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メールマガジン 2018年06月30日発行
柳画廊
『追求権に関する会見』

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        今の美術業界を考える(その721)

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追求権に関する会見          2018年6月30日 
                                
 先日の新美術新聞にて、美術品再販売で作家の利益を守るための
 追求権に関する会見について、記事が大きく取り上げておりました。

 これは、簡単にいうと、作家の著作権の一部としての権利保護を
 謳ったもので、日本やアメリカのオークションで美術品が売買され
 たときに、その作品が高額で売買されても、生きている作家
 (厳密には死後50年まで・著作権保護法)には1円も入ってこな
 いのはおかしいのではないか、という問題提起です。

 実際にヨーロッパではこの追求権が認められていて、死後50年
 (じきに70年に延長)までの作家に関しては、数%の著作権料が
 作家もしくは作家の遺族に支払われるようになっています。ですから
 シャガール(1985没)やピカソ(1973没)の作品をヨーロ
 ッパのオークションで購入すると、手数料と他に著作権料がかかる
 わけです。

 この追求権は音楽、文学、映像、脚本家など多くの芸術家に適用され
 ますが、視覚芸術である絵画作品を生み出す画家の作品に対しては、
 重要な意味を持つことになります。時間がたって作品の対価が上がった
 場合に対して、元のクリエーターがその利益を享受できないのは余りに
 不公平であるという人権問題から発生しています。他の芸術と違い、
 原作品が一つしかない芸術作品は、その利益を得ることが出来ません。
 音楽の場合はダウンロードされることによって著作権料を請求すること
 ができますが、視覚芸術の場合は追求権がなければ、その利益を求める
 ことができないのです。

 流石、ヨーロッパだなと思うのは、作家の人権保護と利益保護に社会が
 優しいのです。美術の仕事をしている人間としての肌感覚としては、
 日本は社会的な成熟度に比べると、芸術にたいする意識は非常に低く、
 この問題はかなり厳しいのではないかと思っています。批判を覚悟で発言
 すれば、児童虐待の問題と同じ構造を持っていると思います。
 多くの関係者が声を上げていくことが必要だと思っておりますが
 大切なことは、美術作品を購入するということすら考えていない
 日本人が、作家の著作権保護まで踏み込んでいくことが出来るのだ
 ろうかということです。

 先日、社長から音楽家は美術関係者より厳しい状況にあるとコラム
 に書いて、かなり叱られましたが、著作権に関しては圧倒的に音楽家
 の方が恵まれた環境にあると思います。この分野のビジネスでは
 音楽家の方が断然に有利です。

 大切なことは、音楽家がどうだとか、美術家がどうかとか、内輪で
 はなく、芸術を愛する人を増やして、芸術にお金を投じる人を増やす
 ことが、まずやらなければいけないことだと思っています。

                           文責  野呂洋子




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