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2021年12月04日発行
柳画廊

『聖徳太子』

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       今の美術業界を考える(その898)

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聖徳太子              2021年12月4日
サントリー美術館 開館60周年記念展 
                   
 新聞や電車の広告をみて気になっており、六本木のサントリー
 美術館で開催されている 聖徳太子展を拝見してまいりました。

 私の中の聖徳太子のイメージは、漫画家の山岸涼子さんが描かれた、
 「日出る処の天子」です。そうしましたら、この展覧会でも山岸
 涼子さんの描かれた漫画の生原稿が展示されていて、とても嬉しく
 感じました。

 そして、次の聖徳太子のイメージは1万円札です。すると、やはり
 昭和に使われていた聖徳太子のお札が1万円札だけでなく、他の紙幣
 もあわせて展示されており、大いに感動いたしました。

 聖徳太子という人物は、日本に仏教を広めた方として大変に尊敬され
 ておりますが、改めて死後1400年もたっていると、時代時代に
 聖徳太子の人物像が異なっていることを感じました。

 今では当然のように親しまれている仏教ですが、当時の日本からすると
 海外からきた宗教ですから、それなりに摩擦があったことは容易に想像が
 できます。丁末の乱という、仏教の礼拝を巡っての合戦で聖徳大使が
 苦戦している時の絵画なども陳列されておりました。

 もう1000年以上も前の話ですし、その時代によって聖徳太子を
 題材に様々な絵師や、彫師が作品を制作しております。それらを現代
 の私達が観賞することで、時代時代の聖徳太子のイメージを拝見する
 ことができる展覧会です。

 そう思うと、私達日本人は聖徳太子の事が大好きで、自分の思い描く
 聖徳太子像があるのだと思います。キリスト教を始めとして、多くの
 宗教が一神教を信仰しているのに対して、日本人が宗教に対して、
 非常におおらかなのは、このように以前に存命していた人物を崇拝して
 神格化することに違和感を感じない国民性なのかと思います。

 私なども、商売をしていると自分の努力ではどうにもならないことが、
 ありますし、そうした時に、神様にすがりたい気持ちになることもあり
 ますが、そういう時にはお墓詣りに行くことにしています。

 日本人は島国ですし、1000年以上も昔の方などは、もしかすると
 自分も聖徳太子の子孫かもしれないと考えるのも楽しい事かもしれません。



                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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