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2021年12月11日発行
柳画廊

『ミュシャ館』

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       今の美術業界を考える(その899)

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ミュシャ館             2021年12月11日
堺 アルフォンス・ミュシャ館 
                   
第73回男子日本ハンドボール選手権の決勝戦の前に時間が出来た
ので、大阪堺市のアルフォンス・ミュシャ館にいって参りました。

2017年の春に、六本木の新国立美術館でミュシャ展を開催した
時に、ミュシャの作品を楽しみに伺ったときには、スラブ人として
生きたミュシャの晩年のスラブ民族のアイデンティをテーマにした
作品群が紹介されており、日本人がイメージしていたミュシャの作品
とは、かなり違うものが展示されておりました。
それはそれで、ミュシャという人物を理解するためには大いに学び
のある展示ではありましたが、期待していたものと違うという感は
否めませんでした。

今回の堺市のミュシャ館は小ぶりな民間の展示であるにも関わらず、
良い意味で期待を超える内容とキュレーションの作品郡でした。
とくに、ミュシャが画家としてデビューした頃のポスター(リトグ
ラフ)の制作の丁寧な解説から、その時代の作品群が多く展示されて
おりました。

ミュシャのデビュー作ともなった34歳の時に手掛けた、女優サラ・
ベルナール主演の舞台、「ジスモンダ」のポスター制作のいきさつも
丁寧に解説されており、日本人が愛するミュシャの作品群を数多く、
展示されておりました。

シャンパンのモエ・シャンドンの依頼により作られた、レストランの
メニューの挿絵や、お菓子の箱のデザイン、ワインのラベルなど、当時
のパリを彩ったであろう、ミュシャの描かれた多くのデザインや挿絵、
ポスターなどが多く展示されており、1800年代のパリにタイム
スリップしたような展示内容でした。

先週の聖徳太子展を拝見したときも感じたのですが、私自身、全く新
しいものを見た時の感動よりも、歳をとってきたからか、自分の知って
いる情報に新たな知識や情報が付け加えられることに、感動を覚えるのだ
感じました。

そういう意味では、私にとっては多くのITやデジタルによる表現や、作品
達は、IBM時代にかじっていただけに、ブロックチェーンやNFTといった形で
目の前にアートとして現れると、感動してしまうのかもしれません。

新しい知識や作品は、常に触れていることで、そのものをその時に理解でき
なくとも、10〜20年後に理解できるようになるものだと思っています。



                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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