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メールマガジン 2018年07月21日発行
柳画廊
『万引き家族』

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        今の美術業界を考える(その724)

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 万引き家族                  2018年7月21日 
 
 是枝裕和監督の映画を拝見してきました。親しい友人から、絶対
 に見るべきだと言われて娘と拝見してまいりました。

 タイトルからわかるように、万引きをしている家族を描いている
 作品で、その家族も血のつながったものでもなく、縁あって一緒
 にいる家族のような関係を描いている作品でした。

 ロータリークラブに10年以上在籍しているため、児童養護施設
 とのご縁があり、現代社会の家族のひずみは少なからず関わって
 いるつもりではありますが、貧困問題、児童虐待問題、家族のあり
 方など、様々な角度からリアルに実感させられる映画でした。

 貧困問題などは、現代社会のシステムの枠から、たまたま外れた時の
 問題であり、それは完璧な社会システムというものがあり得ない
 限り、どうしても排除できない問題ですし、いつ誰にでも起こり得る
 問題だと思っています。だからといって、そのままにしても良い問題
 でもなくセーフティネットは必要ですし、児童虐待の問題などは
 家族の在り方が多様化するなかで、誰にでも起こり得る問題の話だと
 私は思っています。

 万引きをして、永遠に生活が成り立つはずはなく、この家族も破たん
 するわけですが、血のつながった家族を何よりも優先する今の日本の
 社会システムは、もう機能しなくなっているのではないかと感じさせ
 られました。

 あまりにも、ありきたりの言葉にはなってしまいますが、家族に必要
 なものは愛情であって、その愛情も言葉にすると薄っぺらいもののよう
 に感じます。児童虐待の根深い問題は、訴えるはずの親が加害者になって
 しまうことと、余りに強い日本の親権は、養護施設にはいっている子ど
 もも、血のつながった親に戻すのが一番良い事だというシステムに 
 なっているがために、親元に戻して殺されてしまう事件が後を絶ちません。

 理想的な家族などは、そもそもあり得ないものであって、改めてこの
 映画を拝見して、娘にもきつい言葉を浴びせられて考えさせられまし
 た。

 血のつながった関係というのは、何があっても消えるものでもなく、
 人間関係の中で、最も難しい人間関係の一つであることを改めて感じ
 させられた映画でした。

                           文責  野呂洋子
 




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