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2022年03月12日発行
柳画廊

『母』

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       今の美術業界を考える(その917)

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母                  2022年3月12日
               青木さやか著  中央公論新社
          
 先日、銀座なでしこ会の集まりに参加して、タレントの青木さやか
 さんの講演があり、その時に頂いた青木さやかさんの著書を読ませて
 頂き、共感するところが多かったのでコラムにしようと思いました。

 娘と母親との関係は特別なものだと思っています。そのあとに、25
 人のリーダーによる「母の教え」(財界研究所)という本も拝読いた
 しましたが、やはり男性からみる母親というのは異性であって、女性
 から見る母親とは大きく違うように感じました。

 青木さんは、母親との折り合いが難しく、人生の中で、なかなか母親
 と仲良くできないことを苦しんでいることを赤裸々に著書に書かれて
 おりました。母親がなくなる間際に、母親に愛されていたことを
 感じることが出来て、自分のことを許すことができたと言っています。

 よく、今の高校生が自己肯定感が低いという話を聞きますが、そこに
 通じる話ではないかと思っています。私も娘から「親ガチャって
 知ってる?」と言われるほど、子どもにとって親は選ぶことが出来ず、
 ガチャガチャみたいに当たりはずれがあるというのが若い世代での
 流行語なのだそうです。

 特に、女性にとってみれば、母親が好きということは、自分の事が
 好きと同義語なのだと思います。ですから、自己肯定感の低い若者
 は自分の親のことが嫌いな若者なのではないかと思っています。

 では何故、親の事が嫌いなのか?ということになると、これもまた
 面倒なのですが、大好きだから嫌いなんです。意味不明と思われる
 かもしれませんが、子どもには子どもなりの親の理想像というもの
 があって、現実の親がそうではないと、幻滅して嫌いになるのだと
 思います。

 人間というのは面倒なもので、愛情の反対は憎悪ではないのです。
 憎悪は愛情の違う表現なのだと思います。愛情の反対は無関心だと
 言われています。家庭内で無関心というものほど、厳しい環境はないと
 思います。現代社会は、あまりに多くのエンターテイメントがあり、
 趣味も多様になり夫婦共稼ぎが主流になりました。母親が忙しくなり
 すぎているのです。日本社会は母親に求めるものが多すぎます。

 仕事も友達も大切ですが、家族関係が全ての人間関係の土台になって
 いるのだと実感しています。

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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