で伺うには、少し不便かもしれませんが、車では近くにコインパー
キングもあり多くの方がいらしておりました。

展示室はこぶりで、パパっと作品がみれるのも都会の美術館として
は、ちょっとした隙間時間に丁度良い感じで、喫茶店もおしゃれで
素敵でした。

私が拝見したのは日本画トライアングルという内容で、明治・大正・
昭和に活躍された作家の作品を多く拝見いたしました。雰囲気として
は、山種美術館、府中美術館など、江戸から近代にかけての日本美術
の渋い所を集めていらっしゃいます。というより、当時はそれらの
日本画家たちが、日本を代表する作家たちであり、改めて日本の近代
美術を盛り上げる機運を最近感じています。

日本がコロナで2〜3年鎖国している間に、美術の世界も日本美術が
盛り上がってきているような気がしています。特にコロナだけでなく、
ロシア、ウクライナのこともあり、海外に観光がいけるようになっても
以前のように多くの方が海外にいくようになるのかな? と最近感じて
います。

日本人が日本の古い良いものを理解して評価していく時代に入ってきた
ように思います。その中で、京都という町は改めて、日本の文化の中心
の場所であり、京都画壇といわれたように今でも、日本画の描き方
は京都と東京では今でも違うようです。
2024年に展覧会を予定している日本画の福永明子先生は京都で日本画
を学んだ方で、京都の友禅の絵仕事もされていた方です。京都画壇の雅な
雰囲気は私も大好きで、東京のものとは少し違う気がしています。

京都(鹿ガ谷)の泉屋博古館に伺うのも楽しみになりました。
 
                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 

2022年04月30日

「現代思想入門」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その924)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
現代思想入門             2022年4月30日
             千葉雅也 著   講談社現代新書
                      
 地下鉄を乗っていて、つり革広告でこの本の宣伝があり、その帯
 には‘人生が変わる哲学’とありましたので、人生が変わるのか
 と興味しんしんで、この本を購入してみました。

 年をとってくると、哲学がだんだんと身近に感じるようになって
 きています。人生経験が増えてくるからだと思います。しかし、
 この千葉雅也さんのように(ご本人は43歳は年寄りだというかも
 しれませんが、、、)まだ人生の折り返し地点にいらっしゃる方
 が、子どもの頃から「芸術的に生きるとはどういうことか」という
 テーマに取り組んでいらっしゃるということに脱帽です。

 私にとって、哲学とは50代を過ぎたころから気になりだしたテー
 マであり、「ソフィーの世界」ですら40代で読んだくらいです。
 学生時代の私は、アスリートであり、学問に関しては、数学的な
 もので数字が頭のなかでピコピコしていて、深淵的なものや文学的
 な情緒に欠ける人間であったと恥ずかしながら実感しています。

 10代、20代の頃の自分はもっと動物的というか本能的というか、
 しごく単純な人間で、人生の深みとか芸術的に生きるという事を
 考えたこともありません。だからでしょうか、結婚という大きな
 決断を迫られた時に、本能的に自分に欠けているものを求めていて
 今の夫を選んだのだと思います。

 話が横にそれました。この著書の面白い所は、ソフィーの世界では
 哲学の世界の面白さを教えていただきましたが、それなりにその
 本の中で、完結されておりました。この現代思想入門の面白い所は
 その中で、ここの分野に興味のある方はこの本をお読みくださいと、
 次々と色々なジャンルの本を紹介してくれる所です。

 ですから、この本を読むことで、これから読むべき本がたくさん増え
 ました。それは、私にとってまさしく人生を変える出来事で、これ
 から哲学について読んでみたい本が10冊以上増えたことです。時間が
 かかるとは思いますが、少しづつ楽しんでいくことで、哲学の深淵な
 世界を覗いてみたいと思っています。
 
                         
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075

2022年04月23日

「近代日本美術の発祥の地」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その923)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 近代日本美術の発祥の地        2022年4月23日
                      
 長年の望みであった、近代日本美術の発祥の地である五浦にある
 五浦観光ホテルに宿泊し、六角堂、茨城県天心記念五浦美術館に
 いってまいりました。

 12年ほど前に、‘九鬼と天心’という本を読み、長年、六角堂
 に行ってみたいと思っておりました。そして11年まえに、東北
 の巨大地震があり、津波のために六角堂が流されたというニュース
 に触れて、心を痛めておりました。

