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メールマガジン 2017年10月07日発行
柳画廊
『コレクションと資本主義』

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        今の美術業界を考える(その684)

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コレクションと資本主義          2017年10月7日
                山本豊津 水野和夫 著 角川新書

 東京画廊の山本さんが2冊目の本を出しました。美術品の資産として
 の側面を、エコノミストの水野さんの言葉を借りてわかりやすく書いた
 名著だと思います。

 ヨーロッパの画商さんたちと会話をしていて感じる、美術館に対する
 概念の違いが見事に言葉にされていました。日本人の私たちはミュー
 ジアムを美術館または博物館と訳しますが、それらの日本語では到底
 伝わらない、西洋の思想や哲学、歴史がその言葉に込められていると
 いうことです。その違いは「蒐集」というキーワードだとのことです。

 「蒐集」という言葉は自分達の価値基準に応じて分類し、選別しながら
 集めるというニュアンスが強いようです。西洋の思想では、古代
 ローマ時代から植民地支配をへて、世界中から蒐められた膨大な美術品
 や文化財、歴史的遺物などのコレクションを「蒐集」といいます。
 イギリスの大英博物館や、フランスのルーブル美術館では、世界中の
 珍しいもの、貴重なものを選別し、蒐めることが力になると知って、
 活用しています。
 つまり、美術館とは世界中の富や財を蒐集することで自分の富を増やす
 という直接的な意味合いもありますが、それ以上に重要なことは、世界
 の価値を集め、自分達の価値観によってそれらを体系化し、世界を所有
 していることを知らしめることです。つまり、美術館の蒐集品を一般に
公開することで「自分の立場と力を誇示すること」が目的なのです。
 大英博物館が膨大なコレクションを無料で公開しているのは、決して
 気前がよいからではありません。コレクションを公開することで自分たち
 の力を誇示し、ヒエラルキーの上位にいることを世界中の人に知らしめた
 いという意図と戦略があるのです。(本文より)

 まったく見事に日本の美術館行政に欠けている視点であり、文化を政治
 利用した最たる例だと思います。私自身、ベネチアビエンナーレやドイツ
 のドキュメンタや、バーゼルアートフェアなどに伺って世界の美術の
 トレンドと、現代美術の過熱ぶりをみていると文化を政治と経済に
利用していることがわかります。

世界の美術業界で行われているトレンドとして感じることは、文化でも
戦争が行われているということです。それは、影響力の戦争です。どれ
だけその国の文化が世界に影響力を及ぼしているかということです。
日本は、この分野において非常にアドバンテージがあるにもかかわらず、
日本人がその力をよく理解しておらず、政治にも経済にも生かせる事が
 できていないことに歯がゆい思いをしています。
 
 文責  野呂洋子


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