 しばらくして、またニュースにて六角堂の復興の知らせを聞いて
 嬉しく思い、その時にも、必ず五浦にはいかなければいけないと
 思っておりました。とはいえ、なかなか日帰りでいける距離でもなく、
 忙しい日々を送る中であっという間に10年以上の時間が過ぎて
 しまっておりました。

 岡野博先生を応援してくれている、グロービスの堀代表が水戸の
 応援を数年まえから本格的に始められて、岡野博先生の作品を紹介
 されているMガーデンでの食事会に参加したときに、堀さんの幼馴染
 である五浦観光ホテルの女将さんをご紹介いただきました。

 お名刺を頂いたその時に、必ずお伺いしますとお約束をして、一人
 でも行こうと決心し、勝手な私の予定でホテルを予約させて頂き
 ました。土日で、できればひたち海浜公園のネモフィラも見たいと
 思っておりましたので、4月中旬で計画をいたしました。

 まずは夫を誘ってみましたが、ゴルフだとにべもなく断られ、大学
 時代の同級生に声をかけると一緒に行ってくれるというので、3人で
 いって参りました。

 長年の私の強い思いが応援してくれたのか、現地にはいると桜が非常
 に綺麗に咲いていて、天心記念五浦美術館は予想以上に素晴らしい作品
 の内容で感動いたしました。また、その日の晩には、なんと満月で
 海辺の波に月の光があたり、幻想的な絵画の世界を満喫いたしました。
 ホテルの部屋から見える六角堂と、その景色は横山大観を含む、多くの
 芸術家が描かれた、そのままの景色が残っておりました。

 天気にも恵まれ、翌日の日の出の時間を調べて、海から上がる日の出を
 友人たちと歓声を上げながら眺めたのは最高の想い出になりました。

 自然に勝る芸術はないと、今回の旅から学びました。多くの芸術家たち、
 岡野博先生や横山大観先生は、こういう景色を見た感動を画の中に表現
 され、その感動を共有したいのだと思っています。
 
                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 



2022年04月16日

「鏑木清方展」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その922)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
鏑木清方展              2022年4月16日
没後50年        5月8日まで 東京国立近代美術館
                      
 土曜日の朝一番で、竹橋の東京国立近代美術館で開催している
 鏑木清方展にいって参りました。鏑木清方の作品は色々な所で、
 拝見しておりますし、銀座柳画廊でも扱ったこともあり親しみの
 ある作家です。また美人画を描く作家として認識しておりました
 が、今回の展覧会を拝見することで、鏑木清方作品の見方が大きく
 かわりました。

 やはり、売り物として作品を拝見するのと、美術館の個展として
 作品を拝見するのでは大きな違いがあります。改めて、鏑木清方氏
 の人となりを、音声ガイドやカタログから情報を得ることで、深く
 作品を理解できるようになったと思います。

 以前、鎌倉にある鏑木清方記念美術館にロータリークラブの仲間と
 伺ったこともあり、もともとお住まいだった場所が神田から京橋界隈
 であり、作品も明石町、新富町、浜町、木挽町と私が長年親しんで
 いる地域を題材に描かれていることも、非常に親近感を覚えました。

 さらに、本を読むことがお好きで、24歳の頃から縁あって泉鏡花の
 作品の口絵を手掛け、さらには樋口一葉の‘たけくらべ’を好み、
 何度も読んでいたというです。

 また、鏑木清方といえば、美人画ということで有名ではありますが、
 ご本人は、その当時の生活風景を描きたかったということです。明治
 に生まれ、大正、昭和を生き、関東大震災や戦争などの経験もされ
 た清方は、絵を通して、時代時代の市井の生活を表現したかったの
 だそうです。

 私自身も昭和に生まれ、平成、令和という時代に生きていて感じる
 のは、生活様式や常識が変わっていく様子を自分の感性を通して
 何か残したいという思いはよくわかります。‘なんでもない一瞬が
 なによりも美しい‘という言葉は非常に共感しています。
 先週、伺った府中市美術館にも通じているのですが、日常というか普通
 であることに対する愛おしさを、鏑木清方の作品から感じ取る事ができ、
 芸術というと、日本人にとっては岡本太郎や、ピカソのように奇抜である
 ことを求める風潮があるように感じますが、実は、普通であることや、
 なんでもない日常というものが、いかに貴重で大切なものであるか、今
 一度、心に留めたいと思っています。

 特に、ロシアとウクライナで起こっていることは、他人事ではなく、
 私達日本人が平和ぼけしないためにも、平和であることや日常生活の
 大切さを、関東大震災や戦争を経験された鏑木清方先生は訴えたかった
 のではないかと私は感じています。
 
                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 

2022年04月09日

「ふつうの系譜(後期)」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その921)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 ふつうの系譜(後期)          2022年4月9日
                          府中市美術館
                      
 府中市美術館で開催している‘ふつうの系譜’の後期を拝見して
 まいりました。ここの美術館は、私の定番の美術館で、両親の
 お墓参りの後に、なるべく行くようにしています。何しろ、予約が
 いらず、内容に関しては地味ではありますが、学芸員のレベルの
 高さを伺う事の出来る展示には、いつも期待以上の感動をもらって
 います。

 今回も、意外な発見がありました。それはNHKの大河ドラマで鎌倉
 をテーマにした時代劇を意識した内容の展示が受付のロビーに
 あったことです。それは府中市の分梅町に、分倍河原古戦場碑に
 関する新田義貞像についての解説展示です。新田による、鎌倉攻め
 が北条氏をやぶり、鎌倉幕府を倒したという事で、府中市の
 分倍河原がその重要な戦場であったことをタ大河ドラマを見ている
 私にとって、タイムリーな展示でした。

 もちろん、展示として‘ふつうの系譜’の作品群も見ごたえのある
 素晴らしいものでした。府中市美術館では、府中市の市民の目線
 にたって、地域への愛着を持たせる工夫が施されていて、それを
 感じることのできる美術館であると思っています。

 私は残念ながら、府中市民ではありませんが、もし府中市民であった
 ら、このような美術館があることを誇りに感じますし、学校教育
 においても、学ぶことの多い美術館であると思います。

 何より、ここの美術館で働いている学芸員の方々にお会いして、お話し
 をしてみたいと思います。私と感性が近いように感じています。
 今回の展覧会で展示されていた次の言葉には、心から共感しています。

 〜以下引用〜
 「奇想」があるなら「ふつう」もあります。
 美術は全て「驚き」です。
 私達の心は、毒々しく不可解な「奇想の美」だけでなく、ひたすら美
 しいものに出会ったときにも、大きく揺れ動きます。

 誰もが美しいと感じ入るような、「ふつうにきれい」な作品の世界を
 お楽しみいただくのが、この展覧会です。

 とあり、まさしく、銀座柳画廊が目指している作品展示の在り方を代弁
 してくれているように感じて、ますます府中市美術館のファンになりま 
 した。
 
                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 


2022年04月02日

「フェルメール展」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その920)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
フェルメール展             2022年4月2日
                     東京都美術館にて
                      
 友人からチケットを10枚も頂いたので、社員や家族に配り、私
 も参加しようと桜の満開の時期を選んで予約しておりました。
 ところがです、なんと 朝一番の枠で9時半からの予約で伺いま
 したところ、長蛇の列ができており、入館するのに30分もかか
 ると言われてしまいました。

 さらに、今は人気の展覧会に参加する場合には予約したQRコード
 を提示しなければならず、メールボックスにいれていた、予約
 メールが紛れてしまい、それを出すのにてこずってしまって、
 そうこうしているうちに、画廊に戻らなければいけない時間に
 なってしまって残念ながらフェルメール展を拝見することが出来
 ませんでした。

 チケットを下さった友人には深くお詫びすると同時に、ちゃんと
 うちの社員は拝見させていただいており感謝しています。きっと
 私のような人間は多くいらっしゃるのではないかと思い、ここで
 情報共有をさせてもらっています。

 先週、伺ったメトロポリタン美術館では予約もなく、その場でさっ
 と入れたのですが、今回は予約をしていたにもかかわらず入館でき
 なかったことが悔しくてたまりません。

 聞くところによると、メトロポリタン美術館の方が人気だとおっ
 しゃる方がおりましたが、メトロポリタン美術館は展覧会会期の
 はじめの方の平日の朝がたに伺いました。

 一方でフェルメール展は、会期の終わりごろの桜の時期に伺ったの
 が敗因だったのではないかと思っています。最近は、コロナで人の
 楽しみ方も変わり、美術館巡りは人気の娯楽になっていると感じて
 います。

 どうぞ、これから美術館巡りをされる方は、私のような失敗をしない
 ように、展覧会の会期の初めにいかれることをお勧めいたします。
 来週には竹橋の鏑木清方展にチャレンジしようと思います。次回は
 失敗しないように、準備します!


                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 


2022年03月26日

「メトロポリタン美術館展」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その919)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
メトロポリタン美術館展        2022年3月26日
                      
 白日会を見に行った際に、新国立美術館で開催していたメトロポ
 リタン美術館展を拝見してきました。今年はニューヨークのメトロ
 ポリタン美術館が大規模な改修工事をしているために、貴重な作品
 を貸し出してくれたようです。

 多くの日本人がニューヨークに行くと、メトロポリタン美術館に
 いって、実際の作品を拝見していると思います。改めて、その作品
 の一部を日本で拝見することで気が付いたことがいくつかありまし
 た。

 あの、巨大なお城のようなメトロポリタン美術館で大量の作品を
 拝見したときの圧倒的な威圧感は全くありませんでした。日本の
 こじんまりとした企画展示室で点数も65点ほどの作品を拝見する
 わけですから、あっさりと拝見することが可能です。

 その中で、構成としてはイタリアルネッサンスから印象派の作品
 までを紹介しており、副題に西洋絵画の500年とあるとおり、
 西洋絵画の歴史の500年を作品を通して拝見するようなしたて
 となっておりました。

 日本というフィールドで、改めて西洋美術を拝見すると、先日、
 サントリー美術館で正倉院宝物という展覧会を拝見したせいか、
 歴史の重みが薄っぺらく感じてしまいました。日本の宝物は正倉
 院が何度も修復をしながら保存しているもので1300年という
 歴史の重みがあるわけです。当然、その時のままのものは少ない
 わけですが、文化としての歴史の重みの違いを感じました。

 また、あらためて西洋絵画の歴史とメトロポリタン美術館の歴史
 を考えると、日本が長く鎖国していたところから、一挙に西洋文化
 が日本に流れ込んできたのが明治の時代です。1870年に開館
 されたというメトロポリタン美術館は、日本が世界に向けて目を
 向け始めたころに開館されています。
 さらに、その後は中国だけでなく文化的にも西洋と東洋の交流が
 さかんになり、ジャポニズムが世界中に流行するわけですが、
 私達、日本人はもうそろそろ西洋の方が文化的に進んでいるという
 価値観から脱却する時代であり、あらためて西洋の価値観は東洋
 の価値観から学びなおしを始めている時代なのだと感じています。

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 


2022年03月19日

「アートフェア東京2022」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その918)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
アートフェア東京2022           2022年3月19日
                      
 先週アートフェア東京2022が開催されておりましたので拝見
 してまいりました。銀座柳画廊では、アートフェア東京には参加
 しておりません。何故、参加しないのか? とよく言われますが、
 社長がアートフェア東京に魅力を感じないから、、としかお伝え
 しようがありません。

 4年ほど前までは、銀座柳画廊もアートフェア東京に参加して
 おりましたし、社長もコミッティーを拝命しておりました。しか
 し、運営に携わる中で、考え方の違いや、出展者の取り扱いに
 ついて疑問を感じることがあったようです。

 私の個人の意見としては、アートフェア東京はある意味、画廊の
 お祭りのようなもので、広告として意味があると思っています。
 ただ、ビジネスとして割り切った場合には、画廊とは別に会場費
 を払い、そこの人を配置して、パンフレットを作ってと考える
 と、企画が際立っていないと利益をだすのは難しいのが実態です。

 何故ならば、自分の画廊に適した企画と、あのように多くの人が
 くる会場で主に現代アートを見に来るお客様が多い観客の中で、
 銀座柳画廊のように近代美術を中心に扱っている画廊の企画は
 なかなか厳しいのが実態です。

 たくさんの美術ファンの方がいらっしゃいますが、その多くは現代
 アートを見に来られている方々で、実際にアニメに近いものや、
 古美術といった作品が多くみられましたが、近代美術はほとんど
 拝見できませんでした。

 日動画廊さんの鴨居令展はその中でも、異彩を放っていたと思います。
 近代美術をリードされている画廊さんとして、流石だと思いました。
 岐阜の柳瀬画廊さんや、名古屋画廊さんなど、近代美術を盛り上げて
 くれている画廊さんが減っているのは寂しい限りですが、自分の画廊が
 参加しておりませんので、そんなことを言う資格はないとも思っています。

 美術品を扱っている人間として、強く感じるのは、私達画商という人間は
 本当に美術が好きで仕事をしているのかを、常に問われていると思って
 います。画廊といえど、商売ですし、企業ですから儲けなければ潰れて
 しまいます。しかし、大切なことは何のために仕事をしているかを見失わ
 ないことで、美術が単なるお金儲けの道具になってしまったら、その画廊
 で扱う作品から大切なものが失われてしまうと思っています。

 是非、アートを購入する人たちには、自分は何のために絵を購入するのか、
 何を求めてアートに触れたいのかを、考えてくれると嬉しいです。
 きれいごとをいうつもりはありませんが、自分なりの信念と筋は通して
 いきたいと思っています。

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 




2022年03月12日

「母」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その917)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
母                  2022年3月12日
               青木さやか著  中央公論新社
          
 先日、銀座なでしこ会の集まりに参加して、タレントの青木さやか
 さんの講演があり、その時に頂いた青木さやかさんの著書を読ませて
 頂き、共感するところが多かったのでコラムにしようと思いました。

 娘と母親との関係は特別なものだと思っています。そのあとに、25
 人のリーダーによる「母の教え」(財界研究所)という本も拝読いた
 しましたが、やはり男性からみる母親というのは異性であって、女性
 から見る母親とは大きく違うように感じました。

 青木さんは、母親との折り合いが難しく、人生の中で、なかなか母親
 と仲良くできないことを苦しんでいることを赤裸々に著書に書かれて
 おりました。母親がなくなる間際に、母親に愛されていたことを
 感じることが出来て、自分のことを許すことができたと言っています。

 よく、今の高校生が自己肯定感が低いという話を聞きますが、そこに
 通じる話ではないかと思っています。私も娘から「親ガチャって
 知ってる?」と言われるほど、子どもにとって親は選ぶことが出来ず、
 ガチャガチャみたいに当たりはずれがあるというのが若い世代での
 流行語なのだそうです。

 特に、女性にとってみれば、母親が好きということは、自分の事が
 好きと同義語なのだと思います。ですから、自己肯定感の低い若者
 は自分の親のことが嫌いな若者なのではないかと思っています。

 では何故、親の事が嫌いなのか?ということになると、これもまた
 面倒なのですが、大好きだから嫌いなんです。意味不明と思われる
 かもしれませんが、子どもには子どもなりの親の理想像というもの
 があって、現実の親がそうではないと、幻滅して嫌いになるのだと
 思います。

 人間というのは面倒なもので、愛情の反対は憎悪ではないのです。
 憎悪は愛情の違う表現なのだと思います。愛情の反対は無関心だと
 言われています。家庭内で無関心というものほど、厳しい環境はないと
 思います。現代社会は、あまりに多くのエンターテイメントがあり、
 趣味も多様になり夫婦共稼ぎが主流になりました。母親が忙しくなり
 すぎているのです。日本社会は母親に求めるものが多すぎます。

 仕事も友達も大切ですが、家族関係が全ての人間関係の土台になって
 いるのだと実感しています。

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075
 




バックナンバー
月別に見る
登録・解除

【メールマガジン登録】

   メールアドレス:

【メールマガジン解除】

   メールアドレス:
メルマガ情報 「銀座柳画廊ニュースレター」 (マガジンID:0000127725)
  • 購読は無料です。
  • 発行形式はテキストです。
  • 発行周期は不定期です。
  • 登録・解除は以下のフォームからお願いします。
  • 配信は、インターネットの本屋さん「まぐまぐ」を通じて行われます